イナズマイレブンRTA 雷門ルート   作:nrnr

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 しばらくはシリアスが続くため各方面のメンタルがやばいことになりそうなので初投稿です。
 


パート13 新監督着任~鬼道来訪

 

 ようやく監督らしい監督が現れるRTA、はーじまーるよー。

 

 

 

 今回は冬海を追放し、同時にFF参加資格を失ってしまったところから。それもこれも全部影山って奴の仕業なんだ(なそ本)。

 というわけで、練習どころじゃないので一旦部室に戻りましょう。これからについて話し合わなければなりません。

 

「って言っても、誰に頼めばいいのか……」

 

 それなんですよねぇ。とりあえずどっか適当な先生を捕まえるにしても、冬海のようなスパイがどこにいたもんか分かったもんじゃないという……。

 全く、追放しなければ事故って大惨事、追放したら参加資格を失って大惨事、影山へのヘイトが高まる高まる。もう許さねえからなぁ?

 

 ちなみに新監督ですが、他の部の監督に兼任してもらおうとしても必ず断られます。そんな暇ねーから!って言われておしまいです。

 じゃあどうするのかっていうと……雷雷軒のおじさん、もとい響木正剛に頼み込むことになります。

 

 響木正剛はかつて伝説のイナズマイレブンでGKだった男です。ホモくんもこれについては鬼瓦刑事から聞いているため、そういう方面に誘導していきましょう。あんまり時間をかけると部員のやる気がなくなるわギスギスしてくるわでロクなことになりません。

 というわけで……ヘイ雷門先輩、監督っていうのはこの学校の教師じゃないとダメなんです?

 

「え? い、いえ、特にそういう規則はないけれど……」

 

 ならホモくんに案があるんですけど、雷雷軒の店長さんとかどうです? これは聞いた話なんですけど、あの人、伝説のイナズマイレブンでゴールキーパーやってたらしいですし……。

 

「そ、それ本当か!?」

 

 うっす。さっき来てた刑事さんがイナズマイレブンの人たちと知り合いらしくて、色々聞いたんです。

 

「そういえば、何で警察の人と知り合いだったんだ?」

 

 兄さんが入院する原因になった事故について調べてたらしくて、そこから色々あって連絡取るようになったんです。

 いやぁ、冬海について聞いた時は本当にビビりましたよ。まあそのお陰で先回りすることができたんですけど。

 

「あ、わ、悪い……」

 

 いや謝んなくてもいいですよ半田先輩、別に隠すような事情でもないですし。

 とにかく、もしかしたらワンチャンあるんじゃないかなーって思ったんですけど……どうです?

 

「ああ、さっそく頼みに行こうぜ!」

 

 はーい、じゃあ雷雷軒に向かいましょう……の、前に。

 流石に全員で向かうとお店の迷惑になるので、向かうのは最低限の人数とします。……元々客なんてほとんどいないとか言っちゃいけない、いいね?

 

 当然円堂は説得に向かうとして、残りは誰にしましょうかね。レベルが低い組は練習のために残るとして、あと土門は帝国関係者なので一応避けた方が無難かな。

 となると……豪炎寺と風丸、あとホモくんですかね。少なすぎても誠意が感じられないし、これくらいがちょうどいい塩梅です。

 では出発です、残りのメンバーには練習メニューを渡しておきましょう。

 

 ちなみに響木=サンの説得ですが、基本的に一回目はすげなく断られて終わりです。かつてイナズマイレブンだった自分が関わることで影山が何かやらかすことを恐れているんですね。

 ですが、鬼瓦刑事から彼がイナズマイレブンのGKだったという情報を手に入れておくと、円堂が「GK同士なら話が出来る!」と意気込んでくれるため、上手くいけば一回目でOKしてくれます。本来であれば明後日に鬼瓦刑事が円堂に接触することで起きるイベントですが、今回はホモくんが事前に接触していたため短縮できます。

 勝手に情報を流したことでホモくんの好感度が下がる可能性はありますが、どっちにしろ帝国関係者ってことで初期好感度は低いだろうし特に影響はありません。容赦なく切り込んでいきましょう。

 

 

 というわけで雷雷軒に到着です。おじゃましまーす……誰も客いない! 草ァ!

 営業の邪魔でもなさそうなので、仕込みをしている響木=サンに早速交渉していきましょう。

 

「監督になってください、お願いします!」

「仕事の邪魔だ」

「……すいません」

 

 客いねぇだろうが!

 はい、当たり前ですが冷たい反応ですね。ですが彼の感傷に付き合っている暇はありません、さくさく行きましょう。

 

 鬼瓦刑事から聞いたゾ、イナズマイレブンのキーパーだったんだってな! もしかしたらサッカーにはもう関わりたくなかったりするのかもしれないけど、今回だけは頼むよ頼むよ~。

 

「鬼瓦のオヤジめ。……あの時いなかったヤツもいるからもう一度言うぞ、イナズマイレブンは災いをもたらす」

 

 もうそんな段階は過ぎてるんですよぉ! 多分帝国のことを言ってるんでしょうけど、それについてはもう手遅れなんですって!

 

「──なんだと?」

「星崎、それを言っても大丈夫なのか?」

 

 関係者だから大丈夫だって安心しろよ~(投げやり)。

 やー、実はですね、つい先程雷門の監督が帝国のスパイだったと判明しましてね。その判明した理由っていうのが、奴が遠征に使うバスのブレーキに細工をしたからなんですわ。

 

「…………まさか」

 

 そのまさかだと思いますよー。ええ、40年前の悲劇の再来になるところでした。もうイナズマイレブン云々とか言ってる段階じゃないんです。

 仮に次の試合に出れなくなったとしても、今の雷門のメンバーなら来年があります。それを見逃すあいつだと思いますか?

 

「……そうか。お前、知ってるんだったな」

「知ってるって……? それにあいつって誰のことなんだ?」

 

 あっやべ、言葉の選択を間違えましたね。ちょっと今影山関係を説明するとロスになるのでこの場は濁しておきましょう。

 

 すんません円堂先輩、また後で説明します。ここはちょっと任せてくださいな。

 そういうわけなので、イナズマイレブンがもたらす災いだの何だのは関係ないんです。勿論やりたくないって言うなら無理強いはできないですけど、少しでもサッカーが好きな気持ちがあるのなら監督の件オナシャス!センセンシャル!

 

「…………まったく、ガキが好き勝手言ってくれる」

 

 よし、結構反応がいいですね。多分鬼瓦刑事と話したのが雷雷軒だったのが良い方向に働いたんでしょう、初期好感度もそこまで低くはなさそうです。

 とはいえホモくんだけではここまでしか揺れさせることはできません。決定打になりうるのは円堂だけです、何とかして円堂から言葉を投げる展開に持っていきたいんですが……え、なんです豪炎寺先輩、ちょっと外で話したいことがある?

 

 えっと……すみません、なんかそういうことらしいので、ちょっと抜けますね。円堂先輩、風丸先輩、後はオナシャス!

 

「わかった、こっちは任せてくれ」

「ああ。……キーパーなら、きっと大丈夫だ!」

 

 はい、じゃあ外に出て……それで、お話ってなんです?

 

「単刀直入に言うぞ。お前、何を知ってるんだ?」

 

 ですよねー。さっきうっかりゲロったのがまずかったですね……。

 

 ここで全部話すのはまず味です。下手に情報を与えるとねー……妹さんの関係であれこれ動き回った挙句ガバを発生させるんですよねこのシスコン……(1敗)。

 とりあえず影山の名前は絶対に伏せます。お兄ちゃんの境遇について話して、似た境遇なんだよアピールをしましょう。そうすれば豪炎寺も大体の事情を察してくれます、多分。

 

 えーっと、その……ホモくんの兄さんのお話はしましたよね。それと関係してくるんです。

 というのも、40年前のイナズマイレブンの事故以降、帝国に対抗しうる戦力を持つ学校のエースが結構な確率で交通事故に遭ってるんですね。

 

「…………なんだと?」

 

 事故に遭うのは選手本人だったりその家族だったりするんですが、どちらにしてもその選手は試合に出れず、結果として帝国は危うげなく優勝……そんなことが何回もあるんです、さすがにおかしいと思いませんか?

 兄さんはそれに気づいてたみたいで、色んな事故に関してまとめた資料が家に置いてあったんです。そんな兄さんまで事故に遭ったとなれば、もうこれは偶然じゃないですよ……例えばほら、口封じとか。

 

「そして、それを行った奴が、イナズマイレブンの事故を起こした犯人や冬海の背後にいる奴と関係がある……そういうことか」

 

 そうだよ。鬼瓦刑事と知り合ったのも、そこらへんが理由ですね。

 黙ってたのは謝ります。でも、帝国のサッカー部である兄さんにすら手を下す冷酷さを持つような奴が相手なんで、出来る限り円堂先輩たちを巻き込みたくはなかったんです。

 

「いや、疑っていたわけじゃない。ただ……」

 

 ただ?

 

「俺の妹は、去年の決勝の応援に来る途中で事故に遭った。サッカーをやめていたのもそれが理由だ。だから…………」

 

 そうですね、同じ犯人である可能性は十分にあると思いますよ。

 あ、念の為に言っておきますけど、帝国のサッカー部の面々はノータッチだと思います。だからその、彼らを責めるのはやめてクレメンス。

 

「心配するな。土門を見ていればそれくらいはわかる」

 

 ならヨシ! えーっと……他には何かあります?

 

「いや、もう大丈夫だ。悪かったな、色々と聞いて」

 

 まあホモくんも色々黙ってた負い目がありますから、これくらいならお安い御用ですよ。

 じゃあ、そろそろ中に戻りましょ──え、あれ、三人とも出てきた?

 

「二人とも、話は終わったのか?」

「ああ。……それで、どうなったんだ?」

「今からサッカーで勝負することになったんだ。シュートを三本止めたら監督になってくれるって!」

「止めたらな」

 

 展開が早い! まあ説得が無事に成功したようで何よりです。

 このように、円堂の説得が上手くいくと、こうして三本勝負をすることになります。響木がシュートを三本打ち、その全てを止めたら監督になるという約束をしてくれるのです。というわけで勝負のために河川敷にイクゾー!

 

 はい、では三本勝負です。

 ルールは至って簡単。響木が蹴り、円堂が止めます。腐っても元イナズマイレブン、響木のシュートは中々に強力ですが、今の円堂なら大丈夫です。大人しく観戦してましょう。

 

 一本目は素止めですね。二本目は【熱血パンチ改】……おろ、改の方使うんだ。これは熟練度的にありがたいですね。

 三本目のシュートはかなり強力ですが、これも見事に【ゴッドハンド】で防ぎ切りました。ノーマルシュートで【ゴッドハンド】を使わせるってわりとやばない?

 

 【ゴッドハンド】を見た響木はかなり嬉しそうに円堂に話しかけています。うんうん、上手くいって何より。

 

「監督の問題は何とかなりそうだな」

「ああ、流石は円堂だ」

 

 ですねー。それじゃあ皆さんにも報告しましょうか、良い知らせになって何よりです。

 では、響木監督を連れて雷門中に戻りましょう。

 

 

 戻ってきました。グラウンドで練習している部員に円堂が集合するように言います。

 

「ってことで、新監督だ!」

「響木正剛だ。よろしく頼む」

 

 オッスお願いしま~す。

 

 無事に監督の問題が解決したこともあって部員の士気はうなぎ登りです。RTA的にもイベントがかなりカットできるので万々歳ですね。

 とりあえず今日は時間も遅くなってきたので、ホモくんは練習に加わるのではなく今までの雷門の選手の情報や練習についての情報共有をしておきましょう。

 

 響木監督はわりと融通が利く監督なため、オーバーワークだったり効率が悪かったりしない限りは今まで通りの練習が可能です。しかも今までの特訓の内容を伝えた場合、それを踏まえた上で効率の良い特訓方法を考えてくれるため、ホモくんの負担がかなり減ります。

 ……いや、今までがおかしかったんですけどね。本来なら監督がやるべきことをホモくんがやってたことの方が異常なんですよ。ようやくまともな監督に巡り合えたんやなって……。

 

 まあ、そういうわけなのでさっさと伝えてしまいましょう。かくかくしかじか。

 

「なるほど……大体はそれでいいが、試合が近い以上、しばらくはイナビカリ修練場よりはグラウンドでの練習を優先すべきだろうな」

 

 ウィッス。必殺技も覚えたてのものが多かったりしますからね、帝国戦前に慣らしておいた方がいいと思います。

 残り数日で出来ることは限られてますし、今はできるだけ相手の付け入る隙をなくしていく方がいいかと。今まではホモくんと円堂先輩が指示出ししたりしてましたけど、ピッチにいるとどうしても見えるものは限られてきますんで……。

 

「ああ、それは俺に任せておけ。お前達は練習に集中しろ」

 

 監督がちゃんと監督している……! これにはホモくんもにっこり。

 後は部室にある選手のデータの場所を教えて、それから音無が今まで録画していた試合の映像も渡しておきます。こうすることでより効率的に指導を行ってくれるのでうま味です。

 

 これ以降はホモくんは練習メニューには少し提案をするくらいで大丈夫です。部員の実力が向上したら少しレベルアップさせるくらいでしょうか。

 今まで練習メニュー考案したり指導したりに使っていた時間を自分の練習に充てることができるようになるため、自分のレベルアップに専念できるようになります。難しいことはとりあえず響木監督に丸投げしましょう。

 

 

 お、部活が終わりましたね。じゃあまた特訓に……うん? なんです土門先輩。ちょっと一緒に帰りながら話したい?

 ……好感度イベント踏みましたね。チャート上、最初のイベントだけはこなす予定だったので問題はありませんが……予想よりもタイミングが早いな、これはあれか、さっき庇ったのとお兄ちゃんの効果ですかね?

 

 特に問題はないため、一緒に帰ることにしましょう。ここらでお兄ちゃんの情報を出来る限り抜いておきたいところ。

 他の部員と別れて歩き出します。……ってあら、土門先輩の家ってそっちでしたっけ?

 

「あー、いや、その……星崎さえ良かったら、一緒に清司のお見舞いに行ったりとか、いいか?」

 

 あっ……あー、なるほど。そういう感じになるんですね。別にホモくんは構いませんよ。(お見舞いに)いいよ!来いよ!

 では目的地変更です、病院に向かいましょう。今日は佐久間ニキがいないといいんですが。

 

 途中で花を買って……土門先輩が買ってくれましたね、これはお財布的にもありがたいです。はい、では久しぶりの病院です。

 兄さん久しぶりー、よし佐久間はいないな! 花瓶に花が活けてあるということは最近来たばかり、あるいは今日来て既に帰った後と見た! いやホモくんのご両親が来たっていう可能性もありますけど。

 

 とりあえずさっさと花瓶に花を活けて、土門の話を聞くとしましょう。

 それで土門先輩、お話って何です?

 

「別に大したことじゃないんだけどさ、清司のこととか、色々話したいと思ったんだよ」

 

 ああ~いいっすね~。そういうことならホモくんも大歓迎です。

 じゃあ早速……帝国にいた頃の兄さんってどんな感じだったんです? あと土門先輩との馴れ初めとか!

 

「帝国での清司? 友達は多かったな、ノリが良いっていうか、そんな感じで。馴れ初め……は、ほら、サッカー部で会ったのが最初だな」

 

 やっぱ陽キャじゃねえか! 佐久間以外の部員との仲良し度が気になりますね……こわいなーとづまりすとこ。

 じゃあ次、サッカー部ではどんな感じだったんです? あと土門先輩が名前呼びしてるあたりかなり仲良かったんじゃないですか?

 

「同じクラスだったしな、話す機会は多かったぜ。部活も、あいつは途中から一軍に上がったけど、その後も練習に付き合ってくれたんだよ。ああ、代わりに勉強教えてくれって言われたりってのもあったな」

 

 ほえー、そんなことがあったんすねぇ。……お兄ちゃん、さては知力低めだな?(凡推理)

 

「家での清司はどうだったんだ? やっぱ似たような感じか?」

 

 知らない……(真顔)。とりあえず適当にそれっぽいこと言っておきましょう。

 いや~普通っすよ。サッカー教えてくれたりとか、必殺技教えてくれたりとか、至って普通の良い兄さんです。あ、でももうすぐ中学上がるってのに頭撫でてくるのは勘弁してほしかったですね。

 

「やっぱりか……いや、頻繁に弟の話する時点で察してはいたけどやっぱブラコンだったんだなあいつ……」

 

 そうなんか(驚愕)。さてはあれだな? 帝国との練習試合の時に何人か様子がおかしいヤツがいたの、お兄ちゃんが話してたからだな?

 あと他に何か聞くことあったかな……下手に交友関係を突っ込んで聞くのも変だし、ここは一旦切り上げるべきか? いきなり質問攻めにするのもあれだし。

 

 じゃあ、そろそろ時間も遅くなってきたし今日は解散するとしましょう。

 土門先輩、今日はあざしたー。色々聞けてよかったです。

 

「ああ。……こっちこそ、今日は色々とありがとな」

 

 別にお礼言われるようなこと……あー、庇ったときのことか。別にホモくんは本当のこと言っただけですし、みんないい人だからなんだかんだで受け入れてくれたと思いますよ。

 

「だといいけどな。ま、嬉しかったことに変わりはないし、代わりっつーわけじゃないけど、なんか困ったことあったらいつでも頼ってくれよ!」

 

 おう、考えてやるよ(頼るとは言ってない)。ほら、あんまり頼ったりすると好感度イベント起きたりしてガバるからね。

 

 じゃ、今日は時間も遅いのでさっさと帰りましょう。メシってほかって宿題して寝ます。おやすみなさい。

 

 

 

 おはようございます。今日は別に早起きしたりはしません。

 いつも通りの日常なのでまた放課後までは倍速です。

 

 放課後になりました。今日はグラウンドを借りられないため、河川敷へ向かうことになります。響木監督との初練習ですね。

 今までの練習の内容は共有してあるため、特に変更などはありません。今は少しでも試合での動きを良くしたいため、紅白戦がメインです。

 

 ただし今後の練習、ホモくんのスタイルだけは変わります。

 はい、察しの良い兄貴はもうお分かりかと思いますが、必殺技の編成をガラッと変えましょう。【ギアドライブ改】【サンダーボルトV2】【そよかぜステップV2】【トラクタービーム】【スターダスト・シャワー】【ゴッドハンド】の6つにします。

 

 え、【火雷】はどうしたって? いやその、豪炎寺と染岡がまとめて相手チームにいるから入れても意味ないんや……。どうも円堂のGKとしての能力を伸ばすためにもより強いシュートを食らうべきみたいな感じらしいです。

 ド正論なので従います。もう片方のGKは監督がやってくれるため、こちらも遠慮なく打ち込んでいきましょう。

 

 今日の練習ですが、しばらく時間が経過すると鬼道がやってくるため、最初はブロック技は使いません。彼が帰ってからお披露目します。

 とりあえず最初はMFらしくプレイしておきましょう。多分帝国戦では前半と後半でポジション変えることになるのでこれが無駄になるってことはないと思います。

 

 じゃあTPを消費しすぎない程度に試合を繰り返して……(鬼道が)来たわね。

 

「偵察に来たのか?」

「案外、俺達が監督を見つけたことも知らずに不戦敗だと思い込んで笑いに来たのかもな」

 

 いくら対戦校とはいえ言い過ぎですよ染岡先輩。確かに偵察の可能性は高いですけど……。

 お、円堂が鬼道の元に向かいましたね。ちょっと確認したいことがあるのでホモくんもご一緒しましょう。

 

 お久しぶりですねー、何かご用ですか? それとも偵察?

 

「……冬海の件、謝りたかった。それに土門のことも」

 

 真面目ちゃんか?

 はい、ちゃんと鬼道が影山から離反しようとしてくれてますね。そして確認したかったことも問題ないと判明しました。

 

 ……いやね、もしも仮に万が一帝国メンバーが星崎兄の事故の真相に気づいてたら、そこからガバが大量発生しかねないからね。これだけは確認しておきたかったんですね。

 この様子だと全く気付いてないっぽいので安心安心。そのまま知らずにいてくれよな!

 

「あ、そのことはもういいんだ!」

 

 いやほんと軽いね?

 ……まあ、円堂先輩がいいならホモくんから言うべきことは特にないです。土門先輩も雷門の仲間になってくれたわけですから、謝罪されるようなことでもないですし。

 監督についても、どうせ貴方は知らなかったんでしょうし、結果として雷門の結束が強くなったってのもありますからね。プラマイゼロってやつです。

 

「そうか。……うらやましいよ、お前達が」

「えっ?」

「それに比べて俺達は……」

 

 あーあ、やっぱり曇ってますね。

 この通り、影山の悪事の一端を知ったことにより、鬼道は見事なまでにメンタルブレイクしてます。今まで勝ってたのが自分の実力じゃないかもしれないなんてことになったんだから当たり前だよなぁ?

 

 ちなみに選手のメンタルですが、その影響は馬鹿になりません。あんまりメンタルがズタボロの状態だと各ステにデバフが乗ったりします。だから先程の土門の件のようにある程度介入する必要があったんですね。

 敵なんだからそのままでいいじゃんと初見兄貴は思うかもしれませんが、敵にデバフが乗っていた場合、獲得経験値も大幅にダウンしてしまうのです。なのでよっぽどキツい試合でもない限りは敵のメンタルにも十分気を配ることを強く、お勧めします。

 

 じゃけん円堂カウンセリングのお時間といきましょうね~。助手はホモくんが務めさせていただきます。

 ってあの、なんで操作受け付けてくれないんです? えっちょっと、何ゆえ鬼道の胸ぐら掴んで、あっちょっとやめてやめてヤメロォ!(建前)ヤメロォ!(本音)

 

 

 

 今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

***

 

 

 

「帝国が全国の頂点に立ち続けていられたのは、総帥の策略があったからだ。……俺達の実力じゃない」

 

 

 ──その言葉を聞いた瞬間、反射的に目の前の男に掴みかかっていた。

 

「ほ、星崎!?」

 

 円堂先輩の制止が聞こえて、自分がやっていることの拙さに気付く。それでもこの手を放すことはできなかった。

 頭の中が煮えたぎるようだ。こんな感情を抱いたのはいつぶりだろう、もしかしたら初めてですらあるかもしれない。

 

「撤回しろ」

「な、に……」

「今の言葉、撤回しろ!」

 

 感情のままに怒鳴りつける。かろうじて残った理性で何とか手を上げないように自制するが、それも時間の問題だった。

 

 わかっている、こんなのはただの八つ当たりだ。

 けれど……けれど、目の前の男にだけは、それを言ってほしくはなかった。例え世界中の誰が否定しようと、この男にだけは胸を張っていてほしかったのだ。

 

 だってそうだろう。鬼道有人は帝国サッカー部のキャプテンだ。そんな男が自分達の実力を疑うなんて、それはつまり、今まで彼についてきた全ての選手の努力を、想いを踏みにじることに他ならない。

 ……ふざけるな。そんなことを許してなるものか。ただでさえ影山零治によって汚された兄さんの勝利を、これ以上……しかも他でもない兄さんが認めたキャプテンに貶められてたまるか。

 

「これ以上、これ以上……」

 

 吐き気がする。視界がぼやけて、頬に冷たい感覚が流れていく。きっと、今の自分はとてもじゃないが人に見せられる顔をしていない。

 それでも止まれない、止まれるわけがない。この男すら揺らぐ以上、僕は、僕だけは決してそれを認めるわけにはいかないのだから。

 

「兄さんを、侮辱するな────!」

 

 ありったけの力を振り絞り、伝えるべき言葉を叩きつけると同時に、円堂先輩の手によって鬼道有人から引きはがされる。

 

 抵抗する気力なんてもう残っていなかった。元々子供じみた癇癪でしかない自覚はあったから、甘んじてそれを受け入れる。

 ただ──目の前の男が顔を歪める様に、お前にその資格があるのかと罵りたくなる気持ちはどうしたって消えてくれはしなかった。

 




 
・星崎萌太

 この度ブチギレボンバーした。これだからブラコンは。
 だが覚えているだろうか、コイツを更にキレさせる人物との対面が迫ってきているのである……!



・星崎=ガバ発生源=清司

 圧倒的陽キャそしてブラコン。
 いつか目が覚めたら弟に勉強を教わる兄という光景が見られることになるかもしれない。



・鬼道有人

 完全なるとばっちり。
 
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