どうしてこのペースを今まで発揮できなかったんですか? ということで初投稿です。馬鹿だねぇ。
そして前回載せ忘れてしまいましたが、またまた支援絵をいただきました。豆腐餅様、本当にありがとうございます!
リンク(X、旧Twitterに飛びます)
ハーメルン浦島太郎したせいで挿絵システムの変化についていけてないんじゃ……。ということでリンク貼らせていただきます。申し訳ない……。
──炎のストライカー。
嫌な響きだ、と歯噛みする。
まるで今までに豪炎寺修也というストライカーが築き上げてきたものを虚仮にされたかのような不快感。つい先程までは“そう”と評され、マジン・ザ・ハンドを破ってすらみせた選手に興味があっただけのはずなのに──エイリア学園の選手が名乗っていたのだと知った今、豪炎寺の中にあるのはただただ腹立たしいと思う気持ちばかりだった。
豪炎寺は、今や日本中の誰もがその強さを疑うことのない雷門のエースストライカーだ。無論、得点数の話をすれば染岡や星崎の名前も上がるが、FWとしての貢献度や決めたシュートが試合の決定打になることが多かったこともあり、並び立つまでは許したとしても、そのポジションを譲ったつもりは一度もない。
だからこそ、そんな自身の代名詞とも言えるファイアトルネードを彷彿とさせる名乗りでもって雷門イレブンを騙そうとした南雲晴矢──否、バーンという男に対し、豪炎寺は恐らく他のどの雷門イレブンのメンバーよりも敵対心を抱いていた。
染岡の力を合わせることで生み出したドラゴントルネード。試合の中で強敵を突破するために編み出した、イナズマ落とし、イナズマ一号、イナズマ一号落とし、イナズマブレイク、ツインブーストF。確かにそれらも豪炎寺をエースストライカーたらしめる強力な必殺技だが、豪炎寺にとっての原点はファイアトルネードにある。
改良を重ね、体を鍛え上げることで徐々にエイリア学園相手にも通用するようになってきた、己の相棒、そして誇りでもある必殺技。それがエイリア学園の使う必殺技に劣るなんて評価を受けることを許してたまるものかという気持ちが、目の前の未知のチーム・プロミネンスを前にして膨れ上がることをやめない。
──それに。
ちらり、とどこか所在なさげにベンチに座る吹雪へと視線を向ける。
この試合、瞳子監督は彼を出さないという判断を下した。明らかな戦力低下を招く判断に普段であれば反論が山程出ていただろうが、監督が明かした吹雪の事情や彼自身のコンディションを踏まえればそんな意見が出るはずもない。
監督が語った事情、そして彼に背中を預け、最も辛かったであろう時に寄り添った染岡の知見。それらを組み合わせれば、今の彼がどういった精神状態にあるのかは概ね予想がつく。
生憎、自分は決して口が上手い方ではない。今の彼の心を立ち直らせるには力不足だという自覚はあった。……ならば、今の豪炎寺がすべきことはただ一つ。
この背中で、結果で示す。真に完璧なサッカーとは何かを、そして吹雪に並び立つ存在がここで待っていることを。
「行けるな、豪炎寺」
「当たり前だ」
ポジションにつこうとする自分に円堂がかけてきたのは、行けるか、という問いかけではなく、行けるな、という確認の言葉。その全幅の信頼に、しっかりと頷いてみせる。
未知の強敵だろうが知ったことか。豪炎寺というサッカープレイヤーはここで証明してみせるのだ。
己こそが真に“炎のストライカー”と呼ばれるに相応しい存在であることを。そして、そんな己を支えるチームがあってこそ、完璧と呼ばれるに相応しいサッカーが生まれるのだということを──!
* * *
ようやく今度こそ女装から解放されるRTA、もう始まってる!
今回は雷電が雷門イレブンに差し入れする野菜の収穫の手伝いを終え、彼が出ていくところを土方ブラザーズと共に見送ったところから。
散々走者が触れていた炎のストライカーさんともこれでしばらくはオサラバです。
この後の流れとしては、先にも触れた綱海というサーフィンを趣味とする男が円堂達に触発されてサッカー部に入部したことが雷門イレブンの元を訪れた彼の口から明かされ、彼が所属することとなった大海原中サッカー部との対戦をすることになります。瞳子監督はプロミネンス戦からの焦りもあって反対しますが、一人の意見が十人以上の意見に敵うわけないだろ!いい加減にしろ!(なおノリの悪い不動ェ)ということで練習試合はちゃーんと組まれますので安心してクレメンス。綱海加入イベントはこちらでかなりの妨害を重ねない限りはカットされることはありません。
……実際はもちろんそんな単純な流れではありませんが、(あんまり細かく触れてると)尺がね……詳しくはほんへを見て、どうぞ。
初見兄貴姉貴からすると、今更大海原中なんて普通の学校のサッカー部との試合で得るものはあまり無い……無さそうじゃない?となりそうですが、どっこいこれが中々の重要イベントだったりします。
まず、この試合を見た瞳子監督が綱海の才能に目をつけ、イナズマキャラバンに勧誘しようと判断するのが一点。背負うものも傷付くものもない、楽しいサッカーをすることで雷門イレブンのメンタルケアができるのが一点。そしてもう一点、今走においては触れることが無かった気がする究極奥義、【正義の鉄拳】の習得イベントが大海原中との試合や綱海との交流を行わないとフラグが足りずに後々にずれ込む形になってしまうというとんでもないガバポインヨがあるのです。
じゃけんこのイベントは大人しく発生させましょうね〜……一見この短縮に役立ちそうなイベントが後のロスに繋がるとはこのリハクの目を持ってしても(ry(1敗)。
当然ながらホモくんが大海原中関係のイベントに絡むことはありません。今まで土方家に缶詰だっただけなのとは異なり、ここからはホモくんも忙しくなってくるので(そっちに構っている暇なんて)ないです……というのも。
おっ、鬼瓦刑事から電話じゃ〜ん?
「星崎くん、朗報だ! 君のお兄さんの保護が完了した、もうエイリア学園の追っ手は見えない!」
そマ? やっぱ鬼瓦刑事優秀すぎんよ〜。ありがとナス!
「警察として当然のことをしたまでだ。それよりも、君はこれからどうする? お兄さんの安全は問題ないにしても……いや、だからこそ、連中は君の身柄をなりふり構わずに確保しにくる可能性がある。雷門が沖縄にいる今が合流のチャンスとはいえ……」
大丈夫っすよバッチェ考えてありますよ。
というわけで、これにて女装にはサラダバー! もうしないからね〜(◯っち並感)。これにはホモくんもニッコリ。
この地味に布の重量が気になる服を脱いで、取り出したるは以前ビックリハウスにあった地下修練場にて着用していた普通のジャージ。そうですね、雷門の方じゃない市販品のやつですね。そして今まで結んでいた髪をほどき──いやほどいた瞬間に例の垂れ犬耳癖毛が復活して草なんだ──後はフードを目深に被ればはい、工事完了です……。そうですね、原作で豪炎寺がやっていた雑変装ですね。
あっ、おい待てぃ(江戸っ子)、今まで散々あの雑変装バカにしてきてただルルォ⁉︎と思う兄貴達もいるでしょうが、このタイミングまでくれば実はこの雑変装は便利まであります。
というのも、人質の安全が確保された今、ホモくんが沖縄にいることがバレたとしてもタァイムには何の影響もありません。ここからはいかにしてエイリア学園に確保されずに雷門イレブンに合流するかが肝であり、そのタイミングもイプシロン改戦がベストな以上、バレるバレないは誤差の範疇でしかないのです。
とはいえ、ノーマークだった沖縄にいきなりポップしたとしてもエイリア学園の手が及ばないはずもなく……いくらホモくん側に捕まらないだけのスキルがあったとしても、鬼瓦刑事からしてみれば心配なんてもんじゃありません。じゃけんこちらから協力を要請しましょうね〜。お前達の協力が必要だったんだよ!(大胆な告白は以下略)
作戦は至って単純です。このホモくんと同じ格好をした人達に囮になってもらってエイリア学園を撹乱してもらいます。以上!
「……思ってたより現実的かつ効果的な案だな…………。わかった、すぐに手配しよう」
思ってたよりって何だよ(困惑)。
元々この策についてはこちらから言い出さなくても鬼瓦刑事が思いついてくれるんですが、こうしてホモくん側から言い出すことで無駄なやり取りをカットできます。な、なんか……(こいつ)久々にRTAらしい挙動してんな……(小並感)。
あとは写メで現在のホモくんの格好を送っておきましょう。こうすれば警察の人達がよりスムーズに変装の準備をできるようになります。
とはいえ正直なところ、この後イプシロン改戦で合流するまでの経過時間は基本的に変わらないため、この会話はやってもやらなくてもいい流れではあります。今回は……そうですね、未だプロミネンス戦のちゃんとした映像を見れていないため、万が一にもガバが発生していないか確認する時間を確保するためですね。
今チャートにおいてホモくんがあの試合の内容を見るためには、鬼瓦刑事の部下が記録していた映像を見せてもらうしかないので。合流の際に警察の人達の車に乗るターンがあるため、その間に見せてもらえるようにしましょう。その辺りもメールに添えておきます。
さて、以上をもって土方家とはお別れになります。雷電ニキは留守ですが、そちらの方には鬼瓦刑事が連絡を入れてくれるため、ホモくんは鬼瓦刑事が迎えに来るまでの間に土方ブラザーズに事情を話してお別れを済ませておきましょう。
「そっか……ちょっと寂しくなるね……」
「絶対あのエイリア学園ってやつけちょんけちょんにしてやれよな! 萌太の
「ぜーんぶ終わったらまた遊びに来てね! 約束だよ!」
おう、考えといてやるよ(遊びに来るとは言ってない)。
おっ、そうこうしている内に鬼瓦刑事がやってきました。早いぞォ⁉︎
「待たせたな、萌太くん。こちらの準備は完了だ」
それでは鬼瓦刑事の車にのりこめー^ ^ わぁい^ ^
やったぜ。無事鬼瓦刑事と合流です。
早速プロミネンス戦の映像を出してもらおうか……の前に、まずは今後の細かい予定のすり合わせです。言い出したのが突然だし鬼瓦刑事の到着も早かったからね、しょうがないね。
「さて。大体の作戦は君が言ってくれた通りで問題ないが……こちらとしても監s、フォローがしやすい場所を動いてもらいたいからな。ここからは俺達が事前に決めた通りの場所に向かうことになる。いいな?」
今監視って言わなかった? どういうこったよ。
「今までの君の動きを思い出してくれ……とにかく、エイリア学園の連中を炙り出すためにも、まずは君がどこかに現れた姿を見せておく必要がある。そうしないとこの後の囮が機能しないからな」
それが鬼瓦刑事の望みなら……!(アア゛ッ↑)
特に反論もないため、ここは大人しく指示に従いましょう。……というか、ここから先は豪炎寺の代わりに離脱した場合に起こる強制イベントなため、 反論もクソもないんだよなぁ。
「話し合いの結果、まずは見晴らしのいい所に向かうことになった。エイリア学園の目がどこにあるのかは分からない以上、目につきそうな場所で手当たり次第に試すしかない。まずはこの付近にある埠頭だ」
…………はい、もう原作既知ニキネキはお分かりになったことでしょう。
そうだよ。本来ここにいるべき豪炎寺がいないと後々大変なことになってしまうとあるキーマンの救済イベントがここで挟まれます。そう、我らが未来の雷門イレブンの革命児こと松風天馬です。
原作ほんへの流れでは、沖縄で潜伏していた豪炎寺がたまたま埠頭にいた際に天馬が飼い犬のサスケと遊んでいる所に遭遇し、そんな彼があわや落ちてきた木材の下敷きになりかけた*1所をファイアトルネードで救出する、という形となっております。そしてその時のサッカーボールには彼が雷門のことを想って描いたイナズママークがあり、それを見た天馬が雷門イレブンに憧れるようになるわけです。
が、今チャートにおける豪炎寺はバリバリイナズマキャラバンで現役の身。そんな彼がわざわざ埠頭に来るはずもなく……このままじゃエルドラドが歴史改変するまでもなく天馬が雷門イレブンに来る未来が壊れちゃ^〜う! というわけでホモくんの出番となるわけです。え、天馬を見捨てるルート? あるわけないだろいい加減にしろ!(強制イベント)
そういうことなので、ここは大人しく言うことを聞きましょう。ここからクルルァが埠頭に到着するまで見るものがない み な さ ま の た め に ぃ、あらかじめ頼んでおいたプロミネンス戦の映像を見せてもらいます。
* * *
「よぉ、お前が豪炎寺か。聞いてるぜ?
嘲るような色を宿したその言葉に、ぎり、と拳を握り締めた。
ここで動揺や激情を露わにすればそれはすぐさまプレーの中で隙となって表れるだろう、そう自分に言い聞かせて静かに息を吐く。相手の思惑に乗るわけにはいかない。……今の一言で負けられない理由が増えた以上は尚更だ。
「……星崎を脅したのはお前達か」
「星崎ぃ? ああ、グランがご執心のあいつのことか。その辺りは俺は詳しくねぇが、ま、話だけは聞いてるぜ」
「…………」
「何だよ、そっちから聞いといて無視か?」
鬼瓦刑事が夕香を保護したと聞いた時から察してはいたが、さも当然のように汚い手段を口にするその姿には反吐が出る。これ以上こんな奴らに好き勝手させてたまるものか。
そのためにも、まずはこの試合に勝たなければ──。
試合開始の合図と同時に、全速力で相手ゴールへと駆け上がる。今までの連中と同じく油断しているのか、マスターランクを名乗る割にプロミネンスの動きは鈍い。たとえ誘われているのだとしても、これを利用しない手はなかった。
あえてなのか、突破できなくはないマークが張り付いてくる。──やはり誘導されている、他でもないファイアトルネードに。そのための“炎のストライカー”という名乗りだったのだろうか。だがここで乗るのはまだ早い、そう判断して背後の浦部にバックパスを出す。
3トップの速攻戦術、それが今回の瞳子監督の決断だ。ザ・ジェネシス戦の際に一方的にゴールを奪われるだけだったこともあり、序盤は多少防御を捨ててでも攻めに行くべきだと判断したのだろう。先程の──腹立たしいことではあるが、おそらく手加減をしていた──アトミックフレアにマジン・ザ・ハンドを破られている以上、確かにその判断は正しいと言える。
だが、この試合における自分の役割は点を取ることだけではない。打てるからといってここでシュートを打つわけにはいかないのだ。まして、誘導されている、試されていると分かっている単独シュートであれば尚のこと。
「染岡!」
「おうよ! ドラゴントルネード──」
「改‼︎」
浦部からのパスを受け取った染岡と共に、あえてドラゴントルネードを放つ。
「バーンアウト」
──止められる。想定内だ。ザ・ジェネシスでの敗戦を経た今、そう簡単にシュートを決められると思うほど甘い判断は持ち合わせていない。
だが、少しでも相手を消耗させることができれば、それは後の得点に繋がる。恐らく監督もそれを意図した上でこの攻撃的なフォーメーションを組んだのだろう。今までに色々と思うところはあったが、その判断は確かなものだということも豪炎寺の知る所だった。
しかし、やはり相手はエイリア学園。そう簡単にこちらの策が通じるわけもない。
「なんだ、こんなモンか? グランが気にかけてるって話だったが、言うほど大したことないな」
瞬間、旋風が横を駆け抜ける。
(────速い!)
ザ・ジェネシスに勝るとも劣らぬ加速。あの圧倒的な力量差を事前に叩きつけられていなければ、もっと反応は遅れていただろう。
反射的にその場から走り出す。間に合うか、いや無理だ。既にボールは自陣深くに切り込んだバーンの元にある!
「いくぜ──アトミックフレア!」
先程と同じ、いやそれ以上の圧でもってシュートがゴールに迫る。壁山と土方が間に入ろうとしたが僅かに届かない、そのままボールが円堂に迫っていき──。
「マジン・ザ・ハンド! ……ぅ、ぐあああああっ‼︎」
ゴールネットを突き破らんばかりの勢いのシュートに円堂が吹き飛ばされ、数秒遅れてホイッスルが鳴り響く。
……やはり強い。こちらの反応をほとんど許さない圧倒的なスピードは、いくらザ・ジェネシスとの試合を経験したからといってそう簡単には埋められない差を突き付けてくる。
「円堂!」
「おい、大丈夫か⁉︎」
「……はは、やっぱすげぇシュートだ。でも、次は絶対に止める……!」
だが、円堂はまだ諦めていない。あの敗北を経て更に一回り大きくなった彼が膝をつかないのであれば、自分もまたそれに応えない理由などないのだ。
そうだ、次は止める。これ以上の得点は許さず、そして点を取り返す。それは円堂だけでも、豪炎寺だけでもできないことだ。それをこの試合を見ている吹雪に見せ、かつ試合の流れをこちらに持ってくるためには──。
「染岡、浦部。次のシュートをお前達に任せてもいいか」
「……ドラゴントルネードじゃなくてか?」
「ああ。……試したいことがある。あいつらに勝つためにも、この先のためにも」
無茶なことを言っている自覚はある。ワイバーンブリザードが使えない以上、自分たちの出せる最も威力の高いシュートはドラゴントルネードだ。その機会をわざわざ投げ捨てるなんて、普通に考えればまず有り得ない。
だが、あのアトミックフレアを破るため、そして相手ゴールを破るためにもそうしなければならないという確信めいた予感が豪炎寺の中にあった。
「…………わかった、お前を信じるぜ」
「まかしとき! 何ならこっちで一点取ってみせるで〜!」
思う所があるだろうに頷いてくれた二人にこちらも頷き返し、ポジションにつく。そしてボールは染岡に渡り──駆け上がっていく二人を見送り、豪炎寺はそのままDF陣と同じ位置まで後退した。
「ご、豪炎寺⁉︎」
何の説明もないままにそんなことをすれば、当然ながら他の雷門イレブンは動揺した様子を見せる。鬼道や円堂がこちらの意図を読もうとするのに無言で返し、立ち止まるはゴールの真っ正面。
そうして視線を向けた先、浦部のローズスプラッシュがあちらのゴールキーパーに止められ、再びプロミネンスのメンバーがこちらに上がり──。
「へえ、真っ向勝負か。いいぜ、付き合ってやる」
予想通り、再びそのボールがバーンに渡る。バーンは己の意図を理解したのか、その唇を釣り上げながら再びシュートの構えに入り……それと同時に、己も高く跳び上がった。
空中で体を捻る。今まで何十、何百、何千と重ねてきた動き、その一つ一つを更に洗練させるために意識を集中する。そして目の前にボールが来たのならば、やるべき事はただ一つ。
「アトミック──」
「 真──」
「──フレア!」
「──ファイアトルネード‼︎」
二つの炎が空中で激突する。荒れ狂う熱風に姿勢が崩れそうになる、それを執念でもって持ち堪える。
余裕の表情を浮かべていたバーンが徐々にその眼差しを鋭いものへと変えていくのが視界に映った。そしてあちらの脚に込められた力が徐々に増していき、それに負けずと押し返す。
拮抗────いや、僅かに敵わない。今まで気合いとしか言いようのないもので保っていたバランスは、もう少し力を加えられれば決壊するだろう。
…………なら!
「一ノ瀬!」
「なにっ⁉︎」
今まで込めていた力、それを受け流す形へと変える。そうなれば力を込めていた相手は姿勢を崩す、それをみすみす見逃すつもりはない。
下にいた一ノ瀬にパスを出す。予想外の動きだったのかプロミネンスの他メンバーの妨害はない、そしてそんな絶好のタイミングを生かさない雷門イレブンではなかった。
「フレイムダンス!」
相手が本来の実力を発揮していれば防がれたであろう必殺技も、この瞬間であれば通りやすくなる。相手もすぐに立て直してボールを奪いに向かったが、それだけの時間があれば豪炎寺が体勢を整えるには十分だった。
「テメェ……!」
まんまとしてやられたことにプライドが刺激されでもしたのか、同じく体勢を整えたバーンがこちらを睨みつけてくる。だが、それに構っている暇はない。
今の一撃、確かに自分の方が劣っていた。あのまま競り負けたとしても円堂が止めただろうが、それでも一ストライカーとしての勝負では豪炎寺が負けていた。認めよう、確かに目の前の男は“炎のストライカー”を名乗るに足る実力の持ち主だ。
──だが、全く敵わない相手ではない。そう豪炎寺の脚の疼きが訴える。今の一撃で与えられた衝撃は確かに大きかったが、同時に豪炎寺の中に新たな炎を生み出してもいた。
いけるか、そう豪炎寺は己の体に問いかける。
チャンスは恐らく一度きり、それを逃せば脚は持たないかもしれない。だが、今この身に燃え上がる炎こそが状況を打開しうる鍵かもしれないのだ、やらない理由がなかった。
「皇帝ペンギン──」
「「2号‼︎」」
鬼道達が放つ皇帝ペンギン2号が相手のゴールへと向かっていくのを追いかけるようにフィールドを駆け抜ける。バーンも、誰も追っては来ない。ゴールが破られるなんて考えもしていないのだろう。
目の前で皇帝ペンギン2号がパンチングによって弾かれるのが見え──豪炎寺は、弾かれるようにそのボールの前に身体を躍らせた。
己の内から炎が燃え上がる。ファイアトルネードとはまた違う、この身ごと焦がすかのような炎。コントロール出来るか、いやしてみせる。この程度を御せずして何が雷門のエースストライカーか、むしろこの程度の炎で足りるものか!
燃えろ、もっと燃え盛れ。仲間が生んだこの千載一遇のチャンスを逃すな。本気で“炎のストライカー”を名乗りたいのならば、この一撃に全てを込めろ──!
炎が燃え上がる。高く、高く、そして渦巻くようにして形を成した炎は、円堂のマジン・ザ・ハンドを彷彿とさせる魔神の姿となって豪炎寺の背後に顕れた。
そのエネルギーに従うがままに豪炎寺は空中へと再び跳び上がる。より高く、ファイアトルネードの時の景色よりも更に高みへと昇っていく。そうだ、これが己の新しい必殺技、仲間と共に見る新しい世界────!
「爆熱ストーム‼︎」
轟音。爆風。
全てを置き去りにして炎がゴールへと走っていく。プロミネンスのゴールキーパー・グレントが我に返ったように必殺技を繰り出そうとするが──そんな判断の遅いキーパーにこのシュートが止められるはずもない。
バーンのアトミックフレアに負けぬ勢いでもって、爆熱ストームがゴールネットに深く、深く突き刺さる。……数秒の沈黙の後、弾かれたような喝采がフィールドを埋め尽くした。
「ゴ、ゴ、ゴォォォール! なんというパワー! なんというスピード! 豪炎寺修也、炎のストライカーの名は譲らないとばかりの圧巻の新必殺技でもって、エイリア学園プロミネンスから初ゴールを奪い取ったぁぁぁ‼︎」
実況の興奮に当てられたかのように、次々と仲間が駆け寄ってくる。
「すげえ、すげえよ豪炎寺!」
「フッ……流石は俺達のエースストライカーだな」
たかが一点、されど一点。しかもエイリア学園の新チーム相手に同点に持ち込んだ形になったシュートに、雷門イレブンの誰もが笑みを浮かべる。
……それは、ベンチにいた吹雪も同じことで。
「…………これが、豪炎寺くんにとっての、完璧なサッカー」
少し前なら劣等感を覚えていたかもしれないシュート、しかし吹雪に浮かぶ表情はそんなことを微塵も感じさせない柔らかいもの。
まだ自分の答えを出すことはできない。それでも、吹雪は今自分があそこに立っていないことが悔しくてたまらなかった。
* * *
はい、視聴完了です……。
事前に聞いていた通り試合結果は1−1、豪炎寺の【爆熱ストーム】習得イベントもチャート通り。何よりベンチにいた吹雪のメンタルがわりと試合を通して安定していっている風に見えたのもああ〜いいっすね〜。あと流れるように【ファイアトルネード】が進化してて草なんだ。
今チャートの流れだとここで吹雪がプロミネンス戦に参加する可能性はほぼないです。というか、半端なメンタルで復帰されてもまた折れそうで怖い……怖くない?
というわけで、こ↑こ↓で特に気にするべきはベンチの吹雪の様子です。このプロミネンス戦において豪炎寺が「男なら背中で語れ」をかましてくれれば大抵はメンタルが上向いてくれるんですが、もしそれでもダメそうならホモくん復帰後にフォローを入れる必要がある、すなわちガバっているので再走案件となります。こんな所で今更ガバとかやめてくれよ……。
あとはそうですね、グランの出番ですね。流石にここまで勝手に大暴れしたとなるとエイリア学園側も事態に気付き、ここで雷門イレブンを潰されたくはないグランがエイリア皇帝陛下()の指示の下にプロミネンスを撤退させに来ます。はい、映像の中、半ば強制的な形でグランとバーン、プロミネンスの面々が帰還していきました。
「着いたぞ、ここだ。いいな、星崎くん。絶対にそのフードは外さないこと、それからもしエイリア学園の関係者がいたとしても決して深追いしないこと。わかったな?」
おかのした!
そうこうしている間に埠頭に到着です。ちょうどプロミネンス戦の映像も終わりましたし、ナイス(タイミング)ゥ!
言われた通りにフードをしっかりと被り直し、いざ埠頭! 万が一(万が一ではなく確定イベント)に備えて手持ちのサッカーボールを取り出しやすい場所に配置するのを忘れずに。
では、未来のサッカーのためにも天馬を助けにイクゾー! デッデッデデデデ! (カーン) デデデデ!
今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。
・ホモくん
ようやく女装を脱却した。それくらいしか書くことがない。
次回ようやく雷門と合流なるか。あと某シーンって埠頭で合ってるのか?(無知)(エリア一帯を埠頭と呼ぶ+木材等の資材が置いてあるのでその可能性が高い)(そんな危険な場所で子供を一人にするな定期)
・豪炎寺
アトミックフレアに対抗する形で爆熱ストームを生み出した。炎のストライカーの座を譲るつもりは微塵もない。
もうこいつが主人公でいいよと思いながら書いていたのはここだけの話。むしろ男前度が足りてないまである。原作が男前すぎるんじゃ。
・プロミネンス戦のフォーメーション
FWに豪炎寺・染岡・リカ、MFに一ノ瀬・鬼道・佐久間・塔子、DFに壁山・木暮・(ゲスト参戦の)土方、GKに円堂。
実はぬるっと佐久間が復帰していた。途中の皇帝ペンギン2号にも参加してたりする。ゲスト参戦なのに出番のなかった土方ェ……(筆者の力量不足)。
・この地味に布の重量が気になる服を〜
お前は何を言っているんだ(現在計32kgの重りを装備中)。