リアルの事情で今までで一番間が空いてしまって申し訳ない…
これからもあまり遅れないようにはしますんで気長に待っていただければ幸いです。
「はぁ~疲れた…普通って難しい…」
そう言って机に突っ伏したのは善子だ。最近はちゃんと来るようになったのだが、クラスではやはり普通でありたいのかクラスメイトと話を合わせたり苦労しているようだ。結構な帰還休んでいたので勉強面も正直心配だったが花丸がノートを届けたり、遥も少し教えたりしていたので現状そこは問題は無いのだが。
「無理に普通にしようと思わなくていいずら…よっと」
そういって花丸が善子のシニヨンに黒い羽根を差し込むと…
「深淵の深き闇から、ヨハネ堕天!!」
そういって立ち上がってポーズをとる。
「やっぱり善子ちゃんはそうじゃないと」
「ぷっ…」
「何笑ってんのよ遥!」
「い、いやあ津島さんと国木田さん仲いいなぁって」
「なによそれ…」
やれやれといった様子で羽を外す善子、最初は突拍子のないことを言い出す変な子くらいに思っていたが根はいい子なのだ。入部してそれなりに日が経って遥も彼女たちと打ち解けれるようになったようだった。
「大変、大変だよ!」
そういってルビィが教室に飛び込んできた。
「どうしたのさ?黒澤さん」
「大変、学校が!」
「「「「「統廃合!?」」」」」
部室へ移動して部員全員の前で告げられたのは、この学校が統廃合の危機にあるということだった。
「そうなんです、沼津の学校と合併して浦の星学院はなくなるかもって…」
「いつ!?」
ルビィが持ってきた廃校の知らせに全員が驚いた。
「まだ決定ではないんですけど、来年度の入学希望者の数を見てどうするか決めるらしいんですけど…」
確かに生徒数は少ないと言い切っていいだろう、全校生徒合わせても100人には届かないのだから。実際今かなり厳しい状況にいるのは間違いないだろう。
「…廃校?」
「え?」
千歌がボソッとつぶやいたのがよく聞き取れず梨子と曜が反応すると…。
「キタ!ついにキタ!学校のピンチってことだよね!?」
「心なしかうれしそうに見えるけど…?」
そう言った曜の言葉は届いていないのか、部室を飛び出して行って何やら「廃校だよ~」とか「音ノ木坂といっしょだよ」などと言いながら部室の外を一周回って帰ってくると。
「これで舞台は整ったよ、わたしたちが学校を救うんだよ!そして輝くの!あの、μ'sのように!!」
そう言い切ったのだった。
「そんな簡単にできると思ってるの?」
梨子がそう言ってやや冷めた視線を千歌に送る、そんなに簡単なことじゃない。それが難しいからこんな話が出てくるわけなのだから…。
「花丸ちゃんはどう思う?」
そう言ってルビィが花丸に視線を移すと、花丸も「統廃合~!?」と言って目を輝かせていた。
「こっちも!?」まさかここにも喜ぶ人がいたなんて、そう思っていると。
「合併っていうことは沼津の学校になるずらね?あの街に通えるずらよね!?」
あぁ、この子は純粋に都会に行けるのがうれしいんだな、そう思った。
「相変わらずね、ずら丸。昔っからこんなだったし」
「そうなんだ?」と聞き返す遥に保育園時代センサーでつく街頭ではしゃいでいたエピソードを話していると。「善子ちゃんはどう思う?」とルビィが聞いてきた。
「そりゃ統合した方がいいに決まってるわ!私のように、流行に敏感な生徒が集まってるだろうし!」
そういってなにやら誇らしげに語るが、花丸の。
「よかったずらねぇ~中学の頃の友達に合えるずら~」
と言われ、「統廃合絶対反対!!」と手のひらを反すのだった。
「とにかく、Aqoursは学校を救うために行動します!!」
「ヨーソロー!スクールアイドルだしね」
「でも行動って何するつもり?」
「へ?」
学校を救うための活動をする、そう言ったところまではリーダーとしてとてもよかったのだがなんとノープラン、何も考えてなかったのだ。
「結局μ'sがやったことって、ランキングに登録してラブライブに出て有名になって生徒を集める…」
「それだけ?」
「みたい…」
向こうは東京の高校だからそれでもいいかもしれないが、こちらはそうもいかない。なにせ住んでいる人の数が違うのだから…。
「内浦のいいところ?」
「そう!東京と違って外の人はこの街のことしらないでしょ?だからまずこの街のいいところを知ってもらわなきゃって」
ハンディのビデオカメラを向ける曜に千歌がそう答える。この街のいいところを宣伝して、それで入学希望者を募る、そういう作戦だ。
「それでPVを?」
「うん!これをネットに公開して、みんなに見てもらうの」
「知識の海ずら…」
善子の問いにそう答えると、ネットという単語に花丸が反応する。すると千歌は花丸とルビィの後ろへ回って「そういうわけでひとつよろしく!」というと花丸とルビィは自分へ向けられたカメラにきがつき…。
「マルには無理ず…いや、無理…」
そういって視線を逸らす花丸と「ピギィ」といってすかさずカメラの外へ逃げてしまったルビィ。
「あれ?」
ルビィは一体どこへ消えてしまったのか?そう思ってカメラをいったんおろし、あたりを見渡すがどこにも見当たらない、見私のいい公園のはずなのだが。
「見える!あそこー…よッ!!」
そういって喜子が少し離れたところにある木々の枝を指さす、まさかこの一瞬であの木に登ったのか?そう思っていると。
「違います~!」
そう言ってルビィが木とは反対側にある看板の陰から出てきた。すると曜は再びルビィにカメラを向けると、またルビィは逃げてしまった。
「なんかレベルアップしてる!」
「感心してる場合?」
その近くでそんなやり取りをする千歌と梨子。
だが花丸、ルビィ、梨子は今までも何度かPVを撮影しているが相変わらずカメラの前だと緊張してしまうし、台本無しでの撮影となったので一番こなれている千歌がメインで撮影することになった。
…のだが、富士山や海、ミカンをアピールポイントにしたのまではよかったのだが、「街には…えっと、特に何もないです!」と言ってしまい、「それは言っちゃダメ…」と指摘されてしまうのだった。
ならばと思い少し足を延ばして沼津駅や付近の商店街、さらにはレンタルアイクルで伊豆長岡へと行ったのだが、沼津へはバスだと500円片道でかかるし、伊豆長岡へ自転車で向かうと、上り坂で疲れ切ったメンバーの様子しかカメラに捉えられなかった。
「もう、いい加減にして…」
疲れ切って自転車ごと倒れてしまった善子が不満を漏らすが、彼女を見た千歌はなにか思いついたようで「だったら…」と言って提案したのが。
「リトルデーモンの皆さん、堕天使のヨハネです。今日はこのヨハネが堕ちてきた地上を紹介してあげます。まずこれが―――土!!」
そう言ってただの盛られた土を指さして何やら高笑いを浮かべている、そんなもんがどうしたっていうのだ?工事の関係でできたものだろう、それはカラーコーンで囲われている。
「やっぱり善子ちゃんはそうじゃなくっちゃ」
そう言って喜んでいたのは花丸くらいなものだった。
自分は移っても仕方ないし、マネージャーだからと撮影していた遥も苦笑いを浮かべるしかなかった。
「根本的に、考え直した方がいいかも…」
曜もそう言うしかなかったようだ…。
「どうして喫茶店なの?」
「だって梨子ちゃんしいたけいるならうち来ないって」
「そんなこと言ってないわ、ただちゃんとつないでおいてって」
「このあたりじゃ普通だよ?」
「そんなぁ…」
なぜ今日は喫茶店なのか?そう言った善子の隣とその対面で千歌と梨子がぞんなやり取りをするのを(姉さん、犬だめだからなぁ…)と思いながらその隣で遥は聞いていた。
その後ろの席では、花丸がおいしそうにどら焼きを食べているのをその隣でルビィが眺め、対面で曜がそれを撮るという光景が広がっていた。ここもPVで使えるかもしれないと思ったのだろう。
「ワン!」
「またまたぁ…」
後ろで犬の鳴き声がする、梨子はさすがに喫茶店にはいないだろうと思っていたのか、そういってコーヒーを飲むが、再び「ワン!」と言った泣き声が聞こえ「ま、まさか…」と言って振り返ると、そこには黒毛の子犬がちょこんと座っていた。
「ひぃっ…!」
「こんな小さいのに!?」
悲鳴を上げて梨子が足を浮かせてどう見てもおびえているので、しいたけのような大きな犬がダメだと思っていた千歌にとっては心外だったらしい。
「大きさとか関係ないの、そっその牙…そんなので噛まれたら…死…」
「噛まないよ、ね~?わたちゃん」
そういって千歌はひょいと子犬を持ち上げると自分の顔の前に持ってきて暫く見つめると。
「そうだ、わたちゃんでなれるといいよ」
そういって梨子の顔の前に子犬を持っていくと、梨子は何とも言えない表情をしたまま固まってしまったが、鼻の頭をなめられた瞬間立ち上がると、一目散にトイレへ向かっていき閉じこもってしまった。
「梨子ちゃ~ん?」
「話ならここで聞いてるから早く進めて!」
曜が呼びかけるが、梨子はよほど怖かったのだろう、恐らく終わるまで出てきそうにない。
「しょうがないなぁ~…」
「すいません、姉さん犬はホントダメで…」
仕方ないからこのまま進めよう、そう思っていると、善子はすでにPCを操作していた。
「津島さん、どんな感じ?」
「簡単に編集してみたけど、とても魅力的とは…言えないわね」
そういって肩をすくめる。もともと動画配信をやっていた彼女をもってしてそう答えるということは結構厳しいのかもしれない。
「やっぱり、ここだけじゃきびしいんですかね…」
そうルビィが力なくつぶやくと。
「じゃあ沼津の華やかな街並みを混ぜて…」
「そんなの詐欺でしょ!」
そう言いかけた千歌の言葉を梨子がそう遮った、大方「ここが私たちの街です!」って言うつもりだったのだろう。
「なんでわかったの!?」
「だんだん行動パターンがわかってきたのかも…」
そう驚く千歌の横でそう言って苦笑いを浮かべる曜。
喜んでいいのか悪いのか、そう思って肩を落とす千歌。
「うわッ終バス来たよ!」
そう言って善子と共に曜は帰る準備をして外に出ようとし
「では、また…」
「ヨーシコー!」
そういって走ってバス停のほうへ走っていった。
「なあああああああああ!」
今度はルビィが突然大声を出したかと思えば、「もうこんな時間、失礼します」そういっていまだにどら焼きを食べていた花丸の襟元を掴むと引きずるようにして帰って行く、花丸はそのままこちらへ手を振っていた。
気が付けばもう19時になろうとしていた、もう夏が近づいてきているからかこの時間でも全然明るいので、あまり実感はわかなかったが。
「意外と難しいんだなぁ…いいところを伝えるのって」
「住めば都、済んでみないとわからない良さだってあるだろうし」
トイレから梨子のそんな声が聞こえてくる、声は落ち着いているがまだ子犬でも怖いのだろう。
「でも、学校がなくなったらこんな毎日もなくなるんだよね…」
「そうね…」
そういって子犬を下すと、バックヤードのほうへとてとてと歩いて行った。
「スクールアイドル、頑張らなきゃ」
「今更?」
ようらく梨子がトイレから出てきた。
「今気が付いた、なくなっちゃダメなんだって、わたしこの学校が好きなんだ」
「そうですね、僕もこの場所をなくしたくないです…絶対に」
「そうだよね、頑張らないとっ!」
遥の決意の言葉にはウルトラマンとしてみんなを守るということも含まれているのだが、千歌も梨子もそのことなんて知る由もないのだが…。
『遥、大変なことになった』
「大変なことって?」
その日の夜、ダニエルから急にビデオ通話がかかってきた、なんでも早めに伝えたほうがいいと思ってのことらしい。
『宇宙開発局からの情報なんだが、星が消えたらしい。それもその消えた星の位置がどんどん地球に近づいてきている』
「もしかして…根源的破滅招来体なのかい?」
『恐らく…、まだ正体がつかめていないが君たちの住んでいるあたりに出現することが、現在観測されている中では一番頻度が高い、だから用心はしていてくれ、僕たちもできる限りのアシストはする。』
「ありがとうダニエル、助かるよ。気持ちの準備だけでもできてた方がそのとき冷静でいられるし」
『そう言ってくれると助かる、またなにかあったら連絡するよ。突然すまなかった、お休み』
「ありがとうダニエル、おやすみなさい」
『以上、がんばルビィ!こと黒澤ルビィがお伝えしました』
先日作成したPVを理事長室で、理事長である鞠莉に見せていた。
「ど、どうでしょうか…?」
「…はっ!」
「もう、本気なのに!ちゃんと見てください!!」
寝るほど退屈だったのだろうか?必死で作った当人としてはさすがに腹立たしいところではあったので千歌は思わず声を荒げた。
「それでこのテェイタラクですか?」
「ていたらく?」
装はん諾する千歌の横で曜と梨子が、「それはひどいんじゃないですか?」「そうです、これを作るのがどれだけ大変だったか」そう口々に言う。
「努力の量と結果は比例しません!」
そう鞠莉に一蹴されてしまった。
「大切なのはこのタウンやスクールの魅力をちゃんとわかっているかデース」
「それってつまり…」
「私たちはわかってないってことですか?」
ルビィが言いかけた言葉を花丸が引き継ぐと、それに重ねるように喜子が。
「じゃあ理事長は理解しているっていうの?」
そういって食いつくのだった。
「少なくとも、あなたたちよりは…知りたいですか?
「いや、聞かないでおきます」
そう千歌が答えた時。
とつぜん警報が鳴り響いた。
「な、何!?」
「とにかく外へ!避難しましょ」
遥はそう言って全員に避難を促したのち外へ出る。
すると空にワームホールが開き、そこから何やら怪しい色のバリアに包まれた二枚貝のような物体が降りてきたのだった。それはなんとバリアを広げ、周りの建造物を取り込み始めたのだった。
「あいつは…何が目的なんだ…」
「やつの身体は反物質で構成されているのさ」
先に外へ出た遥がそうつぶやくと、突然そんな声が聞こえた。
「湊博樹さん…」
「この宇宙で反物質がわずかにしか存在しないのは、ビックバンの時に反物質が物質より1少なかったからだ、だからやつはこの地球を反物質化した後バリアを解くことで再びビックバンをおこすつもりだ、そうすれば再びサイコロはふられ、うまくいけば反物質の世界ができる」
「そんなこと!!」
地球はおろか宇宙そのものを吹き飛ばすなんてそんなことは絶対に止めなければ!そう思ってエスプレンダーを取り出した遥の腕を博樹は掴んで止める。
「ウルトラマンの質量を考えろ!!そんなことをすれば、巨大な爆発が起こる」
そう。物質と反物質が触れ合うと対消滅を起こし、膨大な熱エネルギーとなってしまうのだ、米粒大の反物質を地面に置くとスイカ大のクレーターができるらしい。
「じゃあ…どうすれば…」
「アグルの力でガイアのバリオン数を反転させれば、反物質ウルトラマンになれる」
「ならそれで…」
「だがいいのか?もし俺が気まぐれをおこしてお前を元に戻さなかったらお前は一生反物質の世界をさまようことになるぞ?」
博樹の提案した案以外に活路を見いだせなかった遥だが、そんな遥を挑発するように博樹はそう言った。
「それでもいい、それでもこのままでいるよりましだ!」
「いいだろう、反物質化したらすぐにあのバリアの中へワープしろ!いいな?」
遥の決意は固かった、この場所を守るためなら、出来ることは何だってやる、その一心での決断だった。すると博樹もそれに応じその後の指示を飛ばすと、それぞれウルトラマンになるためのアイテムを構えると、それぞれ赤と青の光が迸ると、バリアの上空に二人のウルトラマンが現れた。
「ガイア、行くぞ!!ハァアアア…」
アグルが全身のエネルギーを集中し、ガイアへ放射する。それを受けたガイアはバリアの中へとテレポートする、そこで大爆発が起こらないということは成功したのだ。
ここに反物質ウルトラマンが誕生した!!
ガイアは怪獣に駆け寄ると格闘戦を挑むが、相手は左右に身体を開いて、ヒトデを横に並べたようなシルエットとなり、ガイアと比べて横のサイズが大きく、攻めあぐねていた。
足を掴んで持ち上げて投げ飛ばすが、回転してうまく着地されてしまう。ならばと駆け寄って頭部を狙うが、今度は身体を閉じられ挟まれてしまう。
されにその状態で電撃を流され、ガイアのライフゲージはエネルギーの危険を知らせる赤の点滅をはじめてしまう。
ガイアは渾身の力で怪獣の腹を蹴り、そのままバク転し左腕を右腕に抱えるようにL字を組み光線を発射し、怪獣の頭部の触角のような機関を粉砕すると、バリアが縮み始め、範囲の外に出たものはすべて物質に戻っていった。
だがしかし、先ほど破壊した怪獣の破片がそのままバリアの外に出てしまう。するとバリアの外で見守っていたアグルが光線で物質化した後、光弾で破壊したのだった。
狭まるバリアの中、ガイアは怪獣の身体を捕まえるとそのまま飛び立ち、ワームホールの中に怪獣を送り込む。
その様子を見ていたアグルは、ワームホールを閉じるべく光線を放とうと構える。
(今閉じればガイアは戻ってこれない、そうすれば邪魔者は消える…)
そう思ってはいてもそれを実行することはできなかった。するとガイアが出てきたのでそこでようやくワームホールを閉じると、ガイアが目の前までやってきて。
「さぁ、早く戻して下さい」
そう言ってくるが、そこで再び戻さなければ…と思い躊躇うアグル…
だが先ほどとは違う光線を浴びせることで、再びガイアの身体は物質に戻る。
「ありがとう」
そう言ってガイアは先に地上へ戻って変身を解く。
「やっぱり、僕はあなたと手を取り合って、この星のみんなを守っていきたい」
そう言って遥は博樹に手を伸ばすが、博樹がその手を取ることはなく、何も言わずに立ち去ってしまった。
「やっぱり今思った、あなたも僕も、求めているものは同じなんだって…」
そうつぶやく声は、誰にも届くことは無かった。
今回登場した怪獣はアンチマターです。
反物質の細かい設定まで書くと膨大な量になってしまうので簡略化して書きましたが、ところどころ間違った情報が紛れてるかもしれないんでその時はごめんなさい。