太陽が南の空を過ぎたころ雲一つない青空の下、木々がその光を遮る薄暗い山道を少女が一人足早に歩いていた。
さらりとした後ろ髪は上半分だけが結われており、残りは肩口で揺れている。女子にしては珍しく黒い詰襟の装束に身を包み、その上からは青鈍色の羽織をまとっている
珍妙ななりをした少女の腰には、この平和なご時世において時代錯誤ともいえる一振りの刀が何の不自然さも感じさせずに下がっていた。
奇妙な少女は常人らしからぬ速さにもかかわらず、息一つ乱さずに薄暗い道の先へと消えた。
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山間の村の周辺で人が静かに消えている。調査に向かい鬼を見つけ次第鬼殺を遂行せよ。
のどかなはずの昼下がりに鎹烏の口から発せられた任務を遂行すべく、鬼殺隊の階級壬である
鎹烏の案内のもと、刀を見とがめられることのないよう人の少ない険しい山道を行くと件の村は目前に迫っていた。
「暗いな」千晴がその村を見て初めに浮かんだ言葉がそれだ。
村は山に抱き込まれるようにして存在しているためか日当たりが悪く、日暮れには大分早い時間でありながら山の影に覆われていた。また、道中にも感じたことだがこの周辺の山は葉を茂らせた木が密集していて日中だというのに薄暗かった。
なるほど、日の光を嫌いそうなモノが集まりそうな場所である。
村を抱き込む山の向かい、村の入り口に相当するであろう場所に近づくと千晴は一人の少女が立っているのに気が付いた。自身と同じ隊服と腰に下げられた刀が遠目からも見えたので、この少女が今回の任務を共にする隊員で間違いないのだろう。
「はああ・・・」
「憂鬱です」という千晴の内心を現すような盛大なため息がこぼれるが、これは仕方がないのだと千晴は胸の内で思う。
なにせここで隊員など正直見つけたくなかったのだ。鎹烏からこの任務が合同であることを聞いた時から嫌だったのだ。
もうどうしようもないとでも言うように千晴は歩きながら天を仰いだ。
「うん、そうだな。もうサクッと終わらせる、そして帰ろう…」
ぽつりと呟いた言葉は千晴の心情とは真逆の高く透みきった青空に消えた。
この度ともに任務にあたる少女は名を胡蝶しのぶと言った。
しのぶは千晴と同じ十四の娘であったが、千晴よりも上背がなく華奢な体躯の、それでいて力強い瞳の美少女であった。
「それでは喪上さん、今日はよろしくお願いします。早速ですが情報の共有をさせてください」
千晴が名乗り終わるとすぐにしのぶは本題へ入った。無駄に喋る必要がないのは千晴にとって嬉しいことではあれど、どうやらしのぶは怒っているらしい。
来るときに嫌な顔をしたのを見られたのだろうかと千晴は内心首をひねりつつ先を促した。
「はい、それでは、先ほど通りがかりの数人に話を聞いてみましたがどうやら人が消えているのは本当のようです。消えるのは村人だけでなく近くの街道を通る人々も含まれているそうなので、今回討伐する鬼はだいぶ人を食っているかもしれません」
しのぶが嫌悪を顔に滲ませてそう言い切るのを見て、どうやらしのぶは千晴にではなく鬼に対して怒りを抱いていたのだとわかり、千晴は内心「ほっ」と安堵しながらしのぶの報告に質問を投げかけた。
「街道を通る人々・・・ということは向かいの街道のあたりを中心に鬼が出るということでしょうか」
「いいえ、人の消えた場所はそれぞれ違う場所のようです。宿に泊まっていたはずが翌朝荷物を残したまま消えたとか、道に貴重品や荷物が散乱していたとか。なので次にどこに出るのかの目星は今のところつけられそうにありません」
しのぶは眉間にしわを寄せて悔しそうに言ったが、よくこれだけの情報が集まったものだと千晴は素直に感心した。
「そうですか、遮ってすみません。ほかには何か・・・」
「いいえ。私が知りえたのは残念ながらこれだけです。喪上さんの方は何か?」
「すみません。私はつい先ほどここに着いたばかりでして」
申し訳ないと言うように千晴は軽く頭をかいたが、しのぶは気にしていないとその大きな双眼を細めて小さく笑った。
気の強そうな表情をしていたしのぶだが目尻を下げると一変して可憐な少女だと千晴は思った。
「でも今回は運がよかったです。いつもならこんなに情報が集まることはないのですが、井戸端会議というのも馬鹿にできませんね」
「井戸端・・・」
「はい」
「・・・はあ、なるほど」
ここのような小さな村での情報の回る速さは千晴も知っていた。時に煩わしく千晴を苛んだものだが、このように役に立つこともあるので何とも言い難いものである。
気を取り直して千晴はしのぶに問う。
「ではこの後ですが、私は日が暮れる前に聞き取りをしつつ村とその周辺の立地を把握しておきたいのですが、胡蝶殿はどうしますか」
「そうですね」
しのぶは口元に手を置いて逡巡したのち
「今のところできることもないのでご一緒させてもらいます」
そう言って少し高い位置にある千晴の顔を見つめた。
見上げてくる瞳の中に自分には無い熱意を感じて千晴はそっと目をそらした。単純にきまりが悪かっただけなのだがもっと悪い捉え方をされたらしいく、しのぶがかすかに怒気を放つのを千晴は敏感に感じ取った。
「では喪上さん。改めて、よろしく……よろしくお願いしますね」
「あ、ええ。こちらこそ」
幼くも可憐な微笑みの下には般若がいてその目には隠しきれない苛立ちがあった。
千晴が「この子怒りっぽいな」と胸中で感想を吐露している間に、しのぶはくるりと身をひるがえして村の方へきびきびと足を進めはじめてしまった。
しのぶの言葉遣いは丁寧で挨拶もしっかりとしていた。気が強いようだが礼を失しない堪え性がある。そして何より真っすぐだった。
きっと良い家の子どもだったのだろう。
「少なくとも自分と同じような孤児とは違うな」そんなことを考えながら千晴は目の前で颯爽と風を切る蝶にしては些か凛とした背中を追いかけた。
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結局二人は新たな鬼の情報を得られずに日暮れを迎えた。夜の帳が降りあたりが月光の映える紺色の暗闇に包まれても山々は墨を垂らしたようにじっとりと黒をまとっており、かえって昼間よりもその暗さが際立つようだった。
今夜は白く美しい満月が闇を照らしているので一層そう感じるのかもしれなかった。
視界を意識的に広く取り、全方位の音が体に溶け込むように意識を集中させる。ゆっくり深く空気を吸い込み、その空気を味わうように体の中に一瞬留めてからすっと一気に吐き出す。
そうすると千晴は自分の体が溶け出して周囲の空気と一体になっていくような感覚になり、周囲の気配に敏感になる。千晴の後方には今日出会ったばかりのしのぶの気配がある。肩の力が抜けきらないようだが落ち着いていて周囲に気を配れているようだった。
千晴はもともと周囲の空気や気配、特に敵意を重さとして感じとる能力に恵まれていた。孤児であり日々安全に飢えた彼女の処世術であったが、千晴を拾った育手の下で呼吸を身に着けるとき副次的にその能力を高めていた。
警戒を続けながら村を歩く二人の耳に突然甲高い叫び声———女の悲鳴が届いた。
とっさに二人は悲鳴が上がった方向に顔を向けた。
ずいぶん距離があるのか反響して聞き取りづらい。実際千晴の横に来たしのぶは正確な位置がつかめていないようで悲鳴の上がった方向にその鋭い目線をさまよわせていた。
「街道と村の間…」
ぽそりと千晴の口からこぼれ出た言葉にしのぶが勢いよく振り向いた。
その顔には驚愕と「どうしてわかる」という疑問が浮かべられている。
「索敵は得意なんです」
「ならどうして「どうして今まで気が付かなかったのか…ですよね。簡単です。ちょっと遠すぎる」
悲鳴の上がった場所を正確に睨みながら千晴が言うのと同時に二人は山に向かって走り出した。
村の奥の山を通る街道は千晴が通ってきた道とは異なり人通りが多く、平坦で歩きやすくなっている。しかし日中でさえ薄暗いと有名なこの道を日の落ちた時間に歩くようなものは居ないはずであった。
千晴が「遠すぎる」と言った通り二人のいた場所から街道まではだいぶ距離があった。とは言え常人以上の速度で息も切らさず村を走り抜けると、街道へとつながる山道は目前となった。
駆けながら索敵を続けていた千晴は山道に入る手前で突然その足を止めた。
「どうかしましたか」
焦れたようにしのぶが小声で詰め寄ると、口元を掌で覆いながら千晴が答えた。
「いや、鬼の気配が……広い、のか、変な感じで」
「ううん」と千晴は首をかしげる。
「…あと、街道に人が一人…で…?」
千晴が言い終わる前にしのぶは日輪刀の柄に手をかけて街道に続く山道へ駆け出した……と同時に千晴がしのぶの腕をつかんで行くのを妨げた。
「喪上さん、何をするんですか」
「え、いや。そっちこそどうゆうつもりですか」
互いにわけがわからないと言うように相手の顔を凝視する。
「どういうって…鬼を斬りに行きますが」
「え、だから、どうしてですか」
「は?」
あまりの驚きにしのぶの思考は一瞬止まった。目の前の、本気で戸惑っている千晴が理解できなかった。
「私たち鬼のこと何も知らないじゃないですか」
——だから、なんだというのだろうか、人がいるのだから行かねば。どうしてか千晴の困ったように笑いながら紡がれるその言葉の先を聞きたくないと思った。
しかし千晴は当たり前のことのようにしのぶに言って聞かせた。
あたりまえのように、
「なので、すぐに飛び込んでいくのはあまりに無策ではありませんか。様子を見てからにしないと」
そう言った。
「なにを、何を言っているんですか!人が襲われているかもしれないんですよ!」
千晴の言葉を理解すると同時にしのぶは激昂した。眦を吊り上げ額に青筋を浮かべて、さすがに小声ではあったが千晴に詰め寄る。
「いや、別に助けないとは言っていないじゃないですか。ただ、一度様子を見てからの方がいいと」
「言っているんです」という言葉は、突然後方で聞こえた「ぎゃあっ」という男のくぐもった声にかき消された。
瞬間しのぶは千晴が止める間もなく山道を駆け上がってしまった。
「ああ、ちょっと!」
自身の声も無視して消える背中を見て千晴は逡巡した後「くそっ、安全第一なのに」と小さく悪態をついてしのぶの後を追った。いくら無策で飛び込むことに納得できなくとも、今はバラバラになる方が危険だと千晴の勘は告げていたからだ。
しのぶの後を追って狭い山道を駆け上がると比較的広い街道に出た。目の前ではちょうどしのぶが一人の男を救出しているところだった。男は鬼の血鬼術であろう木の根が体中に巻き付き雁字搦めにされていたが、しのぶは蟲の針を思わせる特殊な形状の刀を器用に振るってその根から男を解放した。
どさりと地面に膝をついた男は日焼けした肌に簡素な仕事着をまとっていた。身なりから察するに近くの住人らしい。
首を締めあげられていたのかごほごほと喉を抑えながらせき込む男の背をさすりながら、しのぶはしきりに「大丈夫ですよ」と声をかけていた。
「大丈夫なものか、こちとら鬼の気配の広がる場所に足を踏み入れたというのにあちこちから鬼の気配がして首の在りかがわからないのだぞ」と千晴は愚痴りたかったのだが、さすがに今しがた訳も分からず襲われていた人間の前で言うことではないと判断できる良心はあった。
はたしてそれは正解であった。
もしそれを言おうものなら、しのぶは介抱していた男の横から全力で一歩を踏み込み千晴の小綺麗な顔面に一発ぶちかます所存だった。全集中の呼吸で。
「ごほっ、はっはあ……ああ、ありがと、ありがとうございます。死ぬかと、思いました」
体が丈夫なのか意外に早く男は落ち着いた。
しかしそれとは反対に千晴はどんどん落ち着けなくなっていた。
刀もすでに鞘から出され、その赤色の刀身を中段に構えて神経を研ぎ澄ましていた。
なぜなら……。
「まずい、まずい。ここら一帯に鬼の気配だ・・・完全に囲まれた。構えろ胡蝶」
先生——千晴を拾った育手の下で叩き込まれた丁寧な言葉遣いをかなぐり捨てて千晴は半ば叫ぶように言った。
千晴に言われるでもなくしのぶもそれはわかっており、油断なく周囲をうかがっていた。
そんな二人の姿に不安そうな顔で縮こまる男に、しのぶは優しく微笑みかける。
「助かった早々にすみませんが、そこでじっとしていてください」
「は、はい。ええっと、」
「説明は後程します。今は私たちを信じてそこに居て下さい——あなたを必ず守ります」
その笑顔は若干強張っていたが、眼には確固たる意志あった。それを、その拙い強がりを、たった数秒のやり取りを、千晴はただじっと見つめてまたすぐに何もなかったかのように顔をそらした。
それは紛れもなく熱意であり千晴にはないものだったからだ。
視野を広げ音を聞き、一瞬で集中状態に移行する。千晴の口からこぼれる呼吸も既に普段のものから炎のごとき苛烈な呼吸に切り替わっていた。
空気が変わった。それまであった周囲の淀んだ空気が重くなり、鋭い敵意に一転したのが分かった。
「来るぞ!」
叫ぶと同時に、四方八方から木の根が千晴たち三人に襲い掛かった。男を中心にして互いに背を守りながら襲い来る木の根に刃を振り下ろした。
山の中から出てくる木の根を捕捉するのは千晴にとっては簡単な作業だった。攻撃が来る前に空気の重さが変わるのを感じられるからだ。そして木の根自体も頑丈ではないのか、型を出さずともたやすく斬れる。
しかしいつまでもこの状況を続けるわけにはいかないのだ。型を出さないにしても呼吸は未だ負担が大きくいつまでも続くわけではない。
どうすべきかを考えながら千晴は背後のしのぶにも意識を割く。
しのぶは蝶のようにひらりひらりと動きながら的確に木の根をさばいている。その流麗な足さばきは千晴を上回っているが、木の根を受け流したりはじいたりすることが多いところを見ると膂力は千晴の方が勝るらしかった。
しかし男を救出しているときも思ったが、しのぶは相当な手練れのようだった。何故か苛立っているが動作の一つ一つが洗練されていて、よほどのことがない限り崩れることはなさそうだった。
木の根と格闘し続けること数分、刀を振るい続ける二人は段々とこの血鬼術にも慣れてきていた。
しかし、三人を中心にぼやけて広がっていた鬼の気配が段々と形を成していくのを千晴は感じた。一定の重さに広がっていた空気が収束し、どす黒い、鉛のように重い気配がヒトの形———否、それを喰らう鬼の形を成した。
空気のように突如現れた鬼は艶やかな長い黒髪をなびかせ、赤い豪奢な着物を着た女であった。闇夜に浮かぶほどの真白の肌に唇の紅が映える美貌の鬼だ。しかしその足元からは黒い根が蠢き、さながら大樹の根が地面に食いついている様なありさまだった。
鬼の出現に凍り付いた空気の中で鈴のような声が響いた。
「今日の晩飯を釣ったつもりであったが、いらん物が二つも付いてきてしまったなあ」
美貌をゆがめてカラカラと心底おかしそうに鬼が嗤う。口を開くたびに明らかに人間離れした鋭い牙が覗いて、千晴は自然と刀の柄を握りしめた。
「どれ、長らく暇であったからのう、そなたらも楽しむとよい。鬼事は好きであろう」
考え込む仕草をした後にわざとらしく鬼は笑って、両手を千晴たちに向かって伸ばした。その動きに合わせて再び木の根が獲物めがけて押し寄せた。
「ぐっ」と思わず千晴の口から声が漏れる。
さっきまでと血鬼術の威力が段違いだ。早くて重くて何より硬い。斬れないわけではないが気を抜くと一気に絡めとられる、そんな予感があった。
加えて厄介なのが血鬼術の見た目だ。先程までは木そのものであったのに対して鬼が現れてからの血鬼術は真っ黒なのだ。闇に紛れて格段に見えづらくなっていた。
そのため素早いものに対しては視覚にも頼らねば使い物にならない千晴の索敵能力では捉えきれなくなっているのだ。
段々と小さな傷が増えてきた、このままでは消耗するだけで嬲り殺される・・・そうなる前に動くことを千晴は選んだ。
もちろん無策ではない、千晴の索敵能力はしっかり血鬼術の穴を見つけていた。
「胡蝶殿!消耗する前に一気に叩く。民間人は任せた」
「はあ?」
突然のことに声を荒げ「ちょっと待て」と止めるしのぶの声を置き去りにして千晴は一気に駆け出した。
千晴が見つけた勝機、それは鬼の本体ががここに現れたことだ。黒い血鬼術をさばきながら必死に鬼を観察して千晴は違和感に気が付いた。
さっきまでと空気の重さの比重が違うのだ。明らかに鬼の周りの空気、つまり敵意が重い、重すぎる。四方八方から襲い来る木の根の分の重さが周りの空気から減っているのに、威力が強くなった分だけ空気も重くなるはずなのに、鬼だけが異様に重い。
その齟齬こそが血鬼術の穴だった。
つまり、鬼が現れるまではバラバラだった血鬼術の出所が一か所にまとまったのだ。それまでは木々と一体化でもして出所を拡散できていたのだろうが、血鬼術の威力を上げるために姿を現したことで鬼の足元にその出所を収束せざるを得なくなったのだろう。
ならば、血鬼術を一掃できれば首に近づくのは容易い。
確かな勝機を見つけて鬼狩りは駆ける、その呼気は熱を持ち、振るう刃は見るものに猛る劫火を幻視させた。
「炎の呼吸、肆ノ型 盛炎のうねり」
炎が渦巻くように放つその技は使用者の前面の範囲攻撃を打ち消すことにも有効とされている。
威力は落ちるものの早々に決着をつけるべく走りながら技を出すことで急速に近づく千晴に明らかに鬼は狼狽えていた。
「この、蠅が!」
鬼は長い髪を振り乱して叫びながら、焦りと怯えを孕んだまま腕を薙いだ。
同時に繰り出される血鬼術は明らかに動きが単調になっていた。様々な角度から絡めとろうとしてきた今までとは違い、千晴を押し返そうと直線的な動きで読みやすい。
さらには獲物をを囲い込むように展開されていた木の根も千晴を押し返すことに重きを置いたのか千晴の目の前に収束していた。だがそれは狩人の思うつぼでしかない。
「そのように標的を一カ所に集めて……刈りやすいことこの上なし!」
気合とともに刀を振るえば千晴の眼前で木の根は飛散し、怯えたように体をのけぞらせる鬼の姿だけがあった。
しかしその顔は先程までの怯えた表情ではなく、自棄と喜悦の相反する二種の笑みを浮かべていた。
今回が初投稿です。文章を書くのも久々だし、横書きが難しすぎる!普通に!読めるのに!書けない!
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