金髪吸血鬼と俺   作:珠玖

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志久くんは何やかんやで計画を実行するようです...2

「え〜っと、これは絶対に必要でしょ、後これと、あれも必要かな?」

 

日本から遠く離れた土地に建てられた

一軒家で、1人の青年がリュックサックに荷物を詰めていた。

 

「これ持っていった方がいいかな?」

 

「そうですね、少なくとも日本の都市部に行くのにピッケルを持っていく必要はないと思われますが。」

 

「じゃ、これは?」

 

「そうですね、山に入る予定はないのに猟銃を持っていく必要は無いと思われます。」

 

「え〜 じゃあもう君が選んでくれよ」

 

「そうですか。なら私のオススメは1つです。」

 

「ほうほう、それは?」

 

女はリュックサックを持ち上げて言った。

 

「あんたも吸血鬼なんだから少しは吸血鬼らしいことしやがれ下さいよ!この腐れ老害野郎!」

 

「なんか言葉不自由な人みたいになっt.グブフゥ!」

 

女は持ち上げたリュックサックを青年に怒りのまま叩きつけた。

 

「痛いよ〜泣きそうだよ〜」

 

ギロっ!

 

「ヒィィ!」

 

青年の軽口に女は強烈な怒りの篭った睨みを聞かせて青年を黙らせた。

 

「荷物なんて日本に到着してからでいいですから今すぐ行きましょう」

 

「やだよ。僕ちゃん枕が変わると寝れない繊細な子なんだ〜」

 

女はまたもやブチ切れて今度こそ青年をぶん殴ろうとするが、男の放った一言で拳を止めた。

 

「おい! これ以上オレを殴ったらどうなるか良かってんだろうな!?」

 

「ゲッ...」

 

女が怯んだ一瞬のスキをついてさらに言葉を重ねていく。

 

「これ以上オレを虐めてみやがれ!

オレは泣くぞ!このバカ娘!!

あと散らばった荷物詰め直しておけよ!」

 

青年は叫びながら部屋に入って行き、数秒後にガチャリと鍵をかける音が聞こえた。

 

「またやってしまった....」

 

女は疲れた声で呻くと荷物を詰めていった。

 

 

 

一方その頃....

 

「オイオイおいおいちょ〜っと待てぇぇぇぇ〜!!!」

 

志久は地下に作られた実験施設で命懸けの鬼ごっこを繰り広げていた。

 

「グァァァルルル!!」

 

逃げ惑う志久の後方約5メートルには志久の身体を易々と噛みちぎる程に発達した牙と顎が迫っていた。

 

(くっっっそコイツ速い!一本道だと追いつかれる!)

 

逃げる志久は吸血鬼の身体能力を活かし、驚異的な速さで走っているのだがそれでもじわじわと距離を詰められる。

根本的に歩幅が違うのだ。

 

 

高速で動きながらこの状況を切り抜ける手段を考えていく

 

(このまま振り返って殴り合うか?

答えはNoだ。はっきり言ってマトモにやったら殺される。

じゃあこのまま逃げ続けるか?

これもNoだ。今はいいけどいつか追いつかれる。

答えはなんだ?

答えは1つ、正面から殴り合う以外の方法で何とかしてこの化け物をぶっ殺す。

じゃあどうするか?)

 

「確かこの施設には実験用の薬品とか色々あるはずだからそれを上手く使えば何とかd...うおっ!!」

 

その瞬間後方から何から高速で飛んできた

 

(あっっっぶねぇなおい!なんだ?何飛ばしてきたんだ?)

 

チラリと後ろを振り返ると、追ってくる化け物の口に何か白いものか入っていた

 

(あれは...まさかさっきコイツが挽肉にしたキメラ達の骨か?)

 

と、考えていると後ろからバキバキバキと何かを砕くような音が聞こえてきた。

 

(おいおいまさかコイツ....)

 

そして爆発するような音と共に、後ろから超高速で動く物体が背後から迫ってきた

 

「うぉおおおっとおおぉ!」

 

直感で真横に跳んだのは正解だった。

ついさっきまでいた場所を骨弾が通過し、壁に大穴を空けていた。

 

それもただの壁ではなく、こうしてキメラたちが暴れても壊れないようにするためだろうか?かなり厚い鉄で出来ているそれに、だ。

 

(威力高ぇなおい!.44口径のマグナムと威力そんな変わらねえぞ!)

 

脳内で愚痴っても現実は変わらない。何とかして突破口を見つけない限り、自分に生存の道は無い。

 

(どうするどうするどうする!?何とかして身を隠さないと流石に死ぬ!殺される!考えろ!何とかして隠れて反撃の機会を創らないと!)

 

唯一の救いは、計画を実行する時点で研究所のマップを記憶している事だろう。

 

(ルナさんはキメラは強いが吸血鬼みたいに身体がバラバラになっても復活できるほど再生力は強くないと言っていた!

薬品使って爆破すれば流石にくたばるだろ!)

 

そうと決まれば話は早い。

直ぐに現在地から最寄りの薬品庫へのルートを割り出していく。

 

(今いるのはエリアC-3の2、最も近い薬品庫はB-2の4か。確かそこは引火性の高い薬品とかがあったはずだ、そこに行ければ!)

 

何とかこの絶望的な状況から抜け出す算段がついた。あとはこれを何とかやるしかない。

その時。

 

バキバキバキ!ボキボキ!!

 

(おっと、また来るか)

 

1度目と2度目こそ危うく当たりかけたが、3度目は余裕を持って避けられるだろう。

 

だがしかし、その時は何かが違った。

 

バキバキバキ!ボキ!ボリボリ!

 

(なんだコイツ?打ってこないぞ?)

 

ボリボリボリボリボリボリ!

 

(動物の本能で機会を伺っているのか?)

 

しかしオレは数秒後、自分の油断を呪うことになる。

 

ボリボリボリボリボリボリボリボリ!

 

(そんなに骨を噛んだら欠片が小さくなって....まて、欠片が小さく、だと?)

 

この時オレは自分の直感に従ってすぐに回避行動をすべきだった。

その時ならまだ間に合っていたかもしれないのに。

 

(欠片を小さく、弾数を多く、まさか、そんな事を考えるのか?人工的に創り出されたこの化け物が?)

 

ボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリ!ギュルルルルル!

 

(チッ、とにかく避けるしかな....)

 

その瞬間

 

ドガガガガガガガガガガガガガ!!!

 

化け物の口からまるで散弾銃の様に放たれた骨弾は、回避しようがないほど広範囲に放たれ、さらにそれが壁に当たって跳弾し、跳ねまわり、やがて弾が止まる頃。

 

そこには、腹や頭に穴が空き、片腕が吹き飛び、足も再起不能なレベルに壊れている、恐らく生きていたとしても二度と立ち上がることすら出来ないであろう程の怪我をおった、1人の少年が使い古されたボロ雑巾の様に倒れていた。

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