日本国国防海軍第1空母打撃群はいふり世界転移   作:ズデーテン

3 / 3
前回更新半年前とかマ!?


圧倒的技術差

「あれは噴進魚雷だからほぼ100%よけられないですよ!」

 

「もうダメだあ!」

 

 芽依と幸子が騒ぐ。

 

「噴進魚雷は誘導魚雷だから回避は……!」

 

 明乃が珍しくネガティブになる。それはそうだろう。回避が困難な魚雷が飛んできているのだから。

 

「秋月へ送れ!シースパローで迎撃せよ!」

 

 村上の命令で秋月へ信号を送る。

 

「しーすぱろー?」

 

 明乃が首を傾げる。そこへ澤島が、

 

「あの艦を見てな」

 

 3人に促す。すると、秋月からRIM-162 ESSMが発射される。

 

「噴進魚雷!?……でも相手撃沈しても私たち助からないから意味なくない!?」

 

 芽依がそう叫ぶ。

 

「まあまあ見てなって」

 

 澤島が芽依を諭す。その間にもESSMは噴進魚雷の方へ飛翔していく。そして、

 

「な!?」

 

「えっ!?何が起こったの!?」

 

「爆発した!?」

 

 3人は目を見開いて驚く。

 

「まさか……噴進魚雷に噴進魚雷を当てた!?」

 

「その通り。まあ当てたのは噴進魚雷じゃなくてRIM-162 ESSMという短距離迎撃ミサイルだけどね」

 

 澤島が説明する。はいふりの世界にはミサイルは存在しない。だから3人にとって噴進魚雷を迎撃するその様はかなりの衝撃だった。

 

「正直有効射程ギリギリだったから不安だったが何とかなったな……」

 

 村上の安堵の呟きを聞いた明乃が、

 

「あれって射程20kmくらいなんですか?」

 

 そう質問する。

 

「ん?ああ、有効射程って言っても最短の射程であって実際は50kmはあるよ」

 

「ご、50km!?そんなに長いんですか!?」

 

 3人は驚く。50kmという射程は大和(戦艦)の主砲の射程より長い。この世界でESSMの射程を超える種類の兵器は存在しない。

 

「そんなに驚くか?射程100km超えとか珍しくないだろう。」

 

「ひゃく……!」

 

 3人は絶句する。大和の主砲の2倍以上の射程が普通だと言っているのだから当然だろう。

 

「ところであれって沈めていいんだよね?」

 

 村上が明乃に尋ねる

 

「え?ああ、はい。一応海賊なので……」

 

 そう、実は攻撃してきたのは海賊だったのだ。

 

「まあ主砲でいけるだろ。秋月へ主砲で迎撃するように伝えろ!」

 

 秋月の主砲から砲弾が放たれ、全弾が海賊に命中する。

 

「ふう……これで一段落か。ところでなんで海賊があんな船を?あれを建造するにはまあまあな造船能力が必要だろう。」

 

 村上が素朴な疑問を投げかける。

 

「えーっと……あの船は襲撃によって拿捕された船なんです。今全世界で国際的海賊組織が活動していて、私たちはその海賊と戦うために活動しているんです。」

 

「海賊か……」

 

 しばらくしてレーダーに複数の艦影が映る。

 

「また海賊か?」

 

「にしては規模がでかすぎませんか?」

 

 艦内がざわつく。戦闘態勢に就こうとしていたその時、明乃が持っていたトランシーバーに通信が入る。

 

『艦長、こっちにブルマー本隊が来ているみたいです。』

 

「それって西の方から接近してきている艦隊?」

 

『そうです。』

 

 レーダーに映っていた艦影はブルマー本隊だった。30分程で本隊と合流し、ブルマーの隊員が数名大和に乗艦した。

 

司令公室

 

「日本ブルーマーメイド対海賊対処艦隊司令の宗谷真霜です。」

 

「日本国国防海軍第1空母打撃群司令の村上淳仁です。」

 

 互いに握手を交わす。

 

「話によると、あなたたちは異世界からやってきたと?」

 

 真霜が晴風から事前に聴いていた話について質問する。

 

「私もよくわかってないんですけど、そうみたいですね……」

 

「異世界……」

 

 ブルマーの隊員たちがざわつく。

 

「ところでこちらからも質問してもいいでしょうか?」

 

 大和船務長の宇多孝昭(うだたかあき)が話に入ってくる。

 

「はい、何でしょうか?」

 

「対空レーダーに100以上の機影が映っているんですけど、あれも貴方達の所属ですか?」

 

「え?確認します。」

 

 真霜はトランシーバーで艦隊と交信する。

 

「……違うみたいです!あれは海賊です!」

 

 その言葉により騒然とする。

 

「艦長どうしますか?我々はいつでも出撃できます!」

 

 飛行長の白河用明(しらかわもちあき)が発言する。

 

「そうだな……第1戦闘攻撃飛行隊の出撃を命令する。」

 

「了解!」

 

 白河は格納庫へと走っていた。

 

「私たちも飛行船を出しましょう。」

 

 真霜がブルマーの隊員たちに話した。

 

「え?飛行船?」

 

 村上はその言葉を聞き漏らさなかった。

 

「それって何ノット出るんですか?」

 

「えーっと、130ノットくらいですかね。」

 

「……」

 

130ノットといえば旅客機の離陸速度くらいの速さだ。そんな低速では戦闘機にはついて来れない。なので第1戦闘攻撃飛行隊が離陸準備をしている間に飛行船に当該空域へ向かってもらうことにした。

 

「あれは……さっきの飛行船かな?」

 

 明乃がF-35を見つめてそう言う。しかしどう見てもF-35は飛行船には似ても似つかない。通常、飛行船は水素やヘリウムといった気体を利用して飛行するが、それらしきものは見当たらなかったため、明乃は困惑していた。

 

「さーて、ショータイムの始まりだ。皆さん、あの飛行船もとい戦闘機にご注目ください。」

 

 第1空母打撃群の中で唯一はいふり世界に飛行機が存在しないことを知っている澤島が臭いセリフを吐く。

 

 F-35はアフターバーナーを点火し、離陸態勢に入る。そして、

 

「うわ!」

 

「なにあれ!?」

 

 電磁カタパルトによって射出され、離陸する。次々に離陸していくF-35。

 

「どうやって飛んでいるんだ!?」

 

「なんて速さだ……」

 

「あの戦闘機は音速をも超えることができるんだ。」

 

「音速!?」

 

 澤島の解説にはいふり世界の住人たちは驚く。人が乗った乗り物が音速を超えるなどあり得ないというのが常識だからだ。

 

 皆がこれなら海賊にも勝てる、そう確信した。




このペースで行くと完結するのは何年後になるんですかね……

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。