日本国国防海軍第1空母打撃群はいふり世界転移   作:ズデーテン

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リハビリ作。別サイトでは書いてました。gateは多分失踪。


接触

「くそ、ここはどこだ!?」

 

 第1空母打撃群司令官の村上淳仁(むらかみあつひと)小将がそう叫ぶ。第1空母打撃群の編成は以下の通りだ。

 

大和型原子力航空母艦1番艦大和

金剛型ミサイル駆逐艦1番艦金剛

摩耶型ミサイル駆逐艦1番艦摩耶

秋月型駆逐艦1番艦秋月

朝日型駆逐艦3番艦霧虹

鳳翔型原子力潜水艦1番艦鳳翔

摩周型補給艦3番艦諏訪

 

 旗艦は大和であるため、村上は大和にいる。大和型と鳳翔型はアメリカによる技術支援が行われ、それぞれ4隻建造された。

 

「司令!レーダーに何か映っています!!」

 

「何!?どこだ!」

 

「方位351、距離70!」

 

「F-35を偵察のために2機上げろ!」

 

―――――――

 

「はあ…いくら何でも学生である私たちにこの任務を任せますか…?」

 

 航洋艦晴風副長の宗谷ましろがため息をつく。

 

「仕方ないよシロちゃん、海の安全が確保されないと私たちだって海洋実習できないんだから」

 

 晴風艦長の岬明乃がそう答える。

 

「とは言ってもこんな広い海でターゲットを探すなんて不可能ですよ!空からでも探さない限り!」

 

「水素やヘリウムを使わない空飛ぶ船って作れないんですかね」

 

 記録員の納沙幸子がつぶやく。

 

「あんなもの空想の産物だ…馬鹿馬鹿しい」

 

 ましろがそう返す。すると、どこか遠くから音が聞こえてきた。

 

「ん?」

 

「なんの音でしょうか?」

 

 艦内がざわつく。

 

「左舷方向空から何か接近してきます!」

 

 見張り員の野間マチコが艦橋に報告する。

 

「空から?飛行船かなー?」

 

 のんきなことを言いながら明乃が双眼鏡で報告された方角を見る。

 

「え…?何あれ…?飛行船じゃない!!」

 

 その言葉に艦内は大騒ぎする。

 

「そんなわけ!飛行船以外で空を飛べるものがあるわけな…!」

 

ましろの言葉を遮るようにしてF-35が2機晴風上空を通過し、轟音が響く。

 

「きゃあ!」

 

「何この音!」

 

「何!?宇宙人!?」

 

 エンジンの爆音に思わず誰もが耳を塞いでいた。

 

「やっぱり宇宙人だー!」

 

 幸子がそう騒いでいるのを横目に明乃は晴風の周りを旋回しているF-35を双眼鏡で見ている。

 

「いや、違う!人が乗ってる!」

 

「人が!?じゃあ何!?ブルマーの新兵器!?」

 

「でも、レーダーには何も映ってませんよ?」

 

 電測員の宇田慧が艦橋に報告する。

 

「そんな…!やっぱりUFOなのか!?」

 

 理解できない状況に、ましろがらしくないことを言う。

 

「シロちゃん落ち着いて!とりあえず無線で呼びかけてみよう!つぐちゃんお願い!」

 

「了解です!こちら航洋艦晴風です。貴官の所属と目的を教えてください!」

 

 電信員の八木鶫が無線で呼びかける。しかし、

 

「応答ありません!」

 

 応答はなかった。それもそのはず。晴風とF-35では無線の周波数が違うのだ。

 

―――――――

 

「This is Japan NAVY, this is Japan NAVY, tell me your affiliation and purpose, over.(こちら日本海軍、こちら日本海軍、貴艦の所属と目的を教えてください)」

 

 F-35側も晴風に呼びかけていた。2機のF-35のパイロットはそれぞれ、佐藤中尉、大崎中尉だ。

 

「応答なし、か…しかしなんでこんな古い艦が…」

 

 晴風は陽炎型駆逐艦である。70年以上前に全艦退役しているはずだ。

 

「タイムスリップでもしてしまったのか…?」

 

「しかし変な塗装だな。建造当時は日本は戦争真っ最中、あんな見つかりやすい塗装を施すとは思えない。」

 

「しかも艦体に『Y467』と書かれているが何故アルファベットが使われているんだ…?」

 

『ネプチューン1、ネプチューン2、現状を報告せよ』

 

 大和から無線が入ってくる。

 

「こちらネプチューン1、レーダーに映っていたのは陽炎型駆逐艦、艦体には『Y467』と書かれてます」

 

『陽炎型駆逐艦だと!?そんな訳が…我々はタイムスリップでもしてしまったのか…!?』

 

「いえわかりません。無線も通じないので船で直接接近した方がいいかと…」

 

『もしそれで攻撃されたらどうするんだ!?相手は帝国海軍だぞ!』

 

「あの、先ほども申し上げましたが艦体には『Y467』と書かれています。そんな艦は存在してないはずです!」

 

『…一度帰還せよ』

 

「了解!」

 

―――――――

 

「行っちゃった…」

 

 明乃が双眼鏡を目から離し、そう呟く。

 

「一体何だったんでしょうか?」

 

 幸子が首を傾げる。

 

「とりあえずブルマー本隊に問い合わせてみよう!」

 

「あの!ブルマーからです!航洋艦吹雪が6隻の国籍不明艦隊がこの付近を航行するのを目視したそうです!現在吹雪は現場から離脱したため、代わりに晴風は偵察へ向かえ、援軍が到着するまでなるべく隠密に行動せよ、万一攻撃を受けた場合は武器の使用を許可する、とのことです!」

 

 鶫がブルーマーメイドからの電文を報告する。

 

「国籍不明艦隊…艦長どうしますか?」

 

「とりあえず相手のレーダーに捕捉されないよう視程外にいよう!艦隊はスキッパーで接近して観察しよう!」

 

「なるほど、スキッパーは誰が乗りますか?」

 

「しろちゃん、お願いできる?」

 

「了解!」

 

―――――――

 

「あれが国籍不明艦隊…」

 

 ましろはスキッパーに乗り、艦隊が見えるギリギリのところから観察している。

 

「艦長、国籍不明艦隊はこちらに向かってきています。移動したほうが良いかと。」

 

『わかった!とーりかーじ!』

 

 

『ここなら大丈夫だね!』

 

「あの!こちらに向かってきています!」

 

『ええ!?なんで!?場所移動したばかりだよ!?』

 

 その後、何度移動しても晴風の方へ向かってきた。晴風の世界のレーダーは水平線の向こうの目標は捕捉できない。第1空母打撃群のレーダーはもちろん水平線の向こうの目標も捕捉できる。

 

 つまり、晴風は第1空母打撃群を捕捉できていないが、第1空母打撃群は晴風を捕捉できているという状態になっている。

 

『…わかった。近づいて信号灯で交信してみよう。』

 

「そんな…危険です!」

 

『大丈夫、やってみよう。』

 

―――――――

 

大和艦橋

 

「前方の駆逐艦から発光を確認!」

 

「読み上げろ。」

 

「はい!『本艦は日本国ブルーマーメイド所属航洋艦晴風である。貴艦の所属と目的を教えてください。』とのことです!」

 

「ブルーマーメイド?そんな組織はないぞ。それに晴風という艦も…」

 

 村上は混乱していた。ブルーマーメイドという組織は歴史上一度も存在したことないし、陽炎型駆逐艦には晴風という艦は存在しない。つまりタイムスリップという線がなくなったのだ。

 

「ブルーマーメイド!?」

 

 突如、大和航海長の澤島幸成が声を上げた。

 

「…どうした澤島?」

 

「ブルーマーメイドという組織も、晴風という艦も知っています!」

 

「本当か!」

 

「この世界は、ハイスクール・フリートという漫画、アニメの世界です!」




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