魔法科高校の魔女   作:お魚さんZ

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中途半端ですが、文章量がいい感じだったので切って投稿します。


九校戦編1

反魔法師団体ブランシュによる一高襲撃事件は、テロリスト達が一人残らず惨殺されるという不気味さを残した結果になったものの、時間が経ち、既に過去のものとして忘れられていた。

 

それもそのはず。校内の話題はとある行事が近づくにつれ、段々とその行事一色になってきていたからだ。

その行事とは----

 

****

 

『1-A イリヤスフィール・フォン・アインツベルン』

 

生徒会長である七草真由美によって名を呼ばれる。

(総代を断った時の顔は面白かったな)

と、この場に相応しくない事を考えるイリヤ。

 

毎年、全国から選りすぐりの魔法科高校生たちが集まり、若きプライドを賭けて熱い戦いを繰り広げる、全国魔法科高校親善魔法競技大会一一通称、「九校戦」。

それに出場するメンバーの発表一一第一高校の九校戦発足式が行われていた。

 

イリヤは出場メンバーとして選ばれ、この場に立っている。

めんどくさいことこの上ないが、この先こういう場面が何度かあるかもしれないため、慣れるために式典には出ることにしたのだ。

 

そしてイリヤの前に徽章を持った深雪が来た。

彼女とは先の件によって関係がよそよそしくなってしまっていた。

正直これで仲がギクシャクするとは思っていなかったイリヤだが、よくよく考えたらこうなるのも当たり前であった。深雪は兄に恋?敬愛?しているのだ。

 

私だってシロウが傷つけられそうになったら一一一

 

はっとそこで思考を打ち切る。

…もう前の事は考えないって決めたのに…

 

 

深雪は急にビクッとしたイリヤを怪訝に思いながらも徽章を付けて隣に行った。

 

****

 

居心地の悪い発足式も終わり、エンジニアとして少しずつ九校戦の準備を始めていたとある日の放課後。

達也はなかなか待ち合わせ場所に来ない美月を探しに来ていた。

美月の事を探しながらも、彼は1人の人物のことが頭から中々離れることが出来ていなかった。

 

(イリヤ…イリヤスフィール、不可解なことが多すぎる)

 

達也は入学してすぐの時、イリヤのことは多少警戒しておけばいい。という考えだった。

外国人であるのは珍しかったものの、筆記実技満点というのも、別にそういう者もいないことはないだろうという考えからだった。

しかし、彼がイリヤに対する考えが変わったのが少しした後。

達也の体術の師匠、九重八雲にイリヤの経歴及び身辺の調査を依頼していたのだが、朝の鍛錬の終わりに、

 

「…いやぁ、ごめんねぇ?」

 

と話を切り出したと思えば、調査に失敗したとの報告。さらに向こうに気づかれ、みすみす見逃されたという。

これには達也も唖然とするしかなかった。

実際、一瞬八雲が何を言っているのか分からず固まってしまった程だ。

普段ふざけているかのような八雲だが、これでも彼は知る人ぞ知る高名な忍術使いである。彼の隠形は本気でやれば達也にも見破れないだろう。

本気では無かったかもしれないとはいえ、それを看破したとなれば相当な実力があるのだろう。

 

イリヤの身辺についてはほとんど何も分からなかったが、PD等は簡単に見つけられたそうだ。しかし、あまりにも普通の経歴であり、それが逆に不審であった。八雲はそれ以上漁っても何も出てこなかったために、自分で調べに行ったそうだ。

 

そして、不可解な事のもう一つ。

達也のエレメンタルサイトを知っていた。

この事を知っているのは達也の実家と軍の一部、それと深雪だけである。

 

(何故知っていたのか--「あら、タツヤじゃない」

 

その思考は掛けられた声によって打ち切られた。

いつの間にか下を向いていた視線を上げると、流れるような銀髪に、深雪に負けないレベルの白い肌。ここまで思考に耽ける原因となったイリヤがそこにいた。

 

「……なんだ、イリヤか」

 

「むぅ、何よその冷たい反応。ワタシみたいな可愛い女の子が話しかけてるんだから、もう少しイイ反応してもいいのよ?」

 

「自分で可愛いと言うのはどうかと思うぞ」

 

ニッコリと笑うイリヤに、困ったように告げる達也。

 

「それで?その可愛いイリヤは何の用だ?」

 

「いえ?別に用とかは無いわ。見かけたから話掛けただけよ。アナタは…巡回中かしら?」

 

「いいや、美月がなかなか待ち合わせ場所に来なくてな」

 

「あら、逢引?大胆ねぇ」

 

「そんな訳ないだろう」

 

どうやらイリヤの頭の中はピンク色のようだ一一一

 

そう考えるとさっきまで考えていた事が馬鹿らしく感じてしまった。

イリヤといると調子が狂うなと思いつつ、それじゃあ、と行こうとしたが、

「それ、ワタシも付いて行っていい?」

 

イリヤに先に言われてしまった。

 

「…今日はやることがあったんじゃないのか?」

 

エリカがイリヤもどう?と誘ったところ、「うーん、今日はやることがあるから」と断っていたのだ。

 

「別に今日じゃなくてもいいし、やっぱり皆と遊びたいなーって」

 

なんというか、自由なやつだな。

 

そんなことを考えていると、無言をついて行く事に了承したと思われたのか、達也の横に来て歩き出すイリヤ。

達也が何か言う前に付いてきてしまったため、達也は何も言うことが出来なかった。

 

(本当によく分からないやつだな)

 

はぁ…と溜め息をついて達也も歩き出した。




お久しぶりです。
感想は返せていないですが、全て読ませていただいてます。
応援のコメント、本当にありがとうございます。
UAも40000近く、ランキングにも載っていたようで、大変驚いております。こんな拙作を読んでいただきありがとうございます。
もしかしたら別作品を書いてみる…かもしれません。
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