ダンジョンで手を休めるのは間違っているだろうか   作:語り下手な語り手

4 / 5
取り敢えずアップ…
…此処半年は死んでおりましたが少し生き返れたのでかけました
亀より遅いですが付き合っていただけると幸いです



第4話

「カムイ終わったか?」

馬車の荷台から頭を出すカイドウ

「ああ、あれで良いか?」

獣道の様にしか見えない幅の狭い草の生えた道に、馬車を阻むには最小限の大きさの拒馬が置かれていたが、それは既に道の端へと追いやられ、通れる様になっていた。無理に動かしたが故か、地面にミミズがはった様な抉れた跡が残っていた。

「問題ない、お疲れさん。」

だが、と一言置いて続ける

「休む暇はない乗れ。出るぞ」

「了解」

返事を終え、すぐさまカムイは荷台へ。

そしてらカイドウは先頭へ座り馬を引く紐を持ち

「ハッ!」

とカイドウが声を上げ馬車を進めた

 

馬車が林を抜け、もう一度草原を通り森へ入ったころカムイが捕らえた二人を一瞥して、声を出した

「この者達起きないな…」

お、気付いたかとカイドウはクククと笑う

「そうだ、そいつらには薬を打ったからな」

「薬…か…」

「ん?ただの睡眠薬だよ市販の」

成る程と小さく呟くカムイ

「なんだ?死んだとでも思ったか?」

「まぁ、整備されているとは言えど道は道…多少なりとも凹凸があり、何時間も我らは進んでいる。当然、不思議になる」

死ぬのは困る故に厚めの布などを敷いてはいるが、さまざまな物がひしめき合う荷台を無理矢理開けて、載せているので良いとは言えず、むしろ悪いぐらいの寝心地になっている

「だからこそ、やけに効果が続くと思っただけさ」

「まぁ、市販とはいえども俺の改良が加わった物だからなぁ」

なんとと、荷台のカムイが声を漏らす

「貴公、薬学にも精通しているのか」

「伊達に、薬学の知識ファミリア1を名乗ってないからな。」

「家族一か、貴公が居るその家族はさぞ手強い物たちで溢れているのだろうな」

おっかないとカムイは笑う

「いやな、そうなら良いんだが、入ってきたばかりの奴らの手当てをファミリアの奴らができないからって俺に押し付けてくる面倒者ばっかだよ」

「信用されてるんだな」

 

褒められてむず痒いのかカイドウは手を光り輝く頭へ伸ばす

「あぁ、そうだカイドウ、いくつか質問させてくれ」

「わかった、というか話させてくれ」

「……貴公は人の心でも読めるのか?」

「いや、経験と予想だ」

「本当か?」

カムイは疑いの意を表す

「おうとも、心を読むなんぞできやしない。だがな、お前さん。辺境の奴らと似たような反応してやがるんだ。」

「辺境…私は辺境出身だったか…?」

「ああ、いやそうじゃない。お前さん記憶が混濁してたって言ってたな。そうじゃないんだ」

というと、とカムイは相槌を打つ

 

「単純な話さ、俺の住んでる街にいる奴らとは全く違う反応してるって事だ。」

それにと一息着いて言う。

「大方、“オラリオ”、“ファミリア”、“モンスター”この3つの説明も出来ないだろうさ」

 

カムイは肩を窄めて返す

「貴公は人の考えをよめないのではなかったのか?」

「読めないが」

「ならば、貴公は嘘つきだな」

それも大嘘つきだとカムイは言う

「いひひっ、光栄だな?」

笑うカイドウ

「そして、もう一つ分かったことがある。」

馬車の綱を握る片手で一を作る

「カムイ、お前さんは正直者であり、なんらかの運命がここにお前さんを呼んだみたいだ。」

カムイは眉間に皺を寄せて聞く

「どうにもこうにも出来過ぎたシナリオだ。身なりからして辺境出身どころか、何処かの傭兵や王族お抱えの騎士の様に見える。そんな奴が此処に居るわけがない。だが、現にそんなお前が此処にいる。」

片手を中にあげる

「だから俺にはお手上げだ。そして、その運命を進める1人は俺の様だ。感謝しやがれ」

と再びイヒヒと笑う

「運命か、…そうか、ならば進めるのみだな。」

一層眉間の皺が深くなる

「あぁ、そうとも。だがお前さん今は喜べ、今は俺が居る。“拾う神”と呼ばれた俺がいるからよ」

不適に笑うカイドウ

「運命だろうとお前さんの骨の一本ぐらい無理やり回収してやる。やりきりな」

「…そう、だな」

カイドウは宜しいと一言

「さて、切り替えて、オラリオだの、ファミリアだのの話をさせて貰うぜ。授業料は出世払いで頼む」

「宜しく頼むよカイドウ先生」

なんだか高くつきそうだと、カムイは天を仰いだ

 

 

 

そんなこんなで、道を進み、オラリオの城壁へとたどり着いた

此処では名ばかりの検閲が行われている

だが緩いのには訳があり、将来のスーパーヒーローの為である

とは言っても流石に指名手配犯等は捕まえたり追い返したりする

「とまぁ、こんなんだし、俺の顔パスもあるから気にするな」

「…よくこれで治安が保ててるな…ファミリアという存在は大きいのだな…」

「まあな」

と、それより俺らの番だぜ?

と言い、入場者の列に倣いながら門へと進んでゆくと、少し背の低めの恰幅の良い男が現れた

「おおカイドウさんじゃないですか!お久しぶりです!」

「よう、チャーマ。今日は1人荷台に冒険者志望の奴を一人連れて来たんだ、それと“お土産”も」

チャーマと呼ばれた男は苦笑いをする

「はは、またですか…私どもが本部にかけあっておきますのでどうぞお進み下さい。」

「おう!」

あぁ、とチャーマがいう

「忘れる所でした、荷台の冒険者志望の方お顔を拝見させて頂きたい」

カムイは素直をカイドウの方へゆき、荷台の幕から顔を見せる

カムイの顔を見たチャーマはおおと声を漏らす

「強き方ですね…」

「いや、私はそこまでの者ですよ。街へは…入っても宜しいですか?」

「ああ、失礼しました。勿論お入り下さい。ようこそ、オラリオへ」

チャーマは軽く敬礼をする

カムイは敬礼を返し、荷台へ戻る

「いやぁ、素晴らしい方を見つけられましたな。」

「たまたまな、どうだ強いだろ?」

「ええ、私のスキルもそう言っております」

「そうかそうか、ありがとうなチャーマまた“お土産”でな」

「はは…」

苦い顔をするチャーマを尻目に馬車を進める

「させ、馬車の中で話した通りギルドに降ろした後は自分で地図を頼りに行動してくれ。3日分の宿代は渡した通りだ。だが、無駄使いは厳禁だとも言ったな。」

「あぁ、貴公には感謝をしても仕切れないな」

「出世払いをわすれんなよな?」

「忘れないとも」

「ならば良い」

 




お読みして下さりありがとうございます
貴公に感謝を
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。