紅葉が桜に変わる頃   作:本条真司

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第5話

夜斗の携帯電話が鳴動した

「俺だ」

『よう、夜斗。新規購入か?』

「ああ。いつものノートパソコンと、マグナムを一つずつ」

『ほーう。この時期に新入社員かよ、景気がいいな』

「奏音が仕事クビになったんだって来たんだよ。今は適性試験してるところ。汎用装備としてマグナムは全員に配るしパソコンも何かと使うからよ」

『じゃあいつもの場所でな。いつがいい?』

「適性試験終わったら追加するかもしれんしまた連絡する」

『ういよー』

先程の会社の社長からだった

名前は夜桜一樹。銃刀法が緩和されてすぐに銃社会を構築した敏腕を持つ

「待たせたな、奏音。ほらコーヒー。必要ならガムシロもあるぞ」

「ありがとう。これ、私が学校でよく飲んでたやつだわ」

「覚えてるからな、それがいいかなと思って」

そう言いつつ夜斗はエナジードリンクを呷った

ドリンクホルダーに差し、また車を発進させる

「…ねぇ、夜斗」

「なんだ?」

「…後ろからなんか来てるわ」

「……ああ、あいつらは敵対勢力だな。俺たちが敏腕すぎて、他の探偵への依頼が減ってるんだ。そういう奴らがやるのは、傘下下るかこうして襲うかなんだが…相手が悪かったな」

夜斗は窓から手を出してハンドガンを後ろに向けた

おもむろに引き金を引き、手を引っ込める

「…何したのよ」

「敵車両のタイヤを撃った。しばらくは走れない」

「そういうことしてるから襲われるんじゃないの?」

「そうなのか、覚えておこう」

スリップし、クラッシュした後ろの車をミラー越しに眺めながら、奏音はため息をついた

「…到着したぞ、起きろ」

「…はっ。寝てたわ」

「知ってるよ。だから起きろって言ったんだから」

夜斗はそう言いながら車を降りた

到着したのは一見普通の雑貨屋だ

中に入ってみると、普通に物を売っている

2階に行く階段には、関係者以外立入禁止と書かれたテープが張られている

「…どこにあるのよ」

「ここの二階。入るぞ」

「はーい」

店員の活発な声に驚きつつ、実は彼女が社員であることを後で告げられてそこでまた驚くことになる

「…とりあえずハンドガンからだ。M92Fで試せ」

夜斗はマガジンを装填したハンドガンを手渡した

それを奏音は慣れた手付きで構える

(使ったことがあるのか…?いや、まさかな)

「久しぶりに使うわ。最後に使ったのは去年の実弾演習かしら」

「実弾演習…?」

「私の父が貸してくれたのよ。新しいものを取り込めってね」

奏音は人型の的の肩と手首を撃ち抜いた

(…まだ何も教えてないが、無力化の手段を知ってるのか…?)

「父に教えられたのを思い出すわ。人を撃つときは、頭より先に手や肩を撃つ。それで銃を撃てなくしてから、トドメを刺す。よね?」

「あ、ああ…。お前の父親はなんの仕事をしている?」

「軍よ。けど、二階級特進したわ」

「…そうか、悪いことを聞いたな」

「構わないわよ。もう5年は前のことだわ」

奏音はマガジン全てで肩と手首を撃ち続けた

夜斗はイヤーマフの中につけられたインカムで話をしている

銃声が響く中で声が届くかと言われれば届きにくいだろう。そのため、射撃場のような音の籠もる場所ではこういった措置をしているのだった

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