姉の為に歌う事を約束したルビィと理亞。そしてその裏で加速する破滅招来体への攻撃の計画―
どうなる46話!?
「これでこう…どう?」
「だったら…」
ルビィと理亞はそう言い合って思いついたフレーズをかき込んでいく。花丸が言葉をその場に適した言い回しを教えてくれて、遥が曲のバランスで歌詞の配置、善子も色々案を出してくれたが堕天使前回だったのでマイルドな言葉に直してもらったが…。
「じゃあ…」
「最後は…」
そう言って最後の歌詞をかき込むと、詩が完成した。
「できた…」
「うん、すごくいい!」
理亞もそう言って絶賛する。そして高まった2人は手を上げて
「いえーい!」
そうハイタッチを交わすのだった。
「うっさい!」
なんて声が聞こえてビクっとなるが、どうやら善子の寝言だったようでその隣で花丸も何やら寝言を言っている。
それが何となくおかしくて、2人は顔を見合わせて笑うのだった。
『地球から44光年離れたM91という恒星系に破滅招来体の母星があることが解った。』
「どうして、そこが母星だと?」
『コッヴやパズズの生命反応が、そこで確認された』
作曲を手伝う傍らで、遥はダニエルと連絡を取っていた。そして、遂に破滅招来体の母星を突き止めたというのだ。
「遥くん歌詞は完成し…何話してるの?」
「あっいや、ええっと…」
『別に聞かれても構わないよ』
そのタイミングで丁度ルビィ達が入ってきたので困ったような素振りを見せるが、ダニエルがそう言うのでヘッドセットを取り、ノートパソコンのスピーカーとマイクを使い始める。
『空間に特殊な電荷を与えて、恒星系M91まで届くワームホールを作るシステムが完成している。さらに恒星間ロケットを改造して、ワームジャンプミサイルを完成させた』
「えっと…」
「どういうこと…?」
聞かれてもいいと言われはしたが、やはりルビィや理亞は何の話をしているか途中からというのもあって伝わらない。
「光の速さで44年かかる星に、破滅招来体の母星があるから。ワームホールでそこまで繋いでミサイルを撃ち込むってこと」
そう遥が解説すると、話が見えてきたのかふたりも納得する。
「でも、ワームホールの研究は無限の宇宙に飛び出して、新しい友人に会う為の夢じゃなかったの?」
『だが、宇宙にいるのは友人だけではないことが解ったんだ』
「クラウスも言ってたそうだ、破滅をもたらすものが現れれば、人類は攻撃しようとするだろうがそれは意味のないことだって。僕もそう思う」
「でも、いつ襲ってくるか解らない相手に攻撃することの何がおかしいの?」
「それは…」
『決行は明後日、G.U.A.R.D.との共同で行う。理解してくれ、これも地球の平和を護るために必要なんだ』
理亞にそう聞かれ、答えられない遥にダニエルもそう告げる。これは地球を守る為に必要だと、割り切ることができなかった。
「ルビィ知らない人と話すの苦手…」
「わたしだって…」
翌日、歌を披露する舞台として選んだクリスマスイベントの選考会会場まで来ていたのだが思わずルビィを理亞は弱音が出てしまう。
「姉さまが居ないのがこんなに不安なんて…」
「大丈夫、ふたりならできるって」
そう遥が笑って励ますと、善子と花丸も口を開く。
「自分達で全部やらなきゃ」
「全て意味がなくなるずら」
そう言って2人を笑みで送り出す。そして三人はそれを外で見守る。
「何泣いてるずら」
「あんたの方が泣いてるわよ…」
「ずらぁ~」
窓の外から見ていて泣き出す2人の隣で遥は、そこから少し離れた位置で同様に理亞達を見守る2人組を見つけた。
「2人とも、選考会は頑張ったずらね」
「貴様にリトルデーモン10号の称号を与えよう」
そう2人なりに労っているのだが、善子のキャラクターに慣れたのか「ありがと」と応じるが、あまり相手にしていないのだった。
「でも大丈夫かな…あんな事言っちゃって」
「絶対満員になるって言わないと通りそうになかったし」
不安げに呟くルビィに、仕方ないと理亞が告げる。
「こういうのは強気にいかなきゃ、大丈夫だって。絶対上手くいく!2人の気持ちは、きっとと届くよ」
そう遥も励ます。
「しょうがないわね、いざとなったらリトルデーモンを召喚…」
「どこにいるずら」
普段通りのお世辞にも上手くはない励ましを送る善子に、花丸が肉まんの包みを開けながらそう言い放つ。
「てかずら丸また?」
「おいしいずら」
そう呆れ気味に問いかける善子に、花丸は幸せそうに答える。確かに花丸はこっちに来てから特に食べてばかりな気がする。
「フラグは完全に立ってるわね…」
「善子ちゃん」
立ち上がって何やらはぶつぶつと言い始める善子に花丸の声は届かない。
「言っとくけど、スクールアイドルは体調管理が大切なんだから。後から泣き言言っても―」
「善子ちゃん」
「うっさい!てかヨハネ!」
そこで遥もやっと気が付いた。花丸は確かにこの中では一番食べてるのは間違いないが、あまり変化が起きないタイプらしい。対して善子は―
「既に、フラグは立っていたずらよ」
「むしろ、見てて気づいたんだけど…」
そう言って理亞が善子の頬をつつくと、いい感じにお肉がぽよよんと揺れた。
そもそもシーソーの片側に善子一人で、反対側の花丸とルビィが下がってこない時点で気が付くべきなのだが…。
「なんでぇぇぇえええええ!?」
気が付くとシーソーを飛び降りて後ろの滑り台を反対側から駆け上ると絶叫する。そのせいで花丸とルビィは座ったまま勢いよくシーソーが地面に落ちる。
「痛いずらぁ…」
「ダイエットしてもらわないとなぁ…」
「そういえば、鞠莉ちゃん達に連絡したずら?」
「うん、さっきメールしたよ。『そういうことなら、ぜひ協力させて』って」
「じゃあ後は、当日だけだね」
そう言って笑うのだった。まぁ、本番までにやらなきゃいけない事があり頭を抱える人物もいるのだが…。
「さぁ今日は、クリスマスフェスティバル出場者の…えっと…」
「Saint Aqours Snowです」
先行は無事通過した次は、ラジオ局にイベントの告知にと呼ばれていた。
「北の大地、結界と共に亡者が蘇りし鐘が鳴り響く。我がリトルデーモン達よー」
「ちゃんと告知するずら」
普段道理の善子に困惑気味なDJを余所に、花丸がそうルビィに声をかける。
「クリスマスにライブを行います」
「よろしくず…じゃなくて…よろしくおねがいするず…じゃなくて、よろしくお願いしますずら!…あっ…」
元々打ち合わせしていたセリフをルビィは問題なく言えたが、花丸は緊張すると口癖がどうしてもでてしまうようだった。
「失敗したずら…」
そうスタジオを出た時にがっくりと肩を落とす花丸を、「大丈夫だよ」とルビィは励ましていた。
そうこうしていると、局のロビーで2人組がこちらをじっと見ていた。恐らくこちらに用があることは2人の様子から想像できる。
「あのふたり、確か…」
理亞と同じ制服に身を包んでいた2人の少女に、遥は見覚えがあった。すると理亞はさっとルビィの後ろに隠れる。
「あの2人は?」
「クラスメイト」
「どうして隠れるの?」
「だって…ほとんど話したことないし…」
ルビィに聞かれてそう答えるが、ルビィと遥にはそんな様子が姉に隠れる自分みたいに感じられた。
「Saint Snowのライブです、理亞ちゃん出ます!」
「なっ…」
後ろで理亞が驚くのが解ったが、ルビィはしっかり前を見据える。だがそのかいあってか、クラスメイトの表情がほころぶ。
「理亞ちゃん、私達も行っていいの…?」
「え…うん」
そう聞かれた理亞が、驚きながらもそう短く答え。ルビィの後ろから出てくる。
「それと今更だけど…ラブライブの予選は、ごめんなさい…」
そう視線を下げ泣きそうになる理亞に、2人は笑いかける。
「いいんだよ」
「わたし達の方こそ、嫌われてるのかなってって。会場にも行けずに、ごめん…」
「理亞ちゃんや聖良先輩が、みんなの為に頑張ってたのは知ってるよ」
「Saint Snowは学校の…私たちの誇りだよ」
「クリスマスフェスティバルには出るんでしょ?皆も来たいって、いい?」
「うん」
クラスメイトに口々に言われ、そう短く答える理亞だったがそこで気持ちが抑えられなくなり、涙があふれる。
ずっとクラスでは一人だったのだろう。それでも、聖良と二人で学校を背負ってこれまで頑張ってきた。それを、クラスメイトに学校の誇りだと言われたことが嬉しかったのだ。
それを見て、ルビィも涙を流したがその理由は解らなかった。でも、自分の成長した姿を見てもらいから。早くダイヤに会いたい、そう思った。
翌日、イベント当日となった。鞠莉の話によると、ダイヤが迎えに来るという名目でこちらにイベント前に辿り着く手はずになっている。
曲も振り付けもルビィと理亞の手によって完成し、衣装の準備もできた。あとは本番で披露するだけ。だが遥には別の問題で心配があった。
「なに黄昏てるずら」
一人海を眺めていた遥に、花丸がそう声をかける。
「いや、宇宙怪獣って何で暴れるのかなって…地球を征服しようとか思ってるのかなって」
今回のワームジャンプミサイルの事はニュースにも取り上げられており、もうすでに皆知っている。そして遥もそれに協力したことも。
「知らない場所にいきなり放り込まれたら、どんな生き物だって暴れるずら。本当の怪獣の気持ちはマルは解らないけど」
「怪獣はただ破滅招来体に無理やり連れてこられただけって事もあるよね」
そう呟いた遥は山の方を見る。その視線の先には、ワームホールを発生させるための巨大なパラボラアンテナのような装置が二つそびえ立っている。
「それがどうかしたずらか?」
「もしそうなら、コッヴやパズズの母星を滅ぼしても、また別の巨大生物と地球をワームホールで繋ぐ」
「まさか…」
そこで、花丸は遥の気にしていることを察したのか、驚愕の表情を浮かべる。
「地球を平和にするには、全ての巨大生物の住む惑星を…片っ端から滅ぼさないといけなくなるんだ」
そう言って遥は立ち上がる。
「やっぱり、この作戦を成功させてはいけない…止めなくちゃ!」
「どうやって?」
「それは…」
花丸にそう諭され、答えられない遥だった。無理もない、アルケミースターズとはいえ今回の作戦を実行するG.U.A.R.Dから見れば遥はただの一般人。話など聞き入れてくれるはずもない。
「我々人類は、破滅招来体のシナリオ通りに歩み始めたのかもしれない」
「博樹さん…やっぱりこっちに来てたんですね…」
そこに現れたのは博樹だった。やはり彼も、この作戦に思うことがあるのかもしれない。シャザックが現れた時に、すぐアグルが現れたのは彼もこちらへと来ていたからだろう。
「地球生物を絶滅させようとしている人類は、今まさに宇宙生物までも滅ぼそうとしている」
「どうしたらいい…博樹さん教えてください」
「過ちを止められるのは…お前だけだ、遥」
「どういう意味ずら?」
どうすればいいのか?答えを遥は博樹に求めるが、博樹はそう言い放ち答えを示しはしなかったし、そばにいた花丸にもそう問われるがあえて答えず続ける。
「愚かにも人類は、この作戦を唯一の希望としている…」
そう博樹は、遥の目をまっすぐ見つめて言う。そして、博樹自身の過ちによって生み出した現状を自分に止める資格はない。遥だけが、それを正せるのだと。
「人類の希望を打ち砕く勇気はあるか?ウルトラマン…」
「そんな言い方…」
一見すると遥を脅すような言い方をする博樹に、花丸が口を挟む。
「たとえ止めることが正しい事だとしても、それを実行するのはそう言う事になる。その覚悟がないなら、止めるべきじゃないんだ」
そう博樹は花丸に向き直ると告げる。
「そしてオレに、これを止める資格はない。オレにできるのはその後も、地球の為に戦う事だけだ」
そう言い放つ博樹を余所に、施設は稼働を始める。
「宇宙に夢の道を作るはずが、抹殺兵器を送り込むための道具になるとはな」
「人類は今、テリトリーの壁を壊そうとしている…超えてはいけない領域に、足を踏み入れようとしているんだ…」
博樹の言葉に、遥もそう呟く。そしてついに、空中に二基のパラボラから放出されたエネルギーによって、ワームホールが発生する。
「賽は投げられた。どうする、遥?」
そう博樹は再び遥に問う。そして遥は逡巡すると、意を決して駆け出した。
「ガイアーッ!!」
そして突き出したエスプレンダーから解き放たれた光が、遥の身体をウルトラマンガイアへと変える。
基地内に出現したガイアは、迷わずワームホール発生装置へと駆け出す。しかし、万一破滅招来体に妨害された時と想定して出撃していたファイターの攻撃を受けてしまう。
だが、ずっと同じ目的で戦ってきたはずのガイアへの攻撃に抵抗があったのか、威嚇射撃のみで直接当てる目的での攻撃を行うことは無かった。
しかしその時だった。破滅招来体のワームホールが、先程発生させたワームホールと接触してきた。
人類が発生させたワームホールを利用して、怪獣を送り込もうとしてきたのだ。
すぐにワームホールを閉じようと基地では騒ぎになるが、逆に今閉じれば行き場を失ったエネルギーによる二次災害が起こる可能性がある。その為、装置はワームホールへエネルギーを送り続ける。
だがガイアもそれを悟ったのか、上空に飛び立つとその身を盾にして、ワームホールへのエネルギーの供給を絶つ。
「グワァァアアアア!」
「遥くん!」
その威力に耐えられず、ガイアの体は地面に叩きつけられる。そしてワームホール同士の接触の結果空間が歪み、コッヴとパズズが現れる。
ワームホールのエネルギーを吸収し、パワーアップを果たした二頭の怪獣は初めに、ワームホールを発生させたパラボラを、電撃と光球で破壊する。
そして、ワームジャンプミサイルへ向かって一直線に駆け出す。惑星を容易に破壊するだけの威力を秘めたミサイルをここで炸裂させれば、間違いなく地球は跡形もなく消滅してしまう。
起き上がったガイアは駆け出し、真正面から二頭の怪獣をその身一つで必死に押しとどめようとするが簡単にあしらわれてしまい。コッヴに尻尾を掴むが、振りほどかれさらにパズズの尻尾の殴打を受ける。
だが起き上がると飛び上がり、再び正面に回り込むと怪獣を押しと止めようとする。そしてファイターもガイアを援護すべく攻撃を開始する。
しかしパズズの電撃攻撃により、コントロール系にダメージを負ってしまい飛行不能に陥ってしまう。そしてガイアも何度目かの抵抗をするが、もうあと少しでミサイルに到達するというギリギリの状態に陥る。
「たとえ奴らに、地球破壊の目的意識がないとしても、生物の本能で暴れているとしても、だからこそ厄介なんじゃないか…遥」
博樹はそう呟く。ガイアが積極的に怪獣を倒そうとしないのも、そういった理由からくる躊躇によるものだった。だがだからと言って、地球が無くなっては元も子もない。地球を守るために、ただ生きようとする怪獣から見た悪になる事も必要なのだ。
その決心を、遥がするのを博樹は待っていた。
だがしかし、ガイアもじわじわと押され、もう少しでミサイルに触れてしまう。
「このままじゃ…」
花丸がそう不安げに呟く隣で、博樹は右腕を突き出すとアグレイターの翼が開く。そしてそれを顔の横に掲げると半回転して青い海の光が空へ立ち昇っていく。
あまりの眩しさに顔を背けた花丸が、再び前ガイアの方を向くと。上空に現れたアグルが、急降下し二頭の怪獣の顔面を両足で蹴り飛ばす。
「ドワァァアア!」
それを察したガイアは咄嗟に横に飛んで巻き込まれるのを防ぐ。そして二頭の怪獣が地を転がっている間、アグルが派手に土煙を上げながら着地する。
そしてガイアはアグルに駆け寄ると、アイコンタクトで二体の巨人は頷き合うと、怪獣に対して構える。
「デェヤッ!」
「デュワッ!」
駆け出した2人の巨人はそれぞれガイアはコッヴ、アグルはパズズと戦闘に入る。
的確にカウンターを入れていくアグルとは対照的に積極的に拳や蹴りを繰り出すガイア。そしてアグルがパズズを投げ飛ばしたのと同じ方向へコッヴを投げ飛ばすと、それに引っかかってパズズが再び転倒する。
そこにガイアはクァンタムストリームを撃ち込もうとした。
―宇宙怪獣たちも、ただ無我夢中で生きようとしているだけなんだ―
そんな考えがよぎり、技を中断してしまう。それを余所に立ち上がるとこちらを威嚇する怪獣たち。
『ガイア!』
悩むガイアをアグルが駆け寄ってそう声をかける。そこでようやく決心がついたのかガイアは再び怪獣を見据える。
『ガイア、行くぞ!』
再び駆け出すと、怪獣との肉弾戦に突入する。それぞれ取っ組み合いになるのだが、今度は同じタイミングで跳ね除けられてしまう。
だがその勢いを利用して、連続のバク転で距離を取る。
『ガイア、変身だ!』
「デヤッ!ハァァァアアッ」
そのアグルの一言で、ガイアはスプリーム・ヴァージョンへと変わる。
そして駆け出したガイアは、前転でコッヴの鎌の攻撃を回避するとパズズに殴り掛かる。その隙をついてアグルはコッヴへと肉迫する。
コッヴの鎌を回避し、腕をつかむと懐へ蹴りを見舞うアグル。そしてパズズを持ち上げ豪快に投げ飛ばすガイア。
頭を掴んでコッヴをなぎ倒すと、その向こうでパズズはバックドロップを食らう。そしてそれぞれ怪獣の頭を掴んだままウルトラマンは向き合う。
『アグル、行くぞ!』
『おう!』
「デヤァァア」
「ハァァアア」
お互いに向かって真っすぐ駆け出すと、怪獣は2人の拘束から脱出する。そのままウルトラマン同士が激突するかに思われたが、それも2人には織り込み済みだった。
そのまま巴投げの要領でアグルを後ろのパズズ目掛けて放り投げると、アグルはパズズに組み付き地面を転がる。その間に跳ね起きたガイアはコッヴをラリアットでなぎ倒し、さらに持ち上げ頭から落とす。
そしてそれぞれ怪獣の尻尾を掴むと、ジャイアントスイングの要領で怪獣を振り回す。先にアグルが投げ飛ばした方へガイアも投げ飛ばす。
「デュワ!オァァァアア…」
「デヤッ!ハァァアアア…」
そしてトドメを刺すべく、横に並ぶとそれぞれ、アグルストリームとフォトンストリームの発射態勢に入る。
「デヤァ!」
「デュワ!」
同時に放たれ、一つになった
そして2人の巨人は、天空へと飛び去って行った。
その日の夜、鞠莉に指定された場所に疑問を持ちながらも一年生組を迎えに来ていた。そしてその場所―山頂を目指してロープウェイに乗り込むと、そこには聖良も同乗していた。
「聖良さん?」
「どうしてここに?」
お互いどうしてこんな所にいるのか不思議そうな顔をするが、お互いここに来るように呼び出されていたのだ。
冬場と言う事もあって日が暮れるのは早く。山頂に辿り着くころには夜の闇がその場を支配していた。
そしてそこで待ち受けていたルビィと理亞は、それぞれ自分の姉に一枚のクリスマスカードを渡す。
「これは…?」
「クリスマス」
「プレゼントです!」
ダイヤに聞かれて、ルビィと理亞は交互に答える。
「クリスマスイブに、ルビィと理亞ちゃんでライブをやるの」
「姉さまに教わったことを全部使って、私達だけのステージで」
「自分たちの力でどこまでできるか」
「見て欲しい!」
そう口々に告げられ、それぞれは自分の妹の顔を覗き込む。たった数日合わなかっただけなのに、大人になったような印象を受ける。
「あのー」
そこで、遥の声が割って入る。その方向を見ると、いつの間に来ていたのかAqoursの残りのメンバーがそこにいた。
「私のリトルデーモン達も観たいって」
そう善子が言うと、「誰がリトルデーモンよ!」と梨子が食いつくがダイヤはそこで納得がいく。だから飛行機やらの手配が早かったのかと。
「千歌ちゃん、みんな!」
「来てたの?」
ルビィも理亞も予想外の観客に、嬉しそうな表情を浮かべる。こっそり善子と花丸、そして遥が残りのメンバーに根回しした結果のサプライズだ。喜んでくれてよかったと、そう笑みを浮かべる。
「鞠莉ちゃんが飛行機代出すからみんなでトゥギャザーだって」
そう曜が敬礼しながらそう伝える。
「あったりまえデース!こんなイベント、見過ごすわけないよ」
「さすが太っ腹」
そう言ってはしゃいだ様子の鞠莉を果南が茶化すが、「太いのは善子ちゃんずら」と花丸が善子に飛び火させるので「うにゃー!」とよくわからない叫び声をあげるのだが、それで周りの笑いを誘った。
「姉さま」
「お姉ちゃん」
「「わたし達の作るステージ、見てくれますか?」」
そう2人は姉に問いかけると、答えるより先に姉は自分達を抱きしめてくれた。
「もちろん」
「喜んで」
そう妹に告げる。
「緊張してる?」
「ううん」
「ルビィも、不思議と落ち着いてる。お姉ちゃんが近くにいるからかな?」
本番直前、背中合わせで衣装に身を包んだルビィと理亞は言葉を交わす。
「それもあるけど、それだけじゃない…」
そう言って理亞はそっとルビィの手を握る。
「あなたが居たから、ここまでこれた」
「理亞ちゃん…」
それは、不器用かもしれないが理亞なりの感謝の言葉だった。
―届けよう、大切な人に
Awaken the power
2人が作った、大切な姉に送る歌。
その輝きは、聖夜を彩るイルミネーションより輝いていた。
「姉さま、私はやっぱりSaint Snowは続けない」
「えっ?」
イベントは無事大成功で終わることが出来たその帰り、理亞は聖良にそう告げる。
「これは姉さまとの思い出だから…世界にたった一つしかない、雪の結晶だから」
だがそれは先日と違い、スクールアイドルをやめると言う事ではない。
「だから新しいグループで、違う雪の結晶を見つける。姉さまにも皆にも喜んでもらえるようなグループを作る」
それは理亞の新しい目標だった。
「見てて」
そう言って駆け出した理亞の背を、聖良は見つめるのだった。
「理亞は、昔から恥ずかしがり屋で、誰とも中々話せなかったんですよ」
そう切り出した聖良に、ダイヤはほほ笑む。ルビィも一緒だったから。でも二人は自分たちで手を取り合って、いつの間にか目まぐるしい成長を遂げていた。
「2人とも、すっかり大人ですわね」
「はい」
そう答える聖良は、どこか寂しげだった。その気持ちもダイヤは痛いほどわかる。全然違うところに住んでいて、性格も全然違う姉妹。でも意外なところでそっくりだったのだ。
「祝福しましょう、ふたりのこれからの羽ばたきに」
過去最高文字数9000越えを果たしてしまいました…長くてごめんなさい…
あと一歩間違えれば人類は全宇宙の破壊者となってしまうところでした。
今回登場したのは超(スーパー)コッヴと超パズズの2体です。本家では初めてのガイアとアグルのタッグマッチ、普段より戦闘シーンに力が入りました。
これで函館編は終了です。これから物語は終盤に差し掛かっていきます!最後まで楽しんで頂ければ幸いです。
それではまた次回お会いしましょう。