Fate/SERAPH Memory   作:超ローマ人

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何度も原作名を変えてしまった
この小説は原則週一で更新したいと思います


月の生命たち

「うぅ……ここは?」

「しっかりしろ、マスター!」

一人の青年は魔道書・アークミネルバに呼び起こされながら、朦朧とした意識の中、生まれたての小鹿のように歩いていた。

「また頭痛がしやがる……っ!」

青年は自分がいる場所の景色を見ていると、様々な人の顔が連写されるように頭の中に飛び込んできたのだ。

「なんだよ……コレ?」

彼―藤丸立香―には日本産まれということ以外両親の顔や名前も兄弟の有無に関する記憶は一切無かった。先ほど彼の頭中に叩きつけられたのは、高校在学時の記憶だ。

「なんだ、マスター。まだ頭が痛むのか?」

「あぁ、大丈夫だ。ここは危険な臭いがするが、何処と無く懐かしんでる自分がいるよ。」

藤丸はネロの方を振り向くと、白いウェディングドレスと言っても闘いを想定に入れたような装いだ。

藤丸は自分の格好も見た。黒生地に赤い薔薇の紋様を左胸に浮かべた学生服だ。

「なんだこの格好は?」

 

 

───

女の噺をしよう。女は過激な程にある者に恋焦がれた。

しかし、その愛は破綻したものであった。同化愛を向けられた者は拒み、離れた。

女は大いに反省した。永い時を掛けて。

「………あぁ、またここに来てしまったのね。そして貴方たちは、鬱陶しいわねっ!!」

女は足に付けた刃で敵を切り裂いた。

 

 

「……!」

「どうした?」

「強いサーヴァントが敵と闘っている」

人類最後の魔術師・藤丸立香は魔力の流れを感じ取った。

「うむ、早く行って助けるぞっ!!走るぞ、奏者よっ!」

『奏者』。その言葉を藤丸に仕えるサーヴァント・ネロは無意識にその言葉を口にする。

藤丸も聞き覚えがある言葉だ。

「またこの感覚か…けど今のは……暖かいな。」

 

 

協会の窓が割れ、女サーヴァントはバレエを踊るように着地する。

「しつこいわね!嫌われるわよ!?」

黒い牛のような魔物の集団が女を追いかける。

牛が突進したそのとき。

「天幕よ、落ちよ―花散る天幕『ロサ・イクトゥス』!!」

白い一閃が魔の角と胴を切り落とした。

さらに、青い炎が他の魔物の行進を止めたのだ。

「君はサーヴァント……だよね?」

黒い服に長い靴を履いたような見た目の女は暫く藤丸を見ると、肯定した。

「サーヴァント・アルターエゴ。メルトリリスよ。色々言いたいことがあるけど、話し合いは後。こいつらを蹴散らしましょう。」

 

 

直ぐに闘いは終わり、メルトリリスを介して藤丸は月の特異点がBBが造ったことと人間が特異点内で生きているのを確認されていることを知った。

「人か……場合によっては助けるべきだな。」

「さて、どうだか」

メルトリリスは渋い物を食べた顔付きで返答した。

「人間ってのは身勝手な生き物……私を見たら恐怖するでしょうね。」

「………」

「うむ、それはそうだろうな。だが、やはり見捨てる訳には行かぬぞ?」

「前から思ってたけど、貴女は良いわよね。お気楽で。──薔薇の皇帝様?」

メルトのぼやきに藤丸は首を傾げた

「『前から』…?」

「なんでも無いわよ。そうね、薔薇の皇帝様。貴女はここに迷ってしまった憐れな人間をどうしたいのかしら?」

「助けると言ったであろう!」

「その人間が身勝手なヤツだったら?」

ネロがメルトを睨んだまま押し黙っていたので、藤丸が仲裁に入った。

「俺たちカルデアは人理を守る者たちだ。人を助けて裏切られたって構わない。そんな連中が多いのさ。」

「甘いのね、貴方。」

「あぁ、裏切られるのは『慣れた』。メルトは人間に嫌悪感を抱いてるかもしれないが、これがカルデアでのやり方だ。そして、やり方は違えど君はBBを倒そうとしている。ここは手を組んだ方が良さそうだ…とは思わないか?」

藤丸の問いかけは一時の静寂を生んだ。しかし、その静寂は一瞬にして崩れた。

 

それは、メルトリリスが藤丸から離れた時だ。

「?!」

「マスター!後ろに下がれ!!」

突然空から光弾が飛んできたのだ。

藤丸はこれをかわすが、敵からの追撃と思われる一筋の矢が後ろから放たれたのだ。

ネロはそれを空かさず払いのけた。

「チッ、外したか。」

舌打ちを打ちながら、緑衣の好青年がその姿を現した。

「緑のアーチャーか……。余の奏者を狙ったということは、余たちの敵…と捉えて良いのだな?」

「悪いねぇ、あのBBとやらに雇われててな。そんじゃあ、今度こそ仕留めさせて頂きま…っ!」

言葉が途中で遮られた。

一筋の刃が敵アーチャーに牙を向けたからだ。

メルトリリスがアーチャーの隙を突いて攻撃したのだ。

しかし、攻撃はかすり傷を作る程度の物に終わってしまった。

「!鎧に傷が付いちまった、詣ったなぁ!ここは撤退して罠を仕掛けたほうが良さそうだ。」

藤丸は「待ってくれ」と話しかけようとしたが、それよりも早く緑のアーチャーは姿を消した。

さらに空から奇襲してきた鳥形電脳生命体はまだその姿を消さないどころか、続けて攻撃を仕掛けた。

「邪魔臭いっ!」

藤丸は、首にぶら下げた魔導書に向かって叫んだ。

「アークさんっ!」

「OK!Start your theme!」

魔導書は金属製のベルトへ変化し、主人の腰に巻かれる。

そして、守護者の証である紅い外套が鎧と共に主人の身を包んだ。

「ガーディアンメイガスっ!!」

戦士はその掛け声とともに敵の砲撃をかわしながら、矢で敵を射抜いた。

「!」

敵は声にならない断末魔を挙げながら塵へ変貌した。

残る残党も撃滅し、藤丸は煙草を吸い始める。

 

 

「さて、何処へ行けば良いだろうか?」

「まずは仲間を集めることね。幸い、私以外にもサーヴァントがいますし。……敵か味方かは分からないけど騎士を見かけたわね。」

「!」

「メルトリリスよ、それは何処へ行った?」

すると、メルトリリスは東のほうへ体を向けた。

「付いてきなさい。死にたくなかったらね。」

メルトリリスはSERAPHが自分の庭とばかりに舞いながら移動した。

藤丸たちも後に続いた。

 

 

藤丸はメルトリリスに案内され、騎士のサーヴァントの元へ。

騎士のサーヴァントの名はガウェイン。太陽を象徴する円卓の騎士である。

そして、騎士は敵となった天女と闘っていた。

次回Fate/SERAPH Memory 第3話「BBの刺客」

 

 

 

 




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