仗助に双子の姉がいたらというもしも パート5 第6部へGO! 作:蜜柑ブタ
最初の頃、敵だったブチャラティを殺そうとしてたし。あそこでいい人だって判断しなかったら、どうなってたか……。
なので、リキエルが異母兄弟でも…?
それにギャングのボスとして、色々と波瀾万丈あっただろうし…。
「いぃいいいいでぇぇぇえぇええ!!」
「もういい歳の大人なんですから、我慢してください。」
「治すんなら、もっと優しくぅううう!! イタイイタイイタイ、いだあああああああああ!!」
ロッズの攻撃で左手が腐りかけていたエルメェスの左手を、ジョルノが治療しているのだが、仗助と違って痛みが残る治療であるため、エルメェスは、ギブギブとタップをしながら叫ぶ。
「あ、あのぉ…。」
「なにか?」
治療を終えた左手を押させてヒーヒー泣いてるエルメェスを放っておいて、恐る恐る聞いてきたエンポリオの方に振り返るジョルノ。
「アレ…、いいんですか? 異母兄弟なんですよね?」
ブチャラティの方を指差すエンポリオ。
ブチャラティは、首をバラしたリキエルの頭をリキエルが乗ってきていたバイクの上に置いて、何やら尋問をしていた。なお、首から下は、離れた場所にある。
「だから? 確かに異母兄弟だけれど、僕は彼とは初対面だ。そして君達の敵なら…、情けを掛ける必要も無い。」
「うわぁ…、冷たい。」
「空条徐倫さん、あなたも瞼の血管が傷ついていますね。治しますよ。」
「いや…いいわ。」
「ひとつの傷が敗因になる可能性はあります。治せる内に治しておくべきです。」
「……お手柔らかにね。」
「君もですよ。」
「ぼ、僕も…か。」
「エンポリオ、我慢よ。」
そして治療。徐倫は気合いで耐えて叫ばなかった。エンポリオも傷が浅かったからか大騒ぎはしなかった。
「ジョルノ。」
「なにか分かりましたか?」
「いや…、このリキエルという男…、特に何か知っているというわけではないらしい。」
「つまり?」
「あくまで神父の男は、自分の恩人だからそれに尽くしただけに過ぎないということだ。ただ、妙なことだけ言っている。」
「妙なこと?」
「神父の中には、今、DIOという男の意志が流れているらしい、今、全てのモノがそれに引っ張られて動いているとな。偶然でなく、まるで必然だったと言う風にな。」
「DIO……。」
「なんだ、知っているのか?」
「……僕の父ですよ。」
「そうか…。」
するとジョルノは、リキエルに近づいた。
「ジョルノ…って言ったな?」
「ええ。それが?」
「お前も俺も…、徐倫も、神父とDIOの意志に引っ張られたんだ。俺は今ソレが分かる。」
「僕がここへ来たのが偶然ではないと?」
「俺達は…、DIOの友のために用意された駒だ。けれど、俺は後悔は無い。神父は、俺の心の欠けた部分を満たしてくれたからな。」
「あなたにその神父について何も知らないと?」
「俺は…神父のために存在してる。それで満足だ。」
「そうですか。では、あなたはもう用済みでしょう。」
「はっ?」
「そして、あなたは、その神父への恩義のために、これからの旅路の障害になり得る。尽くすと言うことは、尽くした結果力尽きることも覚悟していたのでしょうね?」
「!」
ジョルノはリキエルの髪を掴み、そのまま沼の方に放り投げた。
首だけのリキエルは、なにもできず水に沈み、離れていた身体がジタバタと暴れたが、やがて動かなくなった。
「……やられましたね。」
「あんた…。」
「花京院という方から、ナランチャを通じて大方のことは聞いています。次の新月まで何日ですか?」
「……えっと…、確か、4日後ぐらいだったかな?」
「そろそろ日が落ちる…。時間的に見て、残りあと3日といったところでしょうか?」
「あっ…。」
「リキエルは、しょせんは時間稼ぎのためにここへ向かわされたに過ぎない。他のDIOの息子もそんな扱いでしょうね。」
「あんたは、違うっていうのかい?」
「僕は、あなた方の味方ですよ。神に誓ってもいいです。」
「けど、仮にも神父には、あんたの父親の意志があるって言うじゃねぇか? 信用していいのか?」
「遺伝子学上の父親と言うだけで、僕はDIOにコレと言った執着も何もありませんよ。むしろ、あんな風な無様に終わりたくはないですからね。僕の肉体に流れる血が、DIOのものであろうと、僕の魂と僕自身の心(精神)は、僕のモノだ。神父のモノでも、DIOのモノでも無い。」
キッパリ言い切るジョルノに、先ほど異母兄弟のリキエルをあっさりと始末したことに戦慄していた徐倫達は言葉を失った。
徐倫は、理解した。それは、ジョースターの血統ならではの繋がりか、ジョルノに対して彼が嘘をいっておらず、自身の目的のために手段を選ばぬ非道さはあるものの、その根底に、自分の父や、ひいお爺ちゃん(ジョセフ)に通じる黄金のような精神を感じたのだ。
「……分かったわ。あんたを信用する。」
「おい、徐倫!」
「けど、もし少しでも裏切るような真似をすれば…。」
「分かってますよ。」
「たいした自信ね。あんたカタギじゃないわね?」
「ええ、イタリアのギャング組織の者ですから。」
「ぎゃ、ギャング…、だから容赦が無いのか…。」
エンポリオは、徐倫の足に縋り付きながら震えた。
ジョルノ
ジョルノ
「愛陽ですね。あなたは今どこに?」
州病院の近く
いきなりココに来ちゃった
分からない
変装はもう解けてる
神父がいる
動けない
「そうですか。分かりました、神父に見つからないよう、気をつけて。必ず行きます。」
急いで
急いで
このままじゃ
神父はすべての人々の幸せも人生も
犠牲にしてしまうから
「…急ぎましょう。」
「なあ…、アイリって誰?」
「ミナミの中にいる、もうひとりの魂ですよ。」
「二重人格なのか、やっぱり。」
「それとはちょっと違いますよ。」
「?」
「まあ、そのうち分かりますよ。彼女と関われば。とにかくそこに車を止めてあるので、急ぎましょう。」
***
一方その頃。
「ヴェルサス。ずいぶんと浮かない顔をしているね? なにを憂いているんだい?」
「あんたにゃかんけーねーよ、神父さん。」
プッチは、ヴェルサスの病室で話をしていた。
「いや、そういうわけにはいかないさ。私は、神父だ。リキエルを救えたように、君の助けになってあげたい。仮にも、君は私の一番の友であるDIOの息子だからね。」
「………くだらないことさ。」
「ほう? 本当にくだらないかどうかは分からない。話してごらん。」
「女のことを……ずっと考えてた。」
「女性問題かい?」
「いや、会ったばかりだ。あんたが来るよりも少し前だ…。おかしな話だ。いきなり現れたんだ。」
「ほう…? どのような女性だったんだい?」
「……綺麗だった。」
「きれい?」
「ブルネットの髪も…、少し厚い唇も…、澄んだ青い瞳も、匂いも胸も良かったが……一番イイって思ったのは声だな。女ってなぁ、俺の母親や、俺を更生施設送りにしやがったあの女判事のようなもんだとばかり思ってた。けど違った。本当に……あんな綺麗な女っているんだなって。くだらねーだろ?」
「……その女性の名前は?」
「言わねー。」
「なぜだい?」
「いずれ、必ず出会えるはずだって言われたからな。」
「………もしかしたら、私が知っている人物かもしれないと言ったらどうする?」
「!」
「ああ、無理に立ち上がったらいけない。足の傷は治療されてても傷が開いたら大変だ。ヴェルサス…、もし…その女性を自分のモノにできると言ったら、君は私に力を貸してくれるかい?」
「なんだそりゃ…、取引のつもりかよ?」
「女性のことを語っている君の顔は…、とても希望に満ちているよ。まるで一筋の光を見出したか、パンドラの箱の中に残った一欠片の希望というモノを見つけたように。」
「…そうか?」
「どうだろう? もしその女性を発見できたら、私は君のために君の女性になるように手助けをしてあげよう。だから、少しばかり力を貸してもらいたい。新月の時まで…、残り3日になろうとしているのだ。時間を稼がなければならない。そのためには、君の力が必要なんだ。」
「………少し…考えさせてくれよ。」
「あまり時間は無い。すぐに返事を聞きたいんだ。空条徐倫が迫ってきている。」
「……。」
少し間を置いて、ヴェルサスが出した答えは……。
「本当に……手助けしてくれるのか?」
「君が取引の材料として、私に力を貸してくれるならば。」
「…いいぜ。取引と行こうじゃないか。」
「ありがとう。ヴェルサス。」
プッチはニッコリと笑った。
なんか、書いてたら後半は特に、カオスになってきた…!
あれー? こんなはずじゃなかったのになぁ?
果たして、プッチは本当に手助けしてくれるのか?
いや、しないだろうなぁ……。だってヴェルサスが言っている人物が誰かもう分かってるし。
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