とても面白かったです(語彙力)。
第一高校入学式が行われてから数日、深夜の閑静な街を駆ける姿があった。
それの髪は剃り上げられ、細身の身体には墨染めの衣を着ていた。
(イリヤスフィール・フォン・アインツベルン、ねぇ)
顔に薄い笑みを貼り付けているその人物の名は、九重八雲。
九重寺に所属する僧侶――という肩書きがあるが、彼は「忍び」。伝統ある忍術使いである。
由緒正しい存在であるはずなのだが、俗っぽさがにじみ出ており、どことなく嘘くさい雰囲気がある。
そんな彼は司波達也からの依頼を受け、深夜の街に出ていた。
八雲と達也の関係は師弟のようなものである。
いつものように八雲との朝練を終えた達也は八雲に依頼をしてきた。
それはイリヤスフィール・フォン・アインツベルンの素性について。
八雲はイリヤスフィールについて調べたが、
魔法師としての力は遺伝的によるものが大きい。それが世の共通見解でありほぼ事実であろう。高名な家系(日本でいえば十師族)の生まれならまだしも、アインツベルンという無名な海外の家系、両親も大した魔法師でもなかったのだ。
だからイリヤスフィールは異常と言えるだろう。
情報を漁ってもこれ以上の収穫は無いと判断した八雲は、彼女の家を直接調べることにした。
あわよくば家の中に侵入して調べたいと思っていた。
そして今彼女の家の周りを観察しているのだが、
(特にこれといったこともない...か。やっぱり何かしらあるとすれば家の中かなぁ)
家主がいないときにまた来ようかと考えていたとき、
一瞬で空気が変わる。
(何だ!?)
首に刃物を突きつけられているような感覚。
動いたら、殺られる。
八雲の勘がそう告げていた。
「今回は見逃してあげる」
しかし突然女の声がそう告げると空気が元に戻った。
(......見逃された、か)
たかが高校生、そう侮っていた己を恥じた。
八雲は大人しく調査を諦め引き返した。
「ふーん...」
遠ざかっていく八雲の背中を赤い双眸が見つめていた。
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「イリヤはどうして生徒会に入らなかったの?」
新入生勧誘習慣も終わり、校内の慌しさが落ちいてきた頃、一緒に昼食を取っていたほのかがこう質問してきた。
「ん?だって生徒会って面倒くさそうじゃない?」
やりたいことではない。イリヤにとって断る理由はそれで充分だった。
ただ、イリヤの思想は他の生徒たちの思想からかなりズレていた。
生徒会に入れるというのはとても名誉あることなので、入れるならば誰もが嬉々として入ろうとするものなのだ。
だからこのイリヤの回答は他の人からすると考えられないものであるため、
「えっ?それだけ?」
今のほのかのように驚きで固まるか、
「イリヤらしいね」
雫のように答えるか。
イリヤの性格を知る者からすれば、この回答はイリヤらしいという返事が得られるだろう。
とはいえ、あまり顔に出さない雫といえども苦笑いのような表情をしていたが。
「それに、生徒会に入ったらやりたいことも出来なくなっちゃうし」
例えば部活動。実は雫やほのかと同じSSボード・バイアスロン部に入部していた。
部活動の勧誘期間中にイリヤ、雫、ほのかの三人で部活動を見て回っており、雫とほのかが入るというので、面白そうだからとイリヤも入ることにしたのだ。
他は読書とか。最近は料理にも手を出している。
そういった事情もあり、生徒会に入ることはしっかりお断りした。イリヤは深雪の方が上手くやれるだろうと思っていたし、実際上手くやっているようなので特に問題は無かった。
「そういえば二人は今日の討論会行くの?」
ほのかがそう聞いてきた。
今日の午後は授業を無くして、二科生の待遇に関する討論会があるのだ。
ついこの間放送室の乗っ取り騒動があり、イリヤもその時の放送を聞いていたが、学内の、要するに一科生と二科生の差別の撤廃を求めるものだった。
「私は本でも読んでるわ」
しかしイリヤにはどうでもよいことだったので、討論会に行くつもりはなかった。
「私も家に帰ろうかな。聞く意味無さそうだし」
雫も聞く気はさらさらないようだった。
ほのかも「やっぱりそうだよねー」とそれに賛同していた。
その後三人で駄弁っていたが、すぐにお開きになった。
へんなところで終わりになってすいません...
思ったよりも前半が長くなった...
この後はある程度妄想していたので早めに次話が出せる!...と思います。
手をつけてるわけではないです()。
部活動云々の設定は今後出るか未定です。
イリヤが学校生活楽しもうとするなら部活に入るか...?うん、入るな!多分!
となって盛り込んだ次第です。
次回は一高襲撃です。イリヤさん、スタンバイ。