ただただ強さを追求した者   作:鏡餅丸

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1.転生

「・・・・ん? 此処は何処だ」

 

 起き上がり辺りを見るとどこまでも続く緑の草原、上は雲一つない青い空が広がっていた。

 

 俺は確かベットで寝ていたはずだが、なぜ草原の上で寝ていたんだ?

 

 それに何でこんなに落ち着いていられるんだ?

 

 普通誰でもこの状態なら、落ち着いていられないはず。

 

「とりあえず、歩いてみよう」

 

 ――数十分後――

 

「んー、誰にも会わない」

 

 歩けど歩けど目の前にあるのは、草原と青空だけだ。

 

 ん? ちょっと待て、草原と青空だけ?

 

 おかしい、本来空には太陽があるはずだ。

 

 なのに、空には太陽が無いのに光を感じ、周りの草原が見えるんだ?

 

 ・・・・なるほど、そう言う事か!

 

 これは・・・・某邪神が出て来るTRPGの様な事に、リアルで巻き込まれたって事か。

 

 ・・・・どうしよう俺。

 

 クリア出来る自信が無い、このまま死んでしまうのか?

 

 だとしたらせめて最後くらい、悪あがきしてやろう。

 

「あのーすみません」

 

 後ろから声を掛けられ、俺は思わず前に飛び退き振り返って見る。

 

 そこには白いワンピースを着た一四〇くらいある金髪ロングヘアーの青い目をした美少女が居た。

 

 これだけならただの美少女だが、背中には身の丈以上の白い翼と頭に光の輪が光っている。

 

 その美しさはまるで、神話に出て来る天使の様な姿だ。

 

「まるで、では無く本物の天使ですよ、しかも天使長ですよ私」

 

「本当?」

 

「はい、本当です」

 

 俺の考えている事を言い当てたのだから、間違いなく天使なのだろう。

 

 ・・・・少し頭が追い付かなくなってきた、この状況になった理由が分からなって来た。

 

 ならこの際天使に話を聞こう、この状況も理解できるかも知れない。

 

「何で俺は此処に居て、目の前に天使が居る」

 

「それは貴方が死んだからですよ、葉鳥(はとり)(しゅん)さん」

 

「え? ・・・・本当に?」

 

「本当です」

 

「何時? どうやって?」

 

 確か俺はいつも通りの生活をしていたはず。

 

 俺が寝ている間に何かあったのか?

 

「それについてですが、誠に申し訳ありません」

 

 そう言い申し訳なさそうにな顔をして天使が深く頭を下げた。

 

 俺は天使に頭を上げてもらい、この状況の詳しい説明を求めた。

 

 それでその説明を簡単にまとめるとこうだ。

 

 自分の部下(下級の天使)に寿命を終えた人リストの人を迎えに行かせた。

 ↓

 そのリストに俺の氏名があった。

 ↓

 俺が連れて来られた頃にリストの記入ミスがあると発覚して調べる。

 ↓

 すると本来迎えに行く人の苗字は「葉島」というミスを見つける。

 ↓

 そして、俺は此処(天界)に呼ばれた。←今ここ。

 

 ちなみに落ち着いていられるのは、この空間(天界)のせいらしい。

 

 と言うか死んだのか俺、いや正確は殺されたのか。

 

 まだ十八だぞ、色々な事をやりたがりな歳だぞ。

 

 ふつう誰か気づかないか? 歳的にも体の健康的にも。

 

 まあ、これと言ってやりたい事は特になったけど。

 

「で、俺はこれからどうなる」

 

「貴方には二つの選択肢があります」

 

「なんだ」

 

「一つ目はこのまま天国に行く事、二つ目は貴方の好きな世界に転生する事です」

 

「二つ目だ」

 

 これは悩むまでもない。

 

 しかもテンプレとは言え憧れの転生だ。

 

 例え記憶引継ぎや特典が無くとも、自分が好きな世界で生きれるんだ。

 

 最高じゃないか。

 

「即決ですか、ではまずは名前は?」

 

「葉鳥瞬のままで」

 

 名前を変えるのはゲームの中だけでいい、それに自分はこの名前が気にっている。

 

「性別は生前と変更しますか?」

 

「変更なし」

 

 男のままでいいだろう、ってか変える人いるのか?

 

 ・・・・あー、そう言えば人間の中には変身願望がどうたら、とか聞いた事があるな。

 

 だがだからと言って、性別を変えたいほどの願望は俺にはないけど。

 

「次に容姿は?」

 

「家庭教師ヒットマンリボーンの雲雀恭弥」

 

 かっこいいし憧れるよな雲雀さん、特にあのフリーダムで譲れない信念を持っている所とかが。

 

 見た目もクールで、キリっとした感じの目つきがいいイケメンだし。

 

 と言え性格は雲雀さんとは違うから、見た目だけ雲雀さんなモドキだけどな。

 

「分かりましたその様にします、次にどの様な世界に転生しますか? 勿論アニメやゲームの世界でも構いません」

 

 さて、どこにしようか?

 

 ロクでなし魔術講師と禁忌教典? 魔法は使いたいが色々と怖いから却下。

 

 魔法科高校の劣等生? いやあそこも却下。

 

 鬼滅の刃? 論外。

 

 ポケモンマスター? 悪くないが旅がきつそうだから却下。

 

 ソードアートオンライン? デスゲームに関わらなければ問題ないが、せっかくの転生したのにつまらないから保留。

 

 何かこうソードアートオンラインみたいなので、安全なのはないのだろうか。

 

 ・・・・・・あるじゃないか、アレが。

 

「防振りの世界にする」

 

「防振り? ・・・・「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います」の世界でいいですか?」

 

「それだ」

 

「分かりました、次に特典は何にしますか? 数は三つまでです」

 

 んー、何にしようか。

 

 そう言えば以前ネットで見た、「ネットゲー廃人が一番欲しいのランキング」ってのを見た事があったな。

 

 よし、それを参考に決めよう。

 

「一つは、飲まず食わずで生きていける体にしてくれ」

 

 さっそく一位からだ。

 

 確か主な理由は「トイレ休憩、食事する時間、必要経費が削れる」だったかな。

 

「分かりました、ではそれに伴い運動をしなくても、肉体が弱体化もしない様にします」

 

「いいのか」

 

「はい、ちょっとしたサービスです、それで二つ目は?」

 

「病気に成らない体にしてくれ」

 

 三位ではあったが、個人的にも欲しかった。 

 

「分かりました、では三つ目は?」

 

「金で一生困らない程の金」

 

「では、口座を作り3億円を入れて置き、毎月1億円を振り込まれる様にします、以上の特典でいいですか?」

 

「それでいい」

 

 これは五位だったが、一位があるから要らないのでは? っと思うが。

 

 色々と必要な物があったりするだろうし、それに憧れるだろお金持ち。

 

 それにしてもちょっと、お金貰いすぎの様な気もするが。

 

 まあ、多いに越したこした事はないか。

 

「では、次は家に何か要望は?」

 

「普通の家でいい、でも家の建っている場所はコンビニが近い所がいい」

 

 別にお金持ちになったからと言って、大きな家に住みたい訳では無い。

 

 家その物にはこだわりはないが、場所にはこだわらさせてもらった。

 

 コンビニが近くにあれば、大抵の物は揃っているだろう。

 

「分かりました、次に家族はいりますか?」

 

「いや、要らない」

 

 俺の家族は生前の家族だけだ。

 

 それに色々な理由で、出来ればない方が良い。

 

「聞く必要は無いかも知れませんが、生前の記憶は消しますか?」

 

「当然、消さない」

 

 これは助かる、お陰で色々とやれる事に幅が効く。

 

「分かりました、以上で転生に関する質問を終えます」

 

「俺から質問が三ついいか」

 

「何でしょう」

 

「転生する歳は決められないのか」

 

「転生する歳は十五歳で原作の三年前に決められています」

 

「二つ目、原作のゲームが発売される日は何時だ」

 

「転生から二年と十ヶ月後に発売されますが、その時と同時に貴方の家に送りますのでご心配なく」

 

「分かった、それで三つ目だが君の名前は何だ」

 

「クレアです」

 

「ではクレアさん、ここまでしてくれてありがとう」

 

「いえ、元はと言えば此方の不手際でこの様な事になってしまい、誠に申し訳ありません。貴方の次の人生に多くの幸が有らんかとを祈ります」

 

 そう言われたのと同時に俺の意識が暗転した。

 

 クレアが瞬が消えるのを見届けた後、顎に手を当て考えた。

 

「・・・・行きましたか、それにしてもあまり無茶苦茶ではありませんでした」

 

 顎から手を離したクレアが指をパチンっと鳴らすと、目の前に宙に浮いたノートパソコンが現れた。

 

「さっきの要望通りに設定をして・・・・よし出来た、あ、結構容量が余っていますね」

 

 顎に再び手を当て、しばらくすると再びノートパソコンに何かを打ち込んだ。

 

「このくらいのサービスは許してくれますよね神様」

 




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