仗助に双子の姉がいたらというもしも パート5 第6部へGO! 作:蜜柑ブタ
若干のオリジナル展開。
運動場に、女囚達が集められた。
看守がワニのパペットを使って今日、何が起こったのか腹話術で話をしている。
午前中、農場に働きに行った囚人二人が行方不明になっているそうだ。
簡単に言うと、そこで本監の看守や犬は忙しいので、代わりに囚人達に捜索させるということだ。
だがこれに参加したとて、刑期が短くなるとか、賃金が出るといったことはないらしい。本当に善意でやらなければならない。
けれど志願者はいた。これで印象が良くなればいいということだろうか?
その中には、懲罰房から出た徐倫も志願者として入った。そして、エルメェス、あと、ミナミ(※ターロム・ミスラフに偽装中)も加わった。そして、残り三名ほど別の囚人が。
それから別の看守により、ライク・ア・ヴァージンという特殊な腕輪を付けることを義務づけられた。
この腕輪は、親機である腕輪をもつ看守から50メートル以上離れると手首に付けている腕輪が爆発するというシステムで、無理矢理外そうとしても爆発する代物だった。つまり逃亡防止のシステムである。
そうして志願者全員が嵌め終えた後、問題の農場に向け出発。ただし小型トラクターで看守だけが。なので大慌てで走って追いかける羽目になる。幸い早すぎなかったため頑張って走ってれば追いつけた。
そして、問題の農場にたどり着いた。
徐倫の志願理由は分かっている。
エルメェスが手に入れたサンダー・マックイイーンのディスクをヒントに、トラクターの大型タイヤの中に大量のディスクがあることが分かっていたからだ。
ディスクに映っている映像。そこにタイヤの中に大量に入ったディスクがあった。
承太郎のディスクもその中にあるとしたら…っということだ。
ただひとつ分からないことがあった。
それは、あの野球ユニフォームの少年が言っていたことだ。
あのスタンドの能力は、相手から記憶とスタンドの二つのディスクを取り出す能力。だが、承太郎の場合、なぜか1枚しか取られてなかった。
徐倫の記憶が正しければ、承太郎から奪われたあのディスクには、スタープラチナの姿が映っていた。つまりスタンドのみが取られたと見られる。
じゃあ、記憶はどこ行った?って話だが、あの少年曰く、分からないとのことだった。
言うべきか?
承太郎がディスクを奪われる直後に死を選んだ結果、記憶のディスクが取られずに済んだことを…。
ダメ
「だよね~…。」
「お前、独り言多いな?」
「う~ん、癖かな?」
「おい、徐倫、コイツ、マジで使えるわけ?」
「この人に危害を加えるなら、許さないからね?」
「はあ?」
「警告はしといたわよ? いいわね?」
「お、おい、お前らどういう関係なわけ? それぐらい教えてくれたって…。」
「詮索は…ダ~メ。」
「チッ、ケチだな。」
「お互い様だよ。私は、あなたのことを詮索する気はないしね。エルメェスさん。」
「…ふんっ。」
「おい、お前らー! なに楽しく話し込んでやがるんだ!? ピクニックじゃねーんだぞ!」
話し込んでたら看守に怒られた。
そして、トラクターがある倉庫を開けると、エルメェスが手に入れたディスクに映っていたトラクターがあった。
しかし調べる前に看守が小型トラクターで沼の方を調べると言って、トラクターを走らせて行ってしまった。
その時、エルメェスが異変に気づいた。
人数が…増えているのだ。
自分達は合わせて6人だったのだが、今、7人いるのだ。
誰か1人増えている。だが夢中で走っていたことなどもあり、最初の段階で顔をまともに見ていない。
そんな中、気の弱そうな囚人が、人数がおかしいと呟いた。
するとかりあげ頭の髪型の囚人が、あんたはいじめられっ子でしょ?っと笑って言うと、気の弱そうな囚人は、あなたのこと知らないと言った。
その時である。
突然、腕輪が警報音を鳴らし始めたのだ。
その音は全員の腕輪から鳴っており、ハッとして見ると、看守が乗っていたトラクターが斜めに沼の中に倒れていた。トラクターの乗席には、血が付いていた。
警報音は、看守との距離が離れている証。
しかも現在進行形で、看守との距離が離れているということだ。
「ちょ、ちょっとぉ! 私の腕輪の音がなんか速くな…。」
いじめられっ子らしき囚人のひとりの腕輪が爆発し、囚人は水没した。
「ば、馬鹿な!?」
「いやあああああ! し、死んだ!?」
「看守だ! 看守を探すんだ!」
「あっ、見ろ! いた! 岸に流れ着いている!」
死んだ看守が反対側の岸近くに浮かんでいた。
「おい…、どう思う!? あたしは、あのかりあげが怪しいと見るぜ!」
「違う…。」
「ああ!? この状況でスカタンなこと言ってんのか!?」
「全員だよ。」
「はあ?」
「私達3人以外の、残りの3人…。さっき爆発した人を抜いて…、残り3人全員が……もう…。」
「なーに言ってやがんだ!? トンチンカンなこと言ってんじゃねーぞ!?」
「……アレを見ても?」
「はっ?」
「ーーっ!」
間近で怒鳴り散らすエルメェスとは反対に、状況を見ていた徐倫は、戦慄していた。
看守の死体にあった無線から生えた鮮血色の根っこが無線を手にしたひとりの口を貫き。
かりあげ頭の髪型の囚人の腕輪から腕を伝って身体に根を張り。
最後のひとりは、背中の服から生えたらしき根っこで胸を貫かれていた。
「あ…、あぁ…。」
「……アレが、味方? なんなのよ…。」
「おい! ありゃなんだ!? 3人まとめて…。」
『ぐぅ……、驚いた。』
「見て!」
それぞれ根っこに貫かれて死んだ3人の身体から血液と言うには黒すぎる色の液体が漏れ出し、死体が干からびた。
『だが、水分を吸収する植物そのモノでなかったことが幸いだった…。』
「なんだありゃあ!? スタンドか!? だが本体はどこだ!?」
「いいえ、違うわ。アイツが本体なのよ。見て。ディスクが…。」
液体と共にディスクが二つ出てきて、やがて奇妙な人型へと変じた。
スタンドと言われればスタンドなのだろう。だが実体がある。
『本当に驚いた。本当に驚いた。私が私たらしめるモノが小さくなければ…、本当に死んでいただろう。』
「コイツは、生き物だわ。ディスクで能力を与えられ、記憶という知性を持った新種のね。そして、ディスクの番人でもある!」
『その通り。私は、私として存在を与えてくれたホワイト・スネイクへの恩のため、そして私自身を守るため! ディスクを守る!』
「生き物って…、それじゃあまるでエイリアンだの、ミュータントだのって類いかよ!? 気色悪!」
「……さっき死んだ3人から無傷で出てきたって事は…、液体状の身体をしているか…。それとも…、水辺に住んでるってことは、小さな生き物?」
そういえば、小型で液体の中にいるスタンドと言えば、リゾット・ネエロのメタリカなどがあった。まあ、あれは本体の血液中に潜んでいるスタンドであったが。
『その通り。私は、『フー・ファイターズ』。私のことを呼ぶならそう呼べ。』
「なるほど。水分が必要な微生物の集合体スタンドって言ったところか…。」
「おい、お前…なんかやたら場慣れしてしてやがるじゃねーか! どういうこった!?」
「自分の血液中にスタンドを飼っているスタンド使いを知っている。もう死んじゃったけどね。」
「けど、コイツは違うわ。本体であると同時にスタンドでもある。つまり身体が水分を常に必要とするほどむき出し状態。だから倒すなら水辺から遠ざけないと。」
「ま、待てって! いくらなんでもそんなドロドロだのミジンコだのみたいなのが本体であるわけねーだろーが! 本体がきっと別に…。」
『…フレッド・ホイルという天文学者は言った。この自然界で確率的にも生命が偶然発生したと考えるのは間違っている。この宇宙には『知性』という『力』がすでに存在していて、『生命のもと』を形作った、っと……。つまり知性という力はビッグバン以前から存在し、すべての物質や生物は知性に導かれて、その知性をすでに保有している。』
「なに小難しいことを…。」
「つまり、プランクトンみたいなちっちゃい生き物でも、どんな生き物もみーんな知性はあって。人間だから、知性があるというのは間違いだって言いたいんでしょ?」
『その通り。』
「がー! ヘンテコ生物がいっちょ前にお説教かよ!」
『フー・ファイターズと呼べと言ったはずだ。そして私は、お前達より知恵がある!』
フー・ファイターズが、ニヤッと笑った。
そして次の瞬間、倉庫に向かって走り出した。
「なっ!? アイツまさか、ディスクを!」
『ふふふ…。私は、群にして、個なのだよ。』
「えっ? あっ!」
見ると看守の死体に、沼から出てきたフー・ファイターズに似た奇怪な人型が近づいていた。
「徐倫! 行って! 看守は私が!」
「ありがとう!」
「お、おい、おい!」
「エルメェスさん、手伝って!」
「あー、クソ!」
徐倫が倉庫へ走って行き、反対にミナミが看守の方へ。そしてなし崩れでエルメェスも看守の方へ。
フー・ファイターズの分身が、看守を今まさに沼に引きずり込もうとしている。
それを二人がかりで掴む。
すると分身が攻撃をしてきたため、エルメェスは、自身のスタンド、キッスを発動させ殴る。
しかし相手は水の中ならほぼ無敵に近いスタンド。圧倒的なパワーでキッスの腕を切断した。
だが……。
「くそがぁ! こんなシールの使い方…二度とするか!」
「素晴らしいほどの度胸だよ!」
「あんたに褒められても嬉しくない!」
そして看守を陸へ引っ張り上げた二人。さらにエルメェスが自分の左腕にひっつけたシールを剥がした。直後、フー・ファイターズの分身が持っていたエルメェスの腕が戻り、ダメージを残して元通りになった。
キッスの能力は、シールを貼ることであらゆる物体を二つに分け、シールを剥がすと二つはひとつになるが、その反動で破壊が起こるというものだ。
まあ、当然だがその能力を使って腕を二つにして戻したのだ。破壊が腕に起こり出血が起こる。エルメェス自身もものすごい痛そうに顔を歪めていた。
看守を引っ張って急いで倉庫を目指していると、水の中にいるフー・ファイターズの分身が、バシャー!と水を飛ばしてきた。
「まずい!」
そして分身は、器用に身体を千切らせながら雨のように上から降ってきた。
「この、ミジンコ野郎がーーーー!!」
「エルメェスさん! 死体を!」
「!」
「シールで!」
「…なるほど。」
エルメェスは、近くに倒れている干からびた死体を掴みそこにシールを貼った。
そして剥がす。
その瞬間、二つがひとつになり、破壊が起こる。破壊されたカラカラ死体は、乾いた土人形のように砕け散り、粉塵が舞い上がる。
そう…フー・ファイターズによって、水分ゼロの死体の粉が……。
フー・ファイターズの分身は、断末魔のような悲鳴を上げながら、干からび、消滅するように消えていった。いや、死滅したと言った方が正しいか。
やがて、倉庫に近づくと、タイヤを乗せたトラクターが畑に向かって走り出していた。
そのタイヤこそディスクがあると判断し、ディスクを入れているタイヤを優先して看守を残して走った。
『やめろおおおおおおおおおおおおおおおお!! ディスクは渡さない!!』
すると倉庫からフー・ファイターズが走ってきた。
「優先すべき事を間違えた。あなたが優先すべきは、ディスクを守ることじゃない。ディスクを奪う手段を考えている、私達を先に倒すべきだった。何が何でも。」
『おおおおおおおおお!!』
走れば走るほど畑の地面に水分を取られて身体が削れていく。
「トドメだーーー! そのまま干からびて畑の肥やしになりな!!」
そう言って土の塊を投げつけようとしたエルメェスを、徐倫が止めた。
「水をあげるわ。」
そう言って徐倫は、自分の服に含まれていた水を干からびる寸前のフー・ファイターズにかけた。
「徐倫…。」
「なにやってんだ!」
『…どういう…つもりだ…?』
「なんというか…。助けるのよ。」
「えっ?」
キョトンとするエルメェス。ミナミは事の成り行きを見守った。
徐倫は言う。
確かにフー・ファイターズは、ホワイト・スネイクの部下ではあるけれど、奴のディスクを守っていたのは、あくまでも自分自身のためだった。
つまり、ホワイト・スネイクのためにディスクを守っていたのではないのだと。
自分の存在という物を与えてくれた恩…、そのためだけにディスクを守っていた。そう信じられる物をくれたディスクを……。だからホワイト・スネイクそのものはどうでもいいのだと。
「おい、助けるって言ったってなぁ! こいつは、5人も殺してんだぞ~~~? しかもコイツは、文字通り人間じゃねーし!」
「人間じゃないなら逆に罪に問われないわ。」
「そうだね。フー・ファイターズは、ホワイト・スネイクっていうのの都合の良いように利用されてただけ。だから、本当の黒幕は、ホワイト・スネイク。」
「そういうことよ。分かった?」
「あー…もう…。」
「それと助ける理由は、まだあるわ。あなたと取引をしたい。」
『…取引?』
「ええ。私がディスクを求めたのは、父のディスクを取り返すためだった。あなたは、これから先もタイヤの中のディスクを守って欲しい。ただし、私達のために。」
『…?』
「逆にホワイト・スネイクから守って。私は、ただ父のディスクを返してもらいたいだけ。そしてホワイト・スネイクの目的を知りたいの。どう? あんた次第だけど。力を貸してくれる? ただし、殺人は無しよ。」
『………お前の気持ち…よく分からないが……、お前達とはもう戦わない…。そして…、私の完全なる負けだ…。』
「取引成立ね。」
こうしてフー・ファイターズとのディスク争奪戦は、幕を下ろした。
さらに、フー・ファイターズという味方を得たのだった。
フー・ファイターズが、一応回復役なんだっけ?
ミナミは、承太郎の状態について真実を言いたい。けど愛陽が却下。
フー・ファイターズは、頭良いんだろうけど、人間じゃないので人間の常識はないし、今まで徐倫達以上の敵に出くわしたこともないだろうしね。経験値不足が災いしたのかな?
ミナミとナランチャの子供の名前候補(活動報告でも募集中)
-
乗上(ノア)
-
ローゼ
-
花梨(カリン)
-
マールナ
-
ノワ