男女混合超野球連盟ぱわふるプロ野球RTA   作:飴玉鉛

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一日空いたので初投稿です。


野球してぇなぁ俺もなぁ

 

 

 

 

 

 

 転校生は、一年間は公式の大会に出られない。

 

 その縛りは実に有効だったと言えるだろう、怪物を封じ込めるという意味合いに於いては。日本のリトルシニア中学公式野球大会の、夏季の大会から彼らを締め出せたのは、結果として多くの才能が磨かれる植え付け期となった。

 中学一年生の頃、最初に所属したシニアチームの監督は、彼らがまだ硬式に慣れていないと見て夏の大会でレギュラーの座を渡さなかった。

 自らの進退に関わり得る、重大で大切な人材だったのである。安全面を鑑みて、大事に育てようとした判断は間違いではない。

 だが結果としてチームから孤立した彼らは河岸を変え、一年間の空白期間を置くことを余儀なくされた。故にその一年間は、球界は彼らの存在を忘れていられた。シニアの選手たちも、彼らという悪夢を忘れていられたのだ。

 

 後に世界各国の少年野球チームは回顧する事になる。WBSC U-15ワールドカップに、彼らが二度も現れなかった事は幸運だった、と。8月の半ば頃に開催されるその大会にも、天才の三人組は出場できなかったのだから。

 力場専一。六道聖。霧崎礼里。その三人が再び表舞台に上がるのは、秋季大会からである。そしてWBSC U-15ワールドカップには、中学三年生になった時の一度しか姿を見せない事が決まっていた。

 

 一年は、長い。特に青春時代を駆け抜ける少年少女達にとっては。そして加速度的に成長していく原石達の煌めきに目を奪われ、球界も次第にリトル時代に猛威を振るった怪物の存在を忘却し始めている。

 確かにリトルには怪物がいた。だがそれは一年の空白期間で、他の才能に差を埋められてしまい、以前ほどの輝きを示す事はないのではないか。そう思うのが普通である。常識的ですらあった。嘗ては心折られた少年少女達も、昔のようにやられたりはしないと、怪物の再来に恐れを懐かなくなりつつある。

 

 しかし、彼らは知るだろう。

 一年の空白、中学での試合経験の希薄さ――そんなもので足踏みし、差を埋められるような者を怪物と称する事はなかったのだと。心折られて屈服する事などなかった、打席で項垂れる事もなかったのだ、と。

 

 そして今、彼らは思い出す。世代の名前を。自分達の世代で、トップ・プレイヤーとして名を馳せた怪物の名前を。

 

 

 

 そのボールの回転軸は進行方向に向いている。

 

 

 

 左腕から投じられ、左回転しているそのボールは、縫い目が風を受け流し空気抵抗を減じると、初速と終速にほぼ差を生じさせず、マグヌス効果による揚力も受けずに直進し、フォークボールのような軌道を辿って落ちていく。

 破壊的に速く、破滅的に重く、抜群の制球力に操られてミットに収まった。ズドンッ、と。――それは内角低めギリギリに突き刺さる4シームジャイロ。浮き上がるようなノビを持つ直球とは異なる速球。

 

「これでツーストライク。どうしたのだ? ()()()()()()()()()()()()()()()()()と宣言しているぞ」

 

 ささやかれる声が思考にノイズを走らせた。煩いっ! そう怒鳴ってしまいそうになるのを懸命に堪え、マウンドに立つ投手を睨みつける。

 おぞけを誘うほどに、圧倒的な存在感がある。170cmの半ばといった体躯が2mに迫ろうかというほど巨大に見えた。

 気圧されている――その事実に歯噛みして、強くバットを握り締めた。内角には投げさせない、そのためにストライクゾーンに身体を覆い被せるようにして構える。少しでも投げづらくさせ、外角に来たボールを狙って流し打つ。それ以外は全て意地でもカットしてやると意気込んだ。

 だが、その勇気と知恵、意地を嘲笑うように。針の穴に通すような精密な制球力が、打者の懐を抉るかの如く直球を導いた。

 今度はジャイロ回転していない。マグヌス効果を最大限に従えた、浮き上がるような直球だ。ぶつかる! その確信に、思わず仰け反って。内角高めギリギリいっぱいに、剣が鞘に収められるようにしてボールが捕られる。

 

 ――ストライクッ! バッターアウト!

 

 主審のコールを受けた瞬間、ピシッ、と心に亀裂が入った気がした。

 捕手・六道聖からの返球を、グラブで横から掻っ攫うように受ける投手。少年は、こちらを見てもいない気がした。相手にならないと言われている気がした。見下されている、気がした。

 鋭角的な容姿は傲慢な印象を持たせる。悠然と構える姿には慢心が透けて見える。強者、天才の増長。皹の入った心から目を逸らし、負けてたまるかと、なんとか奮い立つ。見せつけられた圧倒的な差から目を逸らしたのだ。

 

 ――まだ一打席目だ、次がある。それに今度は僕の番だ。今度は僕が、君を打ち取ってみせる。

 

 その、思いは。その気迫は。

 

 コォ……ーン……と静寂の中に奔る、透明な音に砕かれた。

 

『これは外野フライでしょうか? ……い、いや! 伸びている! 伸びて、伸びて――は、入った入ったァ! グランドスラムゥ! 四番・力場専一、内角低めに放り込まれたストレートを狙い打ち! 怪物は衰えていません、いやむしろ進化しているッ! 今、三人の少女を生還させた男がホームに帰ってきて祝福されています!』

 

「――ぁ」

 

 先頭打者・霧崎礼里が初球からヒットを打ち一塁へ。二番打者・小山雅が四球を選び。三番打者・六道聖が二塁の頭を越え、前進していたセンター前に打球を運んで。三人の少女たちによって作られた復活劇、満塁の打席に、その男は木製バットを担いで悠々と、散歩でもしているかのような足取りで現れた。

 芯の部分(スイートスポット)に明確な差がある金属と木製のバット。木製バットは高校生の中にも殆ど用いる者はいない。なのにそれを用いる傲慢を、ピンチの局面を苦手としていながらも圧し折ってやると気負った。

 自分がやられた事をやり返してやると言わんばかりに、内角低めに投げ込んだ直球は、しかし。腕を畳むように、腰と膝を曲げて回転させながら、ゴルフのように掬い上げるスイングへ捉えられたのだ。

 

「ぁぁぁ……」

 

 見るも鮮やかな、芸術的な打撃だった。まるでお手本のような、理想的なスイングだった。

 己が不在だったシニア野球界へ、見せつけるかの如き洗礼の一撃。レフトスタンドに吸い込まれていった打球を見た瞬間――金子カイトは膝を折る。

 かつてリトルで味わい、乗り越えたと思っていた壁が、依然として高く聳え立っていた事を思い知って。心底痛感させられたのだ、乗り越えられない絶対的な力の差を。才能の差を。こんなバケモノに、敵うワケがないのだ、と。

 それでもとなんとか奮起して、立ち上がっても。第二打席でセンターのフェンス直撃弾を浴び、第三打席でライト方向へ綺麗に流し打たれた。その時、カイトは己の矮小さを知った。思い知らされた。

 

「――野球、辞めよう……」

 

 上位打線に徹底的に打ち込まれ、抑えられたのは下位打線だけ。その暗澹たる成績に、カイトは乾き切った笑顔で、夢を諦めた――

 

 

 

 

 ――的な感じで中学デビューしたいんだけど、どうよ?

 

 

 

 

「前置きが長いっ! しかもサラッと金子とかいうヤツの野球人生終わらせてんじゃないわよ!?」

「ドラマCD聞かされてる気分だったでやんす……」

 

 ダンッ! と机を叩いてがなり立てたのはみずきだ。矢部が冷や汗を浮かべながら呟いているのが印象的だった。

 教室がくすくすと笑い声で満ちる。クラスの中でも少年の存在感は大きく、彼が長々と語り始めるとどうしても注意を集めてしまうのだ。

 しかしパワプロはそんな事には頓着せずマイペースに噺を続け、無駄に良い声で噺を結ぶと笑いが起こった。周囲からの笑い声にパワプロは肩を竦めて、そんな彼に美藤千尋が呆れたふうに嘆息する。

 

「公衆の()()で妄想を垂れ流すとは……恥ずかしくないのか?」

「公衆の()()な。ちーちゃんよ、こういうのは恥ずかしがった方が負けなんだよ。普通にナルシシズムってたら赤っ恥不可避でも、堂々としてりゃ逆に『よくわからんがなんか凄そう』って感じられるもんなんだ」

「確かに自信満々過ぎて、パワプロくんなら現実でも同じ事やりそうな気がしてくるでやんす……」

「だろ? 全打席長打連発なんて無双ゲー、中々できるもんじゃないけどな。というわけでみずきちゃん、秋の大会では俺を四番にしてくれ」

「なにが『というわけで』なのかみずき分かんなーい。キャップは打撃も上手いのは認めるけど、打順を組むのは私じゃなくて監督なんだからね? できる事できない事、やって良い事悪い事の区別はつけるべきだと思うな〜」

「お。みずきちゃんが常識的なこと言ってる……明日は雨だな。皆! 明日は傘を忘れんなよ! 天気予報でも雨っぽいとか言ってるしな!」

「あ、あんたねぇ……」

 

 ドッと笑いが巻き起こるのに、みずきはこめかみを引き攣らせた。

 

 夏休みが明けて二学期に入った前日、席替えがあったため席順は大きく変動していた。今は窓際の席にパワプロが、その後ろに千尋、千尋の隣に矢部、パワプロの隣にみずきがいる。

 籤引きの結果なはずが、作為を感じなくもない席の配置だ。

 クラス内のカーストでは、男子の中ではパワプロが。女子の中ではみずきが一番上に位置している。本人が望んでそうなったのではない、特に意識もしていない。だが優れた容姿と運動神経、陽キャと揶揄される性格が自然と中心的な立ち位置に立たせていた。そしてそんな二人が近くにいれば、必然的に級友達も男女の別なく集まってくる。

 

 そんな中、教室の隅にいたとある男子はふと思った。この面子が異世界召喚されたらどうなるんだろう、と。

 俺様イケメンのパワプロに、意地悪っぽいけど可愛い橘みずき、金魚のフンのメガネキャラ矢部、バカだけど可愛い美藤千尋、その他にも割とキャラ立ちしそうなクラスメイトもチラホラと見られ、割と美味しい面子ではないだろうかと思う。パワプロなら踏み台勇者になるような事はなくて、案外普通に王道物語にしてくれそうな気がした。

 昨今の勇者を蔑ろにする風潮に一石を投じたい男子は厨二脳の赴くまま、世間に王道異世界物の良さを思い出してもらうべく筆を取った。――後日、無料小説投稿サイトに処女作の異世界物を投稿し出したその男子は、辛辣なコメントを多数書き込まれて心が折れ、そして筆も折ったという。黒歴史だった。

 

「――そういえばさっきの噺なんだけど、金子ってヤツは実在してるの?」

 

 休み時間の合間で提供された笑い話。パワプロのナルシシズム・ネタで盛り上がっていた午前中。

 ネタはあくまでネタでしかなく、本気ではないと理解している。それでも昼休み中、不意に午前の噺を思い出したみずきが蒸し返してパワプロに訊ねた。

 パワプロはペットボトルのオレンジジュースをみずきに投げ渡しながら振り返る。

 

「ん、アレか? もちろん架空のキャラだぞ。モデルにしたヤツもいねえよ。現実にいるヤツを引き合いに出してさ、ネタって言っても踏み台扱いにしたら流石に酷いからな」

 

 まだ身長は伸び続けている。いずれは190cmに届くのではないかというほどに急成長している少年は、みずきの唐突な問いにあっけらかんと答えた。

 パワプロの身長は、今は180の手前といったところだ。仲間内で一番身長が高かった太刀川広巳を既に追い抜いている。デカくなる奴は成長速度がエグいと聞いた事があるが、モデルのような高身長を筋肉で鎧えるパワプロが、内心羨ましくはあった。もちろん同じ投手として、だ。

 まるで少女漫画の俺様王子キャラかってぐらいにイケメンで、身長が高く、体格は均整が取れていて、話上手で頭と性格も良くおまけにアスリートとしてのスター性を所構わず発散している。しかも夏休みの途中――合宿の最中から明らかに様子が変わって、二学期に入りパワプロを見た女子の顔は明らかに雌の顔になっていた。

 

 ファンクラブ、また増えるのかもねぇ……みずきは頭の片隅でそう思う。

 

 匂い立つフェロモンに、近くにいるだけで頭がクラクラしてきそうだ。みずきは日頃パワプロの近くにいたから慣れているが、耐性がなかった女子達が明らかに普通じゃなくなっているのを横目に見て、『もしかして私もこんな顔してたりしないわよね……?』と少し不安になってきていたりする。

 パワプロはみずきが自分の顔を触っているのを気にせず、重箱の包を開く。晴れ渡る青空の下、屋上で昼飯を摂ろうとしているのだ。下手に食堂や教室で食べようとしようものなら、女子が群がってきて落ち着いて飯も食えないとボヤくのである。そのボヤきに矢部が血涙を流していたのは割とどうでもいい。

 

 パワプロだけでなく、礼里や聖、あおいや聡里なども、同様の理由で昼休みは屋上に避難してくる。パワプロとみずきは同じクラスという事と、少し早く授業が終わったから屋上へ一番乗りを果たしていた。

 二人きりである。だからなんだというわけではないが、パワプロがふと悩ましげに零したのにみずきは自然体で応じた。

 

「そういやさ……」

「んー? あっ、卵焼きもーらいっと! ……んぅ〜! 美味しい! キャップのお母さんの卵焼き、相変わらず絶品ね!」

「おう、人の飯勝手に獲ってんじゃねえぞ? 卵焼き代として相談に乗れ」

「なーに? 完璧超人のキャップにも悩みなんかあるんだ?」

「誰が完璧超人だ。運動神経と一般学力を俺から取り上げたら、後はイケメンしか残らねえだろ」

「あーあーあー! 自分で自分をイケメンとか言い出しやがりましたよこの男は。ナルシストのネタ引っ張ってもやり過ぎたらイタいわよ」

「みずきちゃんも自分を可愛いって言うじゃねえか。ブーメラン発言はイタさを累積させるぞ。それよりさ、聞いてくれよみずきちゃん」

「あによ」

「ここだけの話なんだが、あおいちゃんの事なんだけどさ」

「あー……あおい先輩の事ね」

 

 緑の髪を結わえおさげにしている、みずきが最も尊敬している先輩。いや、先輩陣の中で唯一尊敬できる人、と言った方が正確か。

 実姉に瓜二つという事もあり親近感を持ちやすく、みずきはあおいを姉のように見て慕っている部分がある。もちろん自覚があるかは定かではない。

 ともあれみずきはあおいの名前を出された時点で察した。

 

「最近俺、あおいちゃんに避けられてる気がするんだが……俺、知らん間にあおいちゃん怒らせるような事したっけか? そこんとこどうよ。悪い事してたら謝りたいんだが、心当たりがなくってさ……」

「あー、うん。キャップは悪くないわよ。多分。たださ、あおい先輩って三年だし? 秋の大会が中学最後だし? キャップに構って気を散らしたくないんじゃないかなーって思わなくもない事もないわ」

「なんで俺に構ったら気が散るんだよ」

 

 ホントは分かってるくせに、とみずきは呆れる。だが分からないフリをしているパワプロを責める気は、みずきにはなかった。パワプロがフリーの身ならコイツ最悪と思うところだが――生憎とパワプロはフリーではないのだ。

 ()()()()()()()()()()。余計な波風を立てないという意味では、分からないフリをしているパワプロが正しい。

 とはいえ、あおいの心情を慮るなら放っておいてあげたいみずきではあるものの。パワプロの「仲間内で変な遠慮があるのはどーなんだ」というスタンスも分からなくもない。なんで私がこんな板挟みになってんのよ! と怒鳴りたくなるみずきではあるが、生憎とあおいの事は他人事ではなかった。

 

「さーねー。そんな細かいこと、みずき分かんなーい」

「おいおい……なんとかなんねぇのかよ」

「時間が解決するでしょ。あおい先輩だってアンタを避けたくないだろうし? だって下手なコーチより遥かにキャップの方が教え上手なんだもん。プロに行きたいっていうあおい先輩が、いつまでも同じとこで足踏みしてるとは思えないかなーって」

「時間が解決する、ね……なら良いんだ。じゃ、俺からは何もしない方がいいと思っといていいんだな?」

「むしろ何もすんなって思わなくもない感じかな。や、なんの事かみずきちゃんにはよく分かんないけどぉー?」

「りょーかい」

 

 ひとまず納得したらしいパワプロに、みずきは内心ホッとする。朴念仁の大馬鹿ならこうも簡単に収まらなかっただろう。パワプロがバカな男子じゃなくて良かったと胸を撫で下ろしたい気持ちである。

 みずきとしても、敬愛する先輩の気持ちの整理が終わるまでに、余計ないざこざを起こしたくないのだ。特に仲間内での色恋沙汰でゴタゴタが起きると思うと、面倒くさくて敵わない。

 

(――キャップ、いい奴なのよね……嫌な奴だったらよかったのに)

 

 みずきはそう思いながら、そろそろ他の面子も屋上に来る頃合いかなと思いフェンスの方に向かう。風を浴びながら下を見ると、あおいが木の陰で弁当を開いているのを見つけてしまった。どうやらあおいは、パワプロのいる屋上に来る事もやめてしまったらしい。心ここにあらずといった様子で、物憂げな表情をしているあおいを見ると、みずきも複雑な気分になる。

 と、その時ひときわ強い風が吹いた。

 

「お。縞パンか……」

「っっっ!? 見たっ!? 今見たでしょ!?」

「おう。バッチシ見た。縞パンとプリッとしたケツ可愛かったぞ」

「感想聞いてんじゃないわよこのヘンターイっ!! って躱すなっ!」

「俺、悪くない。風、悪い。あとそんなとこにスカートで立つみずきちゃんが悪い。反省しろ」

「なんで私が怒られてんのよ!? もう信じらんないっ!」

 

 思わず靴を脱いで投げつけたものの、ひょいっと座ったまま躱したパワプロをみずきは真っ赤になった顔で睨みつける。

 ドタドタと足音を立てて屋上から出ていこうとするも、タイミング悪く他の面々がやってきた。みずきの様子に「どうしたのだ、みずき」と聖がきょとんとした目を向けてくるのに、みずきは言葉に詰まって元いた位置に戻った。

 もちろんスカートを抑えながらだ。平然としてるパワプロが気に食わない、なんで慌てたり赤くなったりしてないのよと内心文句を垂れる。

 

(これじゃまるで、こっちが一方的に意識してるみたいじゃないっ!)

 

 ふとあおいが屋上を見上げているのに気づいて、目と目が合う。こっちに来る? とでも言いたげに苦笑されたみずきは、なんとも言えない気分で顔を背けた。ひとり寂しく食べてたらいーじゃないですか、と手振りで返して。

 

(――そんなだと後で絶対後悔するんですからね、あおい先輩)

 

 みずきは自分の事は完全に棚上げして、そう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 




高校編まで、あと十話以内にいく予定です。
感想評価等ありがとうございます。とても心の潤いとなっております。

君の名は?

  • 「二遊間のポジションが空いていない…」
  • 「小浪一刀流……いざ参る!」
  • 「やんすやんすやんすやんす!」
  • こんなに辛いのなら愛など要らぬゥ!

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