ラブライブ!サンシャイン!!〜大地と海の巨人〜   作:カズオ

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お待たせしました!ダイヤさんの悩みとは…?


34話 ダイヤさんと呼ばないで/ガイアに会いたい!

「それにしてもダイヤが…」

 

「ダイヤ『ちゃん』って呼ばれたいなんてね」

 

そう果南と鞠莉が漏らす、笑うなといったのにこの話題になると2人はわなわなと肩を震わせてその顔をにやけさせる。

 

「だから別に呼ばれたいわけではありませんと、あれほど言ったでしょう。ただ、私だけ違うというのは…」

 

「そんなのどうだっていいじゃん」

 

ダイヤはそう言いかけると果南に遮られてしまう。二人にしてみれば気にするべきことには感じられなかった。

 

「よくありませんわ。こんな形でメンバー間に距離があるのは、今後の為によくなくなくないというか…」

 

「羨ましん「違います!」

 

鞠莉にそう茶化されると彼女の頬をつねって、それを遮る。

 

「それより、どうしてこんな所に呼び出したのです?」

 

そうダイヤは鞠莉から手を放すと、ふと気付いたかのように聞いてくる。こんな所―というのは十千万から近い場所にある水族館だ。

 

「そっか、ダイヤはまだ聞いてないんだった」

 

そう果南が思い出したかのように言うと、鞠莉が説明してくれる。

 

「曜からの連絡でイベントがあるから、今日一日バイトを手伝ってほしいって」

 

「どこでですの?」

 

「ここ」

 

「ここ?」

 

ここでバイトと言われてダイヤは状況が呑み込めない様子だったが、辺りを見渡すと引率の先生に引き連れられ園児が入場していくのが見えた。

 

「今日一日、みんなでアルバイトだよ」

 

「距離を縮めて、ダイヤちゃんて呼ばれるチャンスだよ」

 

そう果南と鞠莉に言われ、ダイヤはみんなから『ダイヤちゃん』と呼ばれるところを想像して思わずにやけてしまう。

 

「べ、別にそんなの求めてるわけではありませんから」

 

そう言って誤魔化そうとするが、口元のほくろをかいているもんだから説得力は皆無だった。

 

 

 

 

 

「曜さんは随分詳しいんですのね」

 

「前、バイトしたことがあるんだってさ」

 

曜が主体となって皆に指示を飛ばしているのを、ダイヤは感心したように呟くと果南がそう教えてくれる。

 

当の曜はマスコットの着ぐるみを着て、園児の相手をしていた。こういう時彼女のコミュニケーション能力の高さは感心させられる。

 

「さ、私たちといても何にもならないよ?」

 

そう言って鞠莉がダイヤの背を押す。今日は鞠莉と果南以外と一緒の班になるようにそれとなく2人が気を利かせて、ようやくそれぞれ振り分けられた仕事をこなす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うまくいかない?」

 

そうペンギンに水を浴びせていた鞠莉がそう意外そうに言うと、果南は「やっぱり」といった反応を示す。

 

千歌と花丸と最初は売店を任されていたダイヤだったが、最初は普段の感覚で真面目に仕事をこなしていたが。

 

このままでは堅いと思われると思い、鞠莉に言われた「話しやすい話題を振る」を実践しようと思い「今日はいい天気ですわね」とか「花丸さんはうどんはお嫌い?」とか話を振ってみたはいいが結果2人に『怒っている』と誤解させてしまった。

 

さらにその後清掃に回ると、アシカに餌をやりにきたルビィと梨子がアシカを怖がって調教用の笛を落として逃げてしまう。それを拾って2人を追い回すアシカをプールに戻してみたり。

 

頼りにされるのは悪い気がしないが、だがこのままだといつまでも自分はダイヤ『さん』から逃れられない。それはできれば避けたい。

 

「大体ダイヤは、自分から近づこうとしないからね」

 

どうしてやはりと思ったのか、そうダイヤに尋ねられた果南はそう答えた。

 

「自分からいかなきゃ始まらないよ?」

 

そうダイヤに対して告げる、昔から鞠莉と果南にべったりで自分から他の人間に対して話しかけて距離を縮めることができなかった彼女は、どうすればいいか解らないから苦労しているのだ。

 

「そう言われましても、どうすれば…」

 

「簡単でしょ?まず…」

 

そう鞠莉がダイヤに対して知恵を授ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アルバイトといっても今日だけなので、園児の相手や清掃。そういった簡単な作業が主となった。

 

「遥くんもこっちで園児の皆の相手をしてもらっていい?」

 

「いいですけど…」

 

曜にそう話を振られた遥は、善子や曜と同様園児たちの相手をしていた。

 

「あのお魚はね-」

 

「???」

 

ただ、話し相手になったりしていたのはいいのだがすぐ小難しい説明を始めようとする遥に、園児たちは疑問符を浮かべることも多かった。

 

「堕天使、降臨!」

 

善子は善子でそんな様子でかつ黒い羽根のようなものを背負ってポーズをとっているのを子供は目を輝かせてみているが、先生方はそれを微妙な心境で眺めているのが目を見ればわかる。

 

「ウルトラマンガイアだぞ~!」

 

「アグルだぞ!」

 

なんて子供たちがガイアのクァンタムストリームの構えを取ったりしてはしゃいでいるのが視界に映った。暫くその様子を眺めていると当人と目が合う。

 

「お兄ちゃんもウルトラマンガイア好きなの?」

 

「えっと…」

 

まさか本人ですなんていう訳にもいかず、何と答えるべきか迷っているとその子が続ける。

 

「僕たち、ウルトラマンガイアに会いたいんだ」

 

「どうして、ガイアに会いたいの?」

 

そう少年に目線を合わせるために屈んで遥はそう聞き返す。

 

「ぼく、お礼が言いたいんだ」

 

そう少年は遥の目をまっすぐ見てそう告げる、まさか本人に言っているとは知らずに。遥はそれを聞いてほほ笑んだ。

 

「そっか、きっと君の思いはウルトラマンに届いてるよ。

 

「本当?」

 

「本当さ、だってウルトラマンは僕たち人間の事を大切に思ってる。だからどうしようもなくなった時に力を貸してくれるんだよ」

 

そう遥が言うと、少年の望む答えだったのかはわからなかったが「ありがとうお兄ちゃん」そう言って友達の輪に戻って行った。

 

「嬉しそうね」

 

「そう?」

 

少年が去ったことで、しゃがむ必要もなくなったので立ち上がった遥に善子がそう声をかける。

 

「でもあの子らだけじゃなくて、私達もみんなガイアに感謝してるのよ」

 

「…ありがと」

 

急にそう言われた遥は少し黙った後、一言そう礼をいったが、その顔は赤らんでいた。

 

「珍し、照れてんの?」

 

「そ、そんなんじゃない!ほらサボってないで仕事に戻るよ」

 

それをみた善子が面白そうにからかってくると遥は顔を背けてそう言うと、子供たちが行った方に向かって行く。

 

「『ありがと』なんて、こっちのセリフなのに」

 

そのつぶやきも、園児の騒ぎ声に掻き消されてしまう。

 

 

それから暫くすると、曜が風船をもって戻ってきた。「遥くんも配る?」と聞かれたのでいくらか分けてもらって園児に対して配っていく。

 

「ちゃんとみんなの分あるから、ちゃんと並んで」

 

なんて少し前の自分ならできないんだろうな。なんて内心苦笑しながら遥は園児達の相手をしていく。こうやって人前で話せるのも、みんなのお陰で変われたからだろうか?なんて少し考えてしまう。

 

そんな時だった。

 

「よ、曜…ち…」

 

「ん?ダイヤさん何か言いました?」

 

子供たちに風船を配っていると、ふと後ろから呼ぶ声が聞こえた気がして振り返るとそこにはダイヤが居た。

 

「いえ、その…」

 

そう言って口ごもるダイヤに少し不思議そうにするが、多分子供たちを前に恥ずかしがっているのだろうくらいに思って、「ダイヤさんも配ります?」そう風船を差し出して聞いてみた。

 

「あ、ありがとう…曜ちゃん…」

 

そう消え入るような声でダイヤは風船に手を伸ばすが、思わず曜は風船を手放してしまった。ダイヤが受け取る前に曜の手を離れた風船は天井目指して浮き上がっていく。

 

「善子ちゃんも、おアルバイト頑張りましょうね」

 

なんてスキップしながら善子の横をスキップしながら通り過ぎていく。善子も思わず表情が固まってしまう。

 

「遥くんも」

 

「え、頑張ります?」

 

そう言ってダイヤはその場を去って行った。多分自分の持ち場に戻ったのだろう。だが曜と善子の周りには変な空気が漂っていた。

 

「ヨハネよ…」

 

「そこ?」

 

「違った?」

 

今の瞬間に強い違和感を感じた2人は近寄るとそんなやり取りが始まる。

 

「でも、今の背中に冷たいものが走る違和感…」

 

「わかる…」

 

同じものを感じていた善子に同意して曜は頷く。

 

「天界からの使者によってもう一つの世界が顕現したかのような…」

 

「それはわからない」

 

善子の言うことが解らない曜は今度は首を横に振る。

 

「遥くんは何か思わなかった?」

 

「何がです?」

 

曜はそう遥に聞くが、遥はキョトンとした様子だった。

 

「嘘でしょ…?」

 

「流石に気が付きなさいよ…」

 

そう言って2人に呆れられるのだった…。

 

 

 

 

「お姉ちゃんが変?」

 

「何か凄く怒っていたような…」

 

「悩んでいるような…」

 

ダイヤの様子がおかしい。他の皆もそう感じたらしく、何か知らないかルビィに聞くと心当たりがないようだった。

 

花丸と梨子がそう口々に言うが、ルビィにはどちらも心当たりはなかった。

 

「やっぱり何かあったんだよ」

 

皆そう感じているなら間違いない。そう思った千歌がそう告げる。

 

「甘いわ、あれは闇に染まりし者のほほ笑み…」

 

「か、どうかは解んないけどね」

 

得意気に口を挟む善子に、そう曜が苦笑いを浮かべながら付け足す。

 

そんな一年生と二年生の様子を見ていた果南が「あちゃ~」と頭を抱える。暫くダイヤの様子を見て、余計な口は挟むまいと思っていたのだが。どうやらかなり拗れてしまったらしい。

 

「どうする?」

 

「はぁ…これ以上混乱させても仕方ないんじゃない?」

 

鞠莉に聞くと、そうため息をつきながらやれやれといった様子で返事が来た。

 

 

 

 

「ダイヤ…ちゃん?」

 

事情を説明された千歌が、そう呟くと、果南は補足を入れてくれる。

 

「みんなともう少し距離を近づけたいってことなんだと思うんだけど」

 

「それで…」

 

そうルビィも納得したように言う。様子がおかしいのは最近薄々気が付いてはいたのだが、理由を聞いて納得がいったらしい。

 

「じゃあ、あの笑顔は怒っていたわけじゃなかったずら?」

 

「でも、可愛い所あるんですね。ダイヤさん」

 

そう花丸と梨子も安心したように言う。

 

「言ってくれればいいのに」

 

「でしょ?」

 

そう曜が言うと、果南も同意する。

「真面目でちゃんとしてて、頭が良くてお嬢様で、頼り甲斐はあるけれどどこか雲の上の存在で」

 

幼いころから今の様に、常にみんなの代表として前に出て発言する。皆を引っ張っていく存在だった。大人びていて、同級生たちから見ればどこか遠い存在。

 

「皆そう思うから、ダイヤもそうしなきゃってどんどん距離を取っていって」

 

「本当は、凄い寂しがり屋なのにね…」

 

そう果南と鞠莉が教えてくれた。

 

 

 

 

 

「こら待ちなさい!」

 

ふとそんな保育士の声が聞こえ、皆声のした屋外プールのエリアの方に向かうと、園児たちが先生のいうことを聞かずに好き勝手遊びまわっていた。

 

もうすぐショーの時間なのだが、他の客が居らず貸し切り状態なのが幸いだった。だが今の状態を放ってはおけない。

 

梨子も「こら危ないわよ」といって走る子供を止めたり、皆それぞれ止めようと注意して回るのだが言うことを聞いてはくれない。

 

「みんなちゃんとしてよ!」

 

一人だけ、そう声を上げる少女がいた。だが他の園児の耳にその言葉は届かず、何度も繰り返していた少女もだんだん声が小さくなり、目に涙を浮かべ始める。そんな少女の姿が、ダイヤには自身の幼少期が重なって見えた。

 

「皆、スタジアムに集まれ~!」

 

その声を聞いた園児たちはぞろぞろとスタジアム前に集まる。その声の主はダイヤだった、いつの間にかスタジアムのステージに昇っていた彼女が園児たちの気を引く。

 

「園児の皆、走ったり大声を出すのは他の人の迷惑になるからぶっぶーですわ。皆、ちゃんとしましょうね」

 

「はーい!」

 

素直に園児たちが応じてくれてほっとしたが、このまま放っておいてもまた元に戻るだろう。そう思ってかは解らないが、ダイヤはそのままステージ上で舞踊を踊る。

 

扇子もなければ服装も水族館の従業員の制服だから華やかさに欠けるかもしれない。そう思ったダイヤだったが、杞憂だったようだ。園児たちは目を輝かせてダイヤの方を見ている。

 

すると先程の少女と目が合ったのでウインクした。『どうか今日一日楽しんで』と思いを込めて、伝わったかは解らないが少女の顔に笑顔が戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな時だった。突然警報が鳴り響いたのは。

 

「この音―」

 

『緊急避難警報発令!市民の皆様は避難してください!繰り返します―』

 

「何だってこんな日に…」

 

そう遥は歯噛みするが、悔しがったところで状況は好転しない。今できることは園児の皆を引き連れて避難することが先決だ。

 

「みんな落ち着いて!先生やスタッフの人の言う事を聞いて!」

 

「みんなこっちよ!」

 

突然の警報に泣き出す園児もいたが、皆の活躍ですぐに水族館の外に全員で出ることが出来た。

 

そんな時、街の方へ空から何かが凄まじい速度で降ってくる。

 

「なんで大気の摩擦で燃えないんだ?」

 

ワームホールが開かれた様子は無く、宇宙から飛来してくるなら大気の摩擦熱で燃え尽きる。もしくは減速する筈…。

 

「見て、何か輪っかみたいなのがたくさん」

 

園児がその物体が落ちてくるであろう場所を指さした。そこにはその物体の通り道を作るかのように光の輪のようなものが連なっていく。

 

「あの中を通ることで大気の摩擦を逃れてる、一種の起動エレベーターなんだ」

 

「分析してる場合じゃないずら」

 

そう花丸に突っ込まれるが、遂にその物体が着地した。

 

首がなく体の中心にある巨大な口、尖った頭部に縦に並ぶ4つの順番に点滅する青い菱形のクリスタル。そして巨大なハサミ状の腕。それが宇宙から飛来したものの正体だった。

 

「大変!園児が一人いないんです!!」

 

そんな時、保育士の叫び声が木霊した。先程の皆を注意していた女の子が見当たらないらしい。

 

「私が行きます、みなさんは先に」

 

「僕も行きます!」

 

ダイヤがそう言いだすと、遥もそれに乗り。二人は頷くと制止する大人の声を無視して園内に戻る。残りのメンバーは2人を信じて園児たちを連れて少しでも遠くへと避難するべく走る。

 

「みんな…どこ…?」

 

「いた!ダイヤさんあそこ!」

 

泣きながら皆を探す少女を見つけた遥は、少し離れた場所で同じく探していたダイヤに声をかけると、少女に駆け寄る。

 

「大丈夫?もう大丈夫だからね、お兄ちゃんたちと一緒に逃げよう?」

 

「ウルトラマンガイア、来てくれるよね?」

 

「大丈夫ですわ、ガイアさんは必ず助けに来ますわ。だからあなたも勇気を出して」

 

ガイアは来てくれるか?そう問われた遥は返答に困ってしまうが、ダイヤはそう優しく告げると

遥に目配せする。

 

「ダイヤさん、その子を頼みます。僕は他に逃げ遅れた人がいないか見てきます」

 

「お願いしますわ」

 

勿論嘘だ、その少女以外は全員外に出ていることは確認済みだった。だがそんな事を少女は知らない。少女の手を引いて避難するダイヤとは反対方向に駆け出した遥は、大地の光を開放した。

 

 

 

 

 

怪獣は口から火球を吐き、街を破壊しながらこちらへ向かってくる。園児たちは迫りくる脅威に恐怖し、ガイアの名を叫ぶ。

 

その時だった、こちら目掛けて放たれた火球を赤い光がぶつかり爆発が起きる。その中から、ウルトラマンガイアが現れた。

 

「ガイア…」

 

「頑張れー!」

 

ガイアの出現に喜び、園児たちから次々と応援の声が木霊する。

 

「デヤッ!」

 

ガイアは怪獣に対して構えると、怪獣は口から火球を吐く。今度はそれを渦上のバリアで弾くと、地面に着弾し土煙で怪獣を見失ってしまう。

 

頭上の気配に気が付いたガイアはとっさに半歩下がると、目の前に怪獣が着地する。そしてすかさずガイアに蹴りを食らわせる。

 

(ッ…重い…!)

 

咄嗟に両腕をクロスしてそれを受けるが、その短い脚にどこにそんな威力が?そう思わずにはいられない。

 

そして体勢が崩れたところに、ハサミで突きを食らわせてくる。それに再び態勢を崩され後退すると、今度はその尖った頭部でガイアを貫かんと突撃してくる。

 

「グッ…ウオォ…!」

 

何とか両腕で掴んで止めるが、じりじりと追い込まれてしまう。そしてダメ押しとばかりに口を開いて火球を吐こうとすると、下あごを蹴りあげて口内でそれを暴発させて防いだ。

 

そして今度は逆に後退した怪獣に連続で二発回し蹴りを決めると、怪獣の身体は地を転がる。その隙にガイアはスプリーム・ヴァージョンへと変化を遂げる。

 

「デヤッ!」

 

怪獣へ駆け寄ると飛び蹴りを食らわせ、両の拳で腹部を殴りつけ、回し蹴りを食らわせる。さらに追い打ちをかけようとしたところにカウンターで体を挟まれる。

 

しかし、スプリームのパワーに物を言わせ無理やり押し返すと膝蹴りを食らわせ脱出し、脚を蹴り飛ばして怪獣をなぎ倒した。

 

「ウオォオ…!」

 

地に伏した怪獣両足を掴むと、バタバタと手足を振って抵抗する怪獣を持ち上げ、顔面から地面に叩き付ける。更にもう一度叩き付けると、怪獣の抵抗は少なくなる。

 

今度は怪獣をジャイアントスイングで怪獣を投げ飛ばす。よろよろと起き上がった怪獣は、ガイアには敵わないと悟ったのか、空から連なった光の輪を再び呼び出すとそれに入り空へと昇っていく。

 

ガイアは飛び立つとその下に入り込み、両腕を胸の前で組むと、赤と青の光を纏ったブーメラン状の光の刃を発射した。

 

それは光の輪を次々と破壊すると怪獣に追いつき、怪獣の身体を引き裂き巨大な爆発とともに完全に消滅させた。

 

「あれは光の刃…シャイニングブレード!」

 

「そのまんまずら」

 

その技を見た善子が大げさなリアクションを取りながら、勝手に技名を付けるが花丸にそう突っ込まれる。もっとも「かっこいい!」と園児には好評だったが。

 

 

「よく頑張りましたわね」

 

少女を連れ添って逃げていたダイヤが、そう言って少女を撫でてあげる。だがまだみんなと合流するには距離がある。ここで待っているか悩んでいるとガイアが戻ってきて手に乗るように促した。

 

その後、皆の元へ2人を乗せて運んだガイアだったが、「いいなー」という園児たちの声を聞いて子供たち全員を乗せて暫くの間空を飛んで回った。

 

空の景色に喜ぶ皆だったが、昼間遥と話をした少年はガイアの目を見て「ありがとう」とそう言った。ガイアはそれに静かに頷くと、少年も空の景色に胸躍らせるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「結局、私は私でしかないという訳ですね…」

 

アクシデントは多々あったが、何とか一日乗り切ったダイヤは水族館の外でそうため息交じりに呟く。

 

今更変わることはできないのか?そう思うと、どこか馬鹿馬鹿しくなる。

 

「それでいいと思います」

 

不意に後ろから聞こえてきた声に振り返ると、声の主は千歌だった。それに、Aqoursの皆が居た。

 

「わたし、ダイヤさんはダイヤさんでいて欲しいと思います。確かに果南ちゃんや鞠莉ちゃんみたいに冗談言ったりできないなって思う事もあるけど…でも、ダイヤさんはいざという時頼りになって…今日だって」

 

園児たちを大人しくさせたり、助けるために率先して園内に戻ったり。今日というのはそう言う事だろう。

 

「だからみんな安心できるし、そんなダイヤさんが大好きです!だからこれからもダイヤさんでいてください!」

 

そんな千歌の優しさに、思わず涙が出てしまい。なかなか振り向けなかった、だから涙が乾くのを待ってから振り向いた。

 

「わたくしはどっちでも良いんですわよ?別に…」

 

そう言って口元のほくろのあたりを人差し指でかくと、癖を理解している果南と鞠莉は思わず吹き出してしまう。それに他の皆は少しキョトンとするが、皆笑うと。千歌の「せーの!」という声に合わせて

 

「「「ダイヤ『ちゃん!』」」」

 

みんなで呼ぶと、ダイヤも嬉しそうにそれでいて照れ臭そうに笑った。




今回登場した怪獣は大宙魔パスギークです。頭に光る菱形付いてたからこの回で出した訳では無いです、本当です笑
今回のフィニッシャーはシャイニングブレード、ガイアの技の中ではちょっと浮いたネーミングの技なので名ずけ親は善子にしたかったんですよね。まぁ今後の展開に置いて重要性は無いのですが…
それではまた次回で
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