ガイア本編を視聴した事のある皆様なら今回の展開も読めてしまうかもしれません、ひとまず21話どうぞ!
ガイアのフォトンエッジとアグルのフォトンクラッシャー、2人の必殺の一撃が放た時に発生した膨大なエネルギーは天へと昇りその光によって、辺りは眩い光によって塗りつぶされてしまった。
「きゃあっ!」
「何が起きてるの?」
「まさかこれが神々の黄昏‐ラグナロク‐…?」
ここで見ていた全員が、あまりの余波に驚くもどうすることもできない。
「一体…どちらが勝ったのですか?」
光が収まり、日は既に沈み辺りは夕闇に包まれる。そしてそこにウルトラマンの姿は無かった…。
「ヒロは?」
そう言って博樹を探して駆け出した果南を鞠莉とダイヤも追いかけていった。
「私も」
そう言ってその後に続く梨子に、千歌も付いていくが、残りのメンバーは遥を探しに、さっきまでガイアがいた辺りを探すのだった。
「遥君!大丈夫!?」
辺りを手分けして探そう。そう言って別れたのだが最初に遥を見つけたのは曜だった。
「曜先輩…?どうして…?ぐぅっ…!」
「みんな心配で追ってきたんだよ、それよりケガしてる…早く手当てしないと!」
そうは言っても絆創膏くらいしか今は手元にないし、そもそもそのまま貼るわけにもいかず、ひとまず携帯で一緒に探しに来た一年生三人を呼び出し、近くにあった公園まで遥を運んだ。
遥は肩が外れているのか右腕は力なく垂れ下がり、動こうとすると激痛が走るのか玉汗を浮かべていた。
「ウルトラマン同士が、こんな風に戦っちゃいけない…解ってたのに…僕は他の選択ができなかった」
「何言ってるの?アンタ姉を連れ去られたのよ?怒ったって誰も攻めやしないわ」
戦ったことを悔やむ遥に善子はそう告げる。
「そうだよ、この前だってあのウルトラマンは梨子ちゃんを…」
そう言ってルビィも遥に気を遣ってそう言って励ます。
「とりあえず肩外れてるっぽいから治すね。遥君、痛いけど我慢して」
「お願い、します…」
曜がそう言うと遥の腕をつかみ、外れた肩を戻す。遥もかなりの激痛だったようで暫く呻いていた。
「とりあえず傷口も水で流してから絆創膏貼ったし、今やれる手当てはやったずら」
花丸も遥が顔やら腕やらに怪我を負っているのでそこの手当てをしてくれたのだった。
「ありがとう、みんな…」
「でも、いつからガイアとして戦ってたの?どうしてみんなに黙って…」
そう曜は遥に問いかける、遥はやっぱり聞かれるかといった表情で自分が初めてガイアになった日の事を話した。
「じゃあ初めて会った頃にはもうガイアだったってこと?」
「ですね、あと姉さんにはまだ、言えてないんです…自分でちゃんと伝えるから、秘密にしておいてくれませんか?」
「…解った!了解であります!」
「まだ多分気が付いてないだろうし、いいんじゃない?」
「やっぱり、自分でお姉ちゃんに伝えたいもんね」
「遥君、頑張るずら」
「ありがとう、みんな」
そこまで話していると、曜のスマホに着信が入る。千歌からだった。
『曜ちゃんたち大丈夫?居場所教えてくれたら鞠莉ちゃんが迎えを呼んでくれるって言ってるんだけど』
との事だったので、ひとまず博樹を探しに行った5人とは別に十千万へ戻るのだった。
一方で博樹を探しに行った果南達だったが、そこで梨子と千歌は3年生3人と博樹の関係を知る事となった。
「そういえば果南ちゃん、青いウルトラマンの人と知り合いなの?」
「え?まぁそうだね…」
「彼は湊博樹さん。私達とは幼馴染ですわ」
どう話すか果南は困り気味だったのでダイヤが助け舟を出した。
「確か…光量子コンピューターのクリシスを開発した人の一人ですよね?最年少メンバーだった」
梨子も名前は聞いたことがあるらしい。やはり当時彼の話題性は凄かったんだなと思ってしまう。
「そうです、でもクリシスが完成した後2年程行方が分からなくなっていたのですが」
「それはマリーがたまたま留学先であった時に聞いたわ。クリシスによって根源的破滅招来体が来ることが予測されて、それから地球を救う方法として示されたのが『人類を地球から排除する』事だった…ヒロはそれしか方法は無いと信じたから…この2年間そのために生きてきたの…」
そう付け足す鞠莉の表情も暗いものだった。
「本当はこんなことになる前にヒロにはやめてほしかった、でも何もしてあげられなかったの…」
「鞠莉…」
果南もその事は初耳だったのか初めて聞いたという反応を示した。
「でもきっと博樹さんはそれが本当に正しいって思えなかったから、あんなに思いつめた顔をしてたんだと思う…」
「千歌ちゃん…」
「私もそう思う、何か無理をしてる…そんな風に思えたから」
自分達も博樹のせいで傷ついたハズなのに、彼の事を心配する2人の優しさだった。
そしてようやく博樹を見つけるのだったが、彼も怪我がひどく気を失っているのだった。
「ヒロ、しっかりして!」
そう訴えかけるも、今の彼に果南の言葉は届かなかった。
ひとまず通報し救急車によって博樹は病院に運ばれる事になった後、ほかのメンバーと合流するのだった。
「遥、どうしたのよその怪我…」
梨子がそう心配するのも無理はない、今の遥は絆創膏を顔に何枚か貼り更に右腕にはタオルをギブス代わりに巻いていたのだ。
「いや、ちょっと転んじゃって…」
それは無理があるだろう、一緒にいた4人にそんな冷ややかな視線を向けられる遥だったが、梨子もそれ以上は何も言わなかった。
その時、丁度フォトンエッジとフォトンクラッシャーが激突した場所の上空-つまりそのエネルギーは向かった先にワームホールが開いたのだった。
「何…?あれ?」
「今までとは違う…大きい!」
最初に気が付いたのは千歌だったが、その視線の向く先を見た遥はそのワームホールが今までとは規模が違いすぎる事に気が付いた。
「何が起きているというのですか…」
「わかんない…けど」
「ここにいたらまずいわね…」
3年生3人がこのままでは危ないと判断し、全員に逃げるように促す。
「ここは僕が…」
「そのケガで何ができるというのですか!」
「でも…」
遥が、ガイアの力を使って解決させようと考えたのだが、ダイヤに厳しく叱責される。
そんな時に、遥のスマホに着信が入る。こんな時に誰かとイラつきながら画面を見ると、相手はダニエルだった。
「ダニエル?どうしたの?」
『遥、今君は家に居るかい?』
「まぁ、家の前に居るよ?」
『君たちが住んでる場所の近くで巨人が戦っただろ?その地点の上空にかつてないほど巨大なワームホールが開こうとしているんだ。何が起こるかわからない、すぐ避難するんだ!』
「クリシスでも解らないのかい?」
やはり何か危険なことが迫っているのだろう。ダニエルの声はかなり切羽詰まっていた。でもクリシスなら何か予測できているのでは?そう思って聞き返すのだが、ダニエルは迷ったのか少し間を空けて。
『クリシスは…暴走した…』
「暴走!?どうして?」
『解らない…だが何かワームホールと共鳴してるようなんだ…今クリシスを強制シャットダウンさせようとしているところだ』
「そんな…」
『ともかく危険だ、こちらも準備はしてきたつもりだったけど間に合わなかった、本当にすまない…』
「仕方ないよ…僕も頼まれてたやつ完成できてないし…」
周りはその発言に「頼まれてたやつ?」と首をかしげるがダニエルの『それはまだかなり先にならないとこちらも完成しないから大丈夫』と言われた後、すぐ非難するように念を推されてから通話を切られた。
「どうしたの?ハルカ」
電話を切った後、鞠莉にそう問いかけられたので遥は今のダニエルとの会話を全て話した。
「じゃあ…博樹さんが信じていた予測は…」
「全て仕組まれたこと…?」
3年生3人はその結論にたどり着いたのだった。
「じゃああのワームホールがさっきの場所にできたのは…」
「ウルトラマン同士の戦ったエネルギーを使って、ここまで来た…」
梨子の呟きに、千歌がそう返す事で、ここにいる全員が今の状況の重大さに気が付く。すると遂にワームホールから巨大な竜の頭が出てくるが、その大きさは今までの怪獣とは比べ物にならずワームホールの中へ消えていく首の先がどうなっているかも見当がつかないし、今まで見た怪獣だって50m程あるウルトラマンよりも一回り大きいものばかりだったのに、こいつはその怪獣を丸のみにすることなど造作もなさそうな外観をしていた。
「何…あれ…?」
「大きい…」
「まさか…天界からの使い…?」
各々がその巨大怪獣に対しての感想が口からでるが、今はそんな場合ではない。
「逃げましょう、距離はあるけどあんな大きさの怪獣が暴れたらここだって安全とは言えません」
今の自分ではあの怪獣と戦う事なんてできない、さっきダイヤに指摘されなくても解っていた。だから心配させないために全員で逃げることを提案するのだった。
「遥君はそれでいいの?」
全員で逃げているとき、ふとルビィにそう問われた。
「うん、今の僕じゃ被害を予測してみんなと避難するくらいしかできないよ」
そう返事をする遥の顔は辛そうで、自分達の引き起こした戦いでいまの現状があると責任を感じているのは明白だった。
「遥君、マルたちが誤魔化しておくから行ってきていいよ?」
そんな遥を見て、花丸がそう告げる。
「え?」
「こんな無責任な事言いたくないけど、何とかできる可能性があるのも遥だけなの…だから遥が後悔しないようにして」
何を言っているのか解らない、そんな表情を見せる遥に善子もそう告げる。
「僕が…後悔しないように…」
言われた言葉を呟く遥は、暫く下を向いていたが。決心がついたのか顔を上げる。
「ありがとう3人とも。行ってくるよ、やっぱりやれることをやりたいんだ」
そう答える遥の目に迷いは無かった。あの怪獣をなんとかしたい、その気持ちが強まっていた。
「そう言うと思った、気をつけなさいよ?」
「遥君、がんばルビィ」
「絶対…無事に帰ってきてね?」
1年生3人の激励を受けて遥は前を行く姉たちに黙って、怪獣の方へ走る。
「僕は負けない…絶対に守って見せる!」
そう自分を鼓舞し、エスプレンダーを構えるが、そこで思わぬ人物に出会う。
「まだ決着はついていないぞ!遥…」
「湊…博樹…!」
博樹は元々怪獣を呼び覚まして周っていて身体を酷使していた分、遥よりダメージは深刻だったはずだが、病院を無理やり抜けて遥と決着をつけるべくここまで戻って来たのだった。
「そんな場合じゃない、アイツは僕たちのエネルギーを使ってここまで来たんだ。だからアイツを倒すことが先決じゃないのか?」
「くだらん、何を根拠に…」
「クリシスが暴走した」
遥の言葉に耳を傾けようとしない博樹に、遥はそう真実を告げた。
「しかもあのワームホールに共鳴しているらしい、きっと最初から何者かに細工されていたんだ」
「何のためにだ?」
「根源的な、破滅をもたらすために…!」
「…ッ!」
そこで博樹の表情が一変した、無理もない自分がこの2年間信じてきたものが、敵によって仕組まれたもので自分は相手の手の上で転がされていたのだから…。
「うわぁぁぁああああああ!」
頭を抱えて絶叫する博樹の身体は震えていた…。
「でも、アイツを倒せるのは僕たちしかいない!だったら、戦うしかないじゃないか!!」
ここで事実に打ちひしがれていても何も解決しない。ともかく2人であの怪獣を何とかするしかない。そう思っている遥はそう言って博樹を立ち上がらせようとする。そして自身もガイアへと姿を変えるべくエスプレンダーから光を開放しようとするが、博樹に腕を掴まれる。
「そんな体で、いったい何ができる?」
そういうや否やアグレイターの翼が開き、真ん中のライフゲージを模した部分から青い光の球体を開放する。
「アグルの力を一緒にしろ。そうすれば少しはマシに戦える」
「君はどうするんだ?」
突然光を手放した博樹に、遥はそう問いかける。だが博樹は悲し気な笑みを浮かべるだけだった。
「大切なものに…信じていたものに裏切られる気持ちが、お前に解るか?」
そう語る博樹は、きっと自身のしてきたことに対する罪の意識に苛まれていたのだろう。
「俺にはもう…守るものなんて何もない…」
そういうと博樹は踵を返して歩み去ろうとする。だが遥もどうすればいいのか解らなかった。
空では軍隊が出動し、怪獣への攻撃を開始するが。現代の兵器では有効打を与えることは不可能だった。
さらに怪獣も火を吐いて攻撃する。そしてその流れ弾が近くに着弾し、野が焼ける。立ち尽くす遥に気が付いたのか、博樹は一度だけ立ち止まると。
「光をとれ!遥…」
一言だけそう告げると再び歩み去る、そしてその博樹の真後ろに再び飛んできた炎が着弾し、爆炎によって遥から博樹の姿は見えなくなった。
意を決した遥は、エスプレンダーを掲げ、その中へアグルの青い光を迎え入れる。
「大事なものなんて…いくらでもあるじゃないか!!」
そして右腕のギブス代わりのタオルを外すと右手にエスプレンダーを持ち帰ると、左胸の前に当てた後、前方にその手を突き出し、戦士の名を叫ぶ。
「ガイアァァァアアッ!!!」
その頃、学校の近くまで逃げてきたメンバーたちは、遥がいないことに気が付く。
「あれ?遥君は?」
「あの子また…」
千歌が遥のいないことを指摘すると、梨子が若干苛立ち気味にそう呟く。無理もない、遥がガイアだと知らないしいつも肝心なところでいなくなって心配をかけているのだから…。
「まさか…」
そう呟いた曜とダイヤ、鞠莉は気が付いてしまった。本当はそんなハズがないと思いたかった。最初に遥を発見したのは自分だったから、遥の怪我がどれ程のものか解っていた。だからあんな体で戦いに行くはずがないと。だが現に遥は居ない。
学校にはほかにも生徒や近所の人々が集まってきていた。もしかしたらはぐれてその中にいるかもしれない。そう信じたかった。
だが今怪獣によって無残にも破壊される自然、打ち落とされる戦闘機を見て絶望するもの、泣き叫ぶ子供、それらの中に、遥の姿は無かった。
「ウルトラマンガイア、来てくれるよね?」
ふと、子供たちからそんな声が聞こえてくる。
「ウルトラマンは…」
親が何か言いかけるが言葉に詰まる、ウルトラマン同士が戦って相打ちになったから来ないのではないか。そんな言葉が他の大人たちの会話から聞こえてくる通り、恐らくもうウルトラマンはいないと思っている大人が大半なのだろう。
「遥君…大丈夫だよね?」
「大丈夫に決まってるじゃない!結局行かせちゃったんだしもう信じるしかないでしょ?」
思わずそう漏らしたルビィに善子はそう答える。
「そうずら、遥君は強いもん。マルたちは信じてあげよう?友達なんだし」
「そうだね、絶対勝てるよね」
花丸たちは信じるしかなかった、遥が…ガイアがあの怪獣に勝利することを。そしてそれを信じて待っているのだ。
そしてその時、天に青い光が立ち昇った。
「あれは…」
「ヒロ…?」
「アグル…じゃない、ガイア?」
ダイヤ、果南、鞠莉は最初アグルが現れたのかと思ったが、その中から現れたのはガイアだった。
青い光にさらに赤の光を纏い、夜の闇に現れたガイアは胸の赤いプロテクターが青く光った後、それが黒に変わった。ウルトラマンガイアV2(ヴァージョンツー)誕生の瞬間だった。
ガイア自身もそれを不思議そうに見つめていたが、それが受け取ったアグルの力の影響であることに気が付く。そして右腕を気にするように少し動かした後、上空の怪獣に対して構える。
「梨子ちゃん、ガイアだよ」
「無事だったのね…」
ガイアに気が付いた千歌は、梨子にそう声をかけると、周りの人々もガイアの出現に歓喜するのだった。
ガイアは飛び立つと、怪獣目掛けてクァンタムストリームを放つ。しかし怪獣には効果がないのか微動だにせず、逆に火炎攻撃によって撃ち落とされてしまう。
そのまま追い打ちをかけるように数発更に火炎攻撃がガイアを襲うが、ガイアはこれを前転して回避すると立ち上がる。
『アグルの力を貰ったんだ、これで!終わるか!!』
「セァッ!ハァァア……」
ガイアは両腕を上に伸ばすと、その手の間に青い光が産まれる。それを両腕を降ろし胸の前に合わせ、それから両腕を広げ、もう一度上に一周腕を回し、その光をその身に纏う。
「ガイアが変わる!」
光を纏うガイアに全員の視線が注がれる。千歌はその光景が、光り輝くガイアに何か感じるものがあったのかもしれない。
その光が消えた時、ガイアの姿はこれまでとは全く異なるものだった。
これまでと違い、銀色の部分が減り、全身がほぼ赤く染まり、肩から二の腕にかけて金色に縁どられた黒のプロテクターができ、さらに体の側面にアグルを彷彿とさせる青いラインが走る。
更に体格もこれまでと違い、マッシヴな印象を与える。
ガイアは再び飛び立つと、怪獣の首元―ワームホールへガイアスラッシュを放つとワームホールが不安定になったのか怪獣が苦しみ始める。
その隙にガイアは怪獣の口から体内に飛び込んだ。その後、怪獣の体が光ったかと思うと、次の瞬間怪獣の体は粉微塵に砕け散り、ワームホールが閉じる。
するとガイアは爆風の中からゆっくりと飛翔すると、そのまま飛び去って行った。
その後遥は学校裏で変身を解くと、皆に合流した。
「遥、どこ行ってたの?」
梨子にそう聞かれて困る遥だったが、花丸たちのおかげで何とか誤魔化すことができた。だが後から特にダイヤからは説教を受ける羽目になったが…。
(生きてますよね?きっとまた、一緒に戦えますよね?)
行方の解らなくなった博樹に、遥はそう思うのだった。
エスプレンダーの中には、元々のガイアの赤い光とアグルの青い光が輝いていた。
今回登場した怪獣は巨獣ゾーリムです。
今後登場するガイアは特別な描写がなければ、今後V2が基本形態となりますので、よろしくお願いします。