魔法科高校の魔女   作:お魚さんZ

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UA13000ありがとうございます!
今回戦闘描写なんて初めて書いたので、ああじゃないこうじゃないとしていたら一週間経ってました。(言い訳
追記:テロリストの人数を間違えていましたので直しました。申し訳ありませんでした...


入学編4

昼食後、雫とほのかと分かれたイリヤは校内の図書館に来ていた。

今日は討論会があるためか、図書館には誰もいなかった。...まぁ、普段もあまり人はいないが。

誰もいないので中心の方に座って本を読んでいた。

ちなみに今読んでいるのは恋愛小説である。

イリヤの好きな本のジャンルは恋愛モノだ。イリヤもお年頃なので恋愛に興味はある。しかしそれは創作物の中でのみであり、現実で恋愛してみたいとは微塵も思っていなかった。

魔法の論文なんかも読まなきゃなぁとイリヤも思っているのだが、論文と小説、どちらが読んでいて楽しいかなんて言うまでもない。学者やそちらに進む生徒なんかは別かもしれないが。

そんなこともあって今日もイリヤは小説を読む。

 

(誰もいないとシン...としていいわね)

 

いつも少しは人がいるので、誰もいないというのは初めてだった。

音がまったく無いので、物語に今まで以上に集中することができた。

 

物語もクライマックスに突入していた。

イリヤはドキドキしながら文章に目を走らせる。次々と読み進めて行き、まさに物語の根幹に関わる、そんな部分に差し掛かった瞬間。

 

轟音。

 

地鳴りのような爆発音が聞こえてきた。

本を読むことに熱中していたイリヤは急に聞こえてきた爆発音に、「ひゃっ!?」と可愛らしい悲鳴をあげた。

突然の轟音に固まっていると、階段の方からバタバタと走る足音が聞こえた。

足音の主達を()()と、どうやら特別閲覧室に向かったようだ。

 

一人は一高の生徒のようだが、残りは黒い服を着ている男達。状況から見ておそらくテロリストだろう。廊下や階段の近くには何人かが隠れていた。

 

(生徒がテロリストに加担していたなんて世間に広まったら大変なことになりそうね)

 

他人事のようにそんなことを考えながら、イリヤは席を立つ。

自分で対処するのはめんどくさいが、試したいことがあったので自分でやることにした。

 

イリヤが廊下に出ると、隠れていた生徒がこちらに気づき襲い掛かってくる。

敵がいることは分かっていたので、イリヤは魔法を使い、襲い掛かってくる生徒の進路上の床の摩擦係数を0に近づける。そこに走りこんでくるのだから、当然その生徒は滑って体勢を崩す。瞬時にその生徒に接近し、無防備になった体に蹴りをお見舞いする。バキっと骨が折れる感触が蹴った足から伝わってきた。

小さな身体から放たれたとは思えない強烈な蹴りを受けた生徒は、壁に激突して動かなくなった。

 

音を聞きつけて駆けつけた仲間の男二人は一瞬驚きはしたが、すぐに襲い掛かってきた。

一人が警棒をイリヤに振り下ろすが、イリヤはそれを掴んで引っ張る。前のめって出た頭を肘で殴る。

その瞬間にもう一人がイリヤに警棒で殴りかかる。しかし男の攻撃が届く前に体を横にずらして回避する。避けた瞬間、ヒュンと軽い音が聞こえ、警棒を持っていたその男の右肘から先が飛んだ。いつのまにかイリヤの右手にはナイフ形のCADが握られていた。切られた男は悲鳴をあげる前にイリヤに顔面を殴られて気絶した。イリヤが使った高周波ブレードは本来、耳を塞ぎたくなるような振動音がするのだが、魔術でその音を消していた。

 

(ちょっとやりすぎた気もするけど...ま、いっか。)

 

イリヤはナイフ型CADを仕舞いながら特別閲覧室の方を見た。

特別閲覧室は一般公開禁止の文書にアクセスできる部屋である。そこに行くということはこの国の魔法研究の情報目当てだということだ。

これは流石に見逃せないとわかったイリヤは、めんどくさいと思いつつも特別閲覧室に向かうのだった。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

特別閲覧室にいる一高の生徒、壬生紗耶香は戸惑っていた。なぜ自分はこんなことをしているのかと。

二科生の差別を撤廃したかっただけなのに。なのに何故犯罪の片棒を持つようなことをしているのか。

 

目の前の男達の作業を呆然と眺めていたが、見ていられなくなって扉の方を向いた。

扉を見た途端、扉が開いた。

 

「はっ?」

 

紗耶香が声を上げたのは仕方がなかった。

この部屋の扉は無理矢理壊すことは対戦車ロケットでも不可能。かといって電子錠をこじ開けようとしてもかなり時間がかかる。

この部屋に入ってすぐに内側から鍵を閉めたはずだ。

閉めたはずなのに。扉は普通に開いた。

 

紗耶香のあげた声は意外と大きかったらしく、男達は作業をやめ、自動小銃を構えていた。

 

扉から人が入って――人が見えた瞬間に銃が火を噴く。

けたたましい音が鳴り響く。

紗耶香は銃声に思わず目を瞑り、耳を塞いでしまった。

 

少しして銃声が止み、はっとして扉の方を見て絶句した。

微笑を浮かべ、たたずむ銀髪の女生徒。足下には放たれた銃弾が潰れて大量に転がっていた。銃による集中砲火を受けたにも関わらず無傷、どころか服にも傷一つ無い。

意味が分からない。悪い夢でも見ているのではないか。それは男達も同じようで呆然としていた。

そんな中でその女生徒が声を発した。

 

「ごきげんよう、テロリストの皆様。私、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンと申します。

今日はあなた方を消しに来ました」

 

紗耶香はその名前を知らなかった。いくらイリヤが目立つ容姿をしていても一科生と二科生で知り合う機会など無いし、二科生同士での話で一科生の個人があがることもほとんどない、更に入試順位など知らない紗耶香はイリヤのことを知らなくて当然であった。

 

「ガキが!調子に乗るんじゃねぇ!」

 

一人の男がコンバットナイフを抜いてイリヤに切りかかる。

直後、イリヤがいつのまにか起動式を展開していた――と紗耶香が認識したときには、男の眉間から後頭部にかけて細い穴が開いていた。

 

殺した、の?なんの躊躇いも無く?

人を殺してもなお微笑を携える目の前の少女に恐怖を覚える。

 

「壬生、指輪を使え!」

 

恐怖で動けなくなっていた紗耶香に声がかけられる。同時に煙が充満し、紗耶香もすぐに指にはめた指輪を使う。

その指輪は魔法の発動を阻害させるキャスト・ジャミングを発生させるものだった。

紗耶香は指輪を使うと一心不乱に外に逃げ出した。

あんな化け物と戦っていられるかと。

 

煙が晴れると、床には2つの死体、否、肉塊が転がっていた。

どれも体が破裂している、というのも使った魔法は一条という家系の「爆裂」という魔法である。

今回はちょうど良かったのでどんな感じになるのか試してみたのだ。

一条の秘術ではあるが、魔法式は根源で知ることができた。

ではCADの調整はどうしたと聞かれるだろう。自分で調整出来るようにするにはまだ勉強が足りないし、他人に頼んだりしたらどこで知ったなどと、情報の出所を聞かれるだろう。

しかし、この質問はまったく無意味である。

なぜなら()()()()C()A()D()()使()()()()()()

CADは魔法式を登録することで、魔法発動までを簡略化するものだが、イリヤは魔法式を記憶できるのだ。

自分でも何でありだなと思うが、出来てしまうので仕方が無い。

だから、イリヤはCAD無しでも普通に魔法が使えるのだった。

 

イリヤは帰ろうとして、「あっ、そうだ」と

 

「死体綺麗にしておかないと」

 

この惨状を見られればあきらかに爆裂を使ったとばれるので、死霊魔術を使って死体を綺麗な状態に戻し、最初と同じように眉間から穴を開けた。

 

廊下に出ると、向こう側から見知った二人が来ていた。

 

「あら、早かったわね。タツヤ、ミユキ。」




今回今までに比べて結構長くなってしまいました。
中途半端ですが、ここで切らないともっと長くなりそうだったのでここで区切りました。

イリヤが使った男の眉間に穴を開けた魔法ですが、あれは空気弾(エア・ブリット)です。
いい感じに説明を入れられるところが無かったのでここに書きます。
空気弾って本来大きめの圧縮された空気の弾が飛んでいくと思うんですが(多分)、イリヤがやったことは、その圧縮された塊をさらに圧縮して、大型拳銃の弾ぐらいの大きさにして撃ち出すということです。威力もさながら、速度も貫通力も上がっているので、眉間に撃って後頭部から出てきました。

外出自粛中ですが、やる事が少しあるのでまた時間かかるかもしれません。
気長に待っていただけると嬉しいです。
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