やりたいこと全部まとめたらめっちゃ長くなってしまいましたが楽しんでいただければ幸いです。
「千歌ちゃん、何かいいところあった?」
大きなあくびをかみ殺している千歌に、曜がそう問いかける。
「なかなかないんだよね~…」
次の日の朝、部室の集合して新しい練習場所の候補をみんなで話し合おうということになったのはいいが、なかなか難しい。
「ずら丸のウチお寺でしょ?大広間とかないの?」
「ウチのお寺で本当にいいずらかぁあ?」
そんな様子を見て、善子がそう花丸に話を振るが、パンを食べていた花丸が大げさな言い方をして驚かすと、善子とルビィは目に見えて怯えるような反応を取った。
「あと、うちは遠いから無理ずら」
「花丸ちゃん、ほっぺにパンついてるよ」
そんな3人の様子を隣で見ていた遥はそう言って自分の頬をつついて大体の位置を合図して教える。
「え?ほんとだ…」
「だったら善子ちゃんのお家のほうが…」
そう言って食べかすを落とす花丸から善子へ視線を移したルビィがそう言ってはみるが。
「どこに…そんなスペースがあるのよ!!」
なんて叫びだして立ち上がるが、正直何を想像したのかはよくわからないが前に全員で押し掛けた時の事を思い返すと、9人が練習するスペースなんて普通マンションにはないだろう。
もっとも、善子の反応からするに純粋に堕天使グッズが散乱しているからなのだろうが…。
「あれ?そういえばダイヤさん達は?」
「さっきまでいたハズなんですが…」
曜が最初に3年生の姿が見えないことに気が付いた。結局暫くして戻ってきたのだが、この後とんでもない現実に直面することになってしまうのだった。
遥は、昼休みクラスの残りの2人の男子生徒に絡まれていた。
「なあ桜内、お前もプロレス同好会入ってくれよ」
「そうだよ、助っ人でもいいからさ。もう3年生引退しちゃって人が居なくて練習にも困ってるんだよ」
そう言ってきたのは、橋本と大和という背丈も梨子とほとんど変わらない遥と違って170前後ある男子生徒だ。
「え~?勘弁してよ…」
苦い表情をして嫌がる遥だったが、「そこをなんとか!」なんて言って頼み込まれてしまう。
「それにお前も体力作りしてるんだろ?この前筋トレの本とか読んでたじゃん」
「それにどうしても勝ちたい相手がいるんだ、協力してくれよ」
「それは純粋に体力つけようと思ってやってるだけ、それにマネージャーの仕事もあるし」
そう言って断ったのだった。正直この2人はこの地にきて初めての男の友達だったし、できる事なら協力はしたい。でも遥のもう一つの顔、『ガイア』としてその望みを叶えることに引け目を感じていたのも事実だ。
「スクールアイドルだっけ?お前の姉ちゃん美人だよな」
「大和、お前姉さんに手をだしたら二度と課題写させないからな」
大和は背は高いが、どちらかと言うと細めで顔も良いのだがナンパっぽい所があるのだが、性格はいいので女子受けはいい。だが姉の事を話題に出した瞬間遥は機嫌が悪くなる。
「いやいや!さすがにそんな事しねえから」
「この前フラれたとかわめいてたからだろ」
そう言って高橋はそんな大和の様子を見て笑っていた。
「ま、無理強いしても仕方ないしな。気が向いたら来てくれよ」
そう言って2人は部活のミーティングがあるらしく部室の方へ行ってしまった。
一学期の時点で唯一地元出身でない遥はすぐさま勧誘を受けていたのだが、男子にしては小柄な体系も幸いして筋トレなどのアドバイスは受けても練習に混ざったりすることは無かったのだが、三年生引退を受けて再び勧誘を受けているという訳だ。
「悪いけど僕はスポーツでも人と戦いたくないんだ…」
2人が見えなくなったところで一人そう呟く遥だったが、そこで遥のスマホが鳴った。
「これって…」
画面をみた遥は、送られてきたメールの内容に驚いたのだった。
「初陣でファイターSG二機が墜落、SSも弾薬切れでコッヴを倒すには至らず…」
「やはり完成して間もなく操縦に慣れていない機体でのミッションは困難かと」
そんな討論を行っている男性の声が二つ。ここは根源的破滅招来体に対して結成された組織の指令室なのだが、ここにきてようやく対抗し得る兵器がようやくロールアウトされたのだが、いきなりの作戦で苦汁を舐めさせられた。
「それと、リパルサーリフトの設計に関わったという少年からここへ連絡もきていました」
「リパルサーリフトの?」
「えぇ、どう対応しましょうか?」
「我々にも未知の領域の兵器だ。アドバイスは貴重だ」
そう灰色の制服を着た男性が、青い制服の男性に告げる。おそらく彼が上官なのだろう。
「解りました、またその少年とコンタクトを取ってみます」
そういって男性は指令室を出ていく。
「えっと…ここで良いんだよな?」
放課後、遥はメールに指定されていた場所で待機していた。
遥は先日のコッヴとの戦闘の後、ファイターの戦闘について意見があったのでそれを所持する組織にメールを送っていたのだが、昼休みその返事が来ていたのだ。
放課後、本来なら新しい練習場所の候補の場所へ行こうと言われたのだが、これを断って学校近くで指定された場所で待っていたのだ。
すると一台の普通車が遥の前に止まると、中から青い制服を着た30代中頃程の男性が降りてきた。
「桜内遥君だね?待たせてすまない、XIG(シグ)の堤だ」
「初めまして、桜内遥です。すいません、わざわざ来ていただいて」
男性の持つオーラのようなものを感じ取った遥は若干恐縮気味に頭を下げる。
「いや、我々にとっても未知の領域のマシンだからね、開発に関わった人間の客観的な視点でのアドバイスは貴重だ。是非聞かせてほしい」
そう堤と名乗った男性は告げると、「詳しい話は基地で」と言われ車に同乗しファイターを格納されている基地へと車を走らせた。
「ここが我々の基地、ジオベースだ」
市街地からかなり外れた場所にその基地はあった。最も怪獣が現れる頻度が高かったのが沼津周辺だったこともあり、学校からそこまで時間はかからなかった。
「いいんですか?民間人の僕が入って?」
偉そうにファイターの戦闘に口を出した遥だったが、いざ到着してみるとやはりその場所から感じ取れる『非日常』の雰囲気に気おされてしまう。
「本来はそうなんだが、実物を見ながらの説明が欲しくてね。基地の中での事を口外しないでくれれば大丈夫だ」
そう告げられ、それならばと遥も堤の後に付いて基地―ジオベース―の中へと踏み込んでいく。
「ファイター2(ツー)、北田が墜落したのはターゲットの前方…」
格納庫近くのブリ―フィングルームへ案内され、中に入るとパイロットらしき3人がミーティングを行っていた。そして堤が入ってくるのに気が付くと、中断して敬礼をする。
「初陣の失態は、次回必ず挽回します!…そちらは?」
そう先程までしゃべっていた人物が告げる。と、その後遥に気が付いたのか一瞬不思議そうな表情をする」
「彼は桜内遥、ファイターの操縦にアドバイスがあるそうだ」
「学生が…ですか?」
堤にそう遥の事を紹介された3人は、明らかに不機嫌そうな表情になる。
「パイロット経験のないものが、防衛隊のトップガンだった我々にアドバイスですか…?」
ここで引き下がっては来た意味がない。そう思った遥は真剣な表情で頷くのだった。
「ファイターは三軸のモーメントを持ちます。普通の戦闘機と同じでジェットで飛行していますが、浮力をもたらすのはリパルサーリフト。だからヘリのように滞空して攻撃することができるんです」
飛行訓練用のシュミレーターを用いた遥がそう説明しながら画面上の想定敵を撃破していく。
「うまいもんだな」
北田と呼ばれていた隊員がそう言って遥の操縦を褒める。そしてシュミレーションが終了し、遥のスコアが表示されると、何と一位だった。
「ホントに高1かよ、ハイスコアだ!」
もう一人の隊員もそう言って同意する、彼は大河原と言って最初に墜落したファイターのパイロットだった。
「ゲームセンターじゃない!」
そう言ってリーダー格の隊員がたしなめると、バツの悪そうな表情を浮かべる。
「アドバイスは貴重だよ、梶尾リーダー」
そんな声と共に別の3人組が入ってきた。
「米田リーダー…」
「チームファルコン…」
その声の主に対してそう呟いた。
「我々にも是非、レクチャー願いたい」
「ファルコンとクロウにも、来ていただくつもりでした」
米田と呼ばれたリーダーの男性はそう続けると、堤はそう返事をする。最初に出会った3人がチームライトニング。そして今現れたチームファルコン、そしてもう1チーム存在するらしい。
暫くシュミレーターは稼働していたが急に動かなくなる。
「どうした?遥君、大丈夫か?」
シュミレーターのコックピットを開き、堤がそう声をかけると遥はぐったりした様子で座り込んでいた。
「いえ、Gがきつくて…やっぱり経験のない僕に操縦は無理ですね」
そう苦笑いを浮かべる遥だった。
一方その頃、Aqoursのメンバーは沼津にあるとある複合施設のあるビル内にある練習用スタジオのような一室に来ていた。
「パパの知り合いが借りてる場所なんだけど、しばらく使わないからって」
この場所を提案した曜がそう告げると、千歌は「流石船長!」などと感心したような声を上げるが「関係ないけどね…」と苦笑いを浮かべられる。
「広~い!」
「ここに鏡もありますし!」
屋上と違って室内というのもあり余計に広く感じる。そしてルビィがカーテンの向こうに鏡を発見すると…。
「いざ!鏡面世界へ!!」
そう言って鏡へ向かって駆け出そうとする善子を、花丸がチョップで止める。
「やめるずら」
「ひゃっはい…」
なんてやり取りをしているが、3年生3人の表情は暗い。
「じゃあさ、皆で一度フォーメーションを確認しない?」
千歌達が談笑している中、曜がそう提案する。
「ちょっと待って、その前に話があるんだ」
しかし、果南はそう言ってそれを制した。ダイヤも鞠莉も表情は暗く、いい知らせではないことは明らかだった。
「実は…学校説明会は、中止になるの…」
そう告げたのは鞠莉だった。「え…?」と千歌も突然の知らせに反応しきれずにいた。
「どういう意味?」
「そのままの意味だよ、説明会は中止。浦の星は正式に来年度の募集をやめる」
梨子も意味が解らないといった様子で聞き返すと、果南は淡々とそう告げる。
「いきなり過ぎない?」
「そうずら、まだ二学期も始まったばかり…」
その言葉に善子と花丸がそう言い返すが、それにはダイヤが答える。
「生徒からすればそうかもしれません。しかし、学校側は二年前から統合を模索していたのですわ」
「鞠莉が頑張ってお父さんを説得して、先延ばしにしてもらっていたの」
果南がそう続ける、もうどうしようもないとでも言いたげに。
「でも、入学希望者は増えてるんでしょ?ゼロだったのが10になって、これからもっと増える。って…」
「勿論それは言ったわ…でも、それだけで決定を覆す理由には…」
曜の言い分はもっともだった、やっと希望者が増え始めたのにやめてしまうなんて…。けれど鞠莉も辛そうにそう告げるが、遮るように千歌が鞠莉に詰め寄る。
「鞠莉ちゃん、どこ?」
「チカっち?」
「私が話す!」
鞠莉の答えを待たずして、歌は駆け出した。
「千歌ちゃん!?」
「待って、アメリカよ?」
曜と梨子がそう言って千歌を呼び止めようとするが、千歌は部屋を飛び出して駆け出した。
「いてっ」
「きゃっ…」
そこで、皆の居場所を最初に聞いておいたことでみんなと合流すべくここまで来た遥に激突してしまった。
「遥!?」
「千歌ちゃん、大丈夫!?」
部屋を飛び出すや否や激突事故が起こったことで、心配して皆飛び出してくる。
「いてて…って千歌さん、大丈夫ですか!?」
起き上がった遥は相手が千歌だったこともあり遥は慌てて千歌に駆け寄るが、千歌は遥の肩を掴むと…。
「遥君!私と付き合って!!」
「え?えぇぇぇぇ!?」
突然のカミングアウトに遥は顔を真っ赤にして口をパクパクさせる。
「千歌ちゃん!?」
「お願い、今すぐ私をアメリカに連れて行って!」
「アメリカ?」
動揺する皆をよそにそう続ける千歌に、遥だけは状況が呑み込めなかった。
「あのね遥…」
梨子が事情を説明すると、遥は「なるほど…」と頷くとこう答えた。
「ダメです、ウルトラマンの力はその為に使うべきじゃない」
「どうして!?遥君は何とも思わないの?」
千歌はそう言って食い下がるが、遥はとても辛そうな表情を浮かべると。
「そんな訳ないじゃないですか…でも違うんです、ウルトラマンの力を使うこととは…」
「遥君…」
千歌もそれ以上は言わなかった。
「チカっち…ごめんね?」
鞠莉はそう言って笑って見せるが、強がっている笑顔なのは目に見えていた。
「違う…そんなんじゃない。そんなんじゃ…」
千歌はそれ以上の言葉は出てこなかった。何も言えなかったのだ、この場にいた誰もが感情を整理できなかった。
結局その日は練習どころではなくなってしまったのだが、すぐに帰る気にもなれず解散する頃にはすっかり日が沈んでしまっていた。
「先輩…」
遥は千歌に何か声をかけたかったが、やはり言葉が出てこない。気まずい雰囲気の中バスに乗って梨子と千歌と3人で家に向かっていた。
「千歌ちゃん、また明日」
「先輩、すいませんでした」
「ううん、わたしの方こそごめん。また明日ね」
そう言って十千万の前で千歌と別れようとした。その時だった―
「うわぁぁああああ!」
急に叫び声がこの先の道から聞こえてきた。それに反応した遥が真っ先に声の方向へ駆け出すと、千歌と梨子もそれに続く。
「何あれ…」
そこにいたものは、中年の男性に襲い掛かる人型の狼のような異形のそんざいだった。異形は遥たちに気が付くと「グルルルル…」と威嚇するようなうめき声をあげると、なんととびかかってきた。
「キャアッ!」
「やめろ!」
千歌と梨子が思わず目を伏せると、遥は逆に異形に向かっていき梨子たちを庇う。
「遥(くん)!?」
千歌達の目の前で異形と戦う遥を、ただ見ていることしかできなかった。
「くはッ!」
しかし奮戦虚しく異形に投げ飛ばされた遥がコンクリ壁に背中を打ち付け、息が詰まる。
「フウゥゥゥウ…」
異形は千歌と梨子に振り向くと歩み寄っていく。
「やめ…ろ…」
遥は異形に手を伸ばすがその手は届かない。今に彼女たちにとびかかろうとしたその時だった。黄色い閃光が闇夜を駆け抜け、異形の身体を貫いた。
そして異形の身体は跡形もなく消滅した。
「大丈夫か?」
その閃光を放った主からそう声が飛ぶ。声の正体は梶尾だった。
「あなたは…」
「ガッツは認めるがこういう時は逃げろ。勇敢と無謀は違う」
そう言って遥に手を差し伸べると立ち上がらせる。
「見て!あれ」
そう梨子が指さした方には光る物体が浮遊していた。すかさず銃を構える梶尾だったが、その物体は不規則は軌道を描いてそのまま夜空に消えてしまった。
「最近この辺で化け物を見たって通報があってな、見回りをしてたんだが本当らしい…学生は暗くなる前に家に帰れ、いつも助けてやれるわけじゃない」
そう厳しく言われたが、家までしっかりと送り届けてくれた。
次の日の朝礼で全校生徒にも説明会が中止の連絡がされ、せっかく作った説明会のポスター等はすべて剥がされることになった。
そしてこのあたりで不審者が出るようになったので全生徒は日没までに家に帰るように。とも言われた。どのみち誰も練習をする気にもなれず、放課後は集まることなく解散となった。
放課後そのまま下校した遥は、千歌と梨子が浜辺にいるのに気が付いた。
「私ね、廃校が決まったのは残念だけど…ここまで頑張ってこれて良かったって思ってる。東京と違ってこんな小さな海辺の町の私達がここまでよくやってこれた。って」
浜辺に座り込む千歌の前に立ってそう告げる梨子は背中を向けていて、その表情は見えない。
「それ、本気で言ってる?本気で言ってるんだったらわたし、梨子ちゃんの事…軽蔑する」
2人に声をかけようと近寄った遥だったが、そのやり取りを聞いてしまい、はっと息を呑んだ。姉はどうしてこんな事を言うのか、それを受けた千歌もどうして今までの関係を壊すような事を言うのか、遥は解らなかった。
「ガオーッ!」
急に梨子が千歌の目の前に顔を近づけて叫ぶ。
「ピードカーン!普通怪獣りこっぴーだぞ~くらえ!梨子ちゃんビーム!!」
などと突然怪獣ごっこを始めた梨子は空に向けて腕を十字に組む。
「こんなんだっけ?」
それを見て千歌はくすっとふきだした。
「やっと笑った…私だって、Aqoursのメンバーよ?皆と一緒に歌おう…曲も一杯作ろう、そう思ってた。いいなんて思うわけない…これでいいなんて…」
「梨子ちゃん…」
「どうすればいいか解らないの…どうすれば…」
そう震える声で呟いた梨子はその場に座り込んでしまう。その答えは自分で見つけるしかない、だって誰も正解なんて用意できないのだから…。
「グルルルル…」
「ッ!?」
突如聞こえたうめき声に振り返ると昨夜の異形がこちらを見据えて立っていた。
「千歌先輩!姉さん!逃げて!」
そう叫んで遥は異形に立ちはだかり、盾になる。するとポケットに忍ばせたエスプレンダーが淡く輝き、ガイアの光は遥に力を授ける。その力に強化された身体能力で飛び蹴りを食らわせる。
「キャウウン…」
そう甲高い悲鳴をあげて異形はよろけ、逃げだした。
「待てッ!」
それを追って遥も駆け出すが、常人を遥かに凌駕した跳躍力で森の中へ逃げ込まれ追いつけない。だがその異形が逃げた先に今度は昨夜の飛行体が現れ、異形へなにやら光を浴びせるとなんとその異形は巨大化し、怪獣となった。
「ガイア!」
突然現れた怪獣に騒ぎになるが遥はすぐさまその身をガイアへと変えると、光と共に宙に浮かびそのままの勢いで飛び蹴りを食らわせた。
「ジュワツ!」
そして起き上がろうとする怪獣に対してファイティングポーズをとる。
「遥くん…」
異形を追いかけた先で現れた謎の飛行物体に怪獣、そしてガイアを見て千歌は遥の身を案じる。
ガイアは怪獣に対して駆け寄ると、蹴りや拳で攻めたてる。そして怪獣から反撃の攻撃を受けるが、逆に腕を掴んで受け流して背後に回り込むとバックドロップをかます。ガイアが圧倒的だと誰もが思った。しかし―
「ウワァ!」
円盤がガイアの背後に回り込むとガイアの背にビームを放ち攻撃をする。これには堪らずガイアは仰け反るが、今度はそこを怪獣に攻撃を受けその巨体は地に伏せる。
「遥(くん)!」
起き上がれば円盤に攻撃され、怪獣によって地に伏されるガイア-遥を見ていることしかできない。その時だった。
『ファイター各機、ウルトラマンガイアを援護せよ!」
「了解!この前の借りは返すぜ」
三機のファイターが現れ円盤とのドッグファイトに発展する。
すると円盤からの攻撃が止んだことでガイアは怪獣を攻撃し距離をとり、ヴァージョンアップポーズをとり、光の中でスプリーム・ヴァージョンへとその身を変える。
「ガイアが輝いてる…」
そしてそのまま怪獣へと肉迫するが、口から炎を吐いてガイアを牽制するがガイアはバリアーでそれを防ぐと怪獣に駆け寄り投げ飛ばす。
そして起き上がりにフォトンストリームを放ち怪獣を木端微塵に吹き飛ばすのだった。
そして怪獣が撃破されたのを見た円盤は逃走しようとファイターを振り切ろうとする。
「逃がすわけにはいかないんでねッ!北田、大河原!一気に行くぞ!!」
「「了解」」
梶尾の声で、三機のファイターは散開して囲い込むようにして円盤にミサイルの集中砲火を浴びせて撃墜する。
「借りは返したぜ」
そうガイアと目が合った梶尾はそう告げると、前期帰投するのだった。
次の日の朝、何となく早く目が覚めた遥は始発で学校に向かおうとすると梨子は既にバス停にいた。
「姉さん早いね?」
「遥だって、どうして?」
「なんか、怪獣が出そうだからさ」
そう言って笑ってみせると、梨子も「ホントにね」と言って笑う。そして校庭に入ると、千歌を除く全員が集まっていた。そんな時。
「がおーーーーッ!!」
そんな叫び声とともに千歌が校庭に駆け込んできた。
「起こして見せる!絶対に奇跡を!それまで泣かない、泣くもんか!」
それは千歌の決意だった。まだ自分たちにできることがあるはず。最後の瞬間まで諦めないどんなにピンチの連続であったとしても…。
「やっぱり来た」
「曜ちゃん…どうして?」
そこで曜が千歌に声をかける、すると千歌は不思議そうにそう聞くが。「解んない、けどほら」そう言って曜が視線を逸らすとその先には皆がいる。
「気が付いたらきてた」
「何かよくわかんないけどね」
梨子と曜がそう告げる。
「そう?わたしはわかるよ」
「きっと諦めたくないんだよ」
果南が言いかけた言葉を、千歌が紡ぐ。
「諦めたくない、鞠莉ちゃんが頑張ってたのはわかる。でもわたしもみんなもまだ何もしてないんだよ」
まだ何もしてない。そう言うには無理があるほど色んなことをしてきた。でもまだこの先の可能性を考えれば何もしてないのと変わりはない。そう思った。
「無駄かもしれない…けど、最後までがんばりたい!諦めたくない!ほんの少し見えた輝きを探したい、見つけたい!」
「諦めが悪いからね、千歌は昔から」
「それは果南さんも一緒ですわ」
「お姉ちゃんも!」
「えぇ!?」
果南がそう言って冷やかすとダイヤが、ルビィがと連鎖する。そんな光景に思わず笑みがこぼれる。
「みんなはどう?」
「いいんじゃない?やるからには精一杯あがこうよ」
千歌の問いかけに果南はそう答える。
「やるからには奇跡を!」
「奇跡を!」
ダイヤにルビィもそう続く。そして皆「奇跡を!」とその言葉は紡がれていく。
「起こそう奇跡を!あがこう精一杯!全身全霊、最後の最後まで!!」
今回ついにXIGが登場しました。全員原作通りのメンバー構成だと思っていただいて構いません(我夢いないけど)
サンシャイン二話の話では久しぶりの彼が登場します。お楽しみに!