鎌の勇者(笑)の処理に時間がかかってすいません。
本来考えていた文では、とっとと消し飛ば……ゴホン退場して貰ったんですけど、
友人に見せたところ「夕張ただのサイコパスじゃん!?」と言われたので、消し飛ばす程のド畜生感と小物感を出す為、イライラすること言わせまくったため少し寿命が伸びました。
……長くてすいません。
「夕張からの連絡は?」
「……応答はねぇな……」
若い青年将校―提督は、ここ数時間ずっと同じことを秘書艦 摩耶に尋ねる。
ここは、夕張が所属する佐世保鎮守府。
鎮守府としてはそれなりに上位であり、南部方面の鎮定後は各鎮守府に資源を回し、制海権奪還に大きく貢献した。
この提督は、攻めに関しては凡庸な才能だが、こと防衛に関しては天賦の才を持つ。
だからこそ、全海域中1、2を争うほどの広大な海域を護り続ける事が出来たのだから。
「な、なぁ提督。第一艦隊の五人以外にも、他の艦隊を派遣出来ねぇのか?」
「それは……出来ない。深海棲艦の脅威は、コアを破壊した今でも消えてないんだ……ここで他の艦隊を回せば、護りが薄くなる」
余談だが、この世界では一年前、深海棲艦の中枢棲姫の撃破に成功している。
しかし、電撃戦による奇襲で倒した為に、姫級や鬼級など多くの深海棲艦が残っており、面倒なことに各個に行動し、連携しなくなったもののかえって厄介な状況になっていた。
それゆえに、気を緩める所か全艦隊でローテーションを組んで備えているのが現状だった。
「け、けどよ……!」
「摩耶……頼む、少し1人にしてくれ…」
納得出来ないと、更にいい募ろうとする摩耶を遮るように告げ、提督は摩耶を退出させる。
一拍。
「クソ!クソっ!大本営めっ!!!」
壁を殴りつけ、なおも治まらないソレを提督は吐き出していた。
「おかしいと思ったんだっ米国からの共同戦線……しかも大本営ご指名って時点でっ!」
先程も告げたように、佐世保鎮守府は他の鎮守府の資材面を支えるなくてはならない存在である。資源が豊富である為直轄地に置こうとかつて大本営に狙われた。
様々な陰謀があったものの、今の提督や夕張たちが尽力したことでどうにかこの体制を敷いたが、その現状に満足出来ない大本営の老害共が仕掛けてきたのだ。
しかし、
「司令官!呉鎮守府から電文です『貴官所属 夕張ノ捜索ニ協力ス』」
「提督!舞鶴鎮守府からも来てるぜ『資源ト防衛協力ノ借リヲ返ス』ってよ!」
「提督…!大湊警備府からも『キス島撤退作戦ノ借リ今コソ返ス時』…だそうです…!」
さすがに、こうなるとは思っていなかっただろうが。
青葉、天龍、扶桑がもたらした吉報、そして協力をしてくれる提督らに彼は心の底から感謝した。
「まだまだ来ますよ!」
「人望っぽい?」
「うん。これが、提督やみんなが紡いだ繋がりだよ……雨はいつか止むんだ。後は……」
「ああ、後は信じて行動するだけだ!」
(待ってろよ、夕張。必ず見つけるから…無事でいろよ)
そう願いながら、左手の薬指にはまったそれを見つめる。
開け放った窓から覗く空と海の地平線の果て。
その先は、まだ夕方でないにも関わらず、妖しく彩られていた。
………
突如発生した『波』は、魔物を無尽蔵に吐き出しながら、空を妖しく彩る。
しかし、人々の心は折れることなく、目の前の絶望に抗おうとしていた。
「ちぃ……!手の数が足らねぇ!」
「なんて数よ……しかもある程度『質』も伴ってるなんて!?」
「あぁ…ホントにきついねこん畜生!」
「避難がロクに出来てない状態なんだ!火炎魔法や飛び道具は使うなよっ!」
「「「了解!」」」
ある冒険者たちは、民間人が逃げる時間を稼ぐ為に無数の魔物に立ち向かい、
「みんなー!あの城を目指してくれ!テリスさんが結界を張ってくれてるからっ!」
「ヨモギ!護衛頼んだよ。あたしは逃げ遅れがいないか捜しに行く」
「……頼んだ」
「あいよ。頼まれた!」
ある勇者の友人たちは、民間人の護衛や捜索をしていた。
その姿と、敵の勢力を確認した夕張は、決意を固める。
燃料、弾薬の消費は極僅か。
艤装機関、未だ健在。
ダメージ、軽微(小破未満)
レベル、現在528(何故か元の世界と同じレベルとなっていた)
けれどこの状態でも、アレを相手にするなら、死地を覚悟する必要がある。
見捨てる?いいえ、そんな事私も提督も許さない。困っている人に手を差し伸べることを、私は止めたりしない!
「……現地民間人に危害を加える存在を確認。これより、専守防衛……いえ、殲滅戦に移行するわ!…妖精さん、お願い……力を貸して」
「フフッ…良イッテコトヨ!」
「地獄ノ果テマデ……」
「オ供イタシマス……夕張殿」
普段と違い真面目に敬礼する彼らに、私は胸から込み上げた気持ちを抑えて城下町を見渡す。
「サァ、難易度 超甲ノ任務ヲ始ヨー!」
「第一艦隊旗艦 夕張、出撃します!」
艤装を展開しながら、私は最後になるかもしれない戦いを前に不敵に笑い、空と地上を覆う敵に告げる。
「さあ、色々試してみても良いかしらっ!」
夕張の主砲や機銃から閃光が迸る。
勝算零の戦い(パーティー)は始まったばかりだ。
注意:今回は2話連続投稿です。具体的には、10:01分に投稿されます。
天龍「俺ら今回出番少なかったけどいい役だったな!」
時雨「自分で言っちゃうの!?」
青葉「お2人のボケツッコミ激写です!」
扶桑「まさか不幸艦と言われる私が『良い報せ』を持ってくるなんて……次回は深海棲艦が連合艦隊で来るのかしら…」
夕立「めちゃくちゃ具体的で怖いフラグっぽい!」
提督「ちょ、みんな落ち着いて…! はぁ、次回「艦の勇者」(試練)!」
山城「キミは絶望に抗えるか……」
提督「不吉なこと言うんじゃない!」
扶桑・山城「「不幸だわ」」