仗助に双子の姉がいたらというもしも パート5  第6部へGO!   作:蜜柑ブタ

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ブルー・ブルー・ローズが、真なる意味でレクイエムへ。

かなり練って練って、考えたレクイエムだけど……、レクエイムかな?って疑問もある。


ジョルノのレクイエムでメイド・イン・ヘヴンを倒すというのは、すでに先駆者がいらっしゃるので、展開は違うモノにしたかったんです。


真ブルー・ブルー・ローズ・レクイエム

 気がつくと、地面は水平から直っていた。

 光はいつの間にか消え、全ての物が大きな大ダメージを残しながらもそこにあった。

「し、神父は?」

「……。」

「おい、徐倫、位置は分からないのか?」

「分かるけど…分からない。」

「ああ、その通りだ。」

 承太郎が言う。

「雨が…。」

「……ん?」

「おい、いつの間にビショビショに!?」

「ちょっと、待って、なんか…? おかしいよ!」

「空を見ろ!」

「えっ?」

 一斉に空を見ると、そこには先ほどまで上がっていた太陽があっという間に沈んでいく光景があった。

「ど、どーなってんだ!? こりゃ、幻覚か!?」

「幻覚じゃねー…。時計見ろ!」

「えっ? は、針が…。早い!」

「まさか…そんなことが…?」

「時が…時間が、速い!」

「こ、これが、神父の能力の完成なのか!? 天国への力なのか!? ああ、空に夜空が!」

「承太郎さん。」

「なんだ、ジョルノ?」

「先ほど僕が所持する矢を、ミナミに渡せと言いましたよね?」

「ああ。早く渡してやってくれ。」

「…申し訳ありませんが。断ります。」

「なっ…。」

「僕のレクイエムで事足りると思いますよ。この、時間の加速という真実に到達できなければいいんですから。」

「それはいかん!」

「ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム!!」

 

「君がそうするだろうということは分かっていた。」

 

「ハッ!?」

「ジョルノ!」

 ジョルノの胸に大きな穴が空いた。そして懐に入れていた矢が落ちる。

「スタープラチナ・ザ・ワールド!!」

 それをメイド・イン・ヘヴンが拾おうとする前に時を止めた。そこらにあった小石で矢を弾き飛ばし別の方向へ吹っ飛ばした。

 そして時が動き出す。

 ジョルノが倒れ、ガハッと血を吐いた。

「と、トト神の予言は、逆らえば…痛い目に遭う…!」

 ボインゴがガクガクと怯えながらもそう叫ぶ。

「ジョルノ!」

「だ…だいじょうぶです…。心臓は辛うじて外しました…。」

 

「おや、外したか。まだこの身が時の加速に慣れないか。」

 

 プッチの姿がやがて蜃気楼のようにぼんやりと現れる。

「私の能力は完成した。そして、これは、お前達を始末するための能力ではない。『最強』になるための力ではない。この世の人類が真に幸福に導かれるための力なのだ。名を架するなら、『メイド・イン・ヘヴン』。お前達と決着をつけるのは、未来のため、これからお前達が死ぬのは、人類の幸福のための単なる犠牲だ。最後に言っておく。『時は加速する』。」

 瞬間、プッチの姿がブンッと消えた。

「誰か矢を! ミナミに渡せ!」

 承太郎が叫ぶと同時に、先ほど承太郎が奪われまいと弾いた矢に向かって花京院達が動いた。

「何を企んでいるのかは分からないが。たかが近い未来しか分からぬ脆弱なスタンドに頼るか?」

 プッチが先回りをして矢の傍に立つ。

 そしてメイド・イン・ヘヴンが足を上げて、矢を踏み潰した。

「ああ!」

「これでお前達の縋る藁のような希望も潰えたというわけだ。…?」

 粉々にしたはずの矢がひとりでに一瞬で元通りになり、さらにズリズリと地面を這い始めた。ミナミの方へと。

「馬鹿な!」

 プッチが驚愕する。

「エメラルド・スプラッシュ!!」

「マジシャンズ・レッド!!」

「エアロスミス!!」

「ちぃっ! なぜだ!!」

 攻撃が当たる前にプッチが再び消えた。

 そしてプッチの姿が、膝をついて変化を始めているブルー・ブルー・ローズを見ているミナミの背後に現れた。

「矢が破壊できぬのならば、貴様を殺すまでだ!! 東方ミナミ!!」

 メイド・イン・ヘヴンの拳がミナミの頭部を狙った。

 直後、白く膨らんだ部位がカッと一瞬、光り、メイド・イン・ヘヴンがプッチの体ごと弾き飛ばされた。

「ぐおおお!?」

 弾き飛ばされた先にポルナレフ達がいる。

「シルバー・チャリオッツ!!」

「スティッキー・フィンガーズ!!」

「ストーン・フリー!!」

「ダイバー・ダウン!!」

「無駄だ!!」

 攻撃が当たる前に、またも一瞬でプッチが消えた。

「壊せぬ…、殺せぬ…。これはいったい…?」

「ミナミ!」

「ナランチャ…。ブルー・ブルー・ローズが…、愛陽の声が聞こえないよ…。」

 

「シャボン・ランチャー!」

 

「ぬう!? シャボン玉?」

 プッチがうっとうしそうに小さなシャボン玉を払おうと、腕を振れた直後、その腕が固結びになった。

「ぐおおおおおおおおお!? これは…!」

「なーにが天国だ…。なにが、人類の幸福だ! この狂信野郎が!」

「シーザーさん!」

「シャボン玉ごときで、腕を失ってやがる、テメーにゃ永遠にできるわけがねーぜ。」

「ふふ…、確かに私の慢心があっただろう。それは認める。」

 プッチは、手刀で固結びになった腕を切断した。

「腕を悠長に切断している場合じゃないんじゃないか? すでに矢は…。」

「ハッ!?」

「ミナミの元にある。」

 地面を這いずっていた矢は、いつの間にかミナミの膝の傍にあった。

 ミナミは、それを見て掴み、拾い上げる。

「や…めろ…。それは…!!」

 プッチが焦り出す。

「分かっているはずだ! あの時…、イタリアに出現した邪視の存在を! あれは、世界を滅ぼすぞ! 人類の幸福など無下にする真なる意味での終わりだ!!」

「あれはもう…、僕がゼロへと回帰させました。彼女に邪視はもうありませんよ。」

「やめろ、ミナミ! お前は、ブルー・ブルー・ローズを恐れているはずだ!! その先に行くことも! ならばなぜ望む!? お前は力を望んでいなかったと言ってたではないか!!」

「……うん。望んでなんかない。」

「ミナミ!」

「けど……。」

 ミナミは、立ち上がる。その足も体も震えていた。

「ミナミ…。」

「怖い…怖いに決まってるじゃない。そんなの…。私は…、愛陽も、力を望んでいたわけじゃないんだから。」

「ならば…!!」

「でもね……。約束したんだ。」

「?」

「必ず…幸せにしてあげるって…。世界を見せてあげることも…。」

「あっ…。」

 それが誰なのか徐倫は察した。

 F・Fと、ヴェルサスだ。

「もし、神様がいて…、私に気まぐれでこの力を与えたのなら……、利用しちゃって…いいよね?」

 ミナミは、泣き笑った。

「やめろ! この便器に吐き出されたタンカスがーーーーーーーーー!!」

「ブルー・ブルー・ローズ!!」

 ミナミが呼びかけるとブルー・ブルー・ローズが、立ち上がるように蠢き、ミナミは、ソレを矢で貫いた。

 

 

 世界が制止するように少し静かになる。

 

 やがて、彼らの耳に微かな歌声が聞こえてきた。

 

 

「これは…?」

「ショパン、練習曲作品…。」

「『別れの曲』…?」

 

 

 微かな、その曲の女性の歌声が聞こえてくる。

「ミナミ…!」

 ハッとした者達がミナミを見た。

 ミナミは、ぼう然とソレを見つめていた。

 赤い根っこがみるみるうちに剥がれ落ち、白い球体のみがフワリッと彼女の目の前に浮く。

 バレーボールサイズぐらいの白く澄んだ真珠を思わせる球体は、ほのかに発光しており、それにミナミが恐る恐る触れようとしたとき。

「やらせんぞおおおおおおおおおおお!!」

 時を加速させたプッチがその球体を破壊せんとした。

 直後。

「ぐ…?」

 プッチが地面に滑り転がった。

「なっ…なに…が…。これは…!?」

「ああ!」

「神父が…、老いていく!?」

 凄まじい勢いで、プッチの体が老い、朽ち始めた。顔や手足はシワだらけになり、指先は枯れ木のように細く枯れていく。

 それとともに、傍らにいたメイド・イン・ヘヴンも、ボロボロと朽ち始めていた。それは、まるでプッチの体に影響されるように。

 ミナミが球体にソッ触れると、光が少し強まった気がした。

「これは……。あなたは…だれ?」

「ミナミ、コレはいったい? これがお前のレクイエムなのか?」

「レクイエム? ……なんだろう? 分からない、けど……、ココにあるのは…、なんて言ったら良いんだろう? まるで過去も現在も未来も…、小さな小さな命から、大きな星の命まで…、すべてがココにあるような気がする。なんだか、すごく途方もなくて…、大きすぎる…。ココに私が触れているのは、その端末みたいな物…。なぜだか、私…いや、私達(※ミナミと愛陽)に触れることを許してくれている。」

「かこ、げんざい、みらい…? すべての命…? まさか…ソレは……、神なのか…?」

「あっ、生きてやがった!」

「それがブルー・ブルー・ローズ…の…先にあった物…なのか? 万物を…おつくりになり…、楽園から人間を追放した神だというのか!? そんなことが……、私とDIOではなく、なにゆえに…、その女を選んだのだ!! そんなちっぽけで気の弱い女が触れて感じることをお許しになれられたのか!! おお、神よ!! なぜだ!?」

「……ごめん。分かんない。」

「!」

「なんも言って答えてくれないし、言ってくれないよ? ココにあるのが神様に通じる端末みたいだけど、神様はあなたの言葉にはなにも返してはくれてないよ? ただ…、あなた身に起こったことが、答えなんじゃないかなぁ?」

「私の…身に…?」

「ねえ…、あなたの目的は、すべての人類の幸福なんでしょう? でも、そのためにあなたはどれだけの命を犠牲にしたの? それ以外の生き物は? この時の加速が…、人類を含めたすべての生命にとって本当に正しいと信じたんだよね?」

「…そうだ……、神のご意志だ…! 『神』が望んだ能力なのだ!」

「じゃあ…、なぜあなたが加速させた分の加齢を…、その身にすべて受けることになったんだろう?」

「ハッ…!?」

「時間を運ぶのは…、命だよ。すべての命の営みが、『時』という物を運んでいるんだ。小さな小さな細菌やウィルスでさえも。あなたにとっては取るに足らない脆弱で下等な生き物も全て…。それを無理矢理に加速させて奪うことが、果たして正しいこと?」

「なに…?」

「ココに今ある力は…、私の見る限りじゃ、それらの生命の在り方や、『時』が正常に運ばれるのを見守り、運行を邪魔する物を排除する、修正力……。だから、あなたの力は害として判断されたんだ。たぶん、そういうこと。」

「私が……?」

「あくまで、私の見解だけどね…。だってなにも答えてくれないんだもの。ただ…、触ってみて分かったことがある。」

 ミナミは、プッチから白い球体に視線を戻した。

「今まで、ブルー・ブルー・ローズは、死体を一部でも良いから触媒にして、死者を蘇らせることができた。けど、ココにある端末からなら、死体が無くても蘇生が出来る。」

「ってことは…。」

「F・Fを生き返らせられるのね!?」

「うん。でも…。」

「なに?」

「あっ…、そうか…。」

「…“生け贄”…。“犠牲”か…。」

「うん。」

 そう、ブルー・ブルー・ローズ・レクイエムは、今ならあらゆる死者の蘇生を可能としているが、この世の命の総数のため、総数を合せるために犠牲を求めているのだ。

「このままやっても可能ではあるけど、どこにいる、誰が犠牲になるか分からない…。この場にいる誰かって可能性もある。」

「なるほど…、犠牲を選べってことか。」

「元々のブルー・ブルー・ローズのように、花が千本いるとかじゃないんだな。」

「うん。」

「なら…、いい“生け贄”がいるじゃねーか。ソコに。」

 アナスイが転がっているプッチを指差した。

「!?」

「これだけしぶとけりゃ、二人分生き返らせても十分足りるんじゃねぇか?」

「うーん…、F・Fさんと、ヴェルサス…。F・Fさんは、元々小さなプランクトンの生き物でしょ? なら1年以下でいいけど、ヴェルサスの残り寿命が…。」

「なら、問題は無い。ブルー・ブルー・ローズが東方家の天井裏に貯めていた青いバラの花は、SPW財団が保管している。それを使えばいいだろう。」

「よかったー。アレまだあったんだー。」

「な、ならさぁ…、ウェザーも生き返らせられない?」

 徐倫が頼んできた。

「えーと、ウェザーさんね…。あっ。」

「どうしたの?」

「ウェザーさんが、生き返るのはヤダって…言ってる…。なんか、向こうで好きな人と再会できたみたいだから。」

「……そっか。」

「誰も彼もが生き返るのを望むわけじゃないんだね…。やっぱり。」

「やめろ……。」

 プッチが震える声で言った。

「考えろ…、これは、神の御心なのだ! 私が目指す天国とは、これから起こること運命をすべての人類が知った状態で覚悟をして生きること! 独りではなく、全員が未来を覚悟できることだ! 覚悟した者は、幸福である! 悪い出来事の未来も、知ることは絶望と思うだろうが、逆だ! 明日死ぬと分かっていても覚悟があるから幸福なのだ! 覚悟は絶望を吹き飛ばすからだ! 私の天国が実現すれば、人類は変われるのだ! これが私とDIOが求めたメイド・イン・ヘヴン!!」

 

 シーンと場が鎮まる。

 

「……それがアンタが言う、幸福?」

「そうだ…!」

 徐倫が冷めた目で聞くと、倒れているプッチはそう叫ぶ。

「ねえ、私達がそれを望むと思う? すべての人類も含めて?」

「ハッ…!? き、貴様ら…その目を…やめろ…! 私はあくまで人類のために!!」

「ならば、なぜお前はその神とやらに、反撃されている? その身にすべてのモノの加齢を受けることになった?」

「な…に…?」

「お前は、お前の信じる神が、真(まこと)に、お前が提唱する天国を望んでいると?」

「そうだ…、だからこそ、私は力を手に入れたのだ!」

「それが…、もし単なる神の遊びに過ぎなくてもか?」

「!?」

「神なんても信じねーけどよぉ…。神様ってのは、勝手だと思うぜ? 俺は。」

「弄ばれたんだ、神父。お前は…。」

「そんなことが…。」

「ならば、ミナミが触れているモノはなんだ?」

「それは……。」

「エデンの楽園に、なぜあえて知恵の実を置いた? 喰う可能性を考えず…、最初から人間を追放するつもりだったのだとしたら?」

「そ、れは…。」

「……花は…、例えどんな砂漠に種が落ちてしまうかもしれないと分かっていても、種を飛ばすんだよ? なぜだろう? それでも頑張れば、砂漠を一面の花畑にすることだって出来る。それは、人類もきっと同じ…。永遠に同じことを知った状態で繰り返すことは…、物語が分かった状態で永遠に同じ本を読むのと同じ事。そこに面白さはある?」

 ミナミが触れているブルー・ブルー・ローズ・レクイエムが、徐々に光を強め始めた。

「分からないから、楽しいんだよ…。何もかも分かった状態がすべて正しいんじゃない。花は…、種がどこへ飛んでいくか分からなくても、それでも咲くんだよ。その種が届く場所が例え、砂漠でも。」

「やめろ…、私の天国が正しいのだ!! 覚悟できるからこそ…!! 正しいと思っているのか!? 私を殺せば、天国は永遠に…!」

「正しいだなんて、思ってないよ。けど……。」

「ミナミ…、お前が一人で背負う必要なんかねーよ?」

「ナランチャ…。」

「だいじょうぶよ。みんながいるわ。お願いね。ミナミ。F・Fに世界を見せてあげて。」

「うん…!」

「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

「ブルー・ブルー・ローズ・レクイエム。」

 次の瞬間、白い球体が、一気に強い光を放った。

 

 

 そして、プッチは、見た。

 生命の成り立ち。

 それこそが、時の流れだと言わんばかりの凄まじい放流を。

 その美しさを。

 

 

「ああ……、まさしく…、東方ミナミ…、そしてもうひとり…、お前達の…力は……まさしく、“矛盾した大いなる神の祝福”…だ…。」

 そして、プッチは、白い光の中に消えた。

 

 

 




神は、身勝手で気まぐれ。
果たしてミナミ(と愛陽)に与えた力も、プッチに与えた力も、どちらが正しかったのか?
正解は…ない。


補足設定をすると、ブルー・ブルー・ローズ・レクエイム発動中に、もし時止めをしたり、ジョルノがレクイエムを使うと、プッチ同様に何かしらの罰が下るといういらなかった設定があります。ただどんな罰が来るのかは分からない。


プッチが言う天国って…、私の考えですが、結局の所、エンディングが分かっている本の物語を繰り返し見るのと同じ事だと思って。そこに面白みはあるのか?って話かな?

ミナミとナランチャの子供の名前候補(活動報告でも募集中)

  • 乗上(ノア)
  • ローゼ
  • 花梨(カリン)
  • マールナ
  • ノワ
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