ただ存在を忘れてたわけじゃないんです信じてくださいなんでもしますから!許して!お兄さん許して!
数え間違いは素でショックなので初投稿です。
ビーチバレーしようぜ、お前ボールな! な、RTA再開します。
いや野球しろよ(素)
折角男のライバルと遭遇という、美味しいイベが起こったのにビーチバレーに走るとか……おつむゆるゆるなんですかぁ? と、我が事ながら思ってしまいそうですが、まずは言い訳を聞いてください。聞け(豹変)
最初に状況を整理してお伝えします。パワプロくんに割り振られた部屋は一人部屋。流石にね、面子の中で唯一の男だからね、隔離されるのも仕方ないです。それに折角の一人部屋、落ち着いて色々できるんで悪くないですよ。
で、美香ちゃん主導の下やって参りましたのは沖縄でございます。とは言っても21世紀の現実沖縄とは、多分景観やらなんやらは違っていると思われますね。『多分こんな感じなんじゃないかな?(曖昧)』という、開発陣の想像上にしかない沖縄がここなんですよ。
なのでめちゃんこ海が綺麗で常夏!って感じです(テキトー)
21世紀の日本に関しては、そこそこ詳しい自信があるわたしから言わせてもらうと、かなーり美化してるなってイメージがあります。
沖縄はとってもいいところなんですが……流石にここまで快適に整備されるのはもっと後の時代になるはず。たしか22世紀頃には世界でも指折りのリゾート地として開拓されてましたか? そこらへんの詳細は自分で調べて、どうぞ。
で、この沖縄は猪狩グループと木村財閥が提携してリゾート開発したという触れ込みのある、ぱわぷろ世界観。南国のリッチなホテルなどをモチーフに宿泊施設があって、色々と至れり尽くせりな環境に仕上がっております。そしてなぜか東京ドームに匹敵する野球場があるというイミフ具合ですよ。
リアルではどうか知りませんが、お金持ちさんの常識は我々の常識からするとぶっ飛んでいます。夏+海×お金持ち同伴=沖縄という、庶民派なわたしの安直な連想・想像に沿った形で、美香ちゃんは我々ガチ野球勢を連れて来てくれたのが前回までの流れでしたね。
こうして関東の地元から離れて、遠く沖縄へと来れたのは僥倖という他ありません。二つの闇の組織の抗争に、ここなら巻き込まれる心配がありませんからね。後はこの夏休み期間中に、水面下での暗闘が決着し平和になってくれてたら最高です。そうなったら後はもう、闇勢力から故意に狙われても安定して干渉をカットできるようになりますから。
中学生時代のこの時期が、最もパワポケ世界に引き摺り込まれる危険性がある。ここ、テストに出るので覚えていてください。
――状況説明はここまででいいでしょう。
言い訳を、しましょうかぁ(ねっとり)
ここのリゾート開拓には、木村財閥の他に猪狩グループも関わっているとは先に申し上げた通り。なので普通にいのかり君、もとい猪狩守くんとエンカウントする可能性がないとは言えません。なくもない、といった程度ですが。
とはいえ友沢くんが守くんといたのは誤算でしたが……それはさておくとして。友沢くんがいたお蔭で守くんの方針が見えたのは収穫と言える感じです。あれは多分、わたしと同じで最強のチームを作ろうとしているのでしょう。
同世代最強の天才を自負している守くんは、パワプロくんに負けてるせいで打倒パワプロくんを掲げているのは想像に容易いので、同じ目標を掲げている友沢くんを勧誘する事で仲間にしているのでしょう。
プロになると友沢くんは最優秀選手に選ばれるのもザラな天才くんです。本人は天才呼ばわりされるのを嫌いますが、センス☓なわたしからすると大抵のメインキャラは天才なので甘んじて受け入れろ(嫉妬) 今はそんな友沢くんや守くん達にマウンティングできる貴重な時期なので、彼らと勝負して経験点を稼ぐのは有りだと言えます。
ですが一打席勝負で得られる経験点はしょっぱいんですよね。ぶっちゃけやる意味ある? ってなもんですし、無駄にライバルを成長させかねないんで、後の事を考えると非常にまず味なんですよ。
おまけにあの流れだとわたしは関われず、みずきちゃんと守くんの勝負で完結します。天才である守くんだけに成長ブーストが掛かりかねないという、みずきちゃんグヌヌ案件でした。だから阻止するのがベストなんですね。
なので経験点を同じぐらい稼げて、かつ友好度も高められるイベに切り替えた方がうま味です。一打席勝負をせず、かつ全員を巻き込めるビーチバレーに勝負をすげ替えたのは、我ながらナイスな判断だったと思います(自賛)
結論を申し上げると、皆で遊んだ方が楽しいやん? ってわけですね。
しかし錚々たる顔ぶれですよ。
イッケメーンなパワプロくん、猪狩守くん、友沢亮くん、猪狩進くん。美少女な氷上聡里ちゃん、霧崎礼里ちゃん、六道聖ちゃん、早川あおいちゃん、橘みずきちゃん、小山雅ちゃん、太刀川広巳ちゃん、木村美香ちゃん――
――顔面偏差値高すぎか? 顔面偏差値の平均点がエグいですよ。下手なアイドルグループなんか裸足で逃げ出しちゃいそうですね。かなりの美少年&美少女の集いにノンケなお兄さんお姉さん大歓喜です。
なんかの撮影か? とか新しいアイドルグループか? なんて勘違いされて声を掛けられてしまいそうですよ。ですがわたしは知ってますよ、アイドルは枕営業させられるんでしょ?(偏見) そんな業界にパワプロくんは入りませんからね! 他の娘達も絶対に入らせませんからね! 薄い本が厚くなるような展開は、健全なイチャラブ大好き侍の拙者が切り捨て御免ですよ!?
「パワプロくん、いる?」
「――専一様、ちょっとお時間を頂いてもよろしいですか?」
コンコン、とノックされた瞬間に木製バットを装備しました(マッハ)
(自衛のためとかでは)ないです。単に部屋でボーッとしてたとか思われたくないんですよね。女の子の前だとええかっこしぃをしたいという、見栄ですよ見栄。今から練習に出ようとしてたんだぜってアピールしたい男心です。
この声は雅ちゃんと美香ちゃんでしょう。開いてるぜ、と自然体で応じるとガチャリと扉を開けて入って来ました。
おまたせ! アイスティーしかなかったんだけど、いいかな? なんて事は言っても伝わらない、色んな意味でピュアな二人が眩しいです。
短パンを穿いておみ足を露出してる、グラブのロゴが入った半袖の白いシャツを着てる雅ちゃん。アップにした金髪から覗くうなじがとてもキュート。胸もふっくらと膨らんでて、スポブラが透けて見えそうです。
これが男のフリして高校野球に殴り込んでたとかいう過去作、うそやろ? こんなに可愛くて男とか絶対無理ゾ。男の娘とか好きじゃないんで、ワイ。
21世紀当時、一世を風靡したという男の娘ジャンル。わたしは別に好きくないんですよねぇ。やっぱ男なら男らしく筋肉がないと(隙自語)
対して美香ちゃんは白いワンピース姿で清純さをアッピルしてます。白い肌とブロンドのショートボブと相乗効果を生み出し、これは最早可愛さの暴力ですな。天は可愛い娘の味方だってはっきり分かんだね。贔屓しスギぃ!
本人は普通にオシャレにも気を遣ってるだけなんですが、名前呼びに様付けですよ。おまけに男の部屋に無防備に入ってくるとか、誘ってるのかな? わたしが紳士であることに感謝してほしいですね。
二人はバットを持ってるパワプロくんを見て、目をぱちくりさせました。
「あ、素振りでもしに行くの? それなら僕も付いてっていい?」
「専一様の邪魔をする気はなかったのですが……」
「いや、いいよ。それよりなんの用だ?」
二人は友情を結んだ後なので、すっかり親友同士です。こうしたグループの中で行動する時に別れると、大概二人が揃ってます。ナチュラルに男心を擽る最高――もといある意味最悪のコンビなので、性欲を発散してないと理性がヤバイです。そこはマジで気をつけましょう。雅ちゃんは強引に迫ると普通に流され恋人になれて、えっちぃ事も普通に受け入れてしまいそうな雰囲気がありますが、美香ちゃんはえっちぃのはNGなんです。段階を踏んでいきましょうね。
わたしとしては、これから聡里ちゃんを誘って、二人きりで過ごしておきたかったのですが……まあそれは後でいいでしょう。聡里ちゃんとのデートは結構やってますし、好感度は既に天井に届いてますので。
ちなみに合気道の訓練に付き合って聡里ちゃんを強化していけば、夏休み終盤に美味しいイベを起こして、新キャラとエンカウントできるようになりますよ。そこもやってくつもりなんで、お楽しみに!
「別に用ってわけじゃないんだけど、ちょっと……ね」
「?」
「うふふ。ワタシは気にしてないのですけど、雅はどうしても専一様に言っておきたい事があるみたいで。聞いてあげてください」
「なんだなんだ? 別にそんな改まって、何か言われるような事した覚えはないんだけどな、俺」
「ううん、そんな事ないよ。えっとね……」
「ほら。あんまり専一様を困らせないで。対等なお友達なのでしょう? 気兼ねなく、スパッと言ってみなさい。答えは見えてるんですから」
「そ、そうだね……」
仲良しムーブてぇてぇ……。とか口に出したらどんな顔するのやら。
興味は有りますが、パワプロくんのキャラ崩壊になるんで黙って待つイイ男ムーブをしておきましょう。
すると美香ちゃんの後押しで決心が固まったのか、決然とした様子でパワプロくんの目を見詰めてきました。
「……僕さ、実はそろそろ、皆から距離を置いて勉強に専念しようと思ってたんだ」
「……おう」
「奨学金制度を利用して、特待生として高校と大学を出て、お母さんに楽をさせてあげたかったから。だから僕を誘ってくれて、野球をさせてくれてた皆にずっと感謝してたんだけど、おんなじぐらい自分の都合を優先しようとしてた事が申し訳なかった。だけど……美香がね、色々してくれたお蔭で、家の家計が楽になって……普通に高校に入れるようになったんだよ」
「ああ」
「お母さんは野球も続けて、いいって……! だから。だからさ。パワプロくん、僕はとっても、凄く感謝してるんだ。美香にもだけど、その美香に僕の事を話してくれたパワプロくんにも」
「あー……それか。それに関しちゃ俺は謝らなきゃって思ってたんだけどな。勝手に美香ちゃんに雅ちゃんの家のこと話したし、それは失礼だろ? 軽い悩み相談って気分だったんだが、美香ちゃんは厚意でやってくれた。結果として雅ちゃんの問題は解決されたけど、俺は出過ぎた真似をしていた事になる」
「うん。それはそうだね。その事についてはちょっと怒ってるかな。あんまり知られたい事じゃないし、同情して欲しかったわけでもないからね」
ですよねー。
「すまん」
「いいよ、別に。怒ってたけど、助けられたんだから。だからありがとうって伝えたかったんだけど……なんか恥ずかしくって。美香に付いてきて貰って、やっと言えたよ」
「なら俺からも感謝だな。ありがとう、雅ちゃん」
「え? な、何が?」
「感謝してくれて、だ。勝手に人の事情を話すなボケッ! って怒られても仕方ない事したのに、感謝してくれてスッゲエ嬉しい。それに高校でも野球部に入るんだろ? ならまだ一緒に野球できるって事じゃん。仲間が減らなくてマジで感謝だよ。美香ちゃんも、ありがとな。俺の仲間を助けてくれて」
「っ……」
「いえ。ワタシは専一様から受けた借りを返すためにしただけ。感謝される謂れはありません。ですが……一途に野球に打ち込む専一様は、尊敬に値する素晴らしい友人です。その専一様に感謝される事は、ワタシにとっても誇らしいですわ。ですので、ワタシもありがとうと言わせてください」
「なんだそりゃ。皆してありがとうって言ってばっかだな」
「ええ。ですが互いに感謝し合い、尊重し合える関係はとてもいいものだと思います」
にっこりと清楚に微笑む美香ちゃん。可愛い。そしてなぜか赤面して顔を俯けてる雅ちゃんも可愛い。
あとさりげなく雅ちゃんがパワプロくんと同じ高校に行く前提で話してみたら否定されませんでしたし、これはもう確定でええやろ。雅ちゃんも同じチームに入るって事でファイナルアンサーです。やったぜ。
「ぼ、僕もう行くね! こっ、こここ」
「こここ? 鶏の真似かな?」
「――違うよっ!? 高校でもよろしくねって! そう言いたかったの! それじゃ!」
「あ、雅? ちょっと待って――ああ、せっかちさんなんだから。それでは失礼しますね」
「おう。今更だけど美香ちゃんもありがとな。ここに連れてきてくれて」
「いえ、お気になさらず」
はんなりと微笑んで、美香ちゃんは部屋から飛び出していった雅ちゃんを追い退室して行きました。
うっ……ふぅ(賢者タイム) となる事はありません。なんというか、そういう邪念が祓われる素晴らしいイベでした。何度見ても素晴らしい。
しかし中学生ボディのせいで邪念はどうしたって湧いてしまいます。二人のいい匂いが残り香として残ってるせいでしょう。素振りに行く気はなかったのですが、もうホントに行かないと逝ってしまいそうです。
バット、握ろうやぁ(意味深) と、なる前に外出しましょう。
「あ」
「お?」
すると廊下に出てすぐエンカウントしたのは太刀川広巳ことヒロピーです。
一人ですね……。なんだか気弱なムードを漂わせてますが、これがマウンドではない所にいるスタンダードなヒロピーです。
野球にしか興味のないヒロピー。タッパはそろそろパワプロくんも並んできてますが、女の子としてはかなりの長身と恵体を誇るヒロピー。並んで立っても違和感はありません。
「パワプロくん……バット、持ってるって事は……素振りに行くの?」
「おう。ヒロピーも、みたいだな。一緒に行こうぜ」
「う、うんっ……!」
ヒロピーもバットを持ってます。ヒロピーの部屋は割と離れてるんですが、道に迷ったんですかね? 連れ立って階段に向かいます。
横に並んで歩いてても、ヒロピーは無言。こっちからも特に話はないんで、別に何も言う事はありませんね。
このヒロピー。マウンドに立つと気合充分、打たれ強くピンチに強く辛抱強いという、あおいちゃんとみずきちゃんに爪の垢を煎じて呑ませたいメンタルの持ち主です。
今はまだ全盛期の域に達してませんが、最高球速は女の子なのに141キロを記録し、コントロールやスタミナも悪くなく、変化球も三種類投げられて、ストレートはノビがよくおまけに重いという……かなり優れた投手ですよ。
体のケアはわたしが専属でついて続けてるので、肩に爆弾がついてもいません。まさしく完全体ヒロピーですね。
とはいえマウンドを降りたヒロピーは、マウンドでの姿が信じられないぐらいに控え目で、大人しく気弱な娘に様変わりするのですが、その二面性が可愛いのなんの。リードしてあげたくなるんですねぇ〜。
無言でホテルを出て、浜辺で素振りを開始します。
陽は落ちかけてて、綺麗な夕焼けですよ。心なし、ヒロピーはわたしを追っかけて来る傾向があるんで、大型犬を飼ってる気分にさせてくれます。
可愛いなぁ、もう。
「ぱ、パワプロくんっ」
「ん?」
と、二人して素振りをしていると、珍しくヒロピーから声を掛けてきましたね。なんでしょう?
「あ、あのさ……あたしは、あの……」
「なんだよ? そう焦んなくたって逃げたりしねえから、落ち着いて言ってくれ」
「うん……っ。えっと、ね……や、やっぱりなんでもないっ!」
「は? お、おーい……」
あるぇ? ヒロピーが唐突にどっか走って行きました。
なんだこれ。なんか、重大な事を口にしようとして、決意が足りなくて逃げてった感が……。イベのかおり、しません?
気持ち、顔が赤くなってた気がしますが……気のせいですかね? 夕焼けで照らされててそう見えただけなんでしょうか。追っ掛けて話を聞いてみましょう。なんだか楽しい事になりそうですしね。
「――専一。ここにいたのだな」
と、後ろから声を掛けられて脚を止めます。なんだよもう、今いいとこだったんですよー? と、愚痴りたい気分でしたがやめときます。
この声はひじりんですね。聖ちゃんです。
振り返ると、珍しく洋服を着てる聖ちゃんがいました。私服は和服ばかりな聖ちゃんですが、旅行……もとい合宿に和服で来たりはしないのです。普通に動きやすさ重視の夏服ですね。可愛い。
なんでか聖ちゃんはフンスッと鼻息荒くして得意満面です。といってもポーカーフェイスなんですが、流石に長い付き合いなので表情を読み取るのは容易いですよ。ドヤ顔可愛い……ですがなぜにドヤ顔……?
「クジが出来たぞ。籤引きをするから来るのだ」
「お、おう……」
ピンと来ました。さてはコヤツ……クジに細工してやがりますね……?
はははコヤツめパワプロくんとペアになりたいんやな。しゃあない、その細工に気づいても気づいてないフリしてあげますか。
わたし優しい。優しくない?
読了ありがとうございます。
ちなみに冴木創ちゃんに関しましては、アンケート結果で出演確定してますのでご安心を。
面白い、続きが気になると思って頂けたら、評価感想等よろしくお願いします。