黒鋼の天使は、自由の翼と共に   作:ドライ@厨房CQ

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CHAPTER 1-3

「よし、早速いくぞ、千景!」

「うん、イーサン君お願いするよ!」

 

 F-104(マルヨン)のコックピットに乗り込んでメインシートに千景が座り、後方の簡易シートにイーサンが腰掛けて早速ストライダーの操縦についてのレクチャーが始まる。機体そのものは格納庫の中で飛んではいないが、コックピット内のモニターには空の映像が映し出されて疑似的に飛んでいる練習モードが立ち上がっていた。パイロットとなる千景は先程の起動試験の時と同じように身体を動かすような感覚でマルヨンを飛ばしていく。

 サイトロンコントロールシステムはその名の通りランナーのみが持つサイトロンと呼ばれる波動が脳と機体の統合制御体をリンクさせる補助脳を形成し人間の思考を入力できるインターフェースだ。身体を動かす感覚で機体の各部を動かし、イメージを送ればそのように操作できるので航空機を動かした経験の無い人間でも問題なく操縦を可能にさせる。

 

「いい筋だが、力みすぎだな。気流に巻かれてバランスを崩しやすくなってる。もう少しリラックスして機体に任せてみるんだ」

「うん! リラックスリラックス……」

「よし、いいぞ! この風に乗るって感覚を覚えておくんだ。一度覚えれば忘れられないからな」

「なるほど、なんだか自転車に乗ってる感じかな。説明はできないけど、身体で理解してるって感覚かな」

 

 身体の動作やイメージをサイトロンを介して送り、逆に機体から来るセンサー類のデータを直接感じ取りながらイーサンのアドバイスを受けつつ千景の操るマルヨンは疑似的な大空を羽ばたいていった。煩雑な計器類は全てSCSによって直接脳内へ送られてきて、重要なものだけが立体映像としてポップアップしてくる。

 しばらくは安定して飛んでいたがイーサンから一旦休憩を告げる声が聞こえてきてシミュレーターが一度オフとなり、千景もシートから立ち上がろうとするが足に力が入らないのでコックピットから出るのも一苦労であった。なんとか機外に出ると、機体の傍に椅子代わりの木箱と冷たいペットボトル飲料を用意したイーサンが腰を据えている。

 

「お疲れさん。SCSは慣れてないと意外に体力使うんでな、ちょいちょい休みを入れていこうぜ。オレなんて最初から飛ばしまくって1時間はコックピットから出れなかったんだぜ?」

「ハハハ、それはイーサン君らしいね。じゃあ休憩がてら色々と聞いてもいい?」

「いいぜ、異文化交流としゃれこもう! もうこんな入れ物に入った飲み物こそ、オレにとっては未知との遭遇なのさ」

 

 木箱の上にどっかと座った千景はオレンジジュースのペットボトルを取ると、イーサンもぶどうジュースのペットボトルを手にした。彼にとっては未知の飲み物であるそれを迷うことなく口にしていき、似たフレーバーのソフトドリンクにソーダやコーラなどはゲネシスにも存在しており、お茶にコーヒーなんかも飲まれている。

 飲み物片手にイーサンは他にもゲネシスについて話していき、逆に地球のことについて千景に尋ねてきた。車輪のように走る自動車はゲネシスに無くて空飛ぶ車であるリグが主流の乗り物で車に鉄道や船舶の代わりにもなっている。オルゴンエネルギーに支えられて地球よりもずっと航空機が身近にあるのだった。

 

「まー人が住めるのが空中大陸しかねえからな、空飛ぶのが交通手段になるのは当たり前さ。ガレリアに奪われた地上を取り戻すのが目的だけどよ、1000年近くも経ってるんだから誰も地上なんて知らないのよ。海だって地球に来て初めて見たし」

「そうなってるんだね、向こうの世界は。空中大陸か、見てみたいな」

「ならいつでも遊びに来な、歓迎するぜ! でも、あっちで自由に飛ぶにはストライダーの操縦を覚えておかないとな」

「ならしっかりと覚えないとね。さ、続きといこう!」

 

 飲み干したペットボトルを木箱の上に置くと2人はまたマルヨンのコックピットへ向かっていく。

 

 そんな少年を遠くから現場責任者である御堂(みどう)日向(ひゅうが)一等空尉とストライダーの製造担当でイーサンの祖父であるレイジ・バートレット博士が見守っていた。2人とも千景とイーサンが仲良くしてるのを感慨深く、そして嬉しそうに眺めている。

 

「仲良くやっててよかったですよ。どうにもうちには同世代の人間がいないものですから、気軽に接する相手がいるのは放上君も気が楽でしょう」

「そういうことならどんどんイーサンを使ってやってくれ。まーアイツの悪い癖が彼に映らんといいけどな。おっと、最終調整進めないとな」

「では、引き続きお願いします。こちらも計画を進めさせていかなければならないので」

 

 日向が手にしているのは変哲もない普通のブリーフケースであるが、内部には書類がギッシリと詰まっていた。ストライダーが出来上がるのがゴールでなくスタートというわけで、この先の計画もしっかり立てていかなければいけない。だが、必要書類と言われたものが大量に詰まっており、終わりが見えそうにない書類仕事には苦笑いを浮かべるしかなかった。

 

 

 

 

 

「つ、疲れた……」

「お疲れさん、ストライダーの操縦はかなり体力使うからな。よし、明日は基礎体力作りにすっぞ、そんなガリガリでランナーとは片腹痛いわッ!」

「それはそれは、筋肉痛不可避だね……」

 

 コックピットから這い出てきた千景はクタクタになりながら、まるでフルマラソンを終えた後かのような疲労感を覚えている。ただ達成感も同時に覚えている心地の良い疲労感で、事実千景はSCSによる基礎的な操縦をこの数時間で殆ど習得していたのだ。

 教官役のイーサンが気取って体力作りと言ったのもSCS操縦をマスターしてその次のステップに移ったからで、現役ランナーから見ても舌を巻くほどの上達スピードである。あとは高高度の厳しい環境やSCSの負荷に耐えれる体力づくりとマニュアル操縦を覚えれば、千景は一人前のランナーとなるだろう。

 まず何より汗を流したい千景はシャワー室へ直行し、イーサンも1週間ほどの滞在に合わせて着替えなどを頼んでおり、その荷物が隣のロッカールームへ届けられていた。1週間分というには小さめなメッセンジャーバッグ一つだけであり、シャワーと着替えを終えて出てきた千景もその軽装っぷりには驚く。

 

「それで1週間分なのか……。過ごす場所次第で間に合いそうだけど、イーサン君はここに滞在するの?」

「一応この基地に厄介なるつもりさ。ま、ここが駄目で最悪野宿になってもオレは構わんぜ」

「今の季節に野宿は凍死しちゃうわよ。良かったらウチにくる?」

「おーそいつはありがたいが、迷惑じゃあ無いか……。って、どちら様!?」

 

 まだ肌寒い3月という日本の初春でも野宿できるとイーサンは豪語して胸を張るが、家に来ないかというお誘いにはやはり暖かいとこで過ごしたいという気持ちと地球の暮らしが肌で感じられるというチャンスに傾いくのだ。しかし、そのお誘いをしてきたのが千景では無い突如として現れた第三者的人物から発せられていたので、思わず声を大きくしている。

 年齢としては40代ほどの女性であるが、エプロンつけたままの格好が実に母性を醸し出しており、地球でも母親らしいさは変わらないのだなとイーサンは内心で納得していた。しかし、その女性の顔を見て一番驚きを見せたのは千景である。

 

「母さん、なんでここにるの!?」

「えッ、お母さん!? 確かによく似てるなあ……」

「なんでって、ここにアンタがいるから御堂さんから電話が入ってね、色々と聞いたわよ。ということでイーサン君、息子がお世話になってるお礼に滞在中の寝床くらいは提供しちゃうわ!」

「え、えぇ、ありがとうございます。……お前のかーちゃんなかなか押し強いな」

「うん、よく言われるよ……」

 

 こうしてイーサンは突如として現れた千景の母に思いっきり流されるまま、ショートステイ先が決まるのとそのまま担ぎ込まれるかのように車へ乗せられていくのだった。

 

 

 

 

 

 御統市は太平洋に突き出た半島部分に位置しており、かつては漁業が盛んな港町だから湾港は数多く存在している。その一部を再開発して生まれた湾岸地区は多くの集合住宅が立ち並ぶベッドタウンの役割を担い、千景達が住んでる赤レンガ調外観をした9階建ての集合住宅“メゾンみすまる”もそこに建っていた。

 506号室に通されたイーサンは早速部屋の中をキョロキョロと見回して、地球の生活様式がどんなものかと物色し始めている。家に入れた張本人である母ー御堂しのぶはウキウキな様子でキッチンに立ち、千景はイーサンの後を追った。彼は和室に入るとそこに安置されていた遺影と仏壇に目を向けた。

 

「この写真は誰だい?」

「父さんだよ、旅客機のパイロットだったんだけど10年前に事故でね」

「そうか……。これがこの国での故人の弔いなんだな」

 

 遺影に写っているのは千景の父である放上睦月(むつき)でイーサンも亡くなった人間を弔うものと理解してか神妙な口ぶりと表情となる。同じく空を飛ぶ者として思う所があるのだろうし、千景も彼から聞きたいことがあった。 先日見せた突撃してガレリアを倒したあの戦い方は傍から見たら死んでもおかしくないもので、そんな飛び方がなぜ出来るのか、そして怖くないかものすごく気になって仕方ない。

 

「ねぇ、イーサン君空を飛んでては怖くないの? まして父さんと違ってガレリアと戦ってるとなると、いつ落ちるかわかんないよね」

「確かにな。オレだって落ちるのは怖いし、こんな戦い方じゃいつ死んでもおかしくねえな。だけど一度知ったら止められなねえし抑えられないんだよ、あの空を自由に飛ぶ感覚を覚えちまったらな」

「その為にイーサンくんは飛んでるの、死ぬのが怖いってわかってても?」

「あぁ、あの大空を飛ぶこと、それがオレの夢だからな!」

 

 なんの屈託もない笑顔を浮かべてイーサンはそう言い切った。彼は全て承知の上であんな飛び方をしてあんな風に戦ってきていたのだろうと思えば、あまりに荒唐無稽でおかしいのだがら千景は思わず笑ってしまう。イーサンも釣られて大笑いしていき、2人はしばらく笑い合うのだった。

 夕飯の支度が出来たと千景の母より声がかかって、イーサンはものすごく楽しそうな足取りで食卓につく。テーブルのド真ん中には大皿に乗っかった鶏の唐揚げが山盛りで鎮座し、それが母の得意料理だということはわかるが余りにも作りすぎな量に千景は呆れてしまった。しかしイーサン全く気にしてはいないのか、普通に橋を伸ばして唐揚げを頬張っていく。

 

「お味のほうはどうかしら? 異世界の人の舌に合えばいいのだけど」

「いやー最高ですよお母さん。あっちで肉といえば合成肉でこんな天然の肉なんて高級食材なんすよ。それが山盛で食えるなんて最高の贅沢ですぜ!」

 

 どんぶり飯と唐揚げを交互に口へ放り込んでいき、そんなイーサンの食べっぷりにしのぶも満足げである。ゲネシスは空中大陸という関係で使える土地が限られているから、食材は培養された合成品が多くて地球で普通に食べられている自然の食品は高級品だった。

 奇しくも物量による歓迎は大成功でイーサンはその唐揚げの山の大半を胃袋に収めて満足し、放生家の食卓も久方ぶりに賑やかさに包まれている。食後に緑茶をすすりながら、イーサンはゲネシスの話をして返答代わりにしのぶは御統市の名所名物を教えていき、こうした団欒で夜は更けていった。

 

「一緒の部屋で雑魚寝か。これも旅の醍醐味ってやつだな」

「ま、狭いけど我慢してね。あ、それからベッドの下は聖域なんだから不可侵、いいね?」

「お、おう、よくわからんが了解したぞ」

 

 千景の部屋に布団を敷いてイーサンが寝泊まりすることとなるが、春期の少年にとって不可侵で神聖な領域であるベッドの下は向かうことを部屋の主より釘を刺される。もっともイーサンはその意味を理解していないのか、ただのプライバシーということで理解していた。

 日付が変わる時間が近づいてきて床に入るが、色々あってか二人とも目が冴えていてあまり寝付けない。特に千景は今日一日の体験とイーサンとの邂逅がずっと頭の中を巡りまわっており、マルヨンに乗った時に覚えたあの感覚は忘れそうにいられずにいた。

 

「イーサン君あのね、空を飛んだ時の感覚が忘れられないから飛ぶって言ってたけど、その気持ちわかってきたかも」

「機体と接続して擬似的に繋がっただけだぜ、まだまだそんなもんじゃないぞ。これなら本当の空を飛んだら戻ってこれなさそうだな」

「うん、いつも空を飛んでばっかだって母さんがボヤいてたのを思い出したよ。父さんもきっとこんな気持ちだったのかな」

 

 旅客機のパイロットとして多くの人を乗せて飛ぶのだから1人でストライダーとは勝手も心持ちも違うだろうが、父も空に魅せられた1人だったのだろう。自分も紛れもなく父の血を受け継いでいることは、今日で明確に知ることとなった。

 だが千景の中にはまだまだ心配事も多く多く渦巻いている。これからの進路とランナーの両立や空を飛ぶことへの不安、母を残して父と同じように飛んでもいいのかという躊躇などだ。

 

「ま、悩みが尽きないのが人生ってやつだ。オレは空を飛んでればそれでハッピーなんだけどな! まだまだ時間はあるんだし、これからたっぷり悩んできめればいいさ。んじゃ、おやすみー」

「それもそうだね、おやすみ」

 

 単純に空を飛びたいから空を飛んでいるイーサンの考えもひどく単純なもので、時間をかけて悩んで決めればいいと言い切る。確かに千景はランナーといえど当分は試験飛行でしストライダーで飛ぶ機会はなく、それも学業に支障が出ないようにスケジュール調整してくれていた。ならモラトリアムを考えれば数年は猶予があるので、その間に決めていけばいい。そう考えれば余裕が生まれて、疲労と共に眠気がやってきてすぐに眠りに落ちていく。

 

 

 

 

 

 日が明けてからイーサンと千景の二人は走り込みを始めた。ランナーとして体力をつける訓練という名目なのだが、これには御統市の観光も多分に含まれており、千景が道案内しながら2人で市内を走り回っていく。1日目は軽いジョギング程度で近場を巡って次の日はランニングしながらより遠くへと向かっていくといった感じで、さらに遠出するときは自転車を借りて4日かけて市内を網羅しするのだった。

 イーサンは初めて乗る自転車もすぐに乗りこなして鍛錬という名の観光をどっぷりと楽しみ、それに付き添った千景も心なしか体力がついたのではないかと実感している。そして最後の仕上げとして再び基地内の格納庫へやってきており、そこで千景は現実の大きな壁が立ちはだかっていた。

 

「さ、32連敗……」

「数字はなんざ気にすんなって、大事なのはマナーことさ。現に動きは最初よりだいぶ良くなってるぞ」

 

 二人はフライトシミュレーターに籠って模擬戦を繰り広げており、千景は只今32戦中32敗を喫したところである。元々からあったシミュレーターにマルヨンの制御体をリンクさせてレイジの作ったプログラムを入れれば、簡易的なストライダーのシミュレーターに早変わりした。

 SCSに頼らずマニュアルでの操縦方法を覚えるということで、千景はシステムを補助に回して、システムを完全に切っているイーサンと空戦を繰り広げているのだが、経験や技量など色々の差から一向に勝てずにいる。そこへ興味深そうに日向が顔を見せた。

 

「お、ストライダーのシミュレーターか。って千景君、負け越しじゃないか」

「まー負けてこそ学ぶこともあるからね。あ、そういえば元パイロットでしたよねキャプテン。お手合わせお願いできますか、そろそろ千景が限界そうなんで」

「いいけど、ブランクあるから勝負にならないかもだ。それにストライダーは自分では動かせない」

「普通のシミュレーターでいけますよ。こっちもSCSを使わない、クラシックでいきましょう!」

 

 籠りっきりで負けっぱなしな千景が体力的にも精神的にも限界なこともあり、元パイロットと聞いていた日向とのマッチをイーサンは所望する。ぐったりと外へ出た千景と変わって日向が中へと入り、栄養ドリンクを片手に汗を拭きながらモニターの前に座った。

 イーサンは変わらずマルヨンを操作し、日向はF-15Jイーグルを選択する。ストライダーと戦闘機という異種マッチということで珍しさから整備士たちも手を止めてモニターへ顔を向け、レイジに至ってはモニターの前に陣取っていった。

 

「それじゃあ、よろしくお願いしますよ。いざ尋常に勝負!」

「あぁ、お手柔らかにな!」

 

 デジタルで作られた蒼空を2つの翼が交差し、互いに機関砲を撃ち合う。イーサンが駆るマリヨンは機体特性よりも操縦者の得意分野である格闘戦を仕掛けようと距離を詰めていき、対して日向のF-15は距離を取りながらミサイルによる一撃を狙っていた。

 両者の読み合いはイーサンがクルビット機動で無理矢理に機首を大きく動かしてミサイルを発射したところで決する。放たれたミサイルはF-15の尾翼を掠めて炸裂し、しかし向こう側も急制動で姿勢が崩れた好きを逃がさずにミサイルを叩き込んでマルヨンの右翼をもぎ取った。

 双方とも撃墜判定で相打ちとなり、それまで固唾を飲んで観戦していたギャラリー達の盛大な歓声が格納庫中に響き渡る。年甲斐もなく本気で挑んだ事を少々気恥ずかしく思ってる日向とは対照的に、イーサンはすごく興奮した様子でシミュレーターから出てきた。

 

「すげえよ! あれでブランクありとか嘘みてえだ! 本当はバリバリのエースなんじゃないのー」

「ありがとうイーサン君。ただパイロットから離れて久しいのは事実さ。10年前にガレリアとやりあって戦友たちは逝ってしまって、自分はこの通り、膝を悪くしてね」

「……そうでしたか。いやすんませんね、なんか疑う真似しちゃって」

「いや構わんよ。それより、早く持ち場に戻れ! 見世物じゃあないんだぞ!」

 

 地球とゲネシスが繋がりガレリアが一挙に押し寄せてきた時であり、どちらでも多くの血が流れたという。日向の負傷や殉職したという戦友もその時の動乱で、ズボンを捲り上げた右足にはくっきりと古傷が残っている。悪いことをした気分になったイーサンは謝るが、日向は気にせず代わりにギャラリーへ向けて怒鳴り込んだ。

 仕事をほっぽり出して観戦していた整備士たちはその一喝を受けて、蜘蛛の子を散らすようにバラバラとなる。残ってまったりしていたのはレイジただ1人で、そんな彼もまだまだ仕事はあるからと日向に襟首を引っ張られて奥に消えていく。

 

「ふー、なかなかすごかったな、日向のおっさん。負けてられんな、千景、100戦するまでやるぞ!」

「えーっ!? そんな~~」

 

 日向との模擬戦を受けて変なスイッチが入ってしまったイーサンを止めることなど出来るはずもなく、千景はまたしてもシミュレーターの中へ押し込まれていくのだった。

 




次回は5/2に投稿予定です

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