前話ラストを微妙に修正しました(小声)
(準決勝を前に、一際強い凶風が吹いた)
――吹くわけねえだろと叫ぶRTA再開!(咆哮)
実は本動画を元ネタに小説書いてみたとかいう人がいてですね、大変光栄な事なんですが、前回動画ラストの結びにこの一文が使われていたんで、否定しておかねばならないと思ったのです。
というのもですね、それだとわたしのリスクヘッジがガバガバのガバだと、一部界隈を中心にあらぬ誤解が広まりかねないじゃないですか。わたしがガバをしたってどこに証拠だよ!(錯乱)
それはそれとして矢部くんは癒し枠、はっきり分かんだね(ねっとり) 彼と話していたら肩から力抜けますしわたしにとっては程良い精神安定剤じみた役割を果たしてくれます(早口)
仕様上倍速とかデキない辛さよ……矢鱈と長いプレイ時間の関係上、プレイヤーは如何にしてモチベーションを保つかについても考慮しなければなりません。野球の試合しかプレイしない勢には関係ない事ですが、サクセスを含めた野球人生を歩むならやはり不可欠な心構えでしょう。よって精神安定剤的な交流も地味に大事な要素になるのは、一度でも本作の野球人生を歩んだ方にはご理解頂けると思います。実際やる気は大事よ?(指摘)
で、現在パワプロくんは放課後の教室にいます。同じ学校の娘達と固まって帰るためですね。矢部くんとかちーちゃんとか、その他のクラスメイトには先に帰ってもらいました。迷惑掛けちゃいますから。
みずきちゃん? 彼女はお花を摘みに行ってますよ(微笑)
今は一人の時間がデキてるんで、ちょいとした考察をしとこうかなって思います。今更何を考察する必要があるのかというと、前周回――つまり試走している時と本番の違いを羅列して、なぜここまで世間様がパワプロくんに熱を上げてるのかを解明する必要があると思ったからです。
試走の時のパワプロくんは、当然ながら本名は力場専一ではなくもっとありふれた名前でした。どうでもいい? ですよねー。
で、試走パワプロの能力値は、同時期だとこの周回のパワプロくんより一回りか二回り弱かったです。聖ちゃんも礼里ちゃんもいなかったからですね。顔はランダムで作ったらデキたカワイイ系で、顔面偏差値はこの俺様パワプロに匹敵してなくもなかったと思います。筋肉で例えるなら、アウターマッスルとインナーマッスルぐらい違いました。
『いいヤツ』かつ『人気者』『モテモテ』で、『センス◎』と基本的なとこも押さえて。聡里ちゃんを攻略しーの、聡里ちゃんから超得と経験点吸い上げーの、円満に別れて美香ちゃんに乗り換えーの、雅ちゃんヒロピーあおいちゃんみずきちゃんひじりんの順番で出会いましたね。礼里ちゃんにもアタックしましたが前の周回では玉砕してます。幼馴染になったのは前々回ぐらいです。
纏めると、
・試走パワプロは俺様パワプロより一回り弱かった(ステ的には)
・試走パワプロに初期の相棒枠はいなかった。
・『いいヤツ』『人気者』『モテモテ』『センス◎』は標準装備。
・試走パワプロも俺様パワプロとほぼ同じ√を走ってる。
・むしろ『女の子パラダイス』『モブ女子彼女枠利用』デキてた分、試走パワプロの方が旧チャート通りに動けていた。
・俺様パワプロで旧チャートが死に、オリチャー発動した原因は聖域勢を攻略してしまった事。聖と礼里がいたから? それは関係ないと思います。あの二人がいなかったとしても、条件的に他の娘が攻略済みになるだけかと。
で。
試走パワプロも、マスメディアを利用して知名度を上げるという事はしていたんですよね。ですが試走パワプロは俺様パワプロほど、世間様に熱狂される事はありませんでした。そりゃファンとか一気に増えたりテレビ放送局のインタビューを受けたりはしましたけど、明らかに今回ほどの関心は持たれていなかったんですよね。なんで?(棒読み)
考えられる要因は、冷静に纏めるとあんまりありません。
ずばり古巣と俺様パワプロを巡る因縁。俺様パワプロと共に野球をやってきた礼里ちゃん達という、カメラ映えもする美少女達の存在。現在のチームメイト達との関係や、秋季大会での故意死球二連続事件勃発に至る流れ。
これらに試走パワプロ時を上回るドラマ性を見たが故に、マスゴミ達は餌としての魅力を強く嗅ぎ取ってしまったのでしょう。――が、これだけだとまだ説明がつかないと思います。
色々ありますが、やはり一番大きなイレギュラー要素は、わたしが発見してwikiに載った――そう、わたしが発見してwikiに載った! 『モテモテ』の上位能力『LOVEPOWER』でしょうね。間違いない。
『モテモテ』は女の子からの好感度が稼ぎやすくなる能力です。顔面偏差値と評判が良ければ、初期から好感度は高い状態になり易いですね。
しかし実際にモテるためにはそこそこ努力しなくてはなりません。気に入らない事したら好感度も普通に落ちるので。ですんで減点不可避な行動や雑な対応をしてたら距離を置かれるのは必定です。
興味や関わりの薄い相手には、ぶっちゃけあんまり効果ありません。ですが『LOVEPOWER』――わたしはこれに関しては、単に『モテモテ』の効果が強化されてるだけと思ってたんですが、どうもそうでもないようなんです。
だってですよ、見た事も会った事もない娘から彼女面されて、パワプロくんの周りの娘をお邪魔虫認定し、物理的に排除しようとするメンヘラ女になるとかおかし過ぎます。つい先日までは極普通に暮らしてきた普通の女の人が、ラリったみたいに襲いかかってくるとか異常でしょ? で、様々な角度からこれを検証した結果、驚くべき効果が浮き彫りになってきました。
出現したメンヘラ娘。基本的に雑な応対しかしてないのに、一向に減る気配のない校内外のファンクラブ。脈なしである事を告げても離れていかないで、ファンでいられるだけでいいとか言う、気合の入ったファンクラブ会員二桁番内の娘達――恐らくこの『LOVEPOWER』は、特に何もしてなくても好感度が微増していき、些細な事でもアップしていくのだと思われます。例えばテレビとかに映ったパワプロくんの言動が、見てる側にとって好印象だっただけで効果が及ぶのではないでしょうか。
……呪いかな? 呪いだわ(確信)
周知の事ですが本作には神様が実在しています。特に本作の世界観の成り立ち――と言うと大袈裟ですが、野球が他のスポーツを淘汰し産業やらなんやらに深く食い込んでいるのは、その神様の影響という事になってるんですよ。
『野球神』とかいう神様なんですが、これは過去シリーズのパワプロで、正月にお参りするとプレイヤーに加護という名の経験点を与えてくれたり、攻略対象の好感度を上げてくれたり(!?) 秘めた才能を開花させてくれたりする大変有り難い存在です。プレイヤーが経験点を任意で振り、ステを弄れるのはこの神様がパワプロくんを贔屓してるからという裏設定があるようですね。少なくとも本作では。
で、この『LOVEPOWER』をくれた経緯から分かるように、守銭奴でもあるんで、贔屓してるパワプロくんからお金を貰えると、二回だけ加護を奮発してくれる感じです。誰も彼もがPS高いわけじゃないんで、ステと特能である程度のゴリ押しができようにするための、育成時における救済措置でしょう。今回はそれによる恩恵が強すぎて裏返ったのかもしれません。
加護が……裏返ったァ! 神様、パワプロくんは死ぬぞッ!(烈○王並感)
この呪いを克服する方法は、現時点だと二つ考えられますが、『モテモテ』は浮気がバレたら無くなるので、それと似たようなことをやらかしたら『LOVEPOWER』も無くなるはず……と思いました。が、考えてみたらそれ無理じゃね? と思いましたです、はい。
まず現時点で聡里ちゃん、聖ちゃん、礼里ちゃんの三人でハーレム状態ですし、このトライアングルを白日に晒すわけにはいきません。かといってあおいちゃん達を筆頭に、身近な娘をこんな事で利用するのも、今後を考えると有り得ませんね。で、モブ娘達。そちらも下手に手を出せば、ボヤが大火事になって消火不能になりかねません。仮に『LOVEPOWER』を剥がせても、その代償が消えない風評被害『最低なヤ○チン』とか笑えませんよ……最悪プロへの道が閉ざされるか、被害を抑えられてプロになれたとしても、球団の看板選手になる事は至難を極め大幅なタイムロスをしてしまう事態が予想されます。
そんなん再走案件ですからね?(ガチトーン) というかプロ化までの育成ターンで躓くとか有り得ませんから。本番はプロになった後、風評被害やケガの類いは断じて見過ごせません。よってこの案はボツですボツ。
ですのでこの呪いを打ち消すには、パワプロくんによる不貞行為で女の子を幻滅させるという手法は執らず、別の手段に訴えなくてはならないですね。
すぐに思いついたもう一つの手は、神様にお祈りして剥いでもらう、という手。でもなあ、お祈り権利は後一回しか使えませんし……そのお祈りでわたしは別の事を祈ろうと考えてたんですよねぇ。ぶっちゃけ悩んでます……とても悩ましい。ですが背に腹は替えられないというか、敢えて採用可の策として数えていない方策で、みずきちゃんや美香ちゃんに魔の手を意図的に迫らせ、彼女達のパパン達に事態の収拾を付けさせるというのがあるんですが……わたしのエゴで彼女達に害を及ぼさせるのはちょっと嫌です(建前)
紳士らしく本音で言うと、合理的に考えるならそれが良いように見えるかもしれません。ですがこれ、確実な手段とは言えないんですよね。何せ相手はマスゴミ……仮にも正規の企業の人達です。もし彼らに圧力を掛けて報道を止めさせたりしても、相手にはマスゴミ以外の一般層もいます。女性の皆さんが簡単に沈静化するなら苦労しません。その手を執ったがために余計にややこしくなる事も考えられますよ。何がどうややこしくなるかというと――おっとぉ?
「お待たせー」
ガラリと戸を開けてみずきちゃん登場です。打たれ弱さMAXなみずきちゃんですが、今のとこヘッチャラでメンタルにダメージを負ってません。とにかく構い倒したり、パワプロくんが弱ってるふうに見せ掛けてたからですね。
人間自分より弱ってる人見たら、心的負荷が多少はマシになるんですよ。そんな弱々しくなってるパワプロくんにこまめにケアされたら、そりゃメンタル強度も上がっちゃいますわ。一番辛いはずの当人が気丈に振る舞ってるってのに、こっちが先に音を上げるとか情けない! てな具合に。
思い込みや妄想で実際に強くなれちゃうパワプロ時空で、メンタルの及ぼす影響について知悉しないで走るとか有り得ません。中坊メンタルを如何にして守るかちゃんと考えてますし、今の所は大過なく守護れてますね。
どうやって
当座を凌ぐだけの解決策にはなってない対応ですが、ひとまずそれで被害は抑えられているようです。代わりにこっちの負荷が半端ないんですがね。友達の皆と放課後や休日に遊びに出たりもしてません。周りの目がえぐいんで。
みずきちゃんが教室に入ってきました。既にパワプロくん以外はいません。チラリと視線を向けると、お馴染みの面子が揃い踏みしてますね。
聖ちゃんと礼里ちゃん、ヒロピーとあおいちゃんと聡里ちゃんです。
「別に待ってねえけどさ……お前ら先に帰ってても良かったんだぞ」
嘘だゾ。(言動が繋がって)ないです。
待ってないと言うならパワプロくんが先に帰ればいいだけです。そしたらマスゴミと女子ファン達は砂糖に群がる蟻の如く付いてきますので、必然的にみずきちゃん達はフリーで帰れるんで。それしないで言われるがまま律儀に教室で待ってた時点で、実は一人で帰りたくないと思ってるのバレバレです。
パワプロくんの覇気のない声に、みずきちゃん達は顔を見合わせて苦笑してます。ヒロピーがパワプロくんの肩を叩いて言ってきました。あおいちゃんとみずきちゃんも苦笑い気味に言ってくれます。
「あたし達がパワプロくんと帰りたいんだ。だってさ……ほら、困ってる友達をほっぽって行くような、薄情な人間にはなりたくないしね」
「下世話な話とか振ってくる人いっぱい居て困るけど、ボクも広巳ちゃんと同じ気持ちかな」
「右に同じ。ホントは先に帰っても良かったんだけど、修学旅行の時みたいに後からねちっこく言われたくないし? しょーがないから一緒に帰るかはさておき、こうして皆を集めてきてあげたの。感謝してくれてもいいわよ、キャップ」
な、なんて優しいんだ。女神か? 女神だったわ……。
実を言うと、精神的に参ってるのを隠そうと思えば隠せるんですよね。受け流してダメージ受けない立ち回りもできます。やろうと思えば(王者の風格)
この程度どうってことない、平気のへいでへっちゃらさ、と。ですが敢えて外野の攻撃(直喩)を受けて弱ってるとこを見せてるのは、パワプロくんを完璧超人に見せないために、一度ぐらい弱い部分を見せておく必要があったからです。この局面も利用する……そう、合理的にね。
考えても見てください。このパワプロくんは客観的に見ると、顔・センス・性格・勉学の四拍子が揃ってる完璧超人です。リアルにこんな奴がいてたまるか! とか。「俺の考えた最高にカッコイイ俺(笑)」と揶揄されること請け合いなキャラクター性ですよ。仮にこんな奴が実在したとして、欠点や弱点が欠片も存在しなかったら、例えどんなに好意的な心象を持ってる相手からも劣等感を抱かれて、次第にそれを膨らませ拗らせてしまうのは必然です。
コイツはなんでも出来る、コイツは超人だ、コイツに負けるのは仕方ない、コイツはなんでも一人で出来るんだから自分は必要がない存在だ――と、思われてしまうのです。そして些細な失敗で失望してしまう人も出てくるかもしれませんし、仮に失敗とかしなくても劣等感を拗らせた結果、人間関係に爆弾を背負ってしまう事も有り得ます。よってそれを未然に防ぐために、本当に精神的に参ってる姿を見せておく必要があるんです。
コイツでも弱る時があるんだ――同じ人間なんだ――と、感じさせる事で、一気に親近感が湧き、弱ってるパワプロくんに頼られる事で、自分は必要な存在なのだと密かな承認欲求を満たせてあげられるのですよ。
パワプロくんのような超絶スペック野郎に頼られる。これ、例えどんだけ聖人でも優越感を覚えられるポイントです。
肝なのは、ガチで弱ってないといけない事ですね。礼里ちゃんがいるから嘘が通じないとか、そんな超能力関連の話ではなく。誰をも完璧に騙せる演技力なんかは流石に持ってないので、真実を確実に半分以上――理想を言えば真実の割合は七割以上――混ぜておかねば、演技してると見抜かれてしまうリスクがあるんですよね。礼里ちゃんは目的がない限り人を読心しないという、人の良識があるんで下手に警戒する必要がないという事情もあります。
女神な娘達と反比例しての屑っぷりよ……。失望したぞパワプロくん(熱い責任転嫁)
「こういうとこでパパに頼るのはホントは嫌なんだけど、流石に事情が事情だし、ここはこのみずきちゃんに任せなさい」
「……それ、いいのか?」
「自分の好みに拘って、キャップのこと見過ごすほど腐ってないわよ。ヘリで帰る? 影武者用意してダミーにする? それとも車で送迎してもらう?」
選択肢にさらっと影武者とかヘリコプターが入るみずきちゃんマジお嬢様。
みずきちゃんは過去作でもそうですが、お家がお金持ちなのにそうした家の金を使うのを嫌がって、お小遣いも一般的な家庭の子供が貰うぐらいの額に留めてます。だからお金をあんまり持ってなくて、パワプロくんとかにジュースを集ったりするわけです。
過去作ではどうだか知りませんが、本作は細かいとこもかなり新解釈が入って掘り下げられています。本作のみずきちゃんは過去にお嬢様ぶってたせいで友達を失くしたのと、橘さんの溺愛&過保護っぷりにウンザリして、普通の女の子という奴に憧れてる面があります。まあ高校だと理事長勤めてる爺さんの孫の立場を利用しまくるので、割と緩い拘りといった程度なんですがね。根っこはお嬢様のままなのだ。
みずきちゃんの好感度が足りてると、こうして手を差し伸べてくれます。遠慮せずその手を取りましょう。
「じゃあ、車で帰らせてくれ。……悪いな、みずきちゃん」
「気にしない気にしない。騒ぎが落ち着いたらパフェでも奢ってくれたらそれでいいわ。それじゃ人数分の車呼ぶわね」
「ごめんね、みずきちゃん」
「困った時はお互い様ですよ。あおい先輩達もウザったい連中に絡まれて嫌な思いしてるし、ああいうのは相手しないようにするに限りますよ」
あおいちゃんにテキトーに返しつつ、スマホでパパンに電話するみずきちゃん。聡里ちゃん達もパワプロくんに配慮してるのか、あまり話し掛けてきません。近くに寄り添って立ってるだけ……この良い女ムーブ、JCとは思えん。
さておき冷静に考えてみましょう。
このまま放置してたら大事に発展しそうな気配がプンプンします。みずきちゃん達は一人の例外もなく、いつかは事態に収拾が付くと楽観してるようですが、時間が解決してくれる問題とは思えません。
騒ぎの元凶がパワプロくんの『LOVEPOWER』にあるという予測が正解なら、ぱわぷろ(平仮名)時空にありがちなBADなイベを引き寄せたりする事は充分に考えられます。
……ちなみに神様(運営)へのお願い権の最後の一つは、『比良女木美々』という彼女候補との縁を結ぶのに使おうと思ってました。
美々ちゃんは開発チートです。よく分からんものを開発して、練習効率を上げたりしてくれる有用なマネージャーなんですよね。その開発力は彼女単独でアンドロメダ高校に匹敵する設備を用意できるほどです。
非常に可愛いという点は無視するとして、彼女枠として迎えなくても同じ高校にいるだけでとっても助かります。なので美々ちゃんと確実に出会うために縁結びをするのが狙いでした。
が……『LOVEPOWER』を剥ぐ方法が神頼みしか思いつかず、他の手を考えていられるだけの猶予もなさそうなのが悩ましい所でして。下手に時間を掛けて更に事態がややこしくなるのが好ましくない。みずきちゃんを初めとする皆に迷惑を掛け続けるのも――メリットがあるなら無視できますが、メリット自体が存在しないため――気が引けます。
やはりここは、RTA走者らしく安定性を重視していきましょう。美々ちゃんと出会える事を祈りつつ、今は当座の問題を解決するのを優先するという方向で考えていきます。
「みずきちゃん」
「んー?」
「ありがとよ」
「さっきも言ったけど、ホント気にしないでよ? こういう時ぐらい力になっときたいんだから」
「気にするに決まってんだろ。ダチに迷惑掛けてるんだ――いい加減、俺も収拾が付くように動く決心が付いた。この借りは返す、したい事があったらなんでも言ってくれ。なんでもするから」
みずきちゃんの反応を待たずして、橘財閥の人が人払いをした裏口に来た車に乗り込みながら言い、ドアを閉めて運転手さんに目的地を告げます。
なんでも言ってくれ(迫真) なんでもするから(誘い受け)
みずきちゃんはこのパワプロくんにお願いする権利を手に入れました。その権利を何に使うか今から楽しみですねぇ。
運転手さんはなんでそんな所に行くの? と疑問を感じてるようですが、ちょっとした願掛けだとでも言って誤魔化しておきましょう。
そんなこんなでやって参りましたのはいつぞやの神社です。パワプロくんに『LOVEPOWER』とかいう呪いをくれやがった憎きあん畜生の根城ですよ。
お賽銭は五円だよ。いつぞやのように大金投入する気はありません。
知らない人に困らされてるんです。助けて(迫真)
こっちの事情も考えてよ(棒読み) こんなんじゃ野球になんないよ〜(棒読み) やめたくなりますよ〜野球〜。
" ――――ッッッ!?!? "
ぬわあああああん疲れたもおおおおおん! ふざけんじゃねえよお前これどうしてくれんだよ!
と、弱音やら文句やらなんやらかんやら。とにかく念じて捲し立てます。アフターフォローぐらいなんとかして。しろ(脅迫) 野球神のくせに前途ある若者の野球人生にピリオド打っていいと思ってんのかコラ。
よし、帰ります。事はパワプロくんだけに留まりません。パワプロくんの周囲の人にも迷惑掛かり過ぎです。なので野球神様は恙無くパワプロくんの願いを汲んで、珍騒ぎが落ち着くように働きかけてくれるでしょう。
それとは別に、パワプロくんにも動いてもらいましょう。テレビ局のカメラマンを通じて、これ以上は私生活が破綻するから勘弁してくれという趣旨のお願いをしようと思います。頼むよ〜?
とりあえずステータス画面を開きます。他の人のステータスとかは見れず、好感度やら評価やらは閲覧できませんが、自分の状態だけは把握できますからね。
LOVEPOWERは……よし、剥がれてます。野球神様も仕事してますねぇ。LOVEPOWERが『モテモテ』にランクダウンしてますよ。やったぜ。
って、んんんぅ? あれ? 『人気者』の欄にある表記が変わってる……なんで? 別のが表示されてますよ。
えー……と、なになに。『カリスマ』? 知らぬ間に本作のシステムがアップデートでもされていたのか、解説が付いてますね。『カリスマ』とは『人気者』の上位版……? 発言力が大きく上がる……?
……違う、そうじゃない(白目)
読者の皆、オラに元気を分けてくれぇー!