ラブライブ!サンシャイン!!〜大地と海の巨人〜   作:カズオ

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お待たせしました、最新話です。
これとあと1話で超時空編は完結する予定です、よろしくお願いいたします。


四章 光よ!

赤い球によってついに新たな能力を開放したキングオブモンス。その能力は、

 

『無限の増殖』

 

キングオブモンスの全身が赤く光ると、その赤い腹部が蠢き四本足の水生生物のような特徴をもち、それでいて体のほぼ半分が口として開く怪獣、『スキューラ』が現れ、翼が倍に増えると、背中から、その増えた分の翼を自身の翼として、四枚の翼に二本の脚を持ち、全体的に銀色のカマキリのような怪獣『バジリス』が天に飛翔する。

 

「まずい…数でガイアが不利だ…」

 

菜生がそう悔しそうに漏らすと、三体の怪獣はガイアを取り囲むと一方的にガイアを痛めつける。

 

スキューラが高速で突進を行うとガイアの身体が宙を舞い、それをバジリスが両腕の鎌で叩き落す。そして起き上がろうとするガイアをキングオブモンスが腹に蹴りを入れる。

 

地を転がるガイアは、なんとか起き上がろうとするが腕に力が入らないのか中々起き上がれずライフゲージも赤く点滅を始める。

 

「菜生ちゃん、なんとか助けられない?」

 

「ごめん、コスモスも今日の戦闘と元の世界からここに来るまででエネルギーを使い果たしてて…」

 

千歌にそう悲痛な表情で聞かれるが、菜生は悔し気にそう答えると視線を伏せる。

 

「このままじゃ…ガイアが死んじゃう!」

 

裕翔はそう悲痛な叫びをあげるが、ここで悲しんだところでガイアが3体の怪獣を相手に一方的にされるがままになっている現状は変わらない。

 

「あの球に、怪獣を消すように願ってみるのは?」

 

「それだ!」

 

咄嗟の提案に望みをかけて、全員で海造から赤い球を奪おうと動き出す。

 

「こいつら…そんなに死にたいか!」

 

合計12人に赤い球を狙われれば流石に取られないようにするというのは無理がある。だが海造の取られまいとする願いを赤い球はゆがんだ形で叶えようとする。

 

―奪わせない為に、殺してしまおうと―

 

その結果赤い球が召喚したのは、青い装甲と黄色のモノアイをもつロボット兵器、ヘルズキングだった。

 

「あれは…まずい!みんな逃げて!!」

 

想定外だった新たな敵の出現に、菜生はその怪獣ロボットに覚えがあるのか皆に逃げるように促す。しかしヘルズキングはすぐには動こうとせず立ち尽くしていた。

 

ロボットはガイアには目もくれず真っ直ぐ裕翔達を狙って行動を開始するが、皆巻き込まれまいと菜生の誘導に従って一目散に駆け出した。

 

だが一方でガイアも3体の怪獣はどれも今まで戦ってきた相手の中でも上位に入る力を持っているので活路を見いだせずにいた。

 

キングオブモンスに攻撃を加えようとすればバジリスとスキューラが、他の2体のどちらかを狙っても残りの2体に攻撃を与えられ窮地に立たされていた。

 

その時飛翔したバジリスの体当たりをくらったガイアの身体がビルの屋上へと叩き付けられその重さに耐えられなかったビルを粉砕し、ガイアは暫く立ち上がれなかった。

 

そしてキングオブモンスは駅の方へ破壊光線を吐き戦闘を行っていた場所からこちらまでを一直線に薙ぎ払った。

 

「きゃぁあああああ!」

 

「うわぁぁああああ!」

 

その爆風で全員の身体が宙を舞い地面にたたきつけられる。

 

「いったぁ…」

 

「み、みんな大丈夫!?」

 

菜生と果南、曜は受け身を咄嗟に取れたのだが、他の全員はそうもいかなかった。幸い頭を打ったり瓦礫によって怪我をした人はいなかったが、ヘルズキングもこちらを見据える。

 

「それ見た事か、私に逆らうからこうなるんだ!」

 

運よく被害を免れた海造がそう吠える。恐らく赤い球によって破壊衝動を刺激されているのだろう。その目は最初の頃と比べて異様に血走り、声もエコーがかかったようになっている。

 

「あの人…まるで操られてるみたいずら…」

 

「多分球の力で破壊衝動みたいなのを暴走させられてるんだ」

 

それは花丸も感じていたことらしい、そして菜生もそれを感じたらしく周りの皆を起こしながら推論を述べる。

 

「壊せ壊せ壊せ!破壊しつくせ!!」

 

海造がそう叫んだ時、ヘルズキングが腕の装甲を展開し菜生達目がけて破壊光弾を放つ。

 

『菜生、変身を!このままでは全員助からない』

 

菜生の脳裏に一体化しているコスモスからテレパシーが送られる。すると菜生はスティック状のアイテム、コスモプラックを突き出し、その先端の蕾を花開かせる。

 

「コスモース!!」

 

「シュワ!」

 

その時辺りは光に包まれ、ウルトラマンコスモスが光弾を弾きながら千歌たちを庇うように現れる。

 

「コスモス…」

 

コスモスはヘルズキングと見合うようにして向き合うと、右腕を天に掲げ太陽の如き熱きエネルギーを身に纏い、ルナモードからコロナモードへと変化する。

 

だが、やはりエネルギーは消耗したままなのかカラータイマーは先ほどと同じで赤く明滅していた。

 

「ダァ!!」

 

コスモスはヘルズキングに駆け出すと、そのボディに連続でパンチを繰り出すが、ヘルズキングはビクともせず逆にコスモスを跳ね飛ばしてしまう。

 

そして起き上がったところに腕の装甲を再び展開し、破壊光弾を今度は両腕から連射しコスモスを襲う。コスモスは最初の数発は避けたり腕で弾き落としていたが、3発ほど胸にくらっていまい再びその体が宙を舞う。

 

その戦闘の振動で遂に駅の建物が完全に崩壊する。そしてその瓦礫にいた海造はそれに気が付くことができずに瓦礫に押し潰されてしまった。

 

「裕翔君見ちゃダメ!」

 

チサがとっさに裕翔の目を覆ったことで裕翔はそれを見なくて済んだが、その光景に他の全員が目を背けた。そして海造の身体は見えなくなっていたが、裕翔の足元には赤い球がまるで新しい主人を求めるかのように裕翔の足元に転がってくる。

 

「球だ…」

 

チサが手を放した後、足元に転がる球に気が付いた裕翔はその球を持ち上げる。

 

そして裕翔はガイアの方へ目を向けると、ガイアは3対の怪獣に囲まれて地に倒れ伏していた。そしてコスモスもヘルズキングの攻撃に耐えられず一方的に攻撃を受けていた。

 

そして裕翔は何を願うかを決心し、球にむかって叫んだ。

 

「怪獣を消して、ウルトラマンを助けて!!」

 

そう叫ぶと、赤い球が光るだろうと思い目を瞑るが何かが起こったような気配を感じることができず、恐る恐る目を開くと、眼前には先ほどまでと変わらない景色が広がっていた。

 

「どうして…願いが叶わないんだ?」

 

『一度実体化したものを、消せはしない。全て、手遅れだ』

 

裕翔の疑問に答えるかのように、赤い球は淡く光りながらそう告げる。

 

「そんな…そんなぁ…」

 

裕翔は膝から崩れ落ちると、赤い球を地面に叩き付けようとする。

 

「もういいよ裕翔君、何も変わらないわ」

 

チサが裕翔の肩を持つと、優しくそう告げる。

 

「チサちゃん、変わらないことなんて絶対ないと思う」

 

そうチサの言葉を否定したのは千歌だった。千歌はそんなことないと強く言い切って見せたのだった。

 

「そうだよね、2人が頑張ってくれてるんだし私達もどうすればいいか考えよ!」

 

曜もそう言って裕翔を励ます。すると他のメンバーも「そうだよね、これで終わりって嫌だしね」「それに、他の世界から助けに来てくれてるのに、私達が諦めたんじゃ悪いわよね」そう言ってみんなでどうにかしようという流れができた。

 

「そうだ、一人じゃない…ウルトラマンも…!」

 

そう裕翔が呟いたとき、バジリスの吐き出した破壊光球が、こちらへまっすぐ飛んできた。そしてあたりが爆炎に包まれた、その時だった。

 

「光よー!!」

 

ただ一言、いやほぼ叫び声と言ってよかった。その裕翔の声に赤い球は今度こそ輝いたのだ。

 

「あれ…?」

 

「みんな大丈夫?」

 

「私は大丈夫」

 

「わたしも!」

 

気が付けば全員、何か白く輝くものの上に乗っていてはるか下では駅があった場所が炎に包まれていた。そして上を見ればこれもまた白く輝く巨人のシルエットが見える。そしてその光が収まりその巨人の正体に驚いた。

 

正確には巨人は二人いて、全員がそれぞれそのどちらかの手の中に居たのだ。そしてそのうちの一人は赤と紫に銀のラインが入った巨人―ウルトラマンティガ―もう一人は銀を基調とし、赤と青の身体を持つ巨人―ウルトラマンダイナだ。

 

そしてガイアとコスモスの身体も一瞬輝き、それぞれのライフゲージとカラータイマーは青い光を取り戻していた。

 

ティガとダイナはみんなを戦闘に巻き込まれないであろう少し離れた場所にそっと降ろすと、ガイアを取り囲む怪獣の方を振り返ると、同時に手裏剣状の光弾をバジリスとスキューラへ発射する。

 

するとガイアも起き上がるとキングオブモンスの首元に渾身の拳を叩き込み、その巨体を後退させる。

 

3対の怪獣が仰け反った隙に、ガイアは距離を取り、逆にティガとダイナはガイアの両隣に駆け寄って行った。

 

「デヤッ!」

 

「テヤッ!」

 

「ショワ!」

 

各々ファイティングポーズを取ると、3人のウルトラマンはアイコンタクトを取ると、それぞれ自身の正面にいる怪獣へと駆け出していった。

 

ティガはスキューラの背に乗るとその頭を殴りつけ、ガイアはキングオブモンスの頭を掴むと首に蹴りを入れ後退させ、ダイナはバジリスの両腕の鎌で接近しづらそうに見えたが、うまくかわしてその腹に蹴りを入れる。

 

ティガは一度振り落とされてしまうが、今度は尾びれと背びれを掴んでスキューラの巨体を持ち上げると、ジャイアントスイングの要領で振り回す。しかしその間にダイナがバジリスの両腕の鎌に挟まれて投げ飛ばされてしまい、その間フリーになったバジリスがティガを切り付け、スキューラの身体は宙を舞い、そのまま海中に姿を消した。

 

そのままバジリスはティガに肉薄するが、すぐさまダイナが両腕を額の前でクロスさせエネルギーを集めると全身を赤く染め上げ、ストロングタイプへとチェンジし、両者の間に割って入るとバジリスを殴りつけ、怯んだところを掴んで投げ飛ばす。

 

その様子を横目にみたティガは、スキューラが消えた海の方を向くとダイナのようにエネルギーを集中させ、全身を紫に染め上げスカイタイプへとチェンジすると飛び上がり猛スピードでスキューラの消えた海中へ飛び込んでいった。

 

ガイアは最初に戦闘に突入した頃のようにキングオブモンスと一進一退の肉弾戦を繰り広げていたが、蹴り飛ばされて破壊光線を吐かれそうになるが、ダイナがキングオブモンスを殴りつけて発射を阻止してくれた。

 

しかし、その隙にバジリスが天高く飛び立ってしまい、ダイナはそれを追うべく赤と青のボディのフラッシュタイプへ戻ると、バジリスを追いかけて同様に飛び去ってしまった。

 

一方でエネルギーが球の力によって回復したコスモスは、先ほどの劣勢が嘘のようにヘルズキングと互角にまで持ち込んだ。そしてコスモスは菜生にさらなる力を使うように促す。

 

(みんなが私たちに力をくれた…行こう、菜生)

 

『うん、コスモス…!』

 

両腕の拳を同時にヘルズキングの腹部に叩き込んでヘルズキングをよろけさせると、両の拳を上に突き上げ、黄金のエネルギーを身に纏う。

 

赤と青に銀体に金のプロテクターといったこれまでより派手な印象を与える模様にコロナともルナとも違う頭部。さらにはカラータイマーの周りも銀から金へと変化した。コスモスの強さと優しさを体現した姿―エクリプスモードだ。

 

「コスモスが…また変わった…」

 

千歌たちから一番近い場所で戦闘を行っていたコスモスの変化に思わず見とれてしまう。

 

「フンッ!ハァッ!!」

 

一層力強く構えをとるコスモスに、ヘルズキングは駆け寄ってくる。しかしコスモスはその場で軽く飛び上がると一瞬でヘルズキングへと肉薄し、連続蹴りでその巨体を吹き飛ばした。

 

 

そしてスキューラを追って海底へと潜ったティガは、スキューラとの戦闘に突入していた。そして見かけ通り水中では地上より俊敏かつパワフルな攻撃に翻弄されていたがスカイタイプの俊敏さを活かして攻撃を最小限の回避に留め確実にカウンターでダメージを稼いでいく。

 

一方ダイナはバジリスを追って大気圏外まで飛翔し、バジリスの破壊光弾を腕で弾きながら接近し、飛行態勢のままバジリスの顔面や腹部に蹴りや拳による殴打を浴びせていった。

 

 

そしてガイアもキングオブモンスとの戦闘ではキングオブモンスに力で押されてしまい、今度は胸を踏みつけられてしまっていた。そして何とかその脚を掴んで持ち上げようとするガイアだったが、キングオブモンスの巨体からくるパワーを前に苦しめられていた。

 

「がんばれガイアー!」

 

裕翔やAqoursの皆からガイアを鼓舞する声が飛ぶ。そして梨子も今日何度もウルトラマンが戦っているのを見て、ガイアに…いや遥にその思いを叫ぶ。

 

「お願い遥君!勝って!!」

 

その梨子の叫びが届いたのか、ガイアはキングオブモンスを跳ね除けると起き上がり側転で距離を取ると、両腕を上に突き上げヴァージョンアップポーズを取るとその身をスプリーム・ヴァージョンへと変化させた。

 

その変化に動揺するキングオブモンスをガイアは回し蹴りで腹部の牙を粉砕しさらにその巨体を大きくのけぞらせた。

 

大地と海、そして宇宙で行われている。光の巨人と怪獣との決戦は、決着の刻が近づいていた。




いかがでしたでしょうか?正直コスモスの相手はかなり悩みましたが、コスモスは怪獣とは戦わせない方向で行くことにしました。
次回決着!お楽しみに!!
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