まあ伝わるからええやろとは思ってます
誤字脱字修正感謝感謝!
感謝のダインスレイヴ!
鉄華団本部から車を使えばそう遠くないクリュセ独立自治区にあるのがビスケットの祖母が営んでいる桜農園だった。
そこで祖母の桜はトウモロコシ農場を営んでおり、収穫された作物はバイオ燃料の原料として安く買い叩かれてしまうため、ビスケットからの仕送りで経営を支えながら生活を送っていた。
しかし、鉄華団がクーデリアを地球に送り届けてその名を上げ、鉄華団の知名度と共にビスケットの収入は増えた。
さらにその過程でサヴァランも戻ってきた。
今まで連絡もよこさず心配をかけたからと、彼はドルトコロニーで稼ぎ、貯めていたお金の一部は桜農園の経営費や妹のクッキー、クラッカの学費として送っていた。
そして、地球支部でのアーヴラウへの軍事指導も終わり、故郷である火星に再び戻ってきた長男は鉄華団の事務仕事をデクスターやメリビット、ラディーチェに任せて桜農園の経理をしていた。
桜とクッキー、クラッカの3人が暮らしていた時にはなかった電子機器や、それを扱うための配線工事に加え、本部にいると面倒事が増えるし、長男次男も帰ってくるようになったのならば今の家では小さいだろうと大きくされた桜農園には多くの人間が集まっていた。
「ばあちゃん、チャドさんやタカキくんに送ってもらった土や肥料、その他もろもろの諸経費」
「そういうのはあんたに任せたんだ。あとで見とくからファイルに入れといておくれ。もちろん紙を入れる方のだよ」
「分かってるよばあちゃん」
長男のサヴァランは鉄華団に顔を出さない日は家でパソコンと睨めっこしつつ、彼にできる範囲で実家の農業にも携わっている。
経営主は祖母の桜のままだが、クッキーやクラッカが学生のうちにサヴァランが継ぐことになるだろう。
急に帰ってきた時は驚き、次男とは真逆にひどくやつれて痩せこけたサヴァランの姿を見て桜は思わず涙した。
ドルトコロニーでのこともあり、またサヴァランが傷つくのは見ていられないと彼女は鉄華団に入るのを止めた。
またしても危険な目に遭わせるかもしれないと。
だがサヴァランはとっくに死神に魅入られてしまっているとかいう、遅めの思春期のような発言をしたものの、それを聞いた桜はならいいかと簡単に受け入れてしまい、サヴァランの鉄華団入りがなされた。
「まあアレが上司ってんなら死ぬことは無いと思っていたがねぇ……」
「ん? 何か言ったかい?」
兄妹揃って厄介なやつに惚れてしまったものだと桜はため息をついた。
安心できるとすればサヴァランに男色の毛はないようで、今は火星でお嫁さん探しをしていることくらいで、双子の妹たち2人はどうなることやらと肩をすくめる。
鉄華団の活躍により以前よりも仕送りが増えたこともあり、クッキーとクラッカを学校に入れてやることが出来たことで大抵の悩みの種は吹き飛んだ。
ビスケットの同僚で、戦いしか知らぬ子供たちが戦わずに今を生きているということもまた桜にとっては幸せなことであった。
「ホシ、あそこは何植えるの?」
厄祭戦時に人類を絶滅にまで追い込まんとしたモビルアーマーが畑を耕している傍らで自分のやりたいことをやり始めた三日月・オーガスが信頼する友にそう問いかけた。
「あ? お前の畑だからお前が決めろよ」
「まあまあ星原さん」
それを桜農園に持ち込んだロッキングチェアに座って寛ぐ星原は一蹴するも、三日月を囲むようにしてそばにいるクーデリアに宥められる。
火星の自治独立運動を行う革命の乙女もまた、しばらく身体を休めるため想い人と大切な友のいる桜農園へとやってきていた。
建前は休みのためだが、本音は三日月にぶっ込まれた一言が原因であり、それは自分の反対側にいる少女も同じだった。
「三日月は何か育ててみたいのとかないの?」
「チョコレートの種みたいなの」
「カカオか?」
三日月にとってオルガの次に付き合いの長いアトラに尋ねられた三日月は特に考えることなく即答すると星原がツッコミを入れた。
「うん。あれ苦かったり甘かったりで面白いから」
「アソートだからな」
「?」
おそらくはチョコレートの人から定期的に貰っているのであろうチョコのことだろうと判断した星原に首を傾げる三日月に肩をすくめる。
「いいですねチョコレート。火星の土でも育つんじゃないですか?」
「湿度の問題はあるがな」
手を叩いて賛同するクーデリアに補足説明をする星原に、アトラとクーデリアは「うーん」と空を見上げた。
「雨、降らないもんね」
「かなり昔は降っていたみたいですけどね……」
厄祭戦が起こるはるか前から火星の土壌は干からびており、農作物を育てるには水が必要不可欠。
現在に至っても水道施設などはあるが、広大な土地を耕作地にするための水は用意できないし、仮にできたとしても莫大な費用がかかってしまう。
「まぁその辺は賞金とアンタのとこの商会と……最悪マクマードやラスタル、あとはマクギリスの商会でも巻き込めばいけるだろ」
「えっ?」
当然のように自分の会社が資金援助を出すことにされていて当惑するクーデリアに星原はそも平然と言う。
「旦那の仕事を手伝うのも妻の甲斐性だろ」
「えぇっ!? つ、妻っ!?」
「違ったのか?」
顔を赤らめて目を回すクーデリアを横目に星原は三日月へと視線を移した。
「オレまだ何も言ってないよ?」
「あん? まだ言ってなかったのか?」
星原からの問い返しに三日月は首を縦に振る。
「え? あ……あの三日月! 私待ってるから!」
「何を?」
「っ……!!」
「はぁ〜……」
三日月の天然っぷりに盛大にため息を吐く星原だった。
もうここは放っておこうと思った矢先にクーデリアはクッと唇を噛み締めるとキッと三日月を見据えた。
「わ、私っ……もっ、待っていますからっ!!!」
「だから何を?」
「貴方が! その、私と、えっと……」
言い淀むクーデリアに三日月はもしかしてと先日星原に教えてもらったことを思い出す。
「クーデリアは赤ちゃん、欲しいの?」
「「!?」」
あとは若いのに任せるかと星原が立ち去ろうとした時だった。
鉄華団の社用車の1台が鉄華団本部側からこちらへとやってくるのが見えたのは。
「あれ? ラフタと昭弘だ」
「こっちに来るなんて珍しいな」
爆弾発言をされた2人の乙女の気持ちなど知る由もなく、こちらへとやってくる車に乗っている仲間の姿を見ながら三日月と星原は口を開く。
「昭弘にもなにか頼んだの?」
「まだ何も」
じゃあなんで来たんだろうと疑問に思う三日月と星原に答え合わせをするかのように運転席から降りたラフタが声を張り上げた。
「ちょっと星原! 三日月に吹き込むんなら昭弘にも吹き込みなさいよ!」
バタンと勢いよく扉を閉めて車から出てきたラフタは開口一番に大声で叫んだ。
「あ? んなのお前の方が詳しいだろ」
「はぁ!? 乙女の口から何言わせようとしてんのよ!」
いや何言ってんだこいつという目を向けた星原に怒鳴り返しながらつかつかと詰め寄っていくラフタ。
やいのやいのと喧嘩し始めた2人を他所にあとから出てきた昭弘は三日月に問いかけた。
「何があったんだ?」
「さあ?」
若いのが揃いも揃って騒ぎ、賑やかを通り越している桜農園の農場を見ながら桜はサヴァランと共にお茶を飲んだ。
「平和だねぇ」と。
この後三日月とアトラとクーデリアは結婚するし、昭弘もラフタの押しに負けて結婚する
これがファイナルファンタジー。
前回より僅かに短めですがあまり長ったらしく書くことでもないのでいいでしょう
そういえば団長が全く出てこないな……
団長の話はもはや必要ないのでは!?ぶっちゃけオルガはたどり着いた場所がゴールなので今更書くことはなかったりする。
本当は生きてたはいいけど復讐の機会を逃しかけているチョコレートの隣の人とチョコレートの人の喧嘩を見守る話とかを書こうと思ってたんですが10周年でやることか?となったのでお蔵入りとなっております。
バエル使わない以外はほぼ本編通りになるしね。
ということで周年記念投稿でした。
また気が向いた時か周年の時にお会いしましょう!CU!