仗助に双子の姉がいたらというもしも パート5  第6部へGO!   作:蜜柑ブタ

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vsケンゾー。


たぶん、このジジイ、1対多数でも勝てると思う。


けど、もっと4部勢を活躍させられたかな~?


ケンゾーの暗殺風水

 

「面白いのぅ…。」

 

「なんだぁ、あのジジイ?」

 動いたのは、老人の方だった。

「おう? かかってくんのか? やってやろうじゃねーかよ? スタンド使いならよー、ジジイ相手でも容赦はしねーぞ?」

「そこな男、右手に絶対的な自信があると見た。」

「!」

「頭が悪いが、それ故の自信。それ故の破壊力。単純なスタンドほど強いか…。まさにその通りじゃのう。」

「あぁ? クソジジイが! おらぁ!!」

 前に進み出る億泰。

「単純じゃのう。この程度のことで。」

「!」

 ザ・ハンドで空間を削り老人を引き寄せたが、引き寄せた瞬間には老人のパンチが億泰の腹に決まっていた。

「ーーーご…!?」

 億泰は、一気にこみ上げてきた嘔吐感に堪えきれず、吐き出した。血と一緒に。

 さらにアッパーカットが億泰の顎に決まり、億泰は倒れた。

「億泰君!」

「なんだ、あのジジイ!? スタンド出してねーのに!? 格闘技の達人か!?」

「わしの名は、ケンゾー。健康の秘訣は、睡眠8時間半と毎朝一杯の尿療法。肝心なのは続けること。知ってるかの? 尿療法。フェッフェッ。」

「ぁ…ぐ…。」

「ほう? 内臓を潰してやったのに、まだ息があるか。頭は悪いが生命力は相当なものじゃのう。ほれ、そっちの風変わりな頭の、早く治してやらんと死ぬぞ?」

「言われなくても…。」

「待て、仗助。」

「けど、このままじゃ億泰が!」

「敵の考えることを予想しろ! お前の回復能力を見られてるんだ! ここでお前が倒れたら一網打尽に出来るってことだってな!」

 ナランチャが進み出ようとする仗助を止める。

「だ、だけどっすね! 億泰を見捨てられねぇ!!」

「仗助!」

「仗助君!」

 ナランチャを振り切って仗助が億泰に向かって走り出した。

 ケンゾーの横を通り過ぎる際に、ケンゾーの蹴りが仗助の後頭部を狙った。

 しかし、当たる直後でピタッと止まり、仗助は虫の息の億泰を治療した。

「ほう? これまた面白い能力じゃのう?」

「うっ…、気づくなんて…。」

 康一は、驚く。

 仗助の後頭部には、エコーズAct2の文字が張り付いていた。ドゴーンという文字が。

「フェッフェッ。実に面白いのう、若造共。じゃがのう…。“結果”は見えておるんじゃ。」

 

 

 仗助!

 

 

「ふぉ?」

 仗助の真横から飛んできたケンゾーの足が仗助の頭を捉える前に、ブルー・ブルー・ローズが壁となってクッションとなった。

「むむむ?」

 ケンゾーの顔が歪む。

「なんだ、今の!?」

「ああ! なんか浮いてる! あれはスタンド!?」

 ケンゾーの近くに、水晶球のような大きな玉に包まれたドラゴンが巨大な矢印を思わせる突起物を持っている彫刻のような物が浮いていた。

「どういうことじゃ? 方角も結果も完璧じゃった。あの植物のような物は……。」

『そーだねー。アレはどんな“結果”も通用しねーぜ? なんでかなー?』

 ケンゾーがドラゴンの彫刻のような物と喋っている。

「お前は中立じゃろう?」

『けど事実だぜー。防がれちまったのが証拠だ。』

「むむ…。」

 ケンゾーは何やら不服そうだ。

 しかし、やがてシワだらけの顔を歪めて笑う。

「興味深い…!」

「仗助、逃げろ!」

「……っと、その前に、わしの相手がおるのう。」

 するとケンゾーは近くに転がっている膨らんだ囚人に軽く足で触れた。途端にその囚人の手が異常な動きをし、隣にある囚人を殴った。

 直後、その膨らんだ囚人の影から、F・Fが飛び出した。

「F・F!!」

 F・Fは飛びだした瞬間に、指からプランクトンの弾丸をケンゾーに向かって発射した。

 するとケンゾーの前を先ほど動いた囚人の足と手が壁になり当たらなかった。

「くそ! 膨らんだ身体の陰を伝わって来たのがバレていたか! しかも偶然、死体の手足が『F・F弾』を邪魔して奇襲失敗だったぜ!!」

「危ない危ない。」

 しかしケンゾーは静かなものだ。まるでこの“結果”が分かっていたように。

「どうやってここへ!?」

「徐倫。知らない間になんだこの大所帯? コイツら、味方?」

「味方の方が多いわ。敵は二人よ。」

 あっちと、こっちと徐倫がケンゾーと、もうひとりの謎の眼帯男を指差す。

「ん? 誰か来ますよ。」

 康一が階段から誰かが来るのを見た。

「あいつは…、エンポリオのところで見た…。」

 徐倫は、エンポリオが住んでいる幽霊の部屋で見たウェザーと一緒にいた奴だと思い出す。

「女? いや、男か?」

 その人物の容姿から、そう判断できた。しかし男にしては綺麗すぎるぐらいだが。

「…敵か?」

「敵じゃないって。」

 花京院が構えそうになったのでナランチャが止めた。

「まあ、いいや。詳しいことはあとで聞くけど、とりあえず、このジジイは…あたしが相手をする!」

「…フェッフェッ。」

「気をつけてください! このお爺さん、なにかヤバいです!」

「あんたらは下がってな。」

 康一の言葉を聞かずF・Fがケンゾーに接近する。

 ケンゾーは、両手を構える。すると、なにかドラゴンの彫刻のような物が模された輪っかが出現した。

「巽(たつみ)の方角。127度、30分20秒。」

 ケンゾーは、謎の言葉を呟き、F・Fを見る。

「汗が…。」

 F・Fの口元に垂れていく汗を見た。

「唇を開くか?」

 そしてF・Fが垂れていた汗に反応してつい口を僅かに開いた。

 しかし、その瞬間にF・F弾を放っていた。だがその弾丸はすべて紙一重で当たらなかった。

「!?」

「溺れてみるか?」

「ゴボッ!?」

 次の瞬間には、ケンゾーの右拳がF・Fの口に突っ込まれていた。

「人間が水で溺れる時間は、訓練された者で5分か7分かかる。だが、それは空気を吸い込んで肺の中に残っている場合だ。もし、両肺の空気を全て吐き出させた状況下でなら…、人は『数滴の水』で即死状態で溺れ死ぬ!!」

「コイツ…、こうやって他の連中を!?」

「口の中から直接、頸椎第四骨に打撃を与えた。副腎は、呼吸器官粘膜に潤滑油のように体液を分泌させる! たったの数滴だが…、気分は大海原に飲み込まれていく苦しみじゃろう。」

「ゴホ…。」

 そしてケンゾーがF・Fの口から手を抜き、F・Fが倒れた。

「F・F!!」

「お前達も溺れてみるか?」

「こ、この…ジジイ!!」

「待て、億泰!!」

「止めるな仗助ぇ!!」

「あのジジイはやべぇ! なにか分からねーが! あの至近距離でさっきの攻撃をどうやって避けた!? そしておめーの瞬間移動を読んだんだ!?」

「っ!」

「まるで、結果が分かってるみてーじゃねーか!」

 仗助が憤慨している億泰にそう言う。

 するとF・Fの指が動き、のどを膨らませている水分を指で貫いて抜いた。

「ほう?」

 そしてそれに気づいたケンゾーは、振り向くことなく、ドラゴンの彫刻が模された輪っかを出現させ、高く跳躍しF・F弾を避けるが足をかすめて僅かに出血。さらに跳躍したついでに上からF・Fに蹴りを入れようとすると、F・Fは、手すりの隙間に身体を柔らかくして入れて避けた。

「フェッフェッ…、お主…何者じゃ? 人間か?」

「F・F!」

「動かない方がイイ。」

「…あんた…、確か…アナスイって言ったっけ?」

 いつの間にかアナスイが徐倫の近くに来ていた。

「ここは、様子を見た方がいい。あのジジイがどんなスタンド使いなのか…、ここではハッキリと見極めとくべきじゃないのか? ここでの問題はいいか……。『溺れ』させたというあのジジイの拳法ではなく…、『弾丸』をかわした事の方だ。何気ないが…、なぜ弾丸が一発も命中しない? その方が危険ではないかな?」

「その通りだけど…。」

「……愛してるぜ。」

「?」

「ここに来るのがとても楽しみだった。」

「???」

「あの…、あなたは…?」

 康一が何気なく聞いたが、アナスイに綺麗に無視された。

 するとアナスイが、ケンゾーのことについて語り出した。

 

 ケンゾー。

 この刑務所にすでに40年服役している、自分の小便を飲むアホ野郎。

 しばらく男子監で見なかったが、ココ(厳正懲罰隔離房棟)にいたらしい。そしていつの間にかスタンド使いになっていた。

 1969年の秋に34名の若い男女を殺して、合計280年の刑をくらっている。

 当時37歳だったケンゾーは、カルト宗教の教祖を名乗っていた。

 教団にはハリウッド・スターも入信していたほど盛況だった。

 だが、その活動は信者や社会の間でトラブルを生み、警察やFBIが介入するほどの事態に。

 そして追い詰められたケンゾーは、フロリダの別荘地で自分についてくる34名の信者と共に立てこもり……。

 集団自殺を図った。

 全員に薬を飲ませ、火を放ったのだ。

 そして全員が焼死、教祖のケンゾーだけが生き残った。

 奇妙なことだが、たまたまケンゾーのところのみ建物の壁が崩れ落ちて炎と煙をガードした。

 瀕死の重傷で救出されたということは、ケンゾー自身も死ぬ気でいたのは間違いない。

 

「俺は何を言いたいのか? さぁな…、自分でも分からない……。ただジジイは、ひとりで生き残り、刑務所を出ることもないが、死刑になることにもならなかった。これが、アイツに関する、事実だ。」

「確かに奇妙だな。偶然にしては出来すぎているぜ。」

「つまり…その時点ですでにスタンド使いの素養が…?」

 自分でも知らぬ間にスタンド使いとしての力を発揮し始めているという、きっかけを待つだけの人間というのはいる。そのことは、後天的にスタンド使いとなった者達は知っている。

「お前が何者か知らないが…、お前の『長所』は、見えるぞ。」

 それは、サバイバーによる効果か、もっとも優れた肉体の部位が見えるのだ。

 F・Fの場合、本体はプランクトンの集合体。ゆえに血液と肉体に微生物が流れているのだ。

「だが、倒し方には、変わりないな。急所の位置も、肉体の構造も、どんな人間と変わりはしない。流れ出る血液もな。もう一撃、溺れてみるか? 次のは生還させない。庚の方角。225度0分。」

 するとケンゾーが静かな足運びで移動を始める。

「F・F…さん! 後ろ!」

「!」

 康一が叫ぶと同時にF・Fが背後にいるドラゴンの彫刻のような物体に気づいて、F・F弾を撃った。

『おいおい、俺は中立だ。意味ねーって。前を見ろって。俺に攻撃しても命中しねーしさ!』

 ハッとして見ると、ケンゾーがF・Fの方へ歩いてきていた。

「おおお!」

『無意味だっつーの。わかんねーなぁ? 俺、中立だっつーの。』

 億泰がザ・ハンドでドラゴンの彫刻のような物体を引き寄せようとしたが、無意味に終わった。

『オメーらの敵は、ジジイだ。ジジイ本体だ! 俺には手出しする権限はない。あくまでジジイなんだ。敵はジジイだぜ。ホレ、来たぜ。』

 F・Fは、軽く跳躍して横へと振られたケンゾーの蹴りを下にしゃがんで避けた。

 跳躍して隙が出来たところをフー・ファイターズとしての身体能力で拳によるラッシュをする。

 しかしそれを中空ですべて手で防がれた。

「これで、ドラゴンに入れるわい。はいや!」

 ケンゾーは、F・Fの手を踏み台に後方にあるドラゴンの彫刻のような物に左手を突っ込んだ。そして左腕が消える。まるで溶けて抉れたように。

「なにぃ!?」

「F・F! 後ろだ!!」

 先ほど消えたケンゾーの左手がF・Fの後頭部方向に出現した。

 それをF・Fは、関節や骨格などを無視した器用な動きで防ぐ。

「まさか、さっき仗助君に攻撃した、アレも…、今の要領で!」

「なるほど、あのドラゴンに触ると身体の一部が飛ぶのか…。」

 ケンゾーの左腕が元に戻る。どうやら痛みもなにもないらしい。

『違うぜ。もう、結果は見えているんだ。だが、誰にも予測がつくことではないんだけどな。』

「はいや!! 余計なことを喋るな! さっきからやかましいわ! おまえは中立だろう!」

『自分だけズルいね~。教えてやれよ~。』

「?」

 

 

 F・Fさん!

 

 

「させんぞ。その声!」

 突然、ガーガーっと囚人房の扉が閉まり始め、そこに眼鏡を掛けた囚人の顔が潰され、砕けた眼鏡が飛び、F・Fに向かって飛んだ。

 それをF・Fの服から生えたブルー・ブルー・ローズが防ぎきり、そして目の前に迫っていたケンゾーの拳をガードした。

「ぬうう!」

「さ、サンキュー…。」

 ケンゾーが攻撃防がれ、飛び退くと、ブルー・ブルー・ローズは消えた。

「なぜ防がれる!?」

「知らねーよ。ボケたかジジイ?」

 

「なんとなく分かってきた。あれは、『FENG SUI(フェンスウィ)』だ。」

 

「ふぇ…?」

 アナスイの言葉に視線が集まる。

「東洋人の言うところの、『風水』。あのケンゾーの方角を刻むように動く足の運びといい。決定されたように、ひとつの方角から入り込むような攻撃といい…、そしてあの手の上の奴のスタンド……。ケンゾーは、あのドラゴンのようなスタンドで攻め込む方角を見ている!」

 

 

 風水とは、タロットカードや、他の占いのように有名だが、占いの一種ではない。

 この自然界には、山や谷から発生する風や水のエネルギーの方角を知ることにより人生の決定や『進むべき道』が分かるという。

 例えば、家や部屋の位置。土地や家の方角が、凶だと住んでいる人間の健康や財産や家族の幸福も打撃を受けるとされる。

 戦乱の時代から風水による戦略はあり、どの方角から攻め込めば敵の城を陥落できるか、そしてどう守れるかが決まっていた。

 そして、風水の方角理論は、人間にもあり、『暗殺風水』というものが存在するという。

 その場所にいる、敵・人間への攻め込む方角さえ知れば、本人がどう警戒しようと、防御しようと、まったく本人に気づかれることなく、標的に近づくことが可能になり、容易に暗殺できる。それが暗殺風水。

 

 

「あのケンゾーのスタンドの秘密は、間違いなくソレだ! 忍び寄るF・Fへの『凶の方角』! あのドラゴンのスタンドは、『進むべき殺しの方角』を示しているのだ!」

 

 

 それこそが、ケンゾーがこの刑務所で40年掛けて極めた力。そしてそれがスタンド能力として発現したのだ。

「だが、ひとつ不可解なのは…、その進むべき殺す方角を覆し、吉へと変えるあの赤い植物だ。」

 アナスイは、不思議そうに、そう言った。

 ブルー・ブルー・ローズは、シュルシュルと、ケンゾーの足の後ろへ忍び寄っていた。

 

 

 

 




凶の方角を覆し、吉に変えるブルー・ブルー・ローズ。
その意外性にケンゾーも困惑。

しかし、このジジイの力なら、ザ・ハンドの瞬間移動にも対応しそうで…、というわけで億泰にはちょっと痛い思いをさせちゃいました。
F・Fが中心に戦ってますが、康一も参戦させる? 下手に手を出せば凶の結果を出されてやられそうで……。
とりあえず電気椅子は防いでやりたい。

ミナミとナランチャの子供の名前候補(活動報告でも募集中)

  • 乗上(ノア)
  • ローゼ
  • 花梨(カリン)
  • マールナ
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