「不気味なぐらい静かだな……」
藤丸は騎士のサーヴァントが向かったとされる方角へメルトリリスやネロ・クラウディウスの二騎のサーヴァントと共に進んだ。
「それはこの辺に強いサーヴァントがいるからよ。」
「うむ。ここからでも殺気を感じ取れるな。」
藤丸の二騎のサーヴァントたちが話していると、少し先のほうで爆発が起きた。
「!!」
「ちょうど闘ってるわねっ!行くわよ!?」
急いで爆発現場に到着した藤丸たちが見たのは。
「アレは…!」
「ガウェインに鈴鹿御前!?」
藤丸が叫ぶと赤い巫女姿の狐が彼らに気付いた。
「ヤッホー、カルデアのマスターさん。チーッス。」
「『ヤッホー』じゃないよ。なんでガウェインと闘っているのさ?」
藤丸の問いに対して、鈴鹿御前は口を歪ませた。
「何故って、BBの下働きとして働いて貰ってるからね♪」
「カルデアのマスターっ!危ないっ!!」
藤丸はその言葉を聞いた途端、後ろから殺気を感じた。
黄金色の刀が藤丸に目掛けて飛び出したのだ。
しかし、それは誰にも当たら無かった。
「親切に教えてくれるなんて有り難いな、鈴鹿御前。」
藤丸は紅い外套を纏った姿で敵の背後を取っていた。
「えっ!?アレ避けるとか、マジで!?」
藤丸の魔道書は鈴鹿御前の焦燥感を逆撫でする。
「その巫女姿みてぇに、殺気目立たせ過ぎなんだよ!」
「クソ生意気なっ!」
「さぁ!観念するのですっ!」
ガウェインも狐退治を仕掛けてやろうと目論む。
「「ハァァァッ!!」」
二人の戦士が息を合わせた斬撃を放つが、敵は二本の刀でこれを防いだ。
「危ないなぁ~。今日はここな辺でバイバ~イ!」
「また敵を逃がしてしまったか…」
「助かりました、カルデアのマスター。私はセイバー・ガウェイン。貴方をマスターとして認めます。」
藤丸の手の甲が呼応するように赤く光った。
「あぁ、よろしく。」
「これで一人仲間が増えたわね。ところで、ガウェイン。ここに関する情報は何を持っている?」
「無いです……」
「は?何が?」
「無いです………何がとは言いませんが」
「何処見てるのよっ!!」
「真面目にやれよっ!!」
藤丸は緩んだ空気を一新させて、ガウェインは現状を話した。
「ここより先の研究所へ行って情報収集と思ったのですが、先程のサーヴァントに邪魔をされてしまいまして。」
「なるほど、研究所が大切な陣地だった可能性が高いな」
「BBはどこまで俺たちのことを知っているんだろうか?」
藤丸の疑問は沈黙を生んだ。
「何故それを?」
「大事な場所なら何がなんでも守るはずだ。それをあっさりと逃げた……研究所に罠が仕掛けられていると私は考える。」
すると、頭に一種のノイズが走った。
「センパイったら、変なところに勘が良いんですからぁ」
「この挑発的な声は……BBぃっ!」
BBがホログラム式の映像で現れる
「BB…チャンネルぅ!!」
「蹴りたいわ、その笑顔」
「うむ、メルトリリスよ。珍しく余もそれに対しては同意するぞ。」
そう言うと、BBはなにかしらのスイッチを押した。
「はい、ここからはセンパイにだけ発言権があります。」
藤丸は挑戦的な言葉を受け取ると煙草を取り出し、火を付けた。
「………で?何を喋ってくれるのよ?」
「嫌だなぁ。貴方たちがこれから行くところについてに決まってるじゃないですかぁ」
「あぁ、そうかい。やっぱりこのSERAPHはてめぇの監視下に置かれちまった……って訳ですかい?」
藤丸がそう言うと、笑顔を絶やさずにBBは肯定した。
そのため、藤丸は続けた。
「質問を変えるが……マシュはどうなっている?」
すると、電脳少女は茶を濁した。
「えぇ~とですねぇ。それよりも、研究所ではあるサーヴァントが登場しますのでどうにかしてここの機密情報が手に入れましょうっ!」
「おい待てっ!」
そこでBBチャンネルは終了した。
「まぁ、いいや………BBの顔が云々の話だけど。俺もBBに『挨拶』しておかないとなって思ってきたよ。」
一行は特異点の情報を掴むべく研究所へ向かった。
「はぁ…。ったく、カルデアのマスターは油断出来ない相手過ぎて詰まらないってーの。」
研究所をアジトにしていたとされる鈴鹿御前がぼやく。
すると、緑衣の弓兵が歩み寄る。
「アンタも一杯食わされた感じですかい?」
「そーですけど?それより、『アレ』の監視は良いの?」
「あぁ。今は作家のほうも鈍くさいほうも今は大人しいッスよ。」
「へぇ」
アジトの別の部屋では、頭部に装置を付けられた状態で執筆を行う男児と
鎖で動けない状態でいる大きな爪を持った少女が監禁されていた。
完
次回予告
ついにアジトへ侵入することに成功したカルデア一行。
しかし、鈴鹿御前とロビンフッドに進行を阻止されてしまう。
二人のコンビネーションに悪戦苦闘していたその時、大きな爪が現れる。
次回、Fate/SERAPH Memory 『月の爪紅』