ラブライブ!サンシャイン!!〜大地と海の巨人〜   作:カズオ

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今回からセカンドシーズンのスタートでーす!!(言いたかっただけ)


Ver.2輝きへ
27話 ネクストステップ/舞い降りる翼


二学期初日の始業式、全校生徒は体育館に集合していた。現在は理事長でもある鞠莉が代表してスピーチを行っている所だった。

 

「ハローエブリワン!本日より、セカンドシーズンのスタートで~す!」

 

「セカンドシーズン?」

 

「二学期ってことよ」

 

訝し気な表情を浮かべた曜と梨子がそんなやり取りをしているのが聞こえる。鞠莉は理事長挨拶の名目で生徒の前に立っているわけだが、普段のペースを崩さない。

 

「そこは浦の星の生徒らしい、節度を持った行動と勉学に励むんだ、と…」

 

「雪像を持つ?」

 

ダイヤが小声でそうもっと知事長らしい挨拶をするように促すが、鞠莉はとぼけた仕草を見せるので思わず声を荒げそうになるがなんとか思いとどまる。

 

そんな普段通りの様子に、同級生である三年生は苦笑いを浮かべていた。

 

「でも惜しかったわよね」

 

「うん、あと少しで全国大会だったみたい」

 

「過ぎたことをいつまで言っても仕方ないずら」

 

そんな朝礼の様子を見ながら、善子、ルビィ、花丸がこの前の地区予選の事を思い出していた。

 

結果から言うと、Aoursはラブライブの全国大会に行くことはできなかったのだ。あと少しで全国大会というかなり惜しいところまで行ったのだが、全国に行けなかった。その結果は覆らない。

 

「しっかーし!参加賞が二色ボールペンってどうなの!?」

 

善子は参加賞が気に食わなかったらしくそんな声を上げる。

 

「全国大会に行くと、三色になるとか?」

 

「みらいずら~」

 

「どっちでも変わんないだろ…」

 

それにルビィと花丸はそんな話で盛り上がりかけるが、遥が水を差したことで3人は遥を睨む。

 

「何さ…?」

 

「シャラ~ップ!!」

 

思ったより声が出てしまっていたらしく、鞠莉のそれを窘める声が体育館を反響する。正直あなたが一番うるさいと思わずにはいられないが…。

 

「確かに、全国大会に進めなかったのは残念でしたけど―」

 

「でも、0を1にすることはできた。ここにいる皆さんのお陰ですわ」

 

そう言ってスピーチを再開した鞠莉の隣に、ステージの端に隠れていたダイヤが現れそう続ける。

 

「そして、それだけではありませんわよ」

 

「本日発表になりました。次のラブライブが!」

 

鞠莉とダイヤがそう告げると、体育館の扉が音を立てて開き、千歌が入ってきた。そういえば朝学校へ行くときバスの中に彼女の姿は無かったが…。

 

「トゥーレイト」

 

「大遅刻ですわよ」

 

そう告げる鞠莉とダイヤだったが、その表情に千歌を責めている感情は微塵も感じられない。

 

「千歌ちゃん、どうする?」

 

「聞くまでもないと思うけど!」

 

恐らく全力疾走で来たのだろう。息の上がっている千歌に曜と果南がそう問いかける。

 

「出よう!ラブライブ!!そして、1を10にして、10を100にして、学校を救って…そうしたら、わたしたちだけの輝きが見つかると思う!きっと…輝ける!!」

 

今度こそラブライブの全国大会に出場し、入学希望者を増やして学校を存続させる。その先に彼女達の求める輝きが見つかる。そう信じて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゾーリムもダメだったみたい」

 

「でもウルトラマンは一人消えました。もう一人を片付ければ、もう後は簡単です。何、『彼女』を救うまであと少しです」

 

暗がりで少女と落ち着いた男性の声が響く。だが少女の人影は見えるが、男性らしき人物の姿はどこにも見当たらなかった。

 

「簡単に言うけど、あなたも私もまだ手を出すときじゃない…理解、してる?」

 

少女は、一層声のトーンを下げ睨みつけるようにそう告げる。

 

「解っていますとも、そして出番もありませんでしょうよ」

 

そう男性の声は悪びれる事なくそう返すと、姿の見えないその男性の気配は消えてしまった。

 

「『死神』が、よく言う…」

 

少女はそう毒付くように呟くと、そのまま闇によけるようにして消えてしまうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「善子ちゃん、相変わらず体固いね」

 

放課後、屋上で練習前にストレッチを行っている時、果南が前屈をする善子の背中を座って押す。

 

「ヨハネ!うぅ…この身体はあくまで仮初…」

 

「ふふっ…」

 

そう言い訳をする善子に、果南はそう悪戯っぽい笑みを浮かべると、善子にさっきより体重をかけると善子は「痛い痛い!」と悲鳴を上げるのだった。

 

「花丸ちゃんはずいぶん曲がるようになったよね」

 

「毎日やってるずら、腕立ても。見てるずらよ~」

 

ルビィと柔軟をやっていた花丸が、そう言うと腕立て伏せをする体勢になるとみんなが花丸の方を注目した。

 

「いいいぃいいいいい…」

 

結局、一度も伏せたまま上がってくることなく、『ぺしゃん』と音を立てて突っ伏してしまうのだった。

 

「完璧ずら…」

 

「花丸ちゃんすごい!」

 

「イッツミラクール!」

 

なぜかやり切った感を出す花丸に、それに感動したかのような様子のルビィと鞠莉に「どこがよ!」と真っ当ツッコミを入れたのは善子だった。

 

「まぁ…腕を曲げるのもちょっと前までほぼできてなかったし、いいんじゃない?」

 

「遥はできるの?」

 

そうフォローする遥だったが、自分に飛び火すると困った表情を浮かべる。

 

「そりゃあ僕も毎日やってるし…怪獣だって持ち上げられるし?」

 

「それ変身してる時だけでしょ?」

 

「わーった、やります。やりますよ…」

 

そんな言い訳を並べると果南にそうバッサリ言い切られてしまう。まあ実際にウルトラマンに変身していないときにやれと言われてもできないのだが…。嫌々腕立て伏せをやってみせる。

 

「それで、次のラブライブっていつなの?」

 

「多分、来年の春だと思うけど…」

 

「ブッブーですわ!」

 

そう言えばと曜が聞くと、梨子がそう答えたのだがダイヤがそう言って顔を目の前に持ってくる。

 

「その前に、やるべきことがありますわよ」

 

そう得意気に言うダイヤに対して、心当たりが全くないといった曜と梨子だったが…。

 

「忘れたんですの?入学希望者を増やすのでしょう?」

 

「学校説明会…」

 

「あ、そうだ」

 

もう当日まであまり日はないことも予告されていた学校説明会の事を思い出した梨子と曜に鞠莉も

 

「オフコース!既に予告済みだよ」

 

そう告げるのだった。

 

「折角の機会です。そこに集まる見学者たちにライブを披露して、学校の魅力を伝えるのですわ!」

 

「それいい!」

 

ダイヤがそう得意気に宣言すると、そんな賛成の声がすぐさま飛び込んできた。たった今屋上へ上がってきた千歌によるものだった。

 

確かに学校説明会でもライブを行うことは、Aqoursの魅力をそして学校の魅力をアピールする絶好の機会だ。そしてそれが、廃校を阻止するのに効果的だと全員が思っていた。

 

そして時を同じくして、地球に新たな脅威が迫っていることなどこの時は誰も想像すらしていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「そっか、秋になったら終バス早くなっちゃうんだね」

 

練習後バス停で時刻表を見ながら曜はそう言って肩を落とす。

 

「日が暮れるのも早くなっちゃうから、放課後の練習時間も短くなっちゃうかも…」

 

「説明会まで日がありませんわよ?練習時間は本気で考えないと…」

 

その曜のつぶやきに、黒澤姉妹も苦い表情を浮かべながらそう返した。屋上で練習している以上、日が暮れてしまっては危なくて練習などできない。練習時間を確保するためには、何か手を打つ必要があるのだ。

 

「じゃあ朝、二時間早く集合にしようか?」

 

果南がそう提案すると、全員が首をかしげて唸るがすぐに他の案が上がってくることは無かった。

 

「じゃ、決まりね」

 

「早過ぎるわよ!!」

 

すぐ他の意見がないなら決定と、豪快に決める果南を善子がそう言って引き留める。実際始発に乗ってもそんな時間に集合はできないのだが…。

 

「それと善子ちゃん、もう少し早く帰ってくるように言われてるんでしょ?」

 

「ギクゥ…どっどうしてそれを!?」

 

梨子にそう指摘された善子は、そう言って明らかに動揺して見せた。どうやら本当に言われているらしいし、梨子に知られているのは想定外だったようだ。

 

「うちの母親が、ラブライブの時に善子ちゃんのお母さんと色々話したらしくて。なんか部屋にも入れてもらえない、って」

 

「だ、だからヨハネは堕天使なので…あくまで母親は仮の同居人というか…」

 

よほど自身にとって不都合な事らしく、そう言って誤魔化そうとする善子の顔は真っ青だった。

 

「お母さんってどんな人なの?」

 

ここで千歌がそう言って会話に入ってくる。確かに善子の母親に会ったことはない、実際どんな人物なのか興味はある。

 

「学校の先生なんだって」

 

そう笑顔で教える梨子に、花丸とルビィ、遥は悪戯っぽい笑みを善子に向ける。

 

「「「へぇ~」」」

 

「善子ちゃん、3歳まで哺乳瓶離さなかったから、お母さん大へ―」

 

「うにゃぁぁあああああああ!!」

 

これ以上暴露されてしまってはたまったものではない善子の絶叫で、梨子のその続きの言葉はかき消されるが、一同からは笑い声が上がった。

 

「まって、沼津からこっちに来るバスは遅くまであるのかな?」

 

ここでふと疑問に思ったので、梨子が元々こっちの住民であるみんなにそう聞く。

 

「え~っと…、仕事帰りの人がいるから…」

 

そこまで呟いた千歌が何か思いついたらしく、ぱあっと表情を明るくすると。

 

「向こうで練習すればいいんだ!」

 

学校前から沼津の方面への終バスの時間は早まるが、沼津から内浦へのバスの時間は変わらないらしい。それなら確かに名案だ。

 

「それなら時間も確保できるずら!」

 

「ルビィ賛成!」

 

「そうだね、鞠莉は?」

 

集合時間を早めようとした果南もこの提案には意義は無いらしく、鞠莉はどう思うか問いかけるが若干上の空だった鞠莉は「え?」と上ずった声を出すがすぐ普段の調子に戻ると。

 

「ノープロブレム!」

 

そう笑顔で返すのだった。

 

「よし!じゃあ決まり!!」

 

「練習場所は、また明日そうだんして決めましょうか?」

 

反対意見もなく、概ね好評だったので千歌がそう言って遥はもうバスの時間なので練習場所の相談は明日にしよう。と提案した。

 

「新たなリトルデーモン達を増やそうぞ!」

 

「善子ちゃん張り切り過ぎずら」

 

「ヨハネ!」

 

そんな普段通りなみんなと談笑していたのだが、鞠莉だけは物憂げな顔で海を眺めていた。そしてそれに気が付いていたのは、果南だけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな時だった。街中に警報が鳴り響いた。

 

「何だ!?」

 

「何が起こってるの?」

 

突然の事態にさっきまで談笑していた面々の表情に緊張が走る。地区予選以来、一度も怪獣が現れることは無かった。しかし今回の警報で再び怪獣が現れるのはほぼ間違いない、そうここにいる全員が思った。

 

その時空から巨大な黒曜石のような物体が飛来した。そしてそれを追うように見たことのない戦闘機が3機、同じく空から舞い降りてきたのだった。

 

「何?あの戦闘機?」

 

「完成したんだ、ファイターが」

 

『ファイター』遥は現れた戦闘機をそう呼んだのだ。3機のうち1つは青とシルバー、残りの2機は赤とシルバーに塗装されていて、青いのとはシルエットも違うが、一番の違いは両翼にミサイルポッドが仕組まれているのだ。その戦闘機たちは黒曜石の結晶体の上を旋回しており、この巨大な物体がどのようなものなのか警戒しているようだった。

 

「ねえ遥、あの戦闘機の事知ってるの?」

 

学校の方へ避難した一同は、校舎には入らず街の様子を見ていると、梨子が遥にそう聞いた。この中で唯一戦闘機の事を知っているそぶりを見せたのは遥だけなのだから。

 

「開発コード『ファイター』アルケミースターズが新しく開発した、『リパルサーリフト』っていう反陽子浮遊システムを搭載した今までの飛行機の常識を覆した戦闘機だよ」

 

「何…そのリパルサーなんとかって…?」

 

聞きなれない単語が飛び出して、千歌達は困惑させてしまったので遥は「えぇ~っと」と頭をかきながら簡潔な説明を考えると。

 

「ヘリコプターみたいなホバリングと旋回もできて、宇宙も飛べる世界一速い戦闘機…かな?まあ僕はリパルサーリフトの開発も簡単な部分をちょっと手伝っただけだけど…」

 

そう語ると「だから夏休みパソコンばっかり触ってたんだ」と一定の納得は得られたが、やはり普段接することのない専門知識なども飛び出したので、やはり難しそうな顔を浮かべるのだった。

 

 

 

そしてその時、巨大な黒曜石の結晶体が砕け散ると、中から白いコッヴが現れたのだった。

 

コッヴの出現を確認したとたん、3機のファイターはコッヴの周囲を飛び回ると、レーザー機銃やミサイルで攻撃を始める。しかし、従来の戦闘機の攻撃と比較すれば効果はあるようだが、それでも倒すにはまだほど遠い。

 

「だめだ、あれじゃファイターの特性を生かしきれない」

 

遥はその戦闘の様子を見るとそう呟いた。従来とは違う飛び方ができるとはいえ、元々の戦闘機の乗り方が恐らく抜けきれないのだ。無理もない、まだ完成して1か月も経っていないはずなのに実践投入されたのだから。

 

そしてコッヴの放った光弾によって赤いファイター2機が撃墜されてしまった。そして青いファイターが1機で奮戦するも弾薬が付きてしまったのか、一度戦線を離脱してしまった。

 

「あの怪獣、春に現れたのと同じ…」

 

梨子がコッヴをみてそう呟いた。思い返せばあの時全てが始まったのだ。あの時感じた怪獣という、未知の存在への恐怖を思い出してしまう。

 

「大丈夫、僕がやっつける」

 

そう言って遥は皆を安心させようとほほ笑む。

 

「気を付けてね」

 

「解ってる、でも絶対負けないから」

 

そう言って遥は学校の敷地外に飛び出すと、周りに誰もいないことを確認しエスプレンダーの光を解き放った。

 

 

 

 

そして空が赤く輝くと、コッヴに立ちはだかるようにウルトラマンガイアが土砂を巻き上げながら着地した。

 

「デヤッ!」

 

コッヴに対してガイアは駆け出して肉薄すると、その胴体に蹴りを入れる。反撃にコッヴが両腕の鎌を振り上げるが、それをガイアは腕を蹴り飛ばしてそれを躱す。

 

今度は光弾を発射しガイアを攻撃するが、それをギリギリで回避しながら距離を詰めるとコッヴの頭を掴んで、顔面に膝蹴りをかまし、的確にダメージを積み上げていく。

 

そしてガイアはコッヴの頭上を飛び越えると尻尾を掴み、ジャイアントスイングで市街地から離れた位置に投げ飛ばす。

 

そして右腕を突き出した後、それを左手首に添え、ゆっくりを右腕を縦になるように動かしてい左腕を右腕に抱えるようにL字を組むと必殺の熱線。クァンタムストリームを放つ。

 

そしてその一撃をまともに受けたコッヴは木っ端微塵に吹き飛ばすのだった。

 

「シュワッ!」

 

コッヴを倒したことを確認したガイアはそのまま大空へと飛び去って行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ…」

 

学校の敷地の外の人気のない場所で変身を解いた遥は、そう息を吐いた。

 

「遥くん!」

 

自信を呼ぶ声がし、そちらを振り返るとそこには花丸をはじめとした、Aqoursのみんなが駆け寄ってきた。

 

「よかった、怪我して無くて」

 

「ごめんね、でも大丈夫」

 

そうほっとしたような様子のみんなにそう言って笑って見せた。

 

「でもあの戦闘機、一体どこの国が作ったんだろう…」

 

その秘密を遥は知っていたが、まだそれを明かすことを禁じられていたのでその事を皆に伝えることはできなかった。

 

その夜、ダニエルと通話を行ったのだがやはりまだファイターのことは一般に公表されるまで詳しいことは口外禁止だと言われてしまったのだった。

 

そして口が裂けてもリパルサーリフトの事をうっかり言ってしまったのは言える訳もないのだった。




今回XIGファイター登場させました。
最後の方からあからさまに怪しいなんかやってる遥くんはこれ作るの手伝ってました。
本家のガイアだと我夢がリパルサーリフト作り上げるんですけど、遥くんはあくまで協力しただけです。
終盤のある展開をやるためにどうしても必要だったので防衛隊がこの先出てくるのかも…?
それではまた次回
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