イナズマイレブンRTA 雷門ルート   作:nrnr

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 案の定ガバが大爆発したので初投稿です。
 今回のためのR-15だったりしたりしなかったり。
 


パート9 イナビカリ修練場

  

 ────はじまりは、小さな違和感だった。

 

 

「兄さん? ……兄さん、どうしたの?」

「──え?」

「手、止まってるよ」

 

 兄さんが、ぼんやりすることが増えた。

 

 それは食事中であったり、こうして一緒に勉強をしている時であったり、特にきっかけがあったりするわけではない。ふと気が付くと、黙り込んで、何か物思いにふけっている。

 一度や二度ならまだしも、もう数週間はこんな調子だった。最初は兄さんも色々あるんだろうと思って踏み込むまいと考えていたけれど、ここまで長い間引きずっているとなると、流石に見て見ぬフリもできない。

 

「何か悩みごと? 僕でよければ、話を聞くくらいはできるけど……」

 

 もしかして、学校で何かあったんだろうか。例えば友達と大喧嘩をしただとか──兄さんは少し気が強いからありえなくはない──、部活で何かトラブルがあっただとか。

 ……それにしては、悩んでいる期間が長すぎる気がする。お母さんは「思春期だから」なんて軽く捉えていたけれど、切り替えが早い方である兄さんがここまで引きずるなんて、それ自体が異常だと思う。

 

「いや、大丈夫だ。萌太が気にするようなことじゃねえよ」

 

 けれど、兄さんは悩みを口にすることはなかった。

 いつものように僕の頭を少し乱暴に撫でて、何もなかったかのように問題集に向き合うその顔に、先程までの影はない。こうなってしまえば、頑固な兄さんが口を割ることはないだろう。

 

「……そっか。でも、何かあったらちゃんと言ってね」

「おう」

 

 兄さんが望まない以上、無理に聞き出すなんてことはできない。

 兄さんだって、聞かれたくないこと、知られたくないことはある。僕は兄さんの負担になりたいわけじゃない、助けになりたいのだから。

 

 …………ただ、何故だろうか。今の兄さんを見ていると、すごく、すごく嫌な予感がした。

 

 

 

 そして、その予感はすぐに現実のものになる。

 

「よーし萌太、久々に一緒にサッカーするか!」

「え、いいの?」

「ああ、今日は一日フリーだからな。今まで見てやれなかった分、たっぷり扱いてやるよ!」

 

 そう言った兄さんと一緒に河川敷へ向かって、体力が尽きるまで一緒にボールを追いかける。帝国一軍である兄さんは忙しいから、こんな風にサッカーをしたのは実に数ヵ月ぶりだった。

 兄さんの代名詞とも言えるギアドライブのコツも大分つかめてきた。あともう少しでものにできるだろうと褒められて、それが嬉しくて、もっと頑張ろうとボールを蹴り続ける。

 

 そんな風に過ごしている内に、いつの間にかあの時感じた不安はすっかり消え去っていた。

 

「うっし、今日はこんくらいにしとくか。この調子なら、入学前には必殺技を使えるようになるだろうな」

「そうかな?」

「おうよ、さっすが俺の弟だぜ!」

 

 やや乱暴に頭を撫でられる。ただでさえ走り回ったことで乱れた髪が更にぼさぼさになって、流石に閉口してしまった。

 別に撫でられるのが嫌なわけじゃあないけれど、もう少し時と場合を考えてほしい。……流石に、中学に上がれば人前で撫でられることはなくなると信じたいところだけれど。でも癖っていうのはなかなか治るものじゃないっていうし、今から言っておいた方がいいんだろうか。

 

「兄さん、さすがにそろそろそういうのは……僕ももうすぐ中学生なんだし」

「いいんだよ、俺にとっては可愛い弟なんだから!」

「そうじゃなくて……」

 

 ……こういうの、暖簾に腕押しって言うんだっけか。あとは糠に釘、豆腐にかすがいとか。

 まあ、兄さんがやりたいっていうなら少しは我慢しよう。とりあえず、サッカーボールで顔を隠していじけるようなポーズを取ることで、反抗するポーズは取っておくけれど。

 

 そうやっていつも通りの会話をして、いつも通りの家路につく。

 そして交差点を渡ろうとして──。

 

「────萌太ッ!」

 

 どん、と。強い衝撃が体を襲う。その勢いのままに突き飛ばされて、次の瞬間には地面に打ち付けられていた。

 

「いっ……何、にいさ──」

 

 全身に走る痛みをこらえて、何とか体を起き上がらせる。

 一瞬のことだったから、何が起きたのかなんて全くわからなかった。背中に触れた感触からして、兄さんに突き飛ばされたんだろうか。でも、どうして? 

 その疑問のままに背後を振り返って──。

 

「…………え?」

 

 絶句する。

 振り向いたそこには、だんだんと広がる赤い液体と共に地面に倒れ伏す兄さんの姿があった。

 

 信じられない。信じたくない。目の前の光景が現実だなんて認められない。

 こんなの、きっと悪い夢だ。だって、ついさっきまであんなに元気にサッカーをしていたのに、隣で笑っていてくれたのに。それなのに、こんな、こんな──。

 

「う、嘘、だよね……冗談だよね……?」

 

 震える手で肩を揺する。こういう時には下手に動かさない方がいいなんていう考えはこれっぽっちも浮かばなかった。

 

 どうして動かないんだろう。どうして返事をしてくれないんだろう。いつもみたいに笑ってよ、こんなの平気だって言ってよ。

 放り出されたままの手を握っても、握り返してくれることはない。ましてや、その手を持ち上げて、頭を撫でてくれることだって。

 

 ヒュ、と喉から空気が漏れ出す。うまく息ができない、ただひたすらに目の前の光景を目に焼き付けるだけの機械と化したかのようだ。

 目の前で赤い池が広がっていくのを、ただ茫然と見つめることしかできない。体中が、鉛を流し込まれたかのように重くなっていく。

 

 ……遠くから、救急車のサイレンが聞こえてくる。その音で、ようやく自分達が事故に遭ったんだと認識した。

 認識して──それでも理解したくなくて、現実を拒絶しようと頭が割れるように痛む。視界がぐるぐると歪み、兄さんに触れているはずの手の感触すら曖昧になっていって、そこで思考はぷつりと途絶えた。

 

 

 

 

 

 次に目が覚めた時には、自分は病院の一室に寝かされていた。

 

 すぐに駆け付けたお母さんとお父さんから、おおよその事情を聴かされる。

 当然ながらというべきか、僕達が事故にあったのは夢でもなんでもなかった。僕が寝込んでいたのは一日ほどで、体に異常がなかったことから精神的なショックによるものだろうとのこと。

 

 兄さんはというと、当然ながら手術をすることになった。搬送が早かったことや致命傷は避けていたこともあって、後遺症は残らない可能性の方が高いらしい。

 ……けれど。

 

「意識が戻る気配がないと、そう言われたよ。脳に異常があったりはしないそうだが……」

 

 兄さんは、そのまま目覚めることはなかった。

 僕が退院して、その後何度病室を訪れても、事態は好転することも悪化することもない。もしかしたらもう二度と目を覚まさないんじゃないかとすら思うようになって、その度そんなことを考える自分に嫌気が差す日々を送り、自分の心のどこかが削れていくようだった。

 

 もしもあの時、僕がもっと早く近づいてくる車に気付けていたら。もしも、もっと早く練習を切り上げていたなら。

 ──全部、全部僕のせいだ。僕を庇ったりしなければ、兄さんが傷つくことなんてなかったのに。他でもない僕自身が、兄さんから全てを奪ってしまったのだ。

 

 

 一日経って、二日経って、何度無為に過ごす日を繰り返しただろうか。兄さんを傷つけてしまったあの日から、僕は何もする気が起きなくなっていた。

 友達と話すことがなくなった。サッカーなんて以ての外だ。空腹を感じることすらほとんどなくなったような気がする。そんな風に過ごしている内に、学校に行っている間以外はほとんど部屋に引きこもるようになっていった。

 

 そして、そんなある日のこと。

 

「清司がいつ起きるかわからないし、今のうちに必要そうなものを持っていこうと思うの。ちょっと手伝ってくれる?」

 

 お母さんがそんなことを言って、僕を兄さんの部屋に放り込んだ。

 

 多分、そうやってやることを与えることで、何とかして気分転換をさせようというお母さんなりの気遣いだったんだろう。もっとも、それが兄さんに関係することだというのは皮肉みたいなものだけれど。

 あまりお母さんが部屋をのぞくと兄さんが嫌がるだろうからという理由もついていたし、断る理由もなかったから、言われたことはこなそうと手を動かす。

 下着だとか、入院生活で暇つぶしに使えそうな……そうだ、兄さんは小説よりは漫画派なんだった、そういったものを袋に入れてまとめていく。

 

「……あれ」

 

 そして、最後に教科書の類を入れようとして、見覚えのないクリアファイルを見つけた。

 

 兄さんは、言っては悪いけれどずぼらな面が目立つ。配布されたプリントなどは適当に引き出しに放り込むことが多かった。クリアファイルを使っているところなんて見たことがない。

 それほどに重要な書類なんだろうか。それなら、これも持っていった方がいいかもしれない。そんなことを考えながら手に取って、何とはなしに中身をのぞく。

 

「イナズマイレブン? 雷門の、サッカー部……」

 

 それは、新聞記事の切り抜きや、ネットでの噂話のようなものをまとめたスクラップだった。

 僕達が住んでいる稲妻町にある雷門中、どうやらあそこは40年ほど前まではサッカーの強豪校だったらしい。特に40年前の世代は『イナズマイレブン』と呼ばれ、伝説のようになっていると書いてあった。そして、その伝説のチームは決勝の日に事故に遭い、不戦敗になってしまったとも。

 

 でも、どうしてこんなものが兄さんの部屋にあるんだろう。兄さんは帝国学園のサッカー部だし、雷門なんて関係ないはずだ。わざわざ調べるにしても、こんなに昔のことを知ったところで特に利益があるとは思えない。

 それとも、他に何か理由があるんだろうか。少し気になって、パラパラとその資料の束をめくり────。

 

「………………なに、これ」

 

 思わず、その場にへたり込む。

 

 その資料の全てが、中学サッカー界における名プレーヤーに関するものだった。時代も年齢も、所属校もバラバラな彼らは、しかしある一点だけは共通していた。

 ──交通事故。資料に載っている誰もが、事故によってサッカーを離れざるを得なくなっていたのだ。

 

 選手自身が事故にあって、二度とサッカーができない身体になってしまっていた。あるいは、家族が事故に巻き込まれたことで、試合を放棄せざるを得なくなった選手がいた。そして──その誰もが、帝国学園以外のその年の優勝候補だった。

 当然、どの年のフットボールフロンティアも帝国学園が優勝している。帝国がここ40年無敗なのは、サッカーをやっている人間であればほとんどが知っていることだ。けれど、もしもこの資料が全て本当のことを記しているのであれば、事情は違ってくる。

 

 優勝候補の中学のエースが試合に出られなくて得をするのは誰だ? この事故によって勝利が盤石のものになるのは?

 突飛な発想だというのは承知の上で、それでも考えずにはいられない。だって、もしもこれが真実なのであれば……帝国の無敗記録は、何者かの工作によるものということになってしまう。

 

 資料が手から滑り落ちる。あまりにも惨い事実に吐き気すら催しそうだ。

 兄さんがフットボールフロンティアで優勝した時の笑顔を思い出す。あれが他者の手によって仕組まれた勝利だなんて、どうして受け入れられるだろう。そんなの、兄さんの今までの努力を汚す行為に他ならない。

 

「こんな……こんな、ことって……」

 

 この資料が兄さんの部屋にあるということは、兄さんは何らかの形で同じ結論に辿り着いたのかもしれない。もしかして、最近ずっと悩んでいたのは、これが原因だったんだろうか。

 それに、交通事故と言って真っ先に思い浮かぶのはこの間の光景だ。兄さんは帝国の人間だけれど、このことを知られたら、いくら帝国の人間と言えど目障りに思えるはず。真実を知った人間を消そうとした……その可能性はゼロじゃない。

 

 何か、何か他に手掛かりはないだろうか。なんでもいい、この一連の事件の黒幕につながる情報が欲しい。

 思い過ごしならいいけれど、もしそうでないのであれば、兄は意図的に傷つけられたことになる。そんなこと、許せるはずがない。

 

 改めて資料を確認する。一枚一枚、どんな小さな情報も逃さないように。

 ……そして、最後の一枚。

 

「──影山零治。帝国学園総帥。…………イナズマイレブンのメンバー、か」

 

 そこには、今までの資料とは違い、兄自身の手で記された情報が書いてあった。

 

 雷門中サッカー部のメンバーであったはずの人間が、事故を境に帝国側につき、今となっては総帥となっている。……こんなもの、無関係だという方が無理だ。

 更に、どうやら当時イナズマイレブンの監督であった円堂大介という人物は、影山零治の父である影山東吾と因縁があるらしい。影山東吾と円堂大介、そのどちらもプロサッカー選手だったとも。

 これだけの情報があれば、大体の事情は掴めてくる。おそらく影山零治という男は円堂大介を憎んでいて、その感情を当時の帝国に利用されたか、あるいは影山零治の方が帝国を利用するかして、イナズマイレブンを排除しようとした、といったところだろうか。

 

 とはいえ、これはあくまで状況証拠。ただの偶然と言ってしまえばそれまでだ。兄さんのことを含め、決定的な証拠になるものは何一つとして存在しない。

 なら、どうすればいい。どうすれば兄さんの無念を晴らせるだろうか。何か、僕のような子供でも使える手は……。

 

(…………ある。ひとつだけ、僕でもできることが)

 

 答えは簡単だ。使えるのは僕自身だけ。なら、それを使えばいい。

 影山零治という男は雷門と因縁がある。その雷門に、事故に遭った兄さんの弟である僕が入学する──決して無視できることではないはずだ。

 

 余程の馬鹿でもない限り、兄さんと同じだけの情報を僕が知っていると考えるだろう。僕のことも排除しようと動くはずだ。そうなれば、証拠だって出てくるかもしれない。

 もっとも、もしも万が一、影山という男が何も関係がないのであれば無駄な手でしかないけれど……それならそれで、兄さんの事故が故意に起こされたものではないということになる。それは巡り巡って兄さんの、帝国の優勝が本物であるという証明になるはずだ。

 

 

 こうして、僕は雷門に入学することになった。両親を説得するのは少し骨が折れたけれど、兄さんがいない辛さを味わいたくないと言えば納得してくれた。

 帝国に比べるとレベルはそれなりだから勉強の面でも問題はない。唯一気になる点があるとすれば、雷門のサッカー部は弱小チームらしいということだけれど……どちらにしろ、中学ではサッカー部に入るつもりはなかった。

 

 僕が雷門に行くのは、あの事故の黒幕をおびき出すためだ。親しい人間を作ったりしたら、ましてやそれがサッカー部の人間だったりすれば、その人を巻き込んでしまうことになりかねない。ただでさえ兄さんは僕のせいであんな目に遭ってしまったのだ、これ以上被害を増やすわけにはいかなかった。同じ過ちを繰り返すなんて、絶対に許されない。

 

 ……そう、思っていたのに。

 

「よーし、もう一回!」

 

 一人の中学生が、小学生のサッカーチーム相手にゴールを守るその姿に、思わず目を奪われる。

 

 別に、その中学生の技量が秀でているわけではない。必殺技が使えるわけではないし、基礎の面から見てもまだまだ粗削りだ。帝国のサッカー部に比べれば天と地ほどの差がある、今の僕でも抜けるかもしれない。

 それなのに、目の前の光景から目が離せない。視界に映るその人は、今まで見た誰よりもキラキラした笑顔でボールを追いかけていた。その全身でもって、サッカーが好きだと、サッカーが楽しいのだと訴えかけるかのように。

 

 ──ああ、もしもあの人と一緒にサッカーができたら、それはどれだけ楽しいものになるんだろう。

 ダメだとわかっているのに、そんな思いを抱くのを止められない。兄さんがあんな目にあってからずっと凍りついていた心の一部が溶かされていくかのようだ。

 

(あのユニフォームは……雷門の)

 

 雷門イレブン。今となっては弱小チームでしかないはずのそこに、過去なんて関係なく興味が湧いた。

 今はまだ、この足を踏み出す勇気も覚悟もない。それでも、もしも、もしも自分が入学する時まであの人がサッカー部にいたのなら、その時は。

 

 彼は雷門のサッカー部。いくら今は弱くても、影山零治にとって因縁のある存在であることに変わりはない。

 だったらいっそ、傍で彼を見守ればいい。僕が傍にいるせいで狙われるというのなら、今度こそ守ってみせよう。

 

 

 だから、円堂先輩────どうかあなたは、いつまでもその笑顔のままで。

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

 怒涛のフラグ回収を突き進むRTA、はーじまーるよー。

 

 

 

 今回はいよいよ腹を括ってホモくんの日記を読んだところから。

 ……えっと、まあ、その、なんです。

 

 

 何だお前(素)。

 

 

 いやお前……ええ……。

 何で帝国の人間が影山に消されそうになってんのかと思ったらとんでもねぇガバが発覚した件。というかこれは実質影山のガバなのでは? 当時中学一年生のお兄ちゃんに看破されるとか、影山は†悔い改めて†。

 

 本来なら再走案件ですが、ホモくんがイナイレ特有のクッソ重い過去持ちとか、一周回って面白くなってきたので続行します(死んだ魚の目)。

 逆に考えるんだ……これだけ重い過去なら他のキャラが同情してくれたりして触れなかったりするよ。あと好感度があんまり下がらなかったりしそう、しない?

 

 

 はい、じゃあ驚きの真相をちゃっちゃと鬼瓦刑事に伝えちゃいましょう。

 

 いやねー、実はホモくんのお兄さん、帝国総帥である影山零治がFFに関する裏工作をしてたんじゃないかって勘づいてたらしくて。家にそれをまとめた資料が置いてあったんすよ。

 それを読んで、兄さんは口封じのために消されそうになったんじゃないかって考えてたんですけど……どうやら正解だったみたいですねぇ。

 

「……そうか、辛いことを思い出させてしまったな」

 

 や、気にしないでください。むしろホモくんの考えが間違ってなかったって分かったことで前進したわけですし。

 というか、否定が入らないあたり、やっぱ黒幕は影山で当たりなんですね。

 

「恐らくはな。ヤツは40年前のイナズマイレブンの事故にも関与している疑いがある。……イナズマイレブンのことは知っているか?」

 

 バリバリ知ってます。兄さんの資料にもまとめてありましたし、最近色んな人に名前を聞くので。

 あっ、そうだ(唐突)。資料は家にありますけど、コピーとか渡した方がいいです?

 

「そうだな。それなら連絡先を渡しておこう、都合の良い時にでも連絡を入れてくれ」

 

 よーし、鬼瓦刑事の電話番号ゲットだぜ!

 

 チャート上、彼の連絡先は絶対に入手しておかなければならなかったのでこれは嬉しい誤算ですね。ホモくんは携帯電話を持っているのでしっかり登録しておきましょう。

 ホモくんの電話番号も伝えておくのを忘れずに。オッスお願いしま~す。

 

 じゃあ、コピーができ次第また連絡しますんで。くれぐれも交通事故とかには気を付けろよ!

 

「ああ、君もな。くれぐれも無理はするなよ」

 

 はい、では鬼瓦刑事と別れます。

 今度こそ帰宅してとっとと寝ましょう。おやすみなさい!

 

 

 

 おはようございます。また放課後までは倍速です。

 本日の部活ですが、夏未に部室で待機と言われます。何か見せたいものがあるとのことですが、部員一同全く心当たりはありません。

 

 待っている間は暇なので、筋トレしたり御影専農の情報についてまとめたりしましょう。へー、あの杉森って人がGKになってからは無失点なんすね。

 【ドラゴントルネード】や【イナズマ落とし】、【火雷】も効かないかもしれないのでちょっと雰囲気が暗いですが、昨日ホモくんが発破かけたこともあって原作よりは大分マシですね。展開に違いが出たりはありませんが、好感度は高く保っておくに越したことはありません。ただしくれぐれも稼ぎすぎは禁物です、そんなことしたらサブイベ大量発生からの大幅ロスに繋がってチャートがあーもうめちゃくちゃだよ(35敗)。

 

 お、木野が来ましたね。夏未が呼んでいるとのことなので、さっそく向かいましょう。

 

 

 呼び出された場所に行くと、そこには重々しい扉が待ち構えていました。ちなみに呼び出した本人はまだ来ていないようです。

 

 目金によると、ここは雷門中学七不思議のひとつ、開かずの扉だそうです。なんでも昔ここで生徒が姿を消して、それ以来ここに入った人間は二度と帰ってこないとか。

 ……なんかみんなして怯えてますね。いや普通に考えてそんなことあるかい。まずそんな事件が起きたら真っ先に取り壊されてると思うんですけど(名推理)。

 

 あ、扉開きました。みんなして叫んでるせいで悲鳴がうるっさ! というわけで耳栓つけますね。

 当然ながら、扉の向こうにいたのはお化けでもなんでもありません。ここに呼び出した夏未です。せっかくイナビカリ修練場を見つけたから紹介しようとしたのに怯えられるとか、いや流石にこれ夏未が可哀相すぎるな?

 

 では、開かずの扉でもなんでもないと判明したことですし、とっとと中にイクゾー!

 

 

 トンネルを抜けると、そこは謎の機械が並ぶ修練場だった。

 というわけでお待たせしました、待望のイナビカリ修練場の解放です! どんどんぱふぱふー!

 

 円堂と夏未がなんか青春(ツンデレ)っぽい会話をしているので、その間にこのイナビカリ修練場についてさらっと説明しておきましょう。

 

 イナビカリ修練場は、かつて伝説のイナズマイレブンが使っていた秘密特訓場です。

 車に追いかけられながらひたすらに走り続けるベルトコンベアーだとか、カジノのルーレットみたいなのの上で走り続けるとか、上からレーザー銃が撃ってくるからそれをひたすらに避け続けるだとか、ガトリングみたく発射され続けるボールを防ぎ続けるだとか……サッカーの訓練……サッカーの訓練…………?(宇宙猫)

 ま、まあとにかくそんな感じの特訓をひたすらにやり続けます。ちなみに入り口の扉はタイマーロックがかかっているため、一連の特訓が終わるまでは絶対に出られません。

 

 必殺技の開発が行われたという謳い文句に反して、サッカー要素はほとんどない特訓です。レーザー銃とボールガトリングに関しては必殺技を使うこともできますが、他は熟練度を稼いだりはできません。

 つまるところ、基礎ステをひたすらに伸ばす特訓場というわけですね。必殺技の特訓とは?

 

 話だけ聞くと微妙に思えなくもないですが、そもそもイナビカリ修練場の存在意義は、取得経験値の圧倒的な多さにあります。

 というのも、今までの特訓がアホみたいに思えるほどに経験値がボロボロもらえるため、ここからは一気にレベリングが楽になるのです。レベルが上がれば当然必殺技が習得できるため、ここで数々の必殺技が開発されたという言葉にも嘘はありません。しかも各特訓はそれぞれ対応するステータスにボーナスが入るようになっているので更にうま味です。

 

 

 はい、では会話も終わったようなので早速特訓に移りましょう。

 今日はルーレットの上を走るやつにします。風丸、染岡、少林寺と一緒ですね。扉が閉められて……足場が急に動き出しました。さあ走れ走れー!

 

 このルーレットの特訓はわりとシンプルです。要はひたすら走り続ければいいだけですからね。

 ただし注意点として、他のキャラクターがコケたりした場合、それに巻き込まれて転倒する恐れがあります。なので一緒に特訓しているキャラの様子には十分注意しましょう。下手すると巻き込み事故が連発して大惨事になります(18敗)。

 

 それにしてもこの特訓、なんか……こう……ハムスターの滑車を思い出しますね。ひたすらに回り続けるのとか。

 

「そんなこと言ってる場合か!」

「なんでそんな余裕なの!?」

 

 えっだって今のホモくんわりとステータスが高いので……。

 あ、慣れてきたらここにボールを投入してそれを避けながら走り続けるのとか、どうです?

 

「できるかー!!」

 

 ぴえん。

 

 

 では特訓が終わるまでの間は倍速にします。走って走って走って……お、足場が止まりましたね。

 それぞれの装置が動きを止めた途端、部員が糸が切れたように倒れ込みました。死屍累々ってこういうことを言うのね……GPも半分以上削れているのが大半です。かろうじて円堂と豪炎寺、あと染岡がマシなくらいでしょうか。

 お、軒並みレベルアップしてますね。ホモくんも上がってるのでポインヨを筋力と知力に振っておきましょう。

 

 あまりのボロボロっぷりに、扉の向こうで待っていた木野と音無が真っ青になっています。信じて送り出した部員がズタボロで帰ってきて冷えてるか~?

 まあこれから一週間ずっとこの特訓続けるので、見とけよ見とけよ~。

 

 はい、解散です。というわけで早速買い物に行きましょう。昨日買えなかった重りを購入します。

 今度は2kgの重り×4です、今までのものと付け替えましょう。使い終わった重りはそのまま売却できるので少しでもお金の足しにします。……なんで買い取ってもらえるんでしょうね、まあゲームだから当然といえば当然なんですが。

 

 では重りも付けたので帰……らずに河川敷に向かいます。この時間になればもう人はいないため、必殺技も使い放題です。

 というわけで早速シュート練と行きましょう。GPはまだ2/3ほどは残っているので心配いりません。【サンダーボルト】もあと数発でカンストしますし、カンストし次第【ギアドライブ改】と【サンダーボルトV2】を交互に打つようにします。

 

 また倍速です。はい【サンダーボルト】カンスト。後はいつも通りGPが1/5になるまで続けましょう。

 終わったら家に帰ります。寝る前に昨日約束した資料のコピーを取って、いつ鬼瓦刑事へ連絡してもいいようにしておきましょう。はいおやすみなさい。

 

 

 

 おはようございます、はい倍速。残り一週間弱はひたすら同じ特訓の繰り返しです。今の内に計8kgの重りに慣れておきましょう。

 というわけで今日はレーザー銃の特訓です、御影専農戦までに何としても【そよかぜステップ】を進化させます。

 

 レーザー銃の特訓では、ひたすら頭上のレーザー銃からランダムに放たれる銃撃を避け続けます。今回はこれをドリブルしながらやりましょう。

 銃撃は上の銃の動きを見ていれば普通に予測できるので、余裕があるタイミングで【そよかぜステップ】を使っていきます。TP切れにはくれぐれも注意してください。

 

 ほーら【そよかぜステップ】! って回避先に銃撃するのは卑怯だと思うんですがそれは。【そよかぜステップ】! 回避! 回避! 【そよかぜステップ】!

 お、ようやく【そよかぜステップV2】に進化しました。長い……戦いだったね……。枠がいっぱいなので、ここは【サンダーボルト】を外して【そよかぜステップV2】に入れ替えましょう。

 

 後はひたすら倍速です。イナビカリ修練場の解放後はしばらくタイヤ特訓イベントは起きないので、部活後はシュート練一本に絞り込みます。時々円堂に雷雷軒に誘われたりしますが、それは御影専農戦に勝った後のご褒美に取っておきましょう。

 当然ながらお兄ちゃんのお見舞いもしばらくはお預けです。そんな暇ねーから!

 

 はい、御影専農戦前の最後の特訓が終わりました。明日の試合に備えて、今日はシュート練はなしで早く帰るようにしましょう。

 今まで貯まったポインヨも筋力と知力にぶっこんで……お、駆け込みで必殺技覚えましたね。

 

【トラクタービーム】

 

 ファッ!?ウーン……。

 はい、これも今作オリジナルの必殺技です。山属性のブロック技、しかもかなりの高威力。ぶっちゃけこんな序盤で出てきてくれるのなんてレア中のレアです。アッもしかしてここで運使い果たした……?

 

 このブロック技、シュートブロックこそ出来ませんが、それ以外ならクソ強いです。技の内容も、自分を中心に円を描くように無重力の空間を作って敵を宙に浮かせて無力化、そしてボールを自分の元に引き寄せることができるというもの。しかも進化するごとに効果範囲が広がります。強い(確信)。

 その分消費TPも多いんですが、それに十分見合う威力なので問題ないです。や、そう……これがあるなら帝国戦での立ち回りも大分変わってくるな……。

 

 よし、これは一旦お蔵入りにしておきましょう、帝国戦での切り札にします。御影専農相手に使ったりしたら対策を取られかねません。

 というわけで帰宅! 日課をこなしたらおやすやしましょう。

 

 

 今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。

 




 
・星崎弟

 《アイデア》に成功したのでSANチェックです。

 身内が交通事故に遭う+自分を庇ったせいで重症。
 イナイレ界の強キャラは暗い過去を持たなければならないルールでもあるんだろうか。

 兄の事故の真相を探るために自分を囮にするくらいにはブラコン。
 円堂の練習風景を見かけなければ豪炎寺みたくサッカーから離れていたかもしれない、さす円。でもそのせいで円堂先輩を曇らせるもの絶対排除するマンと化しつつある。

 

・星崎兄

 お前は知りすぎた。

 いくら帝国一軍という影山の近くにいられる環境だったとはいえ、影山の真相にここまで近づくあたり相当優秀。それが仇になったけどな!
 ちなみに知力は弟の方が高い。残念。



・ギアドライブ

 星崎清司が編み出した技。事故が起きた時点では星崎萌太は習得できていなかったが、後に気合で完成させた。
 ちなみに、弟の方が改進化であるのに対し、兄の方は原作通りのV進化。ギアドライブの場合、V進化ならバランスタイプ、改進化ならパワー高め。





・こぼれ話

 実は初期案の段階ではホモくんはわりとやべーやつだったりした。

 境遇自体はおおよそ同じだが、この事故で兄はそのまま死亡。
 真相を知った際、影山と円堂大介の因縁などを踏まえた上で「お前が排除した帝国一軍の弟が雷門イレブンとして円堂大介の孫と一緒にお前のサッカーの集大成である帝国を叩き潰すことで、お前の今までの人生全てを否定してやる」とか考えて雷門中サッカー部に入部する、という展開になる予定だった。そして我らが教祖に絆されるまでがセット。
 なお、このパターンの場合は過去の開示が木戸川清修戦の直前になる。また、影山との和解はどう足掻いても不可能。

 要はガンギマリアヴェンジャーである。随分といい子になってしまって……。
 
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