ラブライブ!サンシャイン!!〜大地と海の巨人〜   作:カズオ

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お待たせしました第8話です。


第8話 あざ笑う目/本当の自分

『伊豆のビーチから登場した待望のニューカマー、ヨハネよ。みんなで一緒に堕天しない?』

 

『しない』×4

 

「やってしまった…」

 

ここはスクールアイドル部の部室、先日撮影した新しいPVを部室で見ていたのだが、梨子は壁に頭を当ててそう呟いていた。

 

動画の内容も、全員堕天使風?な衣装に身を包んで何やらポーズをとっていたものだったのだが、全員がキメ顔な中梨子だけは苦笑いだった。

 

撮影の場に遥はいなかったので、どのような状況だったか走らないがおそらく梨子だけは嫌がっていたのだろう。

 

「遥君、どう思う?」

 

ふと千歌に感想を聞かれる、正直本気でこの路線で行くのか?ともおもったがすでに投稿されているので「確かに、インパクトはあっていいんじゃないでしょうか?」と当たり障りなく答えておく。

 

そしてランキングの順位を見ていたのだが、なんと954位にまで上がっていた。

 

「嘘!?」と驚いているとさらに上がって953位になった。

 

「効果あったってこと!?」

 

「コメントもたくさん、すごい!」

 

そう言ってルビィが喜んでいたが、コメントも大半がルビィに向けたものだった。

 

だがしかし、放送が入り。全員が生徒会室に呼び出されてしまった。

 

 

 

 

「こういうのは破廉恥というのですわ!!」

 

そういって生徒会長に激怒される。

 

「いやぁそういう衣装というか…」「設定というか…」

 

そう曜と千歌はそう弁明するが、そんなものでは生徒会長は止まらない。

 

「だからいいの?って聞いたのに…」

 

そう梨子がぼやくが遥はそこで苦笑いを浮かべるしかなかった。

 

「そもそも!ルビィにスクールアイドル活動を許可したのは、節度を持って自主的にやりたいといったからです。なのにこんな破廉恥な方法で注目を集めようなどと…」

 

「ごめんなさい」

 

妹のルビィがさえぎって謝る。するとダイヤも一旦落ち着いたのかそれ以上たたみかけてはこなかったが、曜が「でも順位は上がったし…」というの、

 

「そんなもの、一時的なものに過ぎませんわ。試しに今確認してごらんなさい」

 

そういわれ、ランキングを確認すると1526位にまで下がっていた。

 

「うそ…」

 

そう全員が驚くとダイヤは、

 

「本気で目指すのなら、どうすればいいかもう一度考えることです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後、海辺で千歌たちはうなだれていた。

 

無理もない、行けると信じてやったことなのにあそこまで否定されてしまったのだから…

 

「確かにダイヤさんの言う通りだよね…こんな方法でμ'sみたいになりたいだなんて…」

 

そう千歌がつぶやくと、善子は悲しそうな表情でこう言った。

 

「いけなかったのは堕天使…やっぱり、高校生にもなって通じないよ」

 

「そんなこと…」

 

そう千歌が言いかけるが、すっと立ち上がった喜子に遮られる。

 

「スッキリした!明日から普通の高校生になれそう」

 

「じゃあ、スクールアイドルは?」

 

そうルビィが聞くが、「やめとく、迷惑かけそうだから」そう言って断る。

 

すると善子は振り返って。

 

「短い間だったけど、堕天使に付き合ってくれてありがとう。楽しかったよ」

 

そう言ってほほ笑むと帰ってしまった。

 

「どうして堕天使だったんだろう?」

 

そう梨子がつぶやくと、花丸がそれに答えた。

 

「まる、解る気がします。善子ちゃん、ずっと普通だったんです。私たちと同じで、目立たなくて…そういう時、思いませんか?これが本当の私なのかな?って」

 

そういうどこか悲しげな表情で答えた花丸は、さらに続ける。

 

「善子ちゃん、幼稚園の頃言ってたんです。『わたし、ホントは天使なの!いつか羽が生えて、天に還るんだ!』って」

 

きっと彼女にとって、天使が特別な存在だったのだろう。だから自分は本来天使だった、そう思うことで自分は普通じゃなくて特別なんだ、そうすることで自分を保ってきた…。

 

 

 

 

 

 

その日の帰り、急に地響きがし山の中に突如として目玉が現れた。

 

「何…あれ…?」

 

「不気味ね…」

 

「うん…」

 

「ピギッ…」

 

「ずら…」

 

5人が思い思いの感想をつぶやくが、肝心の目玉はただただ不気味な笑い声を上げるだけで、何もしては来ない。

 

(なんだアレ…?生きているのか…?)

 

遥にとってもあの目玉は不気味で仕方がなかった。ほんとうにそこにいるのかすら定かではないが、現にここにいる全員には認識できている。だから錯覚ではないしこの笑い声も幻聴ではないだろう。

 

どうすればいいかしばし考えていると、空から戦闘機が現れると、暫く上空を旋回していた。様子を見ているのだろう。しかし目玉は突然周囲の岩を浮かせると、それで戦闘機を破壊したのだった。

 

「嘘だ…ありえない…」

 

遥はうずくまって頭を抱える。目玉だけが存在するわけがない、岩を浮かせてぶつけるなんて…あるはずがない。

 

そうして残った一機が反撃だといわんばかりにミサイルを二発放つが、目玉に吸収された後一発は撃ち返されそれが直撃し最後の戦闘機も撃破されてしまった。

 

満足げにあたりに不気味な笑い声を響かせた後、その目玉は蒸発するように消えてしまった。

 

「何だったのかしら、あれ…?」

 

「お化け…とか?」

 

そうつぶやいた梨子に、千歌がそう答えるが本当のところは誰にもわからない。

 

「ちょっと遥君、大丈夫!?」

 

うずくまっている遥の顔が真っ青になって震えているのに気が付いた曜が、そう言って声をかけて背をさすってあげるが、遥は反応しない。

 

『ちょっと頭がいいからって偉そうなんだよ!』

 

『人類に救う価値なんてない』

 

あの笑い声を聞いてから、少年時代のトラウマと、この前の博樹との会話が頭から離れない。

 

べつに偉そうにしていたわけではなかった、でも周りと比べ大人しかったし、外に出るタイプでもなく、なんでも理論的言っていたのでそれがよくなかったのだろう、今ではそう思っていつし解決したことだと思っていた。

 

でもそんなことはどうでもいいはずだった、でもあの目玉の存在が理解できない、ただそれだけなのにそれが怖くて仕方がない、それにあの笑い声から自身のトラウマを想起させてしまったことが余計に遥を苦しめた。

 

「やめろ…やめろぉおおおおおおおおおおお!!」

 

精神的に追い詰められた遥は突然叫んだ、それによって心配して背中をなでていた曜は「うわっ!?」と驚いて尻餅をついた。

 

「遥どうしたのいったい?」

 

そう梨子に言われてようやく我に返った遥に、「ご、ごめん…嫌だった?」

 

そういわれてやっと曜たちが自分を心配してくれていたことに気が付いた遥は「いや…そんなつもりはなくて…その…」言葉が詰まってしまう。言った方がいいのかもしれないが、このことは知られたくない。

 

「もしかして、遥君ってあぁいうおばけみたいなのが怖いの?」

 

「そっそんなことないですよ…」

 

千歌に図星ではないがそう思われるのもなんとなく嫌なので一応否定はしておくが、これでは図星ですといっているようなものだ。

 

「ほんとに、大丈夫なんで…先輩、すいませんでした。それじゃあ先に失礼します」

 

「別に気にしてないよ?体調悪そうだったし、明日も無理に練習しなくても大丈夫だからちゃんと休んでね?」

 

そういって帰ろうとする遥に曜はそう返すと、花丸も「ちゃんと休んでね?」と言って見送る。

 

「遥君も心配だけど、そこはお姉ちゃんの梨子ちゃんにいったん任せるとして…」

 

「わかったわ、遥も多分みんなから色々言われるとかえってダメだろうし、なんとかするわ」

 

「ありがと!それじゃあわたし達は明日の朝…」

 

そう言って千歌が切り出した内容は―。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「遥、何があったの?」

 

その日の夜、家で梨子にそう問いかけられた遥は、姉にならと思い本心を打ち明けた。

 

「あの目玉見てたら、なんか昔の嫌なこと思い出しちゃって…」

 

「小学校の頃の?どうして?」

 

「あの目玉が何なのか、なんであんなことができるのか全くわかんなくて、こんなこと今までなくって…そしたら笑い声で急にそのこと思い出しちゃったんだよね…」

 

「そっか…でもいいんじじゃない?それで」

 

「え?」

 

「だってみんな怖いものくらいあるわよ、だから遥が悪いわけじゃないもの」

 

「姉さん…ありがとう。明日みんなにもちゃんと謝るよ」

 

「どういたしまして、みんな心配してたから安心させたげて」

 

「うん」

 

遥は自分の心にかかっていた霧が晴れたような気がした、それはきっと打ち明けることができたからであろう。

 

 

 

 

 

 

 

その夜、ダニエルのほうから今日のことを心配して連絡があった。

 

「ダニエルはどう思う?今日の目玉みたいなの」

 

『そうだね、データは届いてたから解析してはみたけれど、不可解なことしかなかった』

 

「不可解?」

 

『やっぱりさっき君が言った通りわからなことだらけさ、でも吸収したミサイルの金属反応と熱反応は探知できたから、今後どこに現れるかの予測はできるようになった』

 

「じゃああの目玉そのものには生物の反応は無かったってことかい?」

 

『そういうことになる、根源的破滅招来体が送り込んできた先兵の一体かもしれない、またなにかあったら連絡しよう』

 

「わかった、いつもありがとうダニエル」

 

『だがいつまた出てくるかわからない、キミも気をつけて』

 

そういうと通話を切っると「僕たちが戦っているのは、常識じゃありえないような存在なんだ…怖がってる場合じゃない、僕がやらないと守れないから…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、なぜかこの前の堕天使風の衣装に身を包んだ千歌と梨子と沼津に向かったのだが、なぜか同様の衣装の曜、ルビィ花丸と合流した、遥は何をしに行くのかと聞いても「堕天使に合いに行く」としか言われなかったが、それだけで誰かわかってしまうわけだが…。

 

とあるマンションの前まで来ると、その一階部分にあるゴミ捨て場から出てくる人影があった、善子だ。すると千歌は彼女に声をかける。

 

「堕天使ヨハネちゃん」

 

すると喜子がこちらに気が付いてこちらへ振り向くと、5人が声を揃えて

 

「スクールアイドル、やりませんか?」

 

そういうが、彼女は一瞬間が空いたのち「はぁ?」という声しか出てこなかった。確かにそうだろう、こんな朝早くに押しかけてきていったい何なんだ、そう思ったに違いない。

 

「ううん、入ってください。Aqoursに!堕天使ヨハネとして!」

 

「なにいってんの?昨日も話したじゃない」

 

「いいんだよ!堕天使で、自分が好きならいいんだよ!!」

 

千歌がそう言うが、善子は「だめよ」そう言って走り去ろうとするが、「待って!」と言って全員で追いかける。

 

「生徒会長にも怒られたでしょ」

 

「それは私が悪かったんだよ、だから善子ちゃんはそのままでいいんだよ」

 

駅前を走り商店街を走り抜け、それでもあきらめずに追いかけまわす。

 

「私ね、どうしてμ'sは伝説を作れたのか、どうしてスクールアイドルがここまで続いてきたのか…考えてみてわかったんだ」

 

「もう、いい加減にして!」

 

走りながらそんなやり取りをつづける千歌と善子だったが、港の水門のあたりまで来ると、さすがに体力の限界が来た善子は膝に手をついて立ち止まるが、ほかの全員も同様に上がった息を整える。

 

「どう思われるとか、人気がどうとかじゃない!自分の好きな姿を…輝いている姿を見せることなんだよ!だから善子ちゃんは捨てちゃダメなんだよ!自分が堕天使を好きな限り!!」

 

きっとその言葉はきっと千歌が、どうしてスクールアイドルを目指したいと思ったのか、どうしてμ'sを目標にしたのか、自身でも一度しっかり考えたからこその言葉なのだろう。

 

「いいの?変なこと言うわよ…?」

 

そう喜子が言うと曜が「いいよ」と答えて彼女に笑いかける。

 

「時々、儀式とかするかも…」

 

「そのくらい我慢するわ」

 

これは梨子が答える。

 

「リトルデーモンになれっていうかも」

 

「それは…」そこで苦笑しながら千歌は

 

「でも、いやだったらイヤって言う!」

 

変に気を使ったりしない、ちゃんと仲間として向き合う。そう言っているようだった、そして千歌は善子へ近寄ると一つの黒い羽根を彼女へ差し出す。

 

善子はそれを笑顔で受け取る、だがそこで突然地響きが起こる。

 

「な、なに?」

 

「まさか…」

 

そして地底から現れたのは、巨大な目玉に腕と足をつけたような、そんな異形の化け物だった。よく見ると全身のいたるところに目が付いている生理的に恐怖心をあおるような、そんな姿だ。

 

「何なのよ…あれ…」

 

そう言って善子が後づさるが、だれもそれにこたえることはできない「とにかく避難しよう!」そう曜が提案すると全員一目散に怪獣から離れるべく走り出す。

 

すると怪獣はなんとこちらにむかって歩いてきた。

 

「どうしてこっちくんのよ!?」

 

「わかんない、でもとにかく逃げよ!」

 

まさかこの中の誰かが狙いなのか?それとも市街地に入りたいのか?どちらにしてもこのままだと大変なことになる。

 

「ごめん、もう…無理…走れない…」

 

そういって遥が立ち止まると、善子が立ち止まってしまう。

 

「アンタ嘘でしょ?この中で一番体力無いわけ?」

 

「僕はこの辺で隠れるから、先行ってて」

 

「そんなことできるわけがないでしょ!?まっててみんなに声かけてみんなで」

 

見捨てられるわけない、そういった善子を遮るように「僕は一人なら何とでもできるから、みんな一緒のほうが危ない」そういって喜子を行かせようとする。

 

「そこまで言うならわかったわ、でも絶対だからね」そう言って善子は走っていく。すると遥は怪獣の方へ振り返りエスプレンダーを構える。

 

「もう怖くなんてない、お前を恐れる必要なんて、どこにもない!」

 

そういうとエスプレンダーを突き出し、そこから放たれる光によって遥はガイアへと変わる。

 

空中に出現したガイアはそのままの勢いで怪獣を蹴り飛ばすと着地し、ファイティングポーズをとる。

 

「ウルトラマンガイアだ」

 

「来てくれたのね」

 

ガイアの出現によって安心するAqoursのメンバーたち。

 

相変わらず不気味な笑い声を上げながら立ち上がる怪獣に対し、ガイアは立ち向かっていく、果敢に蹴りや拳の連打を浴びせそのまま投げ飛ばす。

 

すると怪獣は立ち上がると目玉から光弾を発射し、まともにくらったガイアは体勢を崩してしまった。それを見て黒目だけを釣り上げて笑った怪獣はそのまま怪しい光をガイアめがけて出し、それに包まれたガイアは怪獣の体内に取り込まれてしまった。

 

「ピギッ…」

 

「そんな…ガイアが…」

 

「まだ、まだ負けたって決まったわけじゃないずら」

 

ガイアが吸収されたことによってうろたえる一年生三人だったが、状況はもっと深刻だった。なんと怪獣は再びこちらを向くとこちらへと向かってくるのだった。

 

「どうしてさっきからこっちに来るのよ~!」

 

「それはわかんないけどとにかく逃げよ!」

 

そう叫んだ善子に曜はそう言って、再び六人は走り出す。怪獣は不気味な笑い声を上げながら追いかけてくる、まるで6人が狙いだといわんばかりに…

 

 

 

 

 

 

 

(ここは、あの怪獣の体内なのか…?)

 

なにもないただ一面真っ赤な空間、そこにガイアはいた。ともかく一度対策を考えようとあたりを見渡すと、突然あたり一面に目玉がびっしりと出現した。

 

それに驚いていると、再びあの不気味な笑い声が響き渡り、耐えられなくなったガイアは耳を抑えて苦しみ始める。

 

(このままじゃだめだ、またコイツはみんなを狙うかもしれない。もう負けないって決めたじゃないか!だから、諦めたりなんかしない!)

 

そう自信を奮い立たせたガイアは頭上にある目玉が一つだけ大きいことに気が付く。

 

(もしかしたらあそこから出られるかもしれない、賭けだけどこのまま終われない!)

 

その目玉めがけて飛び立ったガイアは両手を握ってそこに突撃する!するとガイアの身体は怪獣の頭を内側からぶち抜いて空へと飛び出す。

 

そして怪獣の身体は粉々に砕け散ってしまいもうその場になにも起こらないのを確認するとガイアは飛び去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「鞠莉さん、あのメールは何なんですの!?」

 

理事長室でダイヤが鞠莉にそう詰め寄る。

 

「何って…書いてある通りデース」

 

鞠莉はそう言って目をそらすことしかできなかった。

 

少しづつ成長しているAqoursに新しい困難が迫ろうとしていた…。

 




毎回読んでいただきありがとうございます!
ほんとにいろんな方に読んでいただけているようでうれしい限りです。
これでやっと6人になりました。ここから9人になるまでがちょっと長くなる予定ですがお付き合いいただけると幸いです。
今回登場した怪獣はガンQです、本家は行動目的も明らかになってましたがここで登場した個体の目的は一体何だったのか?多分忘れたころに明らかになります()
それではまた次回で
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