東方運命録   作:無名の一

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初投稿です。
変なところとかあるかもしれませんが、温かい目で見て、指摘とかくださるとありがたいです。


1話 「邂逅」

暑い。

外からは蝉の鳴き声が聞こえてくる中、目を瞑ったまま寝転んでいた俺はふとそんなことを思った。

それにしても暑い。確かに蝉が鳴いていることからも容易に想像がつくが、今は夏真っ盛りだ。

ただ、いくらなんでもここまで暑いのは流石にどうかと思う。はっきり言ってもう干からびてしまうんじゃないかっていうくらい暑い。

しかし、そんなことを考えたところでこの暑さがどうにかなる訳でもない。仕方ないが、今は体を動かすしか選択肢がなさそうだ。

とりあえず、そこから先は後で考えればいいだろう。

そうして目を開けたところまではよかった。

だが次の瞬間、俺は空いた口を塞ぐことができなかった。

なんでかって?

まあ、あれだ。結論から言うと、俺が目を覚ましたのは全くもって見たことの無い部屋だったのだ。

正直自分でも何がなんだかわからない。

だが今は落ち着いて状況を整理するのが先決だ。

部屋を見回すと壁に時計がかかっており、時刻は12時半程を指していた。外が明るいことから恐らく昼間だろう。

ただ、部屋を見回しても他に何か手掛かりになるようなものは無さそうだ。

そう思って襖に意識を向けたときだった。

その襖がガラッという音とともに開いて、そこから誰かの声が聞こえてきた。

「あ、よかった。気がついたんですね」

まるで俺の身を案じていたかのような声。その方向にゆっくりと振り向く。

すろとそこには、緑色の髪に白と青の巫女装束が特徴的な一人の少女が立っていた。

 

 

「・・・・・・・・・」

しばしの沈黙。

何か言わなければならないことはわかってる。けれども俺の意に反して口は全く動こうとはしてくれない。

恐らく、原因は緊張だ。

俺だって一応年頃の男の子なのだ。そりゃあ、いきなり女の子が目の前に現れたら緊張するに決まってる。ましてや、その女の子が可愛いのだからなおさらだ。

ただ、いくら可愛いからって警戒は怠れない。

もしかしたら彼女は俺が今ここにいるのに何か関係しているのかもしれない。

そう思った俺だったが、その前に一つ知っておきたいことがあったので彼女に問いただした。

「あの、すいません。いきなりで悪いんですけど、俺あなたの名前とか何も知らなくて」

そう、俺が質問しようとしたは彼女のこと。

言った後、しまったと思った。

だけど、目の前の少女は一瞬何かに気づいた表情をした後、はにかむように笑いながらこう言った。

「あはは・・・、そうですよね、自己紹介もまだなのに」

そうして、一拍置いて彼女はこう続けた。

「では、改めまして。

私は東風谷早苗(こちやさなえ)。この守矢神社で巫女をしている者

です」

東風谷早苗。彼女が口にしたその名を俺はとてもいい響きだと思った。

「ああ。よろしく、早苗」

気がつけば、さっきまであったはずの警戒心が消えている。

いきなり名前で呼び捨てかよと思われるかもしれないが、これは早苗がそれで構わないと言ったからだ。

「こちらこそよろしくお願いしますね。あの、その」

「ああ、俺は・・・」

早苗が今度は俺の名前を聞いてくる。

だから俺は普通に自分の名前を言おうとした。

だが、

「・・・・・・・・・」

 

・・・・・・俺は誰だ?

 

言葉が詰まる。

自分の名前を言うだけの簡単な作業。俺にはそれが出来なかった。

自分の名前、正確には自分に関することが一切分からない。

これはあれだろうか、ひょっとしなくても記憶喪失というやつではないだろうか?

「あの・・・?大丈夫ですか?」

ふと前を向くと、俺を心配するかのように早苗が見ていた。

・・・・・・恐らくこれは隠しきれることではない。

だったら、俺はこのことを伝えるべきだろう。だが、そう簡単に信じてもらえるだろうか?

そんな不安を抱えつつ、俺は早苗にこう告げた。

「その、悪い。どうやら俺、記憶喪失ってやつみたいなんだ。」

「記憶喪失、ですか?」

早苗の表情が少し驚いたような感じになる。

当たり前だ。

ただ、その後に続いた早苗の言葉は俺にとっては衝撃的だった。

「なるほど、大体の状況はわかりました。なら、まず真っ先に知りたいことってあります?私に答えられる範囲でなら答えますが?」

「ちょ、ちょっと待ってくれ!いいのか?俺が言うのもなんだけど、今の俺の話を信じるのか?信じてくれるのか?」

「え?はい。だって、私にはあなたが嘘をついているようには思えませんから」

俺の言葉に一瞬キョトンと首を傾げつつも、早苗は俺に笑顔を向けてそう言った。

ああ、きっと彼女はかなりのお人好しなのだろう。

先程の俺に向けた安堵の言葉や今の発言から俺はそう思った。

だとすれば大丈夫だ。俺は安心して彼女に相談することができる。

「ああ、そうだな。まずは・・・」

ただ、この時俺は忘れていた。

今がお昼時であることをだ。

生きている限りはどうしても腹がへる。

つまり、馬鹿正直に空腹を訴えた体によって、またしても俺の言葉は途切れてしまった。

「・・・・・・・・・」

自分でも顔がどんどん赤くなっていくのがわかる。

「あー、まずはご飯にでもしましょうか?」

俺はありがたく早苗の提案を受けることにした。

 

 

 




中途半端なところで終わってすいません。
不定期ですが続きも書いていくつもりです。
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