男女混合超野球連盟ぱわふるプロ野球RTA   作:飴玉鉛

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止まるんじゃねえぞされたので初投稿です。


智将ムーブは止まらねえからよ…!

 

 

 

 野球したい禁断症状と戦うRTA再開します(飢餓)

 

 突然ですが顧みましょう。思えば随分遠くに来たものですよ(遠い目)

 緻密なチャートを組んでこれで完璧! Vやねん! と自賛して走り出した此度のRTAは波乱に満ちておりました。

 中学生時代に入ってからの怒涛のイベントは記憶に新しく、一生に一度でもあればお腹いっぱいになること請け合いなイベ盛り沢山でしたね。

 聡里ちゃん腕ポキ事件を皮切りに。礼里ちゃん超能力覚醒。夏のサン・ぴぃ事件。逆襲の覚醒ひじりん事件。あおいちゃんリミッター解除事件等、目立ったイベントだけで首を傾げること頻りですよホントに。

 

 どうしてこうなったの?(素朴な疑問)

 開発が悪いよ開発がー(結論)

 

 で。

 

 秋季大会が間近です。一度会ったきりで高校までフェードアウト気味な不憫ちゃんこと鞘花ちゃんとの邂逅の後、ちょっと遅めの修学旅行が合間にあった気がしましたが特にそんな事はなかったぜ!

 

 というのは冗談です。いやね、ネタとして盛り上がる所が特になかったんですよ。我がクラスにはみずきちゃん、矢部くん、ちーちゃんがいたんですが、見事に全員バラけた班員になっちまったんです。

 『モテモテ』の上位能力であると確定した『LOVEPOWER』をパワプロくんが持っているせいで、女性人気がエグくなってるのが原因ですね。もう街を一人で歩いてたら逆ナン率100%ですよ。

 メインキャラ以外とも恋人になれる本作だと、まさに入れ食い状態なんですが――残念ながらそんな真似は出来かねます。実行しようものなら刺される、と古傷が疼いて直感してますし。や、傷は無いんですけど幻肢痛みたいに痛む気がするんですよ。お腹とか胸とか首とか背中とか。ふふ怖。

 

 話が逸れたので修正しますと、パワプロくんにはファンクラブがありましてね。ええ、過去シリーズのイケメンキャラにありがちだったアレです。

 パワプロくんも彼らに負けないイケメンなので、女子人気がえらい事になってまして。パワプロくんの身の回りには彼女達を凌駕するほど可愛い娘がいるのに、お構いなしでキャアキャアと黄色い歓声を上げて追っ掛けてきます。

 視聴者の皆様は羨ましいとか思うかもですが、普通にウザいですからね? これを受け入れられ、かつ全員に愛想を振りまける度量のある『虹谷誠』くんはマジで尊敬に値すると思います。軽薄で軟派で男に対してはほぼ塩対応な虹谷くんですが、その一点だけは素直に凄いと称賛しましょう。

 

 わたし自身、傍目に見ても明らかなほど嫌な顔はしてるんです。流石に大っぴらに邪険にすると火種になるんで、ある程度は付き合ってやらにゃならんのが辛いところなんですが……プロになった後のファンサービスの練習とか、不祥事探しに躍起になるであろうマスゴミども対策の立ち居振る舞いの練習と割り切りましょう。

 

 ※豆知識。マスゴミとは偏向報道上等なマスコミの事だゾ。中にはまともなマスコミの人もいるから全員がマスゴミと思っちゃダメなんだからネ。え? マスコミってなんだよ、ですか? ググれ。

 

 ――んで、クラスの女子達は普段のクラスカーストとか全無視してまで、修学旅行ではパワプロくんと同じ班になりたがりましてね。それを見て辟易したみずきちゃんは離れていき、矢部くんはパワプロくんに嫉妬して離れ、ちーちゃんは特に気にせずにいたものの数の暴力で班決めから弾き出されてしまいました。

 

 ウザいですね、これはウザい。こっちの迷惑とかまるで考えないファンとかノーサンキューですよ。パワプロくんだって仲の良い面子で固まりたかったでしょうに……というか普段は内心パワプロくんに嫉妬してた男子陣も普通に同情してくれてましたね。平常運転だったのは矢部くんだけで、その矢部くんも妬みつつも女子の肉食獣っぷりに若干引いていたほどです。

 お前ら矢部くんが引くとか相当だかんな? と、教えてやりたくなりましたが、ここはグッと我慢して修学旅行を無為に潰した感じですね。お前らわたしは許しますがパワプロくんが許すと思ったら大間違いだからな(憤怒)

 

 とまあそんなわけで、聡里ちゃん達のイベでのインパクトを前にすれば、遅めの修学旅行なんか霞んで消えてしまいます。というかほぼ覚えてませんし。記憶する価値もないっていうか脳のリソースを割きたくないというか。なーんかミーハーな娘に囲まれ観光名所を回ったような気がするなって感じですよ。

 あ、例の如く別枠として纏めて該当シーンの動画も上げてるんで。わたしは見直す気力は湧きませんがね……。

 確かなのは、拍子抜けするほど何もなかった事でしょう。てっきり逆夜這いやらなんやらもあるかもと警戒してたんですが、実に平坦で平凡でこんなに平和だと逆に不安になるというか嵐の前の静けさ的なアトモスフィアを感じなくもないかなって警戒心を抱いたりと落ち着けない日々でした(一息)

 なんやかんやと聡里ちゃんイベ進行させて、無事に柳生鞘花ちゃんとも接点を結べましたし。これで鞘花ちゃんはこちらから何もせずとも同じ高校に来てくれる上に、中学時代はあんまり接触して来ません。向こうの脳内では既に許嫁ムーブをキメて、遠距離恋愛中な気分でいる微笑ましい娘なんで、高校生になったら生暖かい眼差しで迎え入れてあげましょう。

 というか鞘花ちゃんは素で強キャラムーブがデキる娘で、煩わしいファン娘達を蹴散らして沈静化させられるので今すぐ来て欲しいのが本音です(切実)

 

 で。

 

 秋季大会を目前に控えた今、我らが武蔵府中『宮本シニア』はスタメンを発表し始めてます。監督は若干厳ついですが、普通の人ですよ。

 ちなみにこの宮本シニアというのは、この監督が剣道経験者かつ宮本という苗字で、『武蔵』府中と掛け宮本武蔵と呼ばれてる事に由来してます。

 このシニアの子達が勝手に呼んでるだけですが……中2が多いからね、仕方ないね。グラウンドにシニアの面々が整列し、今から宮本監督が決めたレギュラーに背番号を渡す場面になっています。

 

「一番ショート、背番号6、霧崎礼里」

 

 真っ先に名前が上がったのは礼里ちゃんです。

 妥当ですね。守備力の高さは別に考えるとしても、ミートの巧さ、足の速さや選球眼の精度など、切り込み隊長として起用するに相応しい信頼を勝ち取ってますから。

 初回から相手の球筋を見極め、嫌な球はカットして球数を稼ぐ技術にも長けてますし、おまけにホームランも狙えるつよつよ先頭打者ですよ。礼里ちゃんに粘られまくった末にホームラン打たれた投手さん、可哀想(未来視)

 

「二番キャッチャー、背番号2、六道聖」

 

 筋力や走力はともかく、打撃の巧さでは聖ちゃんも敗けてません。ついでにバント職人です。塁に出たら高確率で盗塁をキメる礼里ちゃんを、二塁から三塁にまで安定して進めてくれます。練習試合でもそれを何度も実践してましたからね、聖ちゃんの二番起用は安牌です。わたしも高校だと一番と二番はこの二人で据え置き確定だと思ってます。

 

「三番セカンド、背番号4、和乃泡瀬」

 

 礼里ちゃんと聖ちゃんがピクリとします。チームメイトですがまあ、平均的な能力値の先輩ですね。カズノ・アワセ――数合わせとかヒデェ名前ですが、わたしの言う平均というのはシニアトップクラスのチームでの平均なので、普通に優秀な人ですよ。欲を言えばセカンドは小山雅ちゃんがいいんですが、生憎とあの娘はシニアに入ってないんで試合に出られません。仕方ないね。

 

 ちなみに和乃泡瀬は男の子です。

 ――アワセが男の名前だとおかしいのかよ!(カ○ーユ並感)

 

 二人が反応したのは、今までレギュラーで試合に出る時、三番はパワプロくんで固定されていたからでしょう。所属してたリトルは三番打者最強説を推してましたし……それに一・二・三の打順はレイリーとひじりんからすると聖域だったのでしょうね。お可愛いこと……。

 

「四番レフト、背番号7――力場専一」

 

 ざわ、と微かに空気が揺れました。そりゃそうだ、だってパワプロくんは投手ですもん。それを外野手として起用するとかどうなってんのと普通は思いますよね。まあチームメイト達はパワプロくんの超絶守備力を知ってるんで、驚きはしても受け入れてますが。打力的にも四番はパワプロだと認めてくれてます。やっぱ……日頃の積み重ねを……最高やな!

 

 それに我がチームは投手陣が分厚いですから、まあしゃあない。と、そんなふうに思ってたら監督が言いました。

 

「力場はピッチャーだが四番を張れる実力がある。だが幸いにもこのチームは投手に恵まれているからな。四人でルーチンを組み、力場を投手として使う時は、レフトには別の奴を……今は太刀川を回そうと考えている」

 

 淡々とした物言いのオッサン。厳つい外見ですがカタギなので安心してネ!

 ちなみに太刀川というのはヒロピーの事です。同姓の別人とかではなく。いやね、彼女はサブポジでサードを守れるようになるのが仕様なんですが……左利きでサードはちょっと無いでしょ(マジレス)

 肩強いし守備力も悪くないんで、サブポジは外野手をやれるようにマンツーマン特訓を施しました。ヤッたぜ、成し遂げたぜ。

 

「次。五番センター、背番号8、鬼島騎兵。六番ライト、背番号9、田嶋亮。七番サード、背番号5、君島悟。八番ファースト、背番号3、石島高貴。九番ピッチャー、背番号1――早川あおい」

 

 誰だお前ら(素) と思われるかもですが、能力値的に五番から八番の皆さんはちょっと弱いなって感じですね。わたしの求めてる水準が高いだけな気もしなくもない感じがするかもなって思いますが。

 しかしわたしのコーチング能力に掛かれば、そんな彼らも名門選手並みに鍛え上げれてます。ぶっちゃけシニアでのチーム総合力で言えば有数のものなんじゃないかって思いますよ。熱い自画自賛キモチィ……。

 で、エースはあおいちゃん。打力は普通。ただしリミッター解除したら一発がある恐い娘です。キリッと眉尻を上げて、気合充分といった様子で背番号1を受け取りました。

 

 で、控えの投手にヒロピー、みずきちゃんです。パワプロくんは投手陣が炎上し掛けることがあったら救援で緊急登板、そんで3回戦あたりで先発として起用してくれるみたいですね。

 

 監督が立ち去ると思い思いにやいのやいのとざわつき出します。すると女性陣が集まってきました。いや、全員がパワプロくんの周りに集まりましたね。どうかしたんでしょうかね?(すっとぼけ)

 真面目に言うと、このシニアの面子は全員がプロの技術持ちであるわたしの薫陶を受けた教え子です。だからなのかチームの精神的支柱はわたしでして、パワプロくんがチームの中心なんですよね。この一年は無駄じゃなかった。

 んなもんで集まる時は決まってパワプロくんが真ん中にいます。先輩後輩同輩関係なしに。これが積み上げた人徳(『人気者』)というやつですよ……。

 

「――ボクが、エースだよ」

「そうだな」

 

 あおいちゃんが突然そう言ってきますが、別にマウンティングしようとしてるワケじゃないのは分かってます。

 自信がないのではなく、むしろ自信はある感じですが、申し訳なく思ってる時の顔してますもん。

 

「パワプロくんはボクでいいの? その――悔しいけど、実力はパワプロくんの方がかなり上だし、エースはパワプロくんの方がいいんじゃないかって思うんだ。もちろんエースとして投げるのが恐いわけじゃないからね? そこは勘違いしないでほしいかな」

「分かってる分かってる」

「……もしかしてボクじゃ不安なのかな。いや、そうだよね。ボクが三年生だから、監督も気を遣ってボクにエースナンバーくれたんだ……」

 

 返事が投げ遣り過ぎたみたいで、あおいちゃんが心細そうに眉根を寄せました。すまんな。ホントは激励して上げたいんですが、どうもそんな気分じゃない。気分じゃない、ってだけでやらないとかふざけてんの? と思われそうですがお愛想は要らんのですよ。本心から言えない言葉には重みなんかないんですから。そういうの感じ取られたら後々に積み重なるんですよね。

 なのであくまで素で応対します。今までもこれからも。そうした自然体から繰り出す言葉で、時にはマイナスの印象を付与していけばいいのです。なぜって? 野球の投球と同じですよ。速い球ばっか投げてたら慣れられてしまうので、遅い球も投げたりするでしょう? 要するに緩急が必要なんです。正のものばかりでなく負のものも用いる、一時の負の心象で莫大な正の心象というリターンを得られるなら怖がってはなりません。

 

「あー……あおい先輩、誤解しないであげてほしいんだけど、キャップってば疲れてるのよ」

「え、どういうこと?」

 

 おっと、珍しくみずきちゃんが助け舟を出してくれました。サンキューみずカス。

 でも俺はお前俺を見捨てたお前を忘れてねえからなお前(逆恨み)

 じとりとした目で見てるとみずきちゃんが冷や汗を浮かべて弁解しました。と言ってもあおいちゃんや周りの人に事情を説明してくれてるだけなんですけどね。

 おう、それはいいからこっち見ろやみずき(呼び捨て)

 

「ほら、アレですよアレ」

「アレ? ……あ、なんか察しちゃったかも」

 

 みずきちゃんは暗喩的に言い、ちらっとグラウンドの柵の向こうを見ます。

 そこには女子の群れ、群れ、群れ。スマホ片手にパシャッと写真撮りやがる娘も。おう肖像権の侵害で訴えるぞこの女郎。

 あー……と呻いてるところを見るに男子陣も察したみたいですね。嫉妬しない辺りに理解が感じられて涙がちょちょ切れそうです。

 

「最近凄いんですよねー。アレ。どこに行ってもついて回るっていうか、学校でもアレですし? 修学旅行なんか日中はほぼ周り固められて、なんというか公認ストーカー、みたいな感じになってて……キャップ、グロッキーになってるみたいなんですよ」

「ヒド……」

 

『うっげぇ、公認ストーカーって……誰が許したよ、それ』

『内輪で勝手に決めたんだろ』

『オレ、最初はパワプロがメチャクチャ羨ましかったし妬んでたけどさ……流石にアレ見たら同情したわ』

『オレも』

『流石にねぇよな、アレ』

『女恐い。アレに耐えれてるパワプロ先輩マジパねえっす』

『イケメン爆発しろとか思ってて正直すまんかった。パワプロ大丈夫か? 警察に相談した方がいいんじゃね?』

 

 野郎どもの優しさに泣きそう。やっぱ癒やしは皆と野郎どもです。

 

「ちょっとー!? 女ってだけで一括りにしないでくれる!? みずきちゃんまであんなのと一緒にされるのは心外なんですけどー!?」

 

 みずきちゃんがぷりぷり怒ってます。それに男子陣は笑いながらゴメンゴメンと謝りました。なんだこの癒やし空間……。

 

「けどみずきちゃん、俺のこと見捨てたろ」

「うっ……」

「? どういうこと、みずきちゃん」

「どういう事だ橘」

「みずき……」

「………」

「うぇぇぇ……ちょ、ちょっとアンタら顔恐いからやめて!? それにキャップにあの事はもう謝ったじゃん!」

 

 わたしがボソリと呟くと、あおいちゃん、礼里ちゃん、聖ちゃんが凄い目でみずきちゃんを見詰めます。それに狼狽えるみずきちゃんですが許さん。

 あ、わたしは許してますが、パワプロくんがね……(責任転嫁)

 無言ですが聡里ちゃんもピリピリしてます。鞘花ちゃんの一件で気が立ったままなんですよ。今の聡里ちゃんに触れたら火傷するぜ……。

 

「具体的には何があったの?」

 

 不思議そうにヒロピーが訊ねてきました。ナイスアシストですよヒロピー。

 

「修学旅行の時、班決めでさ。俺、みずきちゃんにSOS出したんだ。クラスの女子のドンだし。けどみずきちゃん、面倒臭がって逃げたんだよ」

「し、仕方ないでしょアレは! ていうか、あそこで助けてたら私まで他の連中と同じって目で見られちゃうじゃない!」

「ふーん……世間体で仲間を見捨てたんだな。そかそか、分かったよ」

「っ……だーかーらー! ごめんって! なんでも奢るからそれで許して!」

「その言葉が聞きたかった」

「……へ?」

 

 好意の欠片もない相手に囲まれて過ごすとね、周りが女の子でもストレス溜まるんです。わたしがモブ娘を彼女枠に据えて経験点吸い上げる路線を続けてたなら我慢できますがね、その路線はもう捨ててるんで煩わしいだけです。

 とはいえあんまりみずきちゃんを虐めるのはよろしくありません。適度な圧力を掛ける程度に留め、相手が音を上げたらすぐ許してあげましょう。さもなければ負のゲージが正のゲージに反転しにくくなるので。

 ここまでで散々ねちっこく責めていたのに(意味深)あっさり許されたみずきちゃんは目をぱちくりさせました。可愛いぜチクショウ……遠巻きに見てくるだけの娘はまだ可愛げがありますが、直接絡んでくるのはウザい。囲んでくるのはやはり、みずきちゃん達メイン勢にして欲しいものですね。――だが手加減はしない。飴は女の子にだけ配るものじゃない、男の子だって飴が欲しいんだ! なのでみずきちゃんには後腐れのないものを奢ってもらいます。

 

「みんな聞いたな。みずきちゃんがなんでも奢ってくれるらしいぞ」

 

『お、おぉ……?』

 

「き、キャップ?」

「この大会で優勝したらみずきちゃんには俺に、ここの面子の人数分肉を奢ってもらおう。喜べお前ら、俺からお前らに焼き肉のお裾分けしてやるぞ!」

 

『おおおおお!?』

『マジか!』

『おお神様仏様パワプロ様!』

『うっひょう! こりゃ優勝するしかねぇ!』

 

「ちょっ!? ちょっとぉ!? 死ぬ! それみずきちゃんの財布が死ぬ奴だからぁ!」

「なに。前言撤回すんの? ふーん……」

 

『おいおい女らしくねえぞ橘』

『女に二言はないんじゃないっすかね』

『橘先輩のちょっといいとこ見てみた〜い!』

 

「アンタらねぇ……! あーもー分かったわよ奢れば良いんでしょ奢れば! それで修学旅行の時の事は水に流してくれるのよね?!」

「おう、忘れる。蒸し返したりもしない」

「くぅぅ……なんで私がこんな目に……ぅぅ……」

 

 涙目のみずきちゃんprpr

 しかし適度な負の心象に留められました。パワプロくん一人だけならともかく、皆に焼き肉を奢るという体裁を整える事で、蓄積される負の心象ゲージを分散させる事にも成功です。おまけで皆の士気も上がったし良い事尽くし。

 こっから先のアフターケアで正のゲージに反転させるので、みんな見とけよ見とけよ〜?

 

「フゥ――ってなわけだ、あおいちゃんは気兼ねなくエース張ってくれよ」

「え? う、うん……」

「なんだよ。胸張れって。曲がりなりにもこの俺を押しのけてのエースなんだぜ? 心配しなくたってあおいちゃんを打ち崩せる打線はそうはねえよ。リードすんのも聖ちゃんだしな。レフトにボール跳んできたら、ホームランボールもアウトにしてやっから安心しなって」

 

『で、出たぁ! パワプロのナチュラル俺様発言だぁ!』

『自信満々過ぎる。だがそれがいい、それでこそオレらのコーチ様だぜ』

『おいやめろ。泣いてる佐土コーチもいるんですよ!』

『コーチを窓際族にするパワプロ先輩はパワハラ先輩だった……?』

『パワハラの定義が乱れる……』

 

「うっせぇぞお前ら! ――んなわけで、肩から力抜いて投げてりゃ良いよ。なぁにあおいちゃんが崩れても、後ろにはみずきちゃんとヒロピーがいるし、何よりこの俺がいる。俺がいるとこであおいちゃんがエースナンバー背負えんのは、後にも先にも今回だけなんだし? 精々頑張ってくれ」

「ムッ! なぁーんかムカつくね! いいよ、なんならボクが完投し続けて、パワプロくんの出番全部食べちゃうんだからね! それにいつか実力で黙らせてあげるから覚悟しておくように!」

 

 え、パワプロくんを食べる?(難聴) いやらしい娘ですね(風評被害)

 えーよえーよ。頑張りんしゃい。

 パワプロくんの視力は化け物だからね、立ち前屈でロジンバッグを拾ってるとこ後ろからガン見すっから、パワプロくんの熱視線をケツに感じてモジモジしてください(ネットリ)

 と、あおいちゃんのファンなら誰もが一度は抱く壮大な野望の実現に燃えつつ、ひとまず今回はここまでとさせていただきましょう。

 

 次回から秋季大会ですよ。一回戦から始めるのでよろしくお願いします。

 

 最後に当初の予定を超えて強化した、パワプロくんのステを載せておこうと思います。経験点がね、最初に考えてたものよりかなり多く貰えたから強化してしまいました……。それでは、また次回も観てくださいね!

 

 

 

 

 

 

 

【投球フォーム:オーバースロー17(改良済) 投打:右打ち左投げ

 球速:147 コントロール:S(90) スタミナ:S(90)

 ・ジャイロボール    ・ストレート   (・ジャイロフォーク:5)

 ・チェンジアップ:7  ・スライダー:5  ・カーブ:5

(・オクトスモーク:7)

 

 ・センス◎  ・選球眼  ・積極走塁 ・積極盗塁

 ・低め5   ・ノビ5  ・重い球  ・キレ5

 ・リリース  ・ハイスピンジャイロ】

 

【打撃フォーム:神主打法(パワプロ式・祈祷打法) 弾道:4

 ミート:B(70) パワー:B(70) 走力:B(70)

  肩力:S(90)  守備:A(80) エラー回避:A(80)

 サブポジション:外野(センター・レフト・ライト)

 ・チャンス5 ・アベレージヒッター ・パワーヒッター

 ・走塁5   ・盗塁5 ・送球5 ・広角打法

 ・粘り打ち  ・満塁男 ・鉄人  ・対エース

 ・ムード○  ・威圧感 ・連打  ・レーザービーム

 ・打球ノビ◎ ・インコース

 ・守備職人  ・高速チャージ   ・ラッキーボーイ

 ・四番    ・アウトフィルダー】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




なんだこの化け物…。超中学生級の面々筆頭能力値がこれです。追随してくるのは果たして…?

面白い、続きが気になると思って頂けたなら感想評価等よろしくお願いします。

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