Fate/SERAPH Memory   作:超ローマ人

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離反(後編)

「アーノルドさんにマーブルさん。少し聞きたいことがある。」

「なんだ?」

アーノルドは豆鉄砲を撃たれた鳩みたいに返事をする。

藤丸は話の核心を突く。

「このSERAPHで起こったことを話してください。出来る限り詳しく!」

すると、アーノルドの隣にいたマーブルが震えだした。

「ガクガクガクガク……」

「悪い、藤丸くん。マーブルさんもボクもそれについては話したくない。」

「…そうですか。」

この時藤丸は彼らに背中を向けながら、『人間とはなんて…』という考えが横切った。

しかし、彼はその考えを頭の中で否定した。『自分も人間だろ?』と。

 

 

藤丸が寝ている間、ガウェインとエミヤオルタは異様な気配を感じ取っていた。

「ったく、マスターとやらも気楽で良いな……。」

「仕方ありません。マスターは呪いの剣によって傷と疲れが癒えません。」

この二騎のサーヴァントは異変の予感を察知し、主催壇に現れた人影の調査及び撃破を試みる。

黒い弓兵は礼拝堂の椅子を飛び越え、女の形をした人影に斬りかかった。

しかし、禍々しいトゲが地面から生え弓兵を襲った。

「チッ!」

「ハァッ!!!」

白銀の剣士がトゲを折り、弓兵の持つ長刀の斬撃と自身の大剣の斬撃を合わせ邪な者を斬った。

「見事な太刀筋ですね」

「汚れ仕事は慣れててな。」

 

 

二人がマスターのところに行こうとした。

しかし、ガウェインの身体が止まった。

「?どうし…!?」

ガウェインは黒い串に刺されていた。

「カホッ……!」

それを見て人影が笑った。

「フフフ……。その程度でこの私が倒せると?」

「くっ!!!」

銃撃は女の前では無力だった。

そして、白銀の剣士は目の前にはいない大切な仲間たちに謝罪しながら光となった。

「申し訳ございません。トリスタン、パッションリップそして……マスター……。」

「だから夜の戦闘は避けろとっ!」

エミヤオルタは青筋を立てながら、一発の弾を銃に詰める。

「I was……」

「私の詠唱のほうが早くてよ?」

「クソっ!!」

黒い弓兵の視界は闇へと落とされた。

そして、その闇には女の声のみが響いた。

「貴方は忘れてしまったのかしら?それとも、英霊になったことで記憶が削がれたのかしら?」

エミヤオルタは冷や汗をふきだし、後悔の文字が顔に浮き出た。

「ある場所で起きた新興宗教……それによる『救済』を断たせた『正義の味方』さん。」

「……めろ……やめろやめろやめろやめろやめろやめろ!!」

男は過去を見せられ、頭を抱える。

目の前には潜れば縄で天へ昇ることの出来る輪が浮かんでいた。

「貴方のような人が持ってはいけない『心』を持っている貴方は―せめて『救済』に堕ちてくださいまし」

「あがががが!!」

黒い弓兵は視界が赤く染まる中で、無垢な人々を殺め尼の飛び降りた後の処理をした記憶を思い出した。

 

 

「こちらの戦力が減ってしまったわね……。」

「おいおいおい、冗談だろ!?彼らにある仕事を依頼ようと思ったのに!」

「『仕事』だと……?」

アーノルドの台詞に藤丸は怪訝な眼差しを向けた。

「アーノルド、今の台詞はどういう…?」

「そのまんまさ!藤丸立香くん!!そのアルターエゴは君の『飼い猫』みたいなものなのだろう!?なら、何か僕たちに出来ない仕事をさせるべきなんだよ!それが彼らへの『救い』に!!」

『飼い猫』。その言葉は藤丸立香の神経を逆撫でにした。

彼は一旦下を向くと、再び顔を上げてアーノルドを睨んだ。

「アーノルド。メルトとリップ、そしてサーヴァントたちに対してなんて言った?よく聞こえなかったんだけども。」

「だから、僕たちに出来ない仕事をっ!」 

青年の腹の底から溶岩が噴き出した。

「マスター!」

トリスタンは藤丸を落ち着かせようとするが、藤丸は「すまない」とだけ言ってアーノルドを再び睨んだ。

「何か言いたそうだな君?」

「アーノルド。次からはサーヴァントたちを『仲間』というように。まぁ、もう―」

そのとき、アーノルドだけある光景が見えた。

目の前の青年の背後から大きな鱗で溢れた獣の手がアーノルドを掴み握り潰した。

「―」

アーノルドは恐怖のあまり、口も足も動かせないでいた。

そして、トドメと言わんばかりに藤丸は耳元で囁く。

「次なんてない。俺たちはお前たちの前から姿を消す。…だって、お前のようなやつ、生かしても殺しても煮てもなんの価値無いんだもん。」

「アーノルド!?しっかり!」

マーブルが尻餅を着き、礼拝堂の床を濡らすアーノルドを支える。

「行こうぜ、皆。こんなところからはおさらばだ。」

アーノルドを威圧した後、カルデア一行は教会を後にしたのだ。

 

 

「奏者よ……」

「どうした?」

「感謝する。」

「礼なんていらねぇ。俺はアイツのやり方が気に食わなかっただけさ。」

「やるにしてももう少し過激でも良かったのよ?」

「メルトったら、加虐体質なんだから!まぁ、私もあの人から蔑まれるのはイヤですけど!」

全会一致なサーヴァントたちを見てマスターである藤丸は何処と無く微笑ましかった。

しかし、そんな時間もアナウンスが終わりを告げた。

「ハーイ、不合格です♪大人しくあの人の言う通りにしない子にはお仕置きです♪」

カルデア一行は敵サーヴァントに囲まれた。

「来る頃合いと思っていたところだ!SERAPH奪還作戦……開始だ!!」

 

 

次回予告 藤丸はネロの援護に二人のアルターエゴを置き、BBに当てることに成功した。

仲間たちは敵を倒していくが、BBとマシュの強さは尋常では無かった

そしてついに藤丸はマシュに対して最後の切り札を切ることを決断した。

次回Fate/SERAPH Memory 『SERAPH奪還作戦開始!BBの罠!』

 

 

 

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