ラブライブ!サンシャイン!!〜大地と海の巨人〜   作:カズオ

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長らくお待たせ致しました、申し訳ないです。
今回はこれやっていいのか?とか思いながら苦悩して書きました、楽しんで頂ければ幸いです。


第11話 アグル対ガイア/TOKYO

湊博樹はアグルの力を使い地底へと潜り、そこで眠っている怪獣の頭部に何やら装置を取り付けていた。

 

「この怪獣…『ゴメノス』にパーセルを使って…やはり人類を滅ぼすことでしか、地球は救えない」

 

そう言うと作業が終わったのか再びアグルへ変身し地上に戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この前のPVが5万回再生!?」

 

「本当に!?」

 

夏服に衣替えをし、セミの鳴き声が聞こえ始めた日の放課後、暑いのでうちわで涼む千歌に曜がそう聞き返すと、PCに張り付いていた一年生組から善子が細くの説明を入れてくれた。

 

「ランタンが綺麗だって評判になったみたい」

 

そしてそのPCの画面の隅にランキングが表示されており。

 

「99位!?」

 

「ずら!?」

 

99位、その文字を見た梨子と花丸がそれぞれ驚きの声を上げる。

 

「キタキタ!それって全国でってことでしょ?全国に5000いるスクールアイドルの中で100位以内ってことだよね!?」

 

そう言って詰め寄る千歌の隣で梨子も「一時的な盛り上がりってこともあるかもしれないけど、それでもすごいわよね」そう言って喜んでいた。

 

「ランキング上昇率では一位」

 

「これはすごいよ」

 

ルビィがさらに情報を提示するとそれに遥がすごいと感想を述べる。

 

「これなら、ラブライブで優勝もできる気がする」

 

「そんな簡単じゃないでしょ」

 

「それでもできる気がする」

 

千歌はこれなら優勝できる。そう思ったようだが梨子はそんなに甘くないと苦言を呈するが、それでも千歌の思いは変わらなかった。

 

「でもまだ上はいますからね、簡単ではないですけど…全然狙える位置まで来たんじゃないですか?」

 

その近くで遥ももしかしたら…と、そう思っていた。

 

そんな時PCに一通のメールがは届いたので、ちょうど操作していたルビィがすぐさまそのメールを開こうとする。

 

「まってルビィちゃんこういうのは怪しいっ…て…」

 

この前の電話のこともあったのでとっさに引き留めようとする遥だったが、メールをそのまま開いてしまう。そしてそのメールに記されていた内容は。

 

「Aqoursの皆さん、東京スクールアイドルワールド運営委員会…って書いてあります」

 

「何焦ってんよの遥」

 

「い、いやぁこの前のがトラウマになったみたいで…」

 

ルビィがメールのタイトルを読み上げるとそのとなりで善子が遥に対して怪訝な視線を向けながらそう言うと、遥は正直に答えるしかなかった。

 

「東京ってあの…東にある都…」

 

「なんの説明のもなってないけど…」

 

思ったことをとりあえずそのまま口に出したような言いぶりの千歌に梨子はそう返すと、周りの面々も千歌を少し覚めたような目で見つめた後、「東京だ!!」そう声を揃えて叫んだ。

 

千歌たちにとっては憧れの地、そして梨子と遥にとっては少し前まで生活していた土地だ。

 

「東京…か…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一体何がどうしたの…?」

 

十千万に集合して東京へ前日入りして観光しよう。そういった話になったので集合場所の十千万へ家が近いこともありほかのメンバーより早くたどり着いた梨子は、千歌の格好を見て思わずそう呟いた。

 

遥は女性のファッションは全く解らないのだが、一つだけハッキリ解ったのは、ダサい。あまりにもダサいという事だった。どんな格好だったかは伏せさせていただくが。

 

「かわいーでしょ?」

 

恐ろしいかな本人にそんな自覚は一切無いのだった。遥は思わず「東京行くくらいで何をそんなに…」そう呟くと千歌はすぐさま反応し。

 

「梨子ちゃんと遥くんはいいよ、内浦から東京へ行くなんて一大イベントなんだからね?」

 

そう言うのだった、その後方、暖簾の影で笑いを必死に堪える美渡が言えたので、(あぁ、犯人はこの人か…)そう気がついた。

 

「「おはようございます」」

 

一体どうしたものかと思っていたところで花丸とルビィの声が聞こえたので彼女達にもなにか言って貰おうそう思って2人の方を振り向いた遥は絶句した。

 

「どうでしょう…ちゃんとしてますか?」

 

そう言ったのはルビィだったのだが遥の目には千歌とどっこいどっこいにしか見えなかった。あの生徒会長は止めなかったのだろうか?もしや彼女もこういう感性なのか?そう思わずにはいられなかった。

「これで渋谷の険しい谷も大丈夫ずら?」

 

そう言ったのは花丸だった、彼女は前2人と比較すると奇抜ではないのだが一体どこに探検に行くのか?そう聞かずには入れなくなるような格好だった。

 

「何その仰々しい格好…それに渋谷は険しくないよ…?」

 

遥がそう言うと2人は「ガーン」と言って驚愕していた。それを千歌がぷくくと笑いながら言った。

 

「2人とも地方感丸出しだよ?」

 

「あなたもよ」

 

「えええええ!?」

 

梨子に冷たくそう返されて千歌も驚愕するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「遅いなぁ…」

 

沼津駅前でスマホを見ながらそう呟く曜、それもそのはずみんな1度家に戻って着替えてから向かっているのだから。

 

そんなことは知らない曜は視線を駅前にできた人だかりに向ける、そこには割と普段通りなゴスロリ調の服に身を包んだ善子がいた。いや、それだけなら人だかりなどできない翼を背負ってやたら長い付け爪をしてさらに意味は解らないが顔面の白塗りメイク…絶対知り合いだと思われたくない。だから声をかけずに千歌たちの到着を待っていたのだ。

 

「善子ちゃんも…」

 

「やってしまいましたね…」

 

「善子ちゃんもすっかり堕天使ずら」

 

そう言って先ほど普段通りの服装に着替えてから出直した三人が口々に言い善子のことを笑うが、さっきまでのあんたらも五十歩百歩だ。そう口から出そうになるのを遥はこらえたが、こちらに気が付いた善子が。

 

「善子じゃなくて…ヨハネ!!」

 

そう叫び腕を広げたものだから周囲の人だかりはびっくりし、一気に離れて行ってしまった。

 

「せっかくのステージ!たまりにたまった堕天使キャラを開放しまくるのよ」

 

そう宣言するが、遥からしてみればもうそこは好きにしていいんでその通報されかねない格好は辞めてください。そう思うしかなかった。

 

「遥君、そう言えば許可が取れなかったから今回はこれないんだよね?見送りに来てくれてありがと」

 

「これくらいしかできませんが…頑張ってきてください!」

 

曜から見送りに来たことへの礼を言われるが、今回はあくまでステージに上るAqoursの6人への招待だったこともあり、遥は今回同行できなかったのだ。

 

「ありがと!頑張ってくるね」

 

そんな会話をしていると、千歌の同級生が差し入れをもって見送りに駆けつけてくれた。

 

「これクラスのみんなから、これ食べて浦の星のすごいところ見せつけてきて!」

 

「わぁ~ありがとう」

 

そう言って嬉しそうに受け取る千歌の後ろでほかのメンバーも「頑張ってくる」そう口々にメンバーはそう言うと、電車に乗って東京へと旅立っていった。

 

 

 

 

 

東京へ旅立っていったメンバーを見送った遥は、沼津に用事があるといって、ここまでくるのには志満にみんな車で送ってもらったのだが、帰りは自分で変える旨を伝えていたので、すこし歩いて回ろうかと思っていると、ある人物と目が合った。

 

「あれ?黒澤先輩?」

 

「はッ遥さん!?どうしてここに?」

 

「それはみんなの見送りですよ、先輩も直接言ってあげればよかったのに」

 

「私はただこちらに用事があってきただけですわ…」

 

なぜここにダイヤがいるのか?見送りなら一緒に来てもよかったのに、そう思って声をかけた遥だったが、ダイヤは口元のホクロを人差し指でかきながらそう答えた。

 

 

「それより遥さん、一つだけお願いしてもよろしいでしょうか?」

 

「なんですか?」

 

突然遥に真剣なまなざしでそう告げるダイヤに、遥は少しだけ困惑するが聞く姿勢に入る。

 

「今回のイベントで、皆さんは大きな壁に直面すると思います…それでもあなたには彼女たちを支えてあげてほしいのです。」

 

「それって…どういう…?」

 

確かに大きなイベントにいきなり出れば全国のレベルというのもを目の当たりにするだろう、でもどうして彼女の口からそんな言葉が出てくるのかわからなかった。

 

「きっと解る時がきます、その時は、お願いいたします」

 

そう言って彼女は遥に頭を下げる。

 

「大丈夫です、僕はAqoursのマネージャーですから。それが僕の役目です」

 

「ありがとうございます」

 

もしそうなったら支えるのは自分の役目だ、そう言うとダイヤも安心したように微笑む。

 

「でも、どうしてですか?先輩はあんなにスクールアイドルに反対してたのに…」

 

「それは…今はまだお教えできませんが、時が来ればお話しいたしますわ」

 

どうして反対していたのか?反対していたのにどうしてそんな心配をするのか?そう思ったからこその質問だったが、今はまだ教えられない。それが彼女からの答えだった。

 

「わかりました、なら今は聞きません。でもその時はみんなに話してあげて頂けませんか?」

 

「もちろん、その時は皆さんにお話しいたしますわ」

 

「ありがとうございます」

 

「こちらこそ、ありがとうございます」

 

そんな会話をしばらく交わしたのち「また学校で」そう言ってダイヤと別れようとしたところで、突然あたりに地響きが起こる。

 

「な、なんですの!?」

 

「地震?いやこれは…」

 

地響きが起こり、それによってあたりはパニックになるその刹那、街並みから外れた山岳地帯より、崖を崩して怪獣が現れた。

 

「あれは…」

 

「あれは『ゴメノス』地底に住む怪獣だよ」

 

ふと後ろから遥のつぶやきに対する答えが返ってくる、振り返るとそこにいたのは湊博樹だった。

 

「あなたは…」

 

「博樹さん!?あなた今までどこに行っていたんですの?果南さんも心配していたんですのよ」

 

「久しぶりだなダイヤ、まさかここで会うとは思わなかったよ」

 

まさかこの二人は知り合いなのか?そう思った遥だったがすぐに別の問題に気が付く、ここにダイヤがいるとここで変身できない。怪獣を野放しにしてしまうことになる。

 

「あの怪獣はこの近くにある最近設立された怪獣の対策のために作られた基地を襲うのさ」

 

「どうしてそんなことがわかるんです?」

 

怪獣の目的を言う博樹にそう遥が問い返すと、彼は何でもないようにこう返した。

 

「そうすることで人類の抵抗力を弱めるのさ、そうすることで地球を救うことがより現実的になるからな」

 

地球を救うには人類は必要ない、その姿勢を崩さない彼にとって、あの怪獣が街を襲おうがなんでもないかのようだった。するとそんなことを考えているとは知らないダイヤが。

 

「何を言っているんですの?それにどうしてあの怪獣について知っているんですか?」

 

そう口をはさんだダイヤに、博樹は「昔なじみだから」そう前置きをして、理由を教えてくれた。

 

「おれが作った装置、パーセルをあの怪獣の頭部に取り付けている、それでそうするように仕向けたのさ」

 

「そんな…」

 

天才の彼にとって、そんな装置を作ることは難しいことではないのだろう。だがそんなことが許されるはずもない、そう思いさらに食って掛かろうとするダイヤだったが何かを言う前に遥が引き留めると。

 

「人間は変われます、今のままだとあなたの言う通りになるのかもしれない、それでも人は変われるんです!どうしてそんなことができるんですか?」

 

「それはいつだ?今日か?明日か?そんな曖昧なものにすがっても地球は救えない、こうするしかないんだ!」

 

一瞬苦しそうな表情をしながらそう言い返した博樹に何も言えなくなる遥とダイヤだったが、博樹はそのままヘッドセットのような道具を取り出すと、音声で怪獣へ指示を出す。するとその通りに怪獣は基地を襲うべく動き出す。

 

すると戦闘機が現れ、怪獣との戦闘に入った、恐らく基地の防衛を最優先に動くことになったのだろうが、街が近い上にまだ非難する人が多い中容赦ない攻撃を怪獣へ向けていた。

 

「先輩、早く避難してください」

 

「遥さん?あなたはどうするんですの?」

 

「僕が彼を止めます…」

 

「止めるといってもどうやって…?」

 

このままでは被害が出る、その前に何とかしたいがダイヤに自分がガイアだということがばれるわけにはいかない、そう悩む遥だったが、怪獣を倒すべく現れた戦闘機が現れるが、怪獣には歯が立たず。あろうことか流れ弾がこちらに飛んできた。

 

「なっ…」

 

突然の状況に動けなくなるダイヤだったが、彼女を見捨てることは絶対にできない。そう思い遥は悩みを振り切ってエスプレンダーを突き出し叫ぶ。

 

「ガイアー!!」

 

遥の身体は赤い光に包まれると流れ弾のミサイルを破壊し、そのまま怪獣へと向かっていく。

 

するとその赤い光からガイアが現れ、怪獣に蹴りの連続攻撃を浴びせ、怪獣を吹き飛ばす。

 

「そんな…遥さんがウルトラマンだったなんて…」

 

そうつぶやくダイヤの横で博樹は「ゴメノス、ガイアにかまうな」そう指示を飛ばしていた。

 

「博樹さん、もうやめてください。こんなこと…」

 

「そうよヒロ、やめましょう?」

 

そう言って現れたのは鞠莉だった。博樹は鞠莉を怪訝な目で見た後、「どういう意味だ?」そう言って彼女を睨み付けるが、彼女は臆することなくこう続けた。

 

「パーセルはマリーが使うから、ヒロはガイアを止めて?そうすれば目的も果たしやすいでしょ?」

 

「鞠莉さん?どうしてそんなことを!?」

 

鞠莉は博樹に協力していたのだった、そんなことはもちろん知らないダイヤは彼女のいうことが理解できなかった。だが博樹はパーセルの装置を外すと鞠莉に渡した。

 

「確かにそうだな、ゴメノスはお前に任せた」

 

そう言うと右腕に装着したアグレイターを掲げると、そこから青い光が迸りアグルへとその姿を変えた。

 

ゴメノス相手に有利に戦闘を進めていたガイアだったが、突然現れたアグルに突き飛ばされ、アグルとの戦闘に入る。

 

ガイアはそのつもりは無かったのと、完全に不意を突かれたので、アグルの攻撃に防戦一方になってしまう。

 

「鞠莉さん?本気であなたも博樹さんと同じことを考えているのですか?」

 

「それは違うわ」

 

まさかあんなに学校を愛している彼女が学校はおろか人類に対して博樹と同じことを思っていたのか?そう問いただすダイヤに、鞠莉は否定の言葉を述べる。

 

「ならどうして…」

 

「二年前…ヒロが変わってしまったヒロと留学先でたまたま再開したんだけどね、やっぱり私は果南とダイヤと同じようにヒロも大切な友達だと思ってる、だからまた四人で笑いあえるようにしたいの…」

 

そう言う鞠莉に対して「だったら…」とダイヤが言い返そうとするが、鞠莉はそれを止め、震える声で。

 

「ヒロも簡単には変われないのよ…だから私は協力したし、それが無理だって気づいて戻ってきてほしい、でもこのままじゃ戻れなくなっちゃう!私はそれが嫌なの…」

 

「鞠莉さん…」

 

すると鞠莉は、「ゴメノス、地底に帰って」そう指示をするが、戦闘機を振り切った怪獣は市街地に入りかけたところで硬直し、指示を受け付けなくなっていた。

 

「どうして?どうしてなの…?」

 

装置がおかしくなったのか?そう思って色々試している鞠莉をダイヤは見ていることしかできない。

 

更に怪獣の後方では、アグルとガイアが戦っている、最初はやられていたガイアだったが、戦う気になったのか、反撃に出るがアグルが優勢なのは誰が見ても明らかだった。蹴りも拳も紙一重で避けられ反撃を受ける。

 

そしてついには首を掴み持ち上げられライフゲージが点滅を始めたガイアだったが、ついにゴメノスが動き出すと、頭部につけられていた装置に気が付き、腕でそれを破壊してしまった。

 

そしてニヤリと笑うと、ダイヤと鞠莉がいる場所へ火球を発射してきた!

 

「ダイヤ危ない!」

 

「え?」

 

突然のことに反応できないダイヤをとっさに鞠莉が突き飛ばしたので、ダイヤは軽く擦りむいた程度で済んだが、鞠莉は頭を打ってしまったのか、頭から血を流してピクリとも動かない。

 

「鞠莉さん!?鞠莉さん、しっかりしてください」

 

そう言ってダイヤは鞠莉に声をかけるが、彼女に意識が戻らない。

 

「嫌…そんな…」

 

そう震える声を絞り出す彼女とその隣で倒れる鞠莉の姿に爆発音で気が付いた二人のウルトラマン、アグルはその光景に茫然とし、ガイアを離してしまう。

 

(そんな…許さない…絶対許さないぞ!!)

 

一方ガイアはそのことに怒り狂った。

 

ガイアは茫然とするアグルを全力で殴り飛ばすと、ゴメノスのほうに駆け寄ると尻尾を掴み街とは反対側に投げ飛ばすと、馬乗りになって怪獣の顔を殴る。

 

「もういいです…その怪獣も被害者です…ですから…」

 

もうやめて、その言葉をいいかけたダイヤだったが、ガイアはそのままゴメノスから離れると両腕を広げエネルギーを頭部に集めると、その力を開放し光子の刃‐フォトンエッジ‐をゴメノスめがけて放った。

 

その一撃を受けたゴメノスは木っ端微塵に吹き飛ばしたのだった。

 

そして鞠莉とダイヤのほうを見つめるガイアだったが、表情は変わらないウルトラマンの顔だが、どこか悲しそうに見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『無事に東京について今旅館にいるわ、そっちはまた怪獣が出たらしいけど大丈夫だった?』

 

「よかったそっちは問題なかったんだね、こっちも町に被害は出ちゃったけど僕は大丈夫だよ」

 

『そう、なら安心したわ。』

 

梨子とその夜電話をしていた、あの後怪獣が出たというのはニュースにもなったらしく、みんな心配していたが、夜まで遥が電話に出なかったのだ。

 

あんなことになってしまいそれどころではなかった、というのが正直なところだったのだが、明日に本番を控えるみんなにそんなことは言えるわけもなく…。ダイヤと相談し、伝えないことにしたのだった。

 

「うん、こっちは大丈夫だから、みんなには応援してるって伝えて」

 

『えぇ、解ったわ。それじゃあもう切るわね?おやすみ』

 

「うん、おやすみなさい姉さん」

 

そう言って電話をきったが、ため息が出た。

 

あの後変身を解いた遥は二人のもとに向かい、すぐ救急車を呼んだのだが。鞠莉は集中治療室に連れていかれ、遥とダイヤはその前でただ待つことしかできなかった。

 

二人の間に流れる沈黙ののち、先に口を開いたのはダイヤだった。

 

「いつからですの?あなたがウルトラマンとして戦っていたのは…?」

 

「入学式の日…ですかね?どうして僕だったのかは、わからないんですけど…」

 

「そうですか…、そのことはお姉さんたちは知っているんですの?」

 

「いいえ、誰にも教えてません…だから、誰にも言わないでもらえると、うれしいです」

 

「わかりましたわ、そのお気持ちは、わかりますから…」

 

「ありがとうございます…」

 

そう言って頭を下げる遥だったが、ダイヤは「助けていただいたのは私のほうですから、お礼を言うのは私の方ですわ」そう言ったのだった。

 

「本当に、ありがとうございます」

 

そう言ったところで、治療中のライトが消え、医師が出てきた。

 

「先生、鞠莉さんは?」

 

立ち上がると医師のほうへ駆け寄りそう問いかけるダイヤに医師は、「幸い、命に別状はないが頭を負傷しているからね、まだ何とも言えない状況だ」

 

そう答え、鞠莉の家族へ連絡するといってその場を離れたのだった。

 

そののち、時間ももう遅いからと病院を後にし、帰宅して、現在に至るのだった。

 

「絶対に許さない…アグル…」

 

そうつぶやく遥の表情は、とても険しいものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日の朝、鞠莉が目を覚ましたと連絡を撃て、病院へ行った遥とダイヤ、そして怪獣騒ぎで怪我をした。という部分だけダイヤに伝えられた果南はすぐさま病室へ駆け込んだ。

 

「鞠莉、大丈夫!?」

 

一番にそう発した果南に気が付いた鞠莉は、その直前まで窓から外を見ていた視線をこちらに向けると、不思議そうにこう言ったのだった。

 

「ごめんなさい、どちら様ですか?」

 

「「「え?」」」

 

遥、ダイヤ、果南は頭の中が真っ白になり、何も言うことができなかった…。




ありがとうございます。
今回の展開はスタート時点から考えてはいたんですがほんとにやっていいのか?って悩みながら書いてました。せめて週一では投稿できるように努力していきますので待っていていただければ幸いです。
それではまた次回お会いしましょう。
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