最近、ことりちゃんの様子が変だ。
週明けから少し違和感はあったけど、日に日に弱っていっている気がする。
よし、今日はいつもよりテンション上げて盛り上げてみよう!
待ち合わせ場所が見えてくる。もう全員揃ってるみたい。よし、いくぞ!
「ことりちゃん!!! おっは「ひぃぃ!!!」よ……あれ?」
ことりちゃんがしゃがんで丸まってる。凄く怯えた様子でガタガタ震えている。
「ご、ごめん! ことりちゃん! 驚かせちゃった!?」
「ことり、だ、大丈夫ですか!?」
「あ……ご、ごめん……穂乃果ちゃん……な、なんでもないの。少し、驚いちゃった……」
「少しっていうか……」
明らかに普通じゃない。小さい頃からよく一緒に過ごしてきたけど、ここまで怯えているのは初めてだ。
「あの」
「ご、ごめん! 穂乃果ちゃん海未ちゃん楽人くん! 私先に行ってるね!」
「こ、ことりちゃん!?」
そう言ってことりちゃんは走って行ってしまった。
「2人とも、ことりちゃんに何があったのか知らないかい?」
「ううん、分からない……」
「私もです……」
「うーん……困ったな……」
どうやら楽人くんも分からないみたい。一体どうしてしまったんだろう……
「何か分かったら教えて。僕も何か分かったら言うから。じゃあまた」
そう言って楽人くんも行ってしまった。
「……穂乃果……」
「だ、大丈夫だよ! 学校に着いたらまた聞いてみよう?」
「そう……ですね……」
学校に着くとことりちゃんの席に姿はなかった。ただ席を立ってるだけかと思って待ってみるけど授業が始まっても席は空いたままだ。
休憩になってから先生に聞いてみると朝から保健室に行ってたらしく、今日はもう早退したことが分かった。
その日から、ことりちゃんは学校に来なくなった。
毎朝楽人くんはことりちゃんの家に寄っているみたいだけど出てきてくれないみたい。
それから数日。
楽人くんも待ち合わせ場所に来なくなった。
「さすがにこのままだといけないよ! 無理矢理にでも迎えに行って、何があったのか聞き出して、そしてみんなで解決しよう!!」
「しかし……いや、そうですね。どんな事であっても私たちなら乗り越えられます。今までそうだったように!」
ということで、朝からことりちゃんの家まで迎えに行く事にした私たち。
ことりちゃんの家が見えてきた頃……
「……ことりちゃん?」
曲がり角にことりちゃんらしき影が見えた。
「行こう海未ちゃん!」
「はい!」
そうして後を追っていくとことりちゃんが一軒の家に入っていくところが見えた。
「あれ……?この家って……」
「ええ、確かこの家は……」
そう、私たちの記憶が正しければこの家は……
楽人くんの家だ。
どうして? なんで朝から楽人くんの家に?? 何か分かったら互いに連絡しようって約束したのに?
「穂乃果、あの小窓から中が見えます」
いや、そんなまさか、ありえない。楽人くんがそんな事。嫌な思考を隅に追いやる。きっと楽人くんはことりちゃんを励ます為に家に呼んだだけに違いない。昔から仲良しなんだし、とても優しいし、彼のおかげで私も音ノ木坂に入れた。大丈夫。問題ない。連絡をくれてないのもきっと何か理由があっての事に違いない。
海未ちゃんと小窓から中を覗く。
薄暗い室内にことりちゃんらしき人影と楽人くんらしき人影が僅かに見える。
楽人くんらしき人影が何かを取り出す。
ことりちゃんらしき人影が腕を差し出す。
そして…………
あまりの衝撃に地面に座り込む。力が入らない。
海未ちゃんはどこかに電話をかけている。
少ししてサイレンが近づいてきた。
警察だ。
海未ちゃんが事情を話す。
警察と一緒に私たちも突入する。
私たちは一直線にことりちゃんに駆け寄る。
強くことりちゃんの事を抱きしめる。
「待って!! 違うの!! 楽人くんは!! 離して!! 楽人くん!! 楽人くん!!!!」
「ごめんね、ことりちゃん」
捕まる楽人くん。
「楽人くん……私たち……信じてたのに……」
「あなたは……あなたは最低です……!!!」
こうして私たちの日常は、終わりを迎えた。