金髪吸血鬼と俺   作:珠玖

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最近更新が送れていたので、ちょっと早めに書きました。
それではどうぞ。


シク君はようやく力を理解するようです...3

 

 

 

 

 

 

「ここは、どこだ?」

 

気がついた時、そこは薄暗い路地裏ではなく、一面が真っ白な世界だった。

普通ならいつの間にか別の空間に移動していたら困惑するだろうが、何故か全く驚かない。

むしろ安心していると言っていいだろう。

 

「とりあえず、ここを出ないと」

 

オレはこの空間がルナさん達が使う異能によって構成された空間ならどこかに出口がある筈と決め、歩きだそうとしたのだが...

 

「何故足がないんだ...」

 

何故か分からないが足が消えている。

それこそ切断された、と言うより空間ごと削り取られた、といった感じだ。

物の見事にスネの中ほど辺りから消え去っている。

 

「なんと言うか、不思議な世界だな」

 

普通だったらこんな怪我をしたら血が大量に出るだろうし、とてつもない激痛にも襲われるだろう。なのに何故か痛くもないし血も出ていない、まるで元々なかった様だった。

 

「どうしよう...動けないな」

 

足が無ければ動けない。とは言うものの最悪ほふく前進で進めばいいし、何故かとてもこの空間は落ち着くし、一休みしてゆっくり考えるとしよう。

 

オレは呑気にそう考え、背中からゆっくり寝転がろうとしたのだが...

 

「呼ばれてないけどジャジャジャジャーン!」

 

上からなんだかとても古いネタを叫びながら男が落ちてきた。

 

その男は軽く着地して、決めポーズをとっている。

 

声、顔からして20代後半というところだろうか、黒髪のモデル体型でこれだけ聞くとさぞモテそうなのだが、全身から残念なイケメンオーラを醸し出しているからそれが台無しになっている。

 

オレはとりあえずこの胡散臭い男に話を聞いてみることにした。

「あの〜?すいません、ここが何処なのか知っていますか?出来ればここからの脱出方法も知りたいのですが?」

 

「おーけーおーけー、まず質問は1つずつしような少年。んじゃ、1つ目の質問から。ここはなんと、君の精神世界なんだぞ!ビックリしたかな?」

 

はい?

精神世界...は漫画とかラノベでよくあるやつだから分かる、要するに自分の心の奥底にある、自分だけの世界だ、そこでは普段自分でも気づいていない欲望が具現化している。

(早い話がパレスだ)それは分かるのだが...

 

「こんなドラ○ンボールで修行場として使われてそうなこれがオレの精神世界ってことですか?」

 

いくらなんでも自分の心の奥底が真っ白ってちょっと悲しいなぁ

 

「あぁ、これは俺がテクスチャを白紙にしてるだけだから安心してくれ。君の心は真っ白なんかじゃあない。」

 

ほっとするのも束の間、今度は別の疑問が湧いてくる。

 

「あなたは一体、何者なんですか?」

 

「おっと、そういや俺の自己紹介がまだだったな、オレの名前は...とりあえず今は、レン、と呼んでくれ。よろしく」

 

向こうが名乗ってくれたんだ、こっちも名乗るのが礼儀だろう。

 

「僕の名前は...」

 

「藤木志久、今年で16歳の高校1年生、誕生日は10月30日、身長は182センチ、

趣味は読書やアニメ、ゲームなどインドア系、恋人や友達がいないボッチであり、女性のタイプは金髪ロングの年上お姉さん、夜は毎日明日が休みの日でも夜12時には寝て、朝の8時には起きている。」

 

ぇぇえええ、どっから調べたんだそんな情報。怖い怖い怖い、特に好きなタイプなんて誰にも言ってないはずなのに!

 

「どこから、そんな情報を...」

 

「どこからって言うか...君からだよ、シク君、君が見て、聞いて、感じたものを僕は全部知ってる。君がもう忘れてしまった事もね。」

 

「それは...どういう」

 

「もう薄々気づいてるだろ?要するに俺は君で、君は俺なんだよシク君」

 

なんだよそんな急にペルソナみたいなこと言い出しやがって

あと全然気づけてなかったけども

 

「君、今僕のことペルソナかなんかと思ったろ?全部ではないけどこっちから君の気持ち分かるからね、あんまり俺が傷つくこと言うのやめてね。いや、ホントに」

 

「あ、すいません...」

 

って、何謝ってんだ

 

「いいよ、いいよそれじゃあ、本題に入るね。藤木志久君、君は...

もう、死んでいるんだ。」

 

「は?じゃあ今現在貴方と会話している僕は一体何なのでしょうか?」

 

「思い出せ、シク君。君は、あのキメラに戦いを挑んで、負けて、そして殺されたんだよ。」

 

「なっ...」

 

そうだ、少しずつ思い出してきた。

オレは確かに、アイツに戦いを挑んで、そして...

 

「うっ....」

 

そこまで思い出した時、強烈な頭痛と吐き気に襲われた。

まるで思い出したことを咎める様に

 

「さて、シク君。今から僕は君に2つ、プレゼントをあげるからさ、よーく聞けよ。」

 

レンさんがなにか言っているが、頭痛と吐き気のせいでよく分からない。

 

「1つは2度目の命だ。といってもそのまま生き返らせてもまた殺されたら流石に2回目は生き返らせるのが難しいからね、だから2つ目、これから先、様々なバケモノ共と戦っていく君のための力だ、大事にしてくれ。」

 

力?なんだ?それは?

 

「この力の名は...そうだね、とりあえず仮の名前として、

"霊気吸収"とでも呼ぼうか、この力は、底なしの魔力と体力を誇る吸血鬼やキメラにとってまさに銀の弾丸だ。この力を使いこなせれば、人類にとっての絶対的強者である吸血鬼と

も殺り合える様になるはずだよ。」

 

"霊気吸収"?なんだよ、それは?もっとちゃんと説明してくれ。

 

「説明が足りないって顔してるね、あいにく君に説明してる時間がもう無いんだ。残念だけど、使い方は実戦で確かめてくれ。」

 

そこまで言うとレンさんは少し間を置いて

 

「さぁ、起きなよシク君。そろそろ目覚めの時だ」

 

体がぷかぷか浮いている感じがする、いや、事実浮かびがっている。

そのまま上がり続けているうちに、だんだん眠くなってくる。その睡魔に抗いきれず、オレの意識は光に包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もしかしたらあの子で完成するかもしれないな...

ここまで来るのに何年かかったんだろ?

もう"芽"はできている、そのうち"花"も咲くだろう。

お願いだから俺の期待を裏切らないでくれよ、シク。」

 

 

 

 

 




どちらがどちらなのか分かりやすくするために、今回登場したキャラの一人称は"俺"、シクの方は"オレ"、または"ボク"とします。

大雑把なストーリーを考えると、この新キャラクターは結構重要な立ち位置になるので、ちょくちょく登場させる予定です。
それではまた次回も読んでくださると嬉しいです。
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