「遂にこの時が来たか」
あれから二年と十ヶ月、ついにアレが家に送られて来た。
その送られて来た箱を開け中身を見る。
剣や杖を持った男女が数人描かれたパッケージには、NewWorld Onlineと鮮やかな文字で書かれている。
そうこれは原作のゲームだ。
長かった本当に長かった、と思いながら今までの事を思い出す。
高校は受けず、必死にアニメや漫画出るトレーニングをして。
生前を含めても初めて出た剣道の大会で準優勝をし。
それを皮切りに世界中を飛び回り他の大会にも出た。
剣道を始め柔道、将棋、チェス、水泳、トライアスロン、マラソン等にも出た。
大会だけではなく、他にも祭りやイベントにも参加した。
まあ、それを二年と十ヶ月やった結果、頭使う大会以外では全て優勝をした。
頭を使う大会は予選一回戦か、良くて二回戦までしか行かなかったが。
そのせいか知らないが、一年前にオリンピック選手の候補にも選ばれた。
勿論、丁重にお断りした。
そもそも鍛えているのはNWOのために、PSを磨いていただけであるのだから。
あ、それと同時期に マラソンの大会に出た時に遊び半分で全集中の呼吸のマネをした。
そしたら本当に出来る様になっていた。
なので休日を取りビデオカメラ、刀、藁の束を買って自撮りをしよう思った。
近くにあるトレーニング場所にしていた、ここら辺で一番高い山にある川岸の所に行き。
電源をつけたカメラと藁の束を設置し、それを終えると置いてあった刀を手に取る。
刀を抜かず構えやるのは、雷の呼吸壱の型「霹靂一閃」だ。
結果は勿論、大成功。
カメラで撮った映像を見て、生前なら大興奮したであろう映像だが。
今では、これよりもっとすごい事が出来るのでは? その為にはもっと精進しなくては、と考えてしまう。
俺は何時からこんなに、こだわり症になったんだ?
そしてそこからさらに半年経ったら、全集中・常中が出来るようになった。
それから一年半と九ヶ月は出る大会を減らし、一人でひたすらトレーニングをし続け。
残り一ヶ月は体との感覚がズレない程度のトレーニング止めて、家がある町をブラブラとしていた。
それにしてもクレアのサービスのお陰で、一ヶ月間トレーニングを減らしても体が鈍らないから助かる。
本当にクレアには感謝しかない。
「さて、過去に浸るのとクレアに感謝するのはこのくらいにして、早速やろうか」
ゲームをする準備や初期設定は、過去に浸りながら作業をし終えた。
初期設定のやり方はゲームの箱の中に、入っていたメモに書いてあったのを見たからだ。
見た感じクレアが書いた物だろう、本当にありがとう。
「始めるとしよう」
ゲームを起動させるといきなり周りに無いもない、青白い空間に自分が立っていた。
「へー、こんな感じなんだ」
すると目の前に白い半透明の板が現れ、そこのは「名前を入力して下し」と書かれていた。
「名前はヒバリっと」
名前を打ち込み決定ボタンを押すと、周りを囲う様に色々な武器のマークが回っている。
「大剣、短剣、片手剣、杖、槍、弓、斧、ハンマー・・・・・・意外に種類が多いな何が良いか」
本当は雲雀さんと同じ、トンファ―にしたかったが無いなら仕方ない。
なら順当に選ぶなら大剣だが、片手剣も捨てがたい。
でもここはあまり使った事のない、斧やハンマーもありだが。
んー、何にしようか、大盾と短刀は二ヶ月後にメイプルが使うからな。
いっそ一緒にして接点を作って、仲良くなっていくか?
いや無いな、俺はそれに関係なくプレイするとしよう。
それに関わるか分からないし、そんな事を気にしていて折角のゲームが楽しめないのもな。
だとすると、俺のプレイスタイル合いそうなのはどれだ?
「ん? 双剣か・・・・悪くないなコレにしよう」
いいじゃないか二刀流、憧れて練習や対人戦の経験も積んだし大丈夫だろう。
双剣のパネルを押す、するとまた白い半透明の板が現れた。
書かれてあったのはグラフとその横にHP、MPと書かれ、その下には吹き出しにプラス百と書かれており。
その更に下にはSTR、VIT、AGI、DEX、INTと横にゼロ書かれている。
「次はステータスポイントの振り分けか、んー、どうしようか」
DEXにはまず振らない事は決定として。
ここは無難にSTRとAGIだけに振るか?
それともINTとAGIだけとか、いっその事STR、VIT、AGIだけに振る?
意外性を狙うならVITとINTも悪くない。
そう言えば振り分けるのを半々にしなくても、六対四でも八対二でもいいから迷うな。
いや待て、この世界は極振りが強いはず、ならPSにも自信あるし極振りしよう。
そうなると何に振ろうか? INTは予想がつかないが却下。
DEX? 論外。
AGIはPSが十分に生かせそうだし、悪くは無いがこれは保留かな。
VITは原作を知っているから凄くやりたいけど、それじゃあPSを鍛えた意味が無いから却下。
STRも原作を知っていると振りたくなるな、それに一撃必殺は憧れるし保留。
んー、AGIかSTRのどちらか一つか。
「ここはいったん、それぞれの長所と短所を考えよう」
AGIの長所は動きに支障が無くなるが、短所は攻撃に威力が殆どない。
STRの長所は攻撃の威力がほぼ一撃必殺になるが、AGIがゼロだから動きに支障が出る。
こう考えるとどちらもピーキーだが、そうだな・・・・どちらがPSで補正しやすいかを基準にしよう。
そう考えるとやはり、PSを一番生かせれるのはAGIか。
STRはさすがに極振りほどではないが、武器でカバー出来なくもない。
・・・・よし、AGIにしよう
そう決めてAGIに全部のポイントを振り、OKのボタンを押す。
次に白い半透明の板には、容姿や身長などが書かれたのが出て来た。
「容姿や身長は変えないでこのままでいいが、要るのかこんなの容姿は兎も角、身長を変えるのはPSに支障があるだろ」
まあ変えるも変えないも、これは人それぞれか。
そのままOKを押すと、それと同時に長方形の白い半透明の板が現れ「スタート地点へ転送します。」と書かれていた。
そして気が付くと、目の前には巨大な池の真ん中に細い木が束になり、まるで大木の様に見えその木の上から水が複数の小さな滝を作っている。
周りを見るとそこは、活気あふれる町の広場に俺は居た。
「これはどうやら、少しだけではあるが出遅れたか」
まずは自分の服装を確認する。
蒼い半袖のシャツ、茶色い半ズボン、左右の腰には双剣が差してあった。
次は、自分のステータスを確認しておこうとステータス画面を開く。
ヴォンという音と共に、目の前に半透明の青い板が浮かび上がる。
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ヒバリ
Lv1
HP40/40
MP20/20
【STR0〈+15〉】
【VIT0】
【AGI100】
【DEX0】
【INT0】
装備
頭【空欄】
体【空欄】
右手【初心者の双剣】
左手【初心者の双剣】
足【空欄】
靴【空欄】
装飾品【空欄】
【空欄】
【空欄】
スキル
なし
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何も変化が無いのは当たり前か・・・・まずはモンスターが居る所に行くか。
確か原作では西に行ったら森があって、そこのモンスターが居ると言っていたな。
・・・・折角だし全力で走ってみるか。
――西の森――
「ここが、モンスターのいる森」
最初は方向が分からず結局、そこに居たプレイヤーに聞き辿り着いた。
それと街中を走っただけで【爆走】【悪路走破】【気配遮断Ⅰ】【加速】【しのび足Ⅰ】と言う、スキルが手に入りました。
【爆走】
このスキルの所持者の【AGI】を2倍にする、ただし【DEX】【VIT】【INT】のステータスを上げるために必要なポイントが通常の3倍になる。
・取得条件・
【DEX】【VIT】【INT】のステータスが5以下で、【AGI】が90以上あり1時間走り続ける。
【悪路走破】
足場が悪かったり歩きずらい場所に居る時【AGI】を10%上昇させる。
・取得条件・
足場が悪いまたは走りずらい場所で、30分間走り続ける。
【気配遮断Ⅰ】
自分の気配が薄くなる。
・取得条件・
行動を5人以上プレイヤーまたは、5匹以上のモンスターに気づかれない。
【加速】
1分間、使用者の【AGI】を25%上昇させる、再使用には30分かかる。
・取得条件・
【VIT】【INT】のステータスが0で、【AGI】が95以上あり全力で1時間走り続ける。
【しのび足Ⅰ】
足音が聞こえずらくなる。
・取得条件・
自分の足音を立てない様な歩き方をする。
思っていたより簡単に、スキルが手に入りウハウハ状態である。
原作の主人公が居ない時だからか? 兎に角うれしい誤算だ。
今度は何のスキルか、楽しみにしながら森に入る。
「この森でモンスターをいっぱい倒して、めちゃくちゃ強くなってやる」
感想と誤字脱字等をよろしくお願いします。