カルデア一行は目の前の敵と戦闘を行わらざるを得なかった。
琴の騎士と黄金の英雄王は緑の狩人と
蒼い巫女狐は赤い狐巫女と
赤い弓兵は青い槍兵と
そして藤丸は以前まで隣でともに戦ってきた後輩との戦闘に突入した。
「ネロ、メルト、リップ。行けぇぇぇぇぇ!」
三騎の英霊は月に巣くう黒い悪魔の居場所への移動を開始させた。
「…………来ましたね、セイバーさん。」
「フン……やはり気づかれてしまったか。」
「ここまでは予想通りでしょ?」
「お母さま……いえ、BB!貴女の野望もここまでです!」
白い薔薇の皇帝と月の悪魔の子が悪魔の計画を打ち破る宣言をした。
「私に歯向かおうだなんて………浅はかですね!?」
白い皇帝が黒い少女へ猪突猛進に突っ込んだ。
白い剣と黒い長棒がぶつかり、青い剣と黄金の手がBBの背後を捕らえる。
「意外と良い線いったコンビネーションですね。しかし。」
BBは強風を巻き起こし、三人を怯ませた。
「あらあら~?さっきまでの勢いはどこですか~?」
「何を!?ここからだ!!」
「ほう……?痩せ犬にも牙があったか。」
「ちっ、中々鬼畜な仕事を要求してきますね!」
「人の心を持たない上司を持つのは疲れますね…悲しい。」
弓状の琴が鳴り、音速の刃が狼のようにかけながら敵を屠ろうとする。
「騎士に同情されたくないんッスけどねぇ!」
狩人は爆弾を使って狼を狩ったが、鉄…いや金のゲリラ豪雨が発生した。
「雨に濡れるか……?」
「!間にあわ…!!」
狩人に雨が当たる。騎士はどうにかこれを音の傘で免れた。
あるところでは札から放たれた火と刀が巻き起こす風が衝突を繰り返していた。
このままでは埒が明かないと悟った二匹の狐は接近戦へ移行した。
「魔術ならともかく、接近ならこっちのほうが!」
「良妻賢母を─嘗めんじゃねぇ!」
玉藻は蹴りで鈴鹿御前をけん制し、彼女が持っている刀を叩き落とした。
「しまった!」
「フフフ……一夫多妻去勢拳!!」
敵の体中に激しい蹴りを浴びせ、走り高跳びの要領で跳んだ高所から急降下攻撃で玉藻は止めを刺した。
「オラオラ!どうした!?攻め手はねぇのかよ!?」
クーフーリンが槍を回しながら攻めと挑発を行う。
エミヤの名を冠する『無銘』はそれに対して黙ったままでいる。
すると、相手は槍を地に刺し弓兵を試す。
「そら、弓を出せよアーチャー。それぐらいは待ってやる。」
弓兵からすれば別の世界で見た光景であった。それはとある田舎都市における聖杯戦争における物だ。『無銘』は顔を歪ませた。
「何がおかしい!?」
「何、クランの猛犬が随分忠犬のように待ってくれるとは。滑稽だ。」
すると、無銘は螺旋状の矢と弓を取り出した。
「それは!」
「さて…後悔させて貰おう!!」
クーフーリンにはいくつかのゲッシュがあるという逸話が有名である。そのため、カルデアのマスターこと藤丸はある武器を使うことをエミヤに提案した。それはクーフーリンの恩師の一人でありその人物またはその剣を持った者に敗北するべきだとされる虹色の光を放つ聖剣・カラドボルグ。
「チッ!」
「偽・螺旋剣Ⅱ!!」
ゲッシュのせいで普段であれば当たらない筈の矢が当たり、青い槍兵は敗北を認め消滅した。
「ふぅ…終わったか。さて、マスターの援護に」
そこに銃声が鳴り響いた。エミヤは弾丸を瞬時に取り出した二本の短剣で弾いた。
「………お前か。やれやれ、ここでは様々な因縁に当たるようだな。」
赤い弓兵の目の前には黒く変化し、壊れかけの自分自身がいた。
「!!強い!!!」
藤丸は電子の海に叩きつけられ、最初に闘った階層から下さらに下への移動と苦戦を強いられる。
彼と対峙しているマシュは盾を捨て、剣を携え最愛の人を傷付ける。自身の心を傷付けながらも。
「Sennpaaaaaaai!!」
「マシュ。俺は……………お前を!救う!!」
「でもよ、マスター。どうするよ?」
「あまりマシュを傷つけず止めるには……アークさん……アワリティア……俺に力を貸してくれ!」
藤丸は首に下げた魔導書と体の中にいる邪竜に依頼し、力を借りた。
「OK! Start your theme!!」
「よし!今度はしくじるなよ!?」
藤丸は傷だらけの体に紅い外套と白銀の鎧を纏い、両手には純白と紅の剣を携える形で戦闘の構えをとる。
「天が呼ぶ!地が呼ぶ!人理が呼ぶ!この世の全てが悪に堕ちた後輩を救えと俺に言う!藤丸立香、ただいま参上!!」
今こうして三つの闘いが終局を迎えようとしていた。
完
次回予告 『無銘』は何者かに操られたエミヤオルタをネロは二騎のアルターエゴの援護によりBBを。そして、藤丸はBBに操られたマシュを相手に苦戦を強いられていた。
BBはSERAPHの真実を話す代償としてメルトリリスが隠匿していた事実を暴露する──それは、藤丸立香の誕生の秘密だった。
次回 Fate/Seraph Memory 『暴露』
月の癌細胞が笑う時───『二人』の青年の記憶が合わさる───
次回予告の『二人』に注目