マジでリアルが多忙でして・・・。
執筆に向かおうとしても身体が睡眠を欲してしまってちまちまとしか書けなくて・・・。
林間学校二日目。
この日は朝から夕方まで各班ごとに自由行動が許される日となっている。
この日は生徒達がこの林間学校で最も楽しみにしていた日でもあり、各々が大いにこの自由時間を満喫しようという日でもある。
それ故に、羽目を外し過ぎる生徒も出てくるので各担任から出掛ける前に注意事項と藍越学園の生徒としての自覚を持って行動するようにと念を押される事となった。
今回は一夏達の第一班の行動を見てみよう。
side 一夏
俺達第一班一行は旅館を出発して登山電車を利用して一気に山の頂上付近まで上ってきた。
「ん~!やっぱり山の空気は美味しいわね」
列車を降りると鈴が山の空気を目一杯吸い込みながら気持ち良さそうにそう言った。
「ん~、そうだね~♪それに電車から山の景色も見れて最高だったね~♪」
のほほんさんも鈴の真似をしながら山岳鉄道の感想を口にする。
「ここの鉄道は日本では珍しい本格的な山岳鉄道らしいね。山の絶景を大いに堪能できたし、ちょっとしたアトラクション気分で乗れる鉄道だったね」
「確かに。中々の趣きだった」
桐生と瀬戸もこの登山電車には満足したようで嬉しそうに感想を言っている。
桐生に至ってはガイドブックまで購入してるくらいだ。
それに、瀬戸も少なからず嬉しそうだ。
瀬戸があんな表情見せるなんてちょっと驚きだ。
この二人とはまだ付き合いも短いが、こういう知らなかった一面を見られるのは結構良いもんだな。
「確かに山の景色は凄く良かったし、高い橋を渡ったり、列車のスイッチバックも見る事ができたから桐生の言うとおりちょっとしたアトラクションだったかもしれないな。なあ、箒」
「あ、ああ、そうだな。景色も良かったしな。良かったと私は思うぞ」
「見てみて~、駅出たところに人力車あるよ~♪」
駅構内から出るとのほほんさんが嬉しそうに指を差した。
見るとそこには確かに人力車が数台止まっており、運転手らしき人が立っており、『人力車サービス』と書かれた半被を着ていた。
「風情があっていいわね。せっかくだから皆であれ乗りましょう」
「そうだね、こういうのを体験するのも悪くないかもね」
「皆で乗ろ~♪」
「どうやらあれは二人乗りのようだな」
「それなら男女ペアで乗ろう。ちょうど三人ずつだし」
「う、うむ」
特に反対意見も出ないようなので皆で人力車に乗ることに。
実を言うと俺もちょっと乗ってみたかったりする。
さて、俺は誰と乗ろうかなぁ。
「い、一夏・・・」
「ん、何だ箒?」
「よ、よかったら私とあれに乗らないか・・・?」
箒の方から誘ってくるとは珍しい。
「おし、じゃあ一緒に乗るか」
俺としても異論はないので箒と一緒に乗ることにする。
「う、うむ。では、乗るとしよう」
箒に促され、俺達は人力車に乗った。
side out
「じゃあ、出発しまーす」
「「「「お願いしまーす」」」」
一夏達を乗せた人力車が運転手によって動き出す。
行くコースは運転手にお任せということになっている。
「良い感じに風が吹いてて気持ち良いなぁ」
「そ、そうだな」
箒の隣には一夏が座っており、お互いの肩と肩がくっ付くほどの距離だ。
そこから一夏の温もりが僅かに伝わってきて箒の心を落ち着かなくさせる。
(ガタンッ!!)
「うわっ!?」
突然人力車が大きく揺れ、バランスを崩した箒は一夏に方に身体が倒れそうになる。
「おぉっと!!大丈夫か箒?」
咄嗟に一夏が箒を抱きとめて支える。
これによって二人の身体はより密着状態となり、先ほどから感じていた一夏の温もりがより強く感じられ、おまけに昨晩一夏の背中に縋りついた事も思い出してしまった箒は火が出そうなほど顔を真っ赤にした。
「だ、大丈夫だから離せっ!あ、あと顔が近い!!」
「お、おう」
言われて一夏は箒を離す。
感じていた温もりも遠退いてしまって箒はちょっと寂しくなる。
「すいません。車輪が何か大きめの石を踏んづけたみたいで」
人力車の運転手が首を二人の方に向けて揺れの原因を教えてくれた。
「そうですか。気を付けくださいね」
「はい、すみません・・・」
どうやら一夏と箒が乗り込んだ人力車の運転手はまだ新米のようで、他の四人が乗り込んだ人力車の運転手よりも操縦に慣れていないのか、背中から緊張が感じ取れた。
「何かこうして山間の風景を眺めながら人力車乗ってると旅番組にでも出てるみたいだよな」
「そ、そうだな。撮影スタッフやカメラマンはいないけどな」
「はははっ、そりゃ言えてる」
無邪気な笑みを浮かべる一夏に対し、肩と肩が触れ合う距離いて、それでいて人力車に乗りながら心地良い揺れと風に吹かれるこのシチュエーションに箒は内心ドキドキだ。
「い、いいものだな、こういうのも・・・」
「そうだな、和むよな」
両者の言葉の意味合いには若干のズレがあるものの、人力車サービスを満喫しているのであった。
「そういえばさ」
「な、何だ?」
「リボン、ちゃんと付けてくれてるんだな」
一夏が箒の頭に結わえれられているリボンを指差す。
それは昨晩に一夏が箒に渡した誕生日プレゼントのリボンだ。
「あ、ああ。せっかく貰ったのだし、早速使ってみようと思ってな」
「そっか。やっぱりプレゼントしたものを使ってもらえるのって嬉しいもんだよな」
「う、うむ。なら私も身に着けた甲斐があったというものだ」
それからも一夏と箒は二人だけの会話に花を咲かせるのであった。
暫くの間、人力車に揺られながら山間の景色を堪能した第一班一行が次に訪れたのは自然に囲まれた渓流の釣り場だった。
この釣り場は誰でも手軽にニジマス釣りを体験でき、釣った魚もその場で焼いて食すこともできる。
「私釣りって初めてするよ~♪」
「あたしもよ。店で魚を捌いたりした事はあるけど釣ったことは無いわね」
「ボクも釣りは初めてだよ。何だかワクワクするね」
借りてきた竿を持ちながら本音、鈴、悟史がいかにも楽しみと言った感じで川岸に下りてくる。
三人とも釣りは初体験なので心が躍っているようであった。
ちなみに、一夏、箒、俊樹の三人は釣りは体験した事がある。
一夏と箒は幼い頃に篠ノ之道場の合宿で山に来たときに経験しており、俊樹は父親と一緒にしたことがあるらしい。
「餌を用意した。各自付けろ」
俊樹が餌の入ったタッパーを持ってきた。
「ち、ちなみに餌って何?」
「これだ」
俊樹がタッパーを開けるとそこには
「いやぁぁぁぁっ!!!!」
タッパーの中にはニジマス釣りの餌の定番であるブドウムシがうねうねと動いており、それを見た鈴が悲鳴を上げる。
「ニジマス釣りって言ったらやっぱブドウムシだな」
「練り餌でもいいが、やっぱりこれが一番いいな」
「うむ」
経験者の三人は平然と、箒は女子にもかかわらず平然と餌を釣り針に付けている。
「アンタ達そんな気持ち悪いのよく触れるわね・・・」
「ん?まぁ、俺も最初は気持ち悪かったけど慣れればそれほどでもないぞ」
「こんなモンに慣れたくないわよ・・・」
「だが、これを付けなきゃ釣りはできんぞ」
「一夏、餌付けてよ」
「いや、自分で付けろって。こういうのは実際に体験してナンボだろ?」
「嫌よ!気持ち悪いっ!!」
ブドウムシの気持ち悪さに引いてしまった鈴は頑なに触るのを嫌がる。
「準備はいいか?」
「こっちはOKだよ」
「私も準備おっけ~い♪」
鈴がゴネているうちに他のメンバーは全員餌を付け終わっていた。
「ほ、本音も自分で付けたの?」
「うん。私も最初は気持ち悪かったんだけど~、慣れちゃえば何ともないよ~♪」
「うぐぐ・・・」
本音が付けれたのに自分が付けれないのが悔しいのか、鈴は眉に皺を寄せながら唸る。
「ほら、まずは自分でやってみろって」
「それでも無理なら私か一夏が付けてやる」
「りんりん~、何事も挑戦だよ~」
「挑戦じゃなくて経験だ」
「間違ってはいないけどね」
「わ、わかったわよ・・・。自分で付けるわよ・・・」
ようやく観念した鈴はタッパーに入ったブドウムシをつまむ。
「うわぁ・・・、ううぅぅ・・・」
悪戦苦闘しながらも、何とか釣り針に餌を付けようとする鈴。
「凰、頑張れ~」
「りんりんふぁいと~♪」
「ぐぬぬ・・・、よ、よし!付けたわよ!!」
悟史と本音の激励に後押しされ、ようやく鈴は釣り針に餌を付けることができた。
「「「「おー」」」」
そこで何故か第一班全員で小さく拍手する。
ちなみにこの釣り場には他の客も少なからずいるのだが、他の客達は突然起こった拍手に何事かと目をしばたたかせていた。
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アイキャッチしりとり
本音「夜釣りよ今夜はありがとう~♪」
鈴「ウチまだ心の準備が・・・」
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side 一夏
「うっしゃぁ、ドンドン釣るわよー!!」
餌を付け終えたところで鈴が我先にと桟橋の方へ走って行った。
さっきまで餌付けれなくて四苦八苦してたくせに現金な奴だなぁ。
「張り切ってるねぇ、凰はさ」
「まあ、あいつ釣りは初めてみたいだしな」
「初めてだから舞い上がっているんだろう」
俺も桐生と瀬戸の二人と一緒に鈴の後に続いて桟橋へ移動する。
「うまく釣れるといいんだけどね」
「まあ、魚は気まぐれだしな。釣れる時は釣れるけど、釣れない時は釣れないもんだ」
「釣れる釣れないよりもどれだけ楽しむかだな」
「おっ、瀬戸良い事言うな」
「はははっ、ならボクも楽しむとしようかな」
男子三人で話しながら仕掛けを水面に下ろして釣りを開始する。
「れっつふぃっしんぐ~♪」
「私も釣るぞ」
のほほんさんと箒も釣りを開始だ。
これで全員が釣り竿を握り締めて今か今かと魚が食いつくのを待つ状態になったわけだ。
さてさて、今宵の魚はどんな気まぐれをしてくれるのかなっと。
そして一番最初に釣り上げるのは誰かな。
「お、来たか」
おおっ、ファーストヒットは瀬戸か!?
「よっと!」
釣り竿をぐいっと上げて掛かった魚を釣り上げる。
「おお~、せっとんもう釣ってる~!」
「むぅ、あたしも負けないわよ~!」
メンバーのやる気にも火が点いたみたいだな。
「おおっ、ボクも来たよ!」
桐生もヒットしたようだ。
「そぉらぁ!!」
桐生も勢いよく釣り竿を上げて魚を釣り上げた。
「おおっ、とっとっと」
(ピチピチピチっ!!)
「おわっ!ちょっと桐生、こっちに魚向けるなっ!!」
「いや、わざとじゃないんだけどさ」
釣りで竿の扱いに慣れていない所為か、桐生の釣った魚がピチピチと動いて俺の方に水飛沫を飛ばしてくる。
(ピチピチピチっ!!)
「おいっ!桐生ってば!!」
ピチピチと動いた魚がまた俺に水飛沫を飛ばしてくる。
「だからわざとじゃないよ。そっちに行っちゃうんだよ」
そんなニヤニヤした顔で言われても説得力ないぞ・・・。
どうやら釣り上げた事で桐生もテンションが上がって悪戯心にも火が点いたらしい。
初めは上品そうな令息って感じだったけど、こうして接していると結構腕白なところがある奴だ。
「ごめんごめん。じゃあ、釣った魚はバケツに入れておくね」
「ああ、そうしてくれ」
悪戯にも満足したのか桐生は釣った魚を釣り針から外してバケツに入れた。
それにしても、躊躇なしに魚に触れるとはあいつ本当に良いトコ坊ちゃんだとは思えないなぁ。
さっきも餌をしれっと付けたしな。
「わ、わわ、引っ張られてるよ~」
今度はのほほんさんにヒットが来たみたいだ。
「のほほんさん、そのまま釣り上げるんだ」
「ほえ、もう釣り上げていいの~?」
そうしている間にもぐいぐいと釣り竿が引っ張られていて物凄く先端が撓っている。
これは大物かもしれない。
「んん~!!」
のほほんさんも釣り上げようと力を入れているが中々釣り上げる事ができないでいる。
まあ、のほほんさんはそんなに力持ちには見えないしな。
「手伝おう」
すると、瀬戸がのほほんさんの釣り竿の補助に入った。
「俺が補助するから力を合わせて釣り上げるぞ」
「りょ~かい~♪」
「よし、行くぞ」
「せ~の~」
「「そぉ~れ~!!」」
瀬戸とのほほんさんの二人の力を合わせた釣り竿は魚を見事に釣り上げた。
「わ~い、釣れた~♪」
「これは大物だな」
確かに二人が釣り上げた魚は先ほど瀬戸と桐生が釣り上げた奴よりデカイ。
あんな奴が掛かってたんならのほほんさんひとりの力じゃ釣り上げられなかったわけだな。
「せっとんのおかげで釣れたよ~。ありがと~♪」
「俺は補助をしただけだ」
「それでもだよ~♪」
瀬戸の面倒見の良さってのほほんさんに発揮される事が多いよなぁ。
のほほんさんって構ってあげたいオーラが出てるから瀬戸も自然と世話を焼いちまうのかもしれない。
「食いつかないわね・・・」
「む~・・・」
対する鈴と箒、そして俺はまだヒットが来ない。
釣りにおいて必要なのは根気強く待つ忍耐力が必要だ。
さっきも言ったけど魚っていう奴は気まぐれだ。
釣れる時は釣れるけど釣れない時は釣れない。
イライラせずにじっと待つに限る。
それにどうだ。
この綺麗な緑が広がる渓流の景色に静かに流れるせせらぎの音が何とも穏やかな気持ちにさせてくれるじゃないか。
この空気に身を任せてのんびりとするのも悪くは無いだろう。
「一夏、顔が縁側で緑茶を飲みながら孫を眺めてる老人みたいになっているぞ」
釣れない事で暇を持て余したのか箒が話しかけてきた。
「って箒、それってどんな顔だよ!?」
「言葉通りの顔だが?」
俺はこのシチュエーションを満喫してるだけなんだけどなぁ。
この情緒がわからんもんかねぇ。
(ぐいぐいぐいっ!!)
「おっ!来たっ!!」
遂に俺にもヒットが来たぜ!
(ぐいぐいぐいっ!!)
「私も来たぞ!!」
箒もヒットが来たみたいだ。
これで俺と箒のダブルヒットだ。
「バラすなよ、箒!!」
「そっちこそな!!」
お互いの顔を見やってからお互いに不敵な笑みを浮かべる。
「「そぉ~らぁ~!!」」
息を合わせるように掛け声を出して俺と箒は釣り竿を上げて魚を釣り上げた。
仕掛けに掛かった魚が釣り針と一緒に水面から飛び出し、俺と箒の前へと姿を現した。
「やるじゃねぇか箒!」
「そっちこそな一夏!」
釣り上げた魚を手に、俺と箒は互いの拳を付き合わせる。
なんか少年漫画みたいなノリだけど、この辺は俺と箒の幼馴染故のコンビネーションと言えよう。
「ぐむむむ・・・・・・、何であたしだけ釣れないのよぉ・・・・」
ひとりだけまだ釣れていない鈴が厳しい顔をして水面をにらめつけている。
「鈴、釣りは忍耐だぞ。来るまで根気強く待つんだぞ」
「わ、わかってるわよ・・・・」
そうは言ってるけど、鈴の奴焦れて仕方ないのか貧乏ゆすりしてる。
鈴は性格的に待ち時間が長くなるかもしれない釣りはあんまり向いてないのかもしれない。
だからって皆が釣ってるのに自分だけ釣れないってのは鈴の性格的に許せないと思うので多分釣るまでやめようとしないだろうな。
(ぐいぐいぐいっ!!)
「おっ!?来た来た来たぁぁぁーーーー!!」
鈴もいよいよヒットしたようだ。
「力みすぎてバラすなよ」
「まっかせときなさいよ!魚ごときがあたしから逃げられるわけないじゃない!!」
魚ごときって・・・、魚だって警戒心が強くて頭の良い魚とかもいるんだぞ。
まあ、ニジマスがどうかは俺も知らないけど。
「どぉぉぉっっっせいぃぃぃーーー!!!」
威勢のいい掛け声と共に鈴が小さい体躯をフルに生かして釣り竿を振り上げる。
すると、鈴の勢いに屈したニジマスが水面から飛び出してきた。
「よっしゃぁ!釣ったわよ!!」
大きなガッツポーズを決める鈴。
これで全員一匹は釣った事になるな。
「よーし!これからバンバン釣ってやるわよ!!」
「でも、釣るには餌付けなきゃいけないぞ」
「それはイヤぁぁぁぁぁぁっ!!!」
「「「「あははははっ」」」」
その後も賑やかにニジマス釣りを楽しんだ俺達は釣り上げたニジマスを皆で調理して美味しく頂いたのだった。
side out
おまけ
皆で調理したニジマスを食べている時の事
「そういえばさ~」
「ん?何よ本音?」
「この釣ったお魚さん達ってさっきの虫を食べたんだよね~?」
「まあ、あれを餌にして釣ったわけだしね」
「だとしたら~」
「何だ?」
「その虫を食べたお魚を食べた私達はその虫を食べた事になるのかな~?」
「「ぶーっ」」←飲み物を吹く一夏と鈴
「ぐっ」←まさにニジマスを齧ろうとした箒
「はははっ・・・」←苦笑いの悟史
「・・・・・(モグモグ)」←気にせず食ってる俊樹
「あれ?皆どうかしたの~?」
「あんたが変な事言うからでしょうがっ!!!」
食事中に起こったそんな一幕でございました。
駄文にお付き合いくださってありがとうございます。
後半は自分でも無理矢理終わらせた感は拭えません・・・。
このままだとマジで月一更新になりかねません。にじファン時代は週一更新が目標だったのですが、今の生活環境だとそれは難しいの月に二回くらいは更新したいのですが・・・・。
では、また次回に~