ようこそ藍越学園へ   作:TAKUMAKI?

83 / 89
お久しぶりです、TAKUMAKI?です。

また×5更新がかなーり遅れてしまいました・・・。いやぁ、最近リアルでの忙しさもありますが、仕事が終わって家に着くと大体すぐにPC付けてお気に入り小説の更新チェックしてから執筆に向かうんですけど、眠気に勝てないんですよね・・・。休日になってもゲームに浮気したりもしてろくに執筆できないまま寝てしまう事も多くってこんなに更新がおくれてしまいました・・・。書きたいことがうまく表現できないというのもありましたが・・・。

今回は林間学校の裏側の十秋にスポットを当てています。
それと、虚の生徒会での役職ですが、今までは原作と同じ会計でしたが、一夏が生徒会に強引に入れられる事も無いので副会長に変更しました。その方が二人の仲の良さを表すにはいいかと思います。

では、どうぞ




林間学校の裏側の藍越学園
第七十五話 生徒会長と恋人と問題と


藍越学園生徒会室。

生徒会長である織斑十秋を中心に生徒会メンバー数人が机を囲んで会議を開いていた。

 

「これは由々しき事態ね・・・」

 

だが、その表情は厳しいものだった。

 

「そうですね。あまり喜ばしくない状況ですね・・・」

 

「だんだん、生徒会の方だけで内々に処理するのは難しくなってきています・・・」

 

「このままでは、対応しきれずに先生方にも報告が入る事になると思います・・・」

 

数人の生徒会役員が十秋の言葉に各々の意見を述べる。

 

「七月に入ってから何件だっけ?」

 

「三件です・・・」

 

「そう・・・。困ったものね・・・」

 

報告書と思しき紙を見ながら十秋はため息を漏らす。

 

「ただいま戻りました」

 

そこに副会長の布仏虚と二名の生徒会役員が生徒会室にやってきた。

 

「見回りご苦労様。で、どうだった?」

 

「はい、体育館裏で一件見つけました・・・」

 

「そう・・・。これで四件目ね・・・」

 

虚の報告に十秋は落胆の色を隠せなかった。

 

「どうします会長?」

 

「とにかく、生徒会としては大事になる前に解決して穏便に済ませたいわね」

 

「なら、引き続き調査を続行して原因を見つけ次第、早急に解決するという事ですね」

 

「そういう事になるわ」

 

「ですが、このまま調査を続行するにしても私達生徒会メンバーだけでは人手が不足しています。このままでは先生方の耳に入るのも時間の問題かと」

 

「そうね。生徒会メンバーだけで解決するのは難しいかもしれない。ちょっとあたしの方でその辺りの対策を考えておくから皆を引き続き調査の方をお願いね」

 

「はい!」

 

「了解です!」

 

「わかりました!」

 

十秋の号令で役員達は力強く頷いた。

 

「それじゃ、みんな通常業務に戻って。今日も書類仕事たくさんあるから頑張って処理しましょう」

 

十秋がパンパンと手を打って作業を促すと役員達はそれぞれの生徒会業務に取り掛かった。

 

「では、会長はこちらの書類をお願いします」

 

ドンッという音と共に大量の書類が十秋の目の前に置かれた。

 

「はぁぁ~・・・、うんざりするけどやるしかないよね・・・」

 

山と積まれた書類にげんなりとしながらも十秋は書類との格闘を開始したのだった。

 

 

 

(ピピピピ、ピピピピ)

 

会議から二日後の朝、深い眠りの中にあった十秋の意識の中に、目覚ましのベルが飛び込んできた。

 

「ん、ん~・・・」

 

十秋はうめきながら目覚まし時計の音を止めるために目覚まし時計に手を伸ばす。

タンッというボタンを押す音とともにアラーム音も鳴り止み、部屋には静寂が訪れる。

 

「ふぁ~、ねむぅ~・・・」

 

朝が弱い十秋はアラームを止めてもまだ布団から出て来ない。

朝起きるときの布団の魔力は十秋にとっては強敵なのである。

 

「ふぁ~・・・、起きなきゃ・・・」

 

現在、織斑家には十秋ひとりしかいない。

今は藍越学園一年生一行は林間学校の真っ最中で一年生である一夏はもちろん、一年一組の担任である千冬、保健医として行事に同行した百春は織斑家にはいない。

故に、朝食の用意も十秋が自分でしなけらばならないのでいつもよりも早めの時間に目覚ましをセットしていたのであった。

 

「ふぁぁぁぁああああ~・・・」

 

より一層大きな欠伸をしながらモゾモゾと布団から抜け出して十秋は自室を後にした。

時刻は午前六時四十分。

普段の十秋では絶対にまだ起きてこない時間であった。

 

 

 

「いただきます」

 

顔を洗って歯を磨いてからトースト一枚に濃い目に入れたコーヒー一杯という簡単な朝食を用意し、そのままそれを口にする。

いつもなら一夏が朝食を用意し、百春が新聞を読みながらコーヒーを飲み、千冬が十秋以上の寝ぼけ眼でテーブルに着くのが常だが、今日は十秋ひとりの静かな朝食だ。

 

「ひとりは味気無いなぁ・・・」

 

苺ジャムを塗ったトーストを一齧りしてから十秋がそう言葉を漏らす。

両親との死別後、今まで四人で力を合わせて生活をしてきた織斑家は家族の時間というものを大事にしてきた。

食事はなるべく全員一緒に取るようにしていたし、何より家の中でひとりで過ごすという経験が十秋には珍しい事だ。

数日間だけ気ままなひとり暮らしだと思えれば気も楽なのだろうが、十秋の頭にはそのような考えは無いようだ。

それだけ十秋にとって千冬、百春、一夏の三人は大きな存在と言えるのだろう。

 

「さて、それじゃあ、さっさと用意しちゃおうっかな」

 

簡単な朝食を済ませ、十秋は再びキッチンに立った。

テーブルの上には弁当箱が二つ(・・)用意されていた。

 

 

「あ、会長!おはようございます」

 

「おはよう。今日も暑いね」

 

「そ、そうですね」

 

「学期末テストも近いし、暑さに負けずに勉強頑張ってね」

 

「は、はい!」

 

「会長、おはようございます」

 

「はい、おはよう。そういえば、あなたの部活(ところ)は夏休みに大会があったよね」

 

「お、覚えていてくれたんですか!?」

 

「もちろん。勝てるように応援してるからね」

 

「あ、ありがとうございます!頑張ります!」

 

「織斑さん、おはよー」

 

「あ、おはよう。今日は宿題ちゃんとやってきた?」

 

「え?今日何か宿題出てたっけ?」

 

「ほら、英語の宿題出てたでしょ」

 

「あっ!そういえば出てた!ゴメン、急いで教室に行って片付けてきちゃうから!!」

 

「はいはい。廊下は走っちゃダメだよー」

 

朝の登校時、通学路を歩いている十秋に次々と生徒達が声を掛けていく。

十秋の人当たりの良さやカリスマ性もあって声を掛けてくる生徒も後を絶たないが、十秋も声を掛けてきた生徒ひとりひとりに笑顔で接している。

 

「十秋さん、おはようございます」

 

「あ、虚ちゃん。おはよう」

 

そこに虚が声を掛けてきた。

二人は特に待ち合わせをしている訳ではないのだが、学校まであと数分のところでいつもばったりと出会う事が多く、この日も普段通りに登校中に合流したのだった。

 

「今日も朝から人気者ですね。さすがは生徒会長といったところですね」

 

「もう、やめてよそういう事言うの。でも、ああやって声を掛けてきてくれるのは嬉しい事だよね」

 

「そうですね。それだけ生徒から親しみやすさを感じてもらえているという事なのでしょう」

 

「生徒会長として生徒の信頼には応えなきゃね」

 

「そういえば、もうすぐ試験がありますけど、それが終われば夏休みですね。十秋さんは何か予定とかは立ててますか?」

 

「ううん、今のところは特に予定はないかな。虚ちゃんは?」

 

「私は八月の頭に家族旅行があるくらいですね。それ以外には特には」

 

「へぇ、旅行行くんだ。どこに行くの?」

 

「軽井沢ですよ。父の知り合いがそこで旅館を経営しているのでそこに宿泊する予定です」

 

「そうなんだ。お土産よろしくね」

 

「わかっていますよ。期待していてください」

 

夏休みの予定発表の会話もそこそこに二人は校門にたどり着く。

 

「では、また教室で」

 

「うん」

 

そう言って二人は軽く手を振って別れる。

虚はそのまま昇降口の方へ歩を進め、十秋はグラウンドの方へと歩を進めた。

何故同じクラスである二人がここで別れたかというと、十秋にはグラウンドの方に用事があるからである。

その用事というのはグラウンド方から聞こえてくるサッカー部の喚声を聞けばわかるであろう。

朝のグラウンドには、朝練を終える時間の運動部員達の姿が疎らに見え、十秋はグラウンドの隅からそのグラウンドの一角で練習をしていたであろうサッカー部の方へ視線を向けた。

 

「よしっ!今日の朝練はここまで!!」

 

「「「「「「お疲れ様でしたーっ!!」」」」」」

 

サッカー部はもう朝練を終え、キャプテンの修吾が解散の号令を掛けたところだった。

サッカー部員達はユニフォームが泥だらけでかなり気合の入った朝練を行っていたことが窺い知れた。

 

「あっ」

 

号令を終えて部員達が部室棟の方へ向かい始める中、修吾はグラウンドの隅にいた十秋の姿を見つけた。

十秋は少し微笑んでから軽く手を振る。

すると、修吾も手を振りながら十秋の方へ走ってくる。

 

「おはよう、十秋」

 

「おはよう、修吾くん」

 

恋人同士になって日も浅い二人だが、お互いに下の名前で呼び合うことに照れはなくなっていた。

今ではサッカー部員の間では十秋と修吾の仲は周知の事で、初めこそ冷やかされたりしたが今ではそっとされている。

 

「朝からそんなに泥だらけになるまで練習するなんて精が出るね」

 

「まあ、大会も近いしね。試験前にがっつりと練習出来るうちはしておきたいから練習にも自然と熱が入っちゃってさ。泥だらけになっても部室棟に行けばシャワーもあるからあんまり汚れは気にしないで練習できるしな」

 

汗を掻いた顔をタオルで拭きながら修吾は破顔する。

 

「その格好のままでいるのもアレだし、早く着替えてきて。あたしはここで待ってるから」

 

「わかった。じゃあ、またあとで」

 

軽く手を上げてから修吾は部室棟の方へ向かって走り去っていった。

十秋も微笑みながらその背中を見送った。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

アイキャッチしりとり

 

十秋「よいではないかよいではないか♪」

 

 

 

修吾「勘弁してください!」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「お待たせー。じゃあ、行こうか」

 

「うん」

 

制服に着替えた修吾と並んで十秋は校舎の方へ歩みを進める。

お互いの教室までは五分も掛からないが、ここ数日は毎日このように十秋が朝練を終えた修吾を迎えに行って一緒に教室まで向かっている。

実はこの二人、学校では二人でいる時間というのが少ない。

クラスは別なので当然授業は一緒には受けられない。

昼休みも十秋はカリスマ生徒会長故か一緒に食べたいと申し出る友人なんてそれこそ山のようにいるし、修吾も修吾で友達を大事にしているので昼食も別々で食べる事が多い。

放課後も修吾は大会に向けて練習は怠らないし、十秋も生徒会長としての仕事があるので一緒にはいられない。

傍から見ると「お前ら本当に付き合っているのか?」と問いたくなるが、これはお互いに合意の上でもある。

そのかわり、今のように修吾の朝練が終わってから教室に向かう時間など細かい時間を見つけては二人でいるようにしている。

小さな事ではあるがお互いに自分達の関係を焦らずに進めていこうという結論である。

が、せっかく付き合い始めたのだし、勿論二人の変化はコレだけではない。

 

「はい、コレお弁当」

 

「う、うん/////」

 

そう、変化とはコレだ。

今朝十秋がいつもより早起きしてキッチンに立っていたのは修吾の弁当を作っていたからである。

七月に入ってから十秋はこうして修吾に手作り弁当を渡すようになったのである。

先日、朝に弱い十秋が本当に偶々一夏よりも早起きをしたので、その日は自分が朝食と弁当を用意しようという事になり、せっかく弁当を作るなら修吾にも作っていってあげようと思い至ったのが事の始まりだった。

ちなみに十秋が早起きしてキッチンに立っていた事を一夏達に驚かれた事は言うまでもない。

 

そういった経緯もあって、最近十秋は少しだけだが早起きが出来るようになってきたのである。

料理が得意でも朝に弱く、弁当はいつも一夏任せだったのだから、これは恋人が出来た事による良い変化と言えるかもしれない。

 

「あ、ありがとう。悪いな、わざわざ弁当を用意してもらって/////」

 

照れながらも弁当受け取った修吾は十秋にお礼を言った。

 

「ううん、気にしないで。あんまり手の込んだものじゃなくて悪いけど残さず食べてくれたら嬉しいな」

 

「残さないさ。そのぉ・・・、せっかく早起きが苦手な十秋が作ってくれた弁当なんだから/////」

 

「うん、そういってもらえると嬉しいよ♪」

 

十秋は嬉しそうにニッコリと微笑んだ。

修吾も自分の言った事が恥ずかしかったのか更に顔を少し赤くする。

何ともこそばゆい雰囲気が二人の間に横たわる。

傍から見たら「リア充氏ね!」とか「爆発しろ!」とか言いたくなるような雰囲気であった。

 

「それじゃ、俺クラスに行くから。弁当ありがとうな」

 

「うん。今日も張り切って授業を受けましょう」

 

「はい、会長」

 

「うふふっ♪」

 

おどけたように敬礼をしてみせる修吾に十秋は自然と笑みを浮かべた。

 

「それじゃ」

 

「おう」

 

軽く手を上げて二人はそれぞれのクラスに向かった。

 

 

 

「会長、おはようございまーす!」

 

「織斑さん、おはよー!」

 

「うん、おはよう」

 

教室に入ってからもクラスメイト達が次々と十秋に挨拶をしてくる。

クラス内でも十秋の人気は揺るがない。

十秋も挨拶をしてきたクラスメイトに丁寧に挨拶を返しながら自分の席へ向かう。

 

「織斑さん、ちょっとよろしいですか?」

 

「ん?」

 

十秋が席に鞄を置いて座ろうとすると、ひとりの女子生徒が話しかけてきた。

 

「あら、おはよう高嶺ちゃん」

 

「はい、おはようございます」

 

彼女は十秋のクラスメイトの「紫藤高嶺(しどうたかね)」だ。

白銀色に輝くベージュのロングヘアが特徴的で、モデルになれそうなほどスタイルも良い。

気が強そうなツリ目がちょっと怖そうな印象を与えるが、彼女自身が真面目な性格とあってクラスから浮いているというわけでもない。

彼女と十秋は一年生の時からずっと同じクラスでクラスメイトの中でも虚に次いで仲の良い相手と言える。

 

「少しお話があります。ちょっとお時間よろしいでしょうか?」

 

「うん、いいよ」

 

あまり他者に聞かれてたくない内容と察した十秋は高嶺と共にあまり人が寄り付かない場所に移動した。

その場所は三年の教室からも離れていないので遅刻の心配はない。

その場所はもちろん生徒会室だ。

 

「それで、話は一体何かにゃ?」

 

「分かっているんじゃないですか?」

 

「・・・、例の件かな?」

 

少しおどけてに話を振ってみた十秋だが、高嶺の真面目な顔を見て十秋も態度を改め真剣になった。

 

「今朝、風紀委員の朝の取り締まりと平行して、先日に相談された例の問題に対処するべく私達風紀委員も数人で校内の見回りを行っていたのですが、見つけましたよ、コレを」

 

そう言って高嶺見せてきたのは、先日の生徒会でも問題になったあるモノ(・・)だった。

それは刑事ドラマなんかで証拠品を入れているようなビニールの袋に入れてあった。

実は高嶺は風紀委員長を務めており、先日の問題も生徒会だけで対処するには人手が足りないと判断した十秋が風紀委員長である高嶺に相談を持ち掛けたのだ。

 

「見つけた場所は?」

 

「第一部室棟の裏側です。それと、それには重要な手掛かりも残されています」

 

「これに?一体どんな手掛かりが?」

 

「それを発見したのはほんの十分ほど前で、利用してからそれほど時間が経っていない事がわかりました」

 

「ということは・・・」

 

「そうです。昨今の問題を起こしている者は第一部室棟を利用している可能性が高いと言う事です。話を聞く限り、体育館裏やグラウンドの隅などから発見されているケースが多いです。そして今回の第一部室棟付近での発見を鑑みるに可能性は高いかと」

 

「そう・・・。やっぱり運動部のどこかにいるみたいね・・・」

 

「はい。運動部にこんな事をしている生徒がいるというのは問題ですね」

 

「そうだね。運動部のどこかに・・・、校内でタバコを吸っている生徒(・・・・・・・・・・・・・・)がいるなんて・・・」

 

袋に入ったタバコの吸殻を見つめながら十秋は蔭りのある表情を隠すことが出来なかった。




駄文にお付き合いくださってありがとうございます。

今回は林間学校の裏で藍越学園で起こった問題に直面する十秋を描かせてもらっています。本当は解決するまでを書きたかったんですが、執筆が間に合っていないのと三月中に投稿が出来なさそうということで今回はここで区切って投稿致しました。

新しく登場したオリキャラの紫藤高嶺さんですが、元々は十秋とは対立的な立場を取るキャラを考えていたのですが、何か構成を練っているうちに立場が十秋の友人という形に収まりました。

問題に関しては割りとどの学校でもあると思う校内で喫煙をしている生徒がいるという問題です。僕が通っていた高校でもあった問題なのですが、創作物とはいえ高校生が喫煙をしているとい事を描いて問題があるんじゃないかとおっかなびっくりしております。これをテーマにした事によってこっちに何かしらの問題が起きるんじゃないかと・・・。

次回は解決編になります。ではまた~。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。