仗助に双子の姉がいたらというもしも パート5 第6部へGO! 作:蜜柑ブタ
中庭へ行く徐倫とウェザーの奮闘は、割愛。
同じ時間軸で、花京院とミナミは……?
一度懲罰房行きになって電話が制限されている徐倫は、ミラションから巻き上げた金を使って電話の順番を買い取った。こういうところは、金次第という刑務所の良いところかもしれない。
そして、SPW財団に繋ぎ、空条徐倫の名を出して分かる人間に変わり、承太郎の状態を聞いて、蘇らせられる方法があることと、そのための手段であるディスクを手に入れたことを連絡。
そうしてSPW財団から提示されたのは…、刑務所の中庭でのディスクの受け渡しだった。
しかもこれから20分後に。
この電話が敵に盗聴されている可能性があるいじょう、早ければ早いほど良いからだ。
しかし、SPW財団側には、徐倫を助ける余力がないこと。自力で20分以内にディスクを持ち出し受け渡さなければならない覚悟があるならと。
サヴェンジ・ガーデン作戦。
そう名付けられた作戦が決行されることとなる。
「行くんだね?」
「ええ。」
「健闘を祈るよ。」
「ありがとう。」
ミナミは、徐倫とすれ違い横を通り過ぎる間際にそう会話を交わした。
ミナミもミナミで戦わなければならないのだ。
花京院とナランチャがすでにここへと向かっていることは分かっていた。
承太郎と情報を共有していた花京院と、ミナミがここにいてお怒りのナランチャ……。
敵は、まだ花京院が承太郎が知っている何かの情報を持っていることを知らないだろう。
知られちゃいけない。知らせてはいけない。
きっと花京院のことだから、すでに大まかにだが承太郎がどうして死を選んだのかを突き止めているはずだ。だからその理由を知るために来たのだ。
SPW財団と承太郎のことだ、ミナミをどういう形で刑務所に入れているのかは教えていないだろう。きっと花京院が自分の軌跡を辿ってくることは計算していて、あとのことを任せた可能性もある。己と情報を共有する親友であるからこそ。そしてホワイト・スネイクの狙いを知らないからこそ。
だが、今ソレが厄介なのだ。
ホワイト・スネイクの狙いが、承太郎の記憶の中にある何かの情報なら、それを共有している花京院の存在を知れば間違いなく花京院が狙われる。だからマズいのだ。知らないからこそ、狼の穴に羊を放り込んでしまったようなものだ。
なんとか花京院に帰ってもらわないといけない。そして自分が東方ミナミであることを敵に知らせてはいけない。
「荷が重い……。」
でも…
「分かってるよ。私がやらなきゃいけないんだってさ。あー、でも…。」
花京院の洞察力なら、ターロム・ミスラフが東方ミナミだと気づく可能性は高いし、勘の鋭いナランチャも気づく可能性は高い。
それに…
もう来ちゃってるよ
「それ早く言おうねー。」
愛陽は変なところで遅い。
だって、だってぇ
早かったんだもん
「それで? 二人はどこに?」
ミナミは、図書室で本を読むフリをして片目を閉じた。
その瞬間、片目に映った映像に、緑の筋が入った手がブルー・ブルー・ローズを掴んだ瞬間が見えた。
「あっ。」
『僕を欺こうだなんて、百万年早いよ?』
手遅れでした!
っと、ミナミは顔と身体に出ないよう力んで、本を掴んでいる手に力が入る。
『さて、ここは中庭だけど。なにやら騒々しいことになってるね。中では。』
「待ってください…。」
ミナミは立ち上がり、房に戻った。
そしてミナミは、気分が悪いと嘘を吐いてベットに寝転がった。
「花京院さん。花京院さん。お願いします。早くこの刑務所から出て行ってください。」
『それは出来ないな。僕は、ここで承太郎の死の真相を知る必要があるんだから。』
「お願いします。あなたが狙われる。敵は、まだそれを知らない。」
『どういうことだい?』
「あなたは、何か承太郎さんと話をしていませんか? 例えば知っていても口外するなって言われた情報が…。」
『……僕は、確かに承太郎とそういうやりとりと約束事は山ほどしてきたよ。その内のどれが敵の求める情報なのか…、重要なのはソレだ。』
「そこまで分かってて…。」
『覚悟の上さ。承太郎もこうなることは見越していたはずだ。何年彼と友人をしていると思っているんだい?』
「花京院さん……、お願いします…。逃げて…。」
『そうなれば君や徐倫ちゃんは、どうなる? 頼みの承太郎は死んでいるんだ。蘇生には…、君の花が必要だろう。そうだね?』
「なんでもお見通しか……。本当に……どうして…。」
『泣かないでくれ。君の責任じゃぁない。僕がココへ来たのは、僕の意思だ。それに対して責任を感じる必要はないんだ。……そうだろう? 『ホワイト・スネイク』。』
「か…!!」
ミナミの視界からハイエロファントグリーンが消えた。
視界がクリアになり、凄まじい数のヤドクガエルが降ってくる中、ホワイト・スネイクとハイエロファントグリーンの戦いが始まっていた。
『私としたことが失念していたよ。君という承太郎の親友の存在をね。』
『だからこそ承太郎はあえて自ら死を選んだ。あとのことを任せられるほどの情報を共有した友がいたからこそ!』
『ならば、東方ミナミを探す必要はなかった!』
『これはすべて間抜けな承太郎の責任だぞ!』
『聞こえているか、東方ミナミ! この刑務所のどこかに身を隠しているだろう!』
『これは、間抜けな承太郎とお前達の責任だ!』
『私が求める情報を記憶している花京院典明を、この場所へ導いたのだからな!!』
『……本体は、神父のようだね。違うかい?』
『! 貴様…!!』
『僕のハイエロファントグリーンの結界にお前はすでにかかっていた。それと…、この場にいるのが僕一人だとなぜそう思った?』
『なに?』
『エアロスミス!!』
『しまっ…!』
凄まじい弾丸の発射音が聞こえたが、その直後、パシーンとミナミの頭が叩かれて、集中が切れた。
「メシの時間だよ。」
同じ房にいる囚人だった。
「あ? ちょっと、あんた目から血が…。」
「だいじょうぶ。ちょっと目に力を入れすぎただけ。」
そう言ってミナミは目を擦った。
その後、中庭に毒ガエルが降ってくるという非常事態のため、中庭で倒れていた徐倫は、脱獄未遂の罪を不問とされたが、同行していたウェザーという男は負傷、さらに、看守がひとり毒ガエルの毒の体液にやられて倒れ、建物の出入り口にいた看守も失明、あと別の場所で男囚が大怪我をしているのが発見されたそうだ。
それらの話題の中に、花京院典明らしき人物の話題はなかった。もちろん、ナランチャ・ギルガらしき人物もである。
『やあ。』
「!」
食事中にニュッとハイエロファントグリーンが顔を出したため、ミナミは吹き出しかけた。
『なんとか切り抜けたよ。』
「うぅ~…。」
嬉しくて泣いて喚きたいのを堪える。
『もし……左手が傷で穴だらけになった神父がいたら…、ソイツこそがホワイト・スネイクの本体だ。いいね?』
「しんぷ?」
『僕は、ナランチャと一緒にこれから行動する。合流できたらいいね。』
「あの人(ナランチャ)は…大人しいですか?」
『大人しくさせてるさ。』
「さすが。」
『必ず、敵の目的も知ってみせる。そして君達を救ってみせる。』
「……はい。」
「ミスラフ。」
「あ、徐倫。もう退院?」
「F・Fに傷を詰めてもらったわ。」
そう言って徐倫は、銃弾を受けた傷口を見せた。何かかさぶたみたいな物が詰められている。
「ところで、その筋張ったメロンみたいなの、なに?」
『うーん…。承太郎からもそう言われたことあるなぁ。』
「はっ? 父を知っているの? 味方?」
『僕は、承太郎の代わりに君らを助けるため、そして敵の目的を知るために来たんだ。』
「そうなの?」
『いずれ合流しよう。少し待っててくれ。』
「…父はどうなったの?」
『………気になるかい?』
「ええ。」
『……生命活動は戻ったが、いぜん危険な状態だ。心の形で力であるスタンドが戻って来ただけだから、身体を動かそうとするエネルギーが、いや命そのものが枯渇している。』
「記憶はない状態ってこと?」
『死というのは、ある種、リセットだ。この世にすでに承太郎という魂の力自体の大元が失われているんだ。』
「それじゃあ……。」
『けれど、希望を失っちゃだめだ。方法はある。』
「方法って?」
『……僕が知る限り、ひとつだけある。けれど、それは、実行者にとって、手を血で汚すよりも酷なことだ。僕としては本当はやらせたくない。』
「教えて。」
徐倫は強い眼差しで聞く。
ハイエロファントグリーンは、ミナミをチラリと見た。ミナミは少し考えて頷いた。
『……東方ミナミのスタンド。』
「えっ?」
『あとは、本人に確認してくれ。これ以上は……。』
「あっ。」
そうしてハイエロファントグリーンは、姿を消した。
徐倫は、少し唖然としていたが、やがてミナミを見た。
「どういうこと…?」
「あとでね。ここじゃ人が多すぎる。」
刑務所の人気のない場所で。
『……私が促す必要もなかったか。しかし、花京院典明…そして、ナランチャ・ギルガ…。よくも……。なんとしてでも、承太郎か花京院の記憶のディスクがいる。そう……、『天国へ行く方法』を知り、共有する、どちらかの記憶が。』
ホワイト・スネイクは、エアロスミスで穴だらけになった左手を見てそう独り言を呟いた。
花京院のことがバレたけど、まだ記憶は取られてない。
もう少し伸ばします。
ホワイト・スネイク的には、どっちでもいいって感じです。
承太郎でも花京院でも。
ただ承太郎が息を吹き返したから、ミナミを狙う理由は、花を1本程度盗んで承太郎を再起動させてから記憶を奪う程度になっています。
次回は、徐倫ともめるかも。
これ…何度書き直しても納得がいくような出来にならないので、また書き直すかも。(とか言いつつ、書き直したことないけど)
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