前世の記憶が戻ったネブラ・シルヴァ   作:びーびーびー

2 / 4
新たな名前と仲間

 私が町を転々とある気ながらアスタを探して二か月がたった。中々見つからないもんだ。まだまだお金には余裕がある。仕事をしようと考えてみたけれど場所を転々と動きながら働ける仕事なんて早々にない。だからいったん仕事はあきらめて主人公探しに全力をかけている。

 

 「すみませーん。アスタって子知りませんか?探しています。」

 

 「しわないわねえ。ごめんなさいね。」

 

 「そこのおじさん、アスタ人知らないですか?」

 

 「すまん、わからんわ。」

 

 「アスタって人知らないですか?」

 

 「しらないわ~。」

 

 んんー。みんな知らない。聞き込みだと効率が悪いな。何かいい方法はないもんか。とりあえずこの町はいいかな?よし、次の町に向かおう。ネブラは箒に乗って次の町を目指す。

 

 ネブラが次の町へ向かっていると、後ろからついてくる魔力を4つほど感知した。振り向くと雷と炎と風と氷の矢が飛んできていた。ネブラは箒を急加速して旋回しながらすべての魔法を避ける。目の前にはフードを被った人たちが4人いた。

 

 「おお、あれを避けるのかたいしたもんだ。」

 

 「兄貴!よく見てくださいあの顔を!」

 

 「んん?ああ、確かにお前の言う通りだ。」

 

 「攫いましょう!」

 

 声でわかった。全員男の声だ。会話を察するにもしかして正体がばれたか?元王族だと。確かに元王族とか珍しいもんな。高く売れそうな感じはするよ。こいつらは私が目当ての人攫いだな。そうか返り討ちにしたいところだがどうするか。

 

 「確かに俺好みの悪人面だ。持ち帰って嫁にする!」

 

 ちがった!!そっちか!まさかこの顔で好きになるやつがいるとは。そっか悪人面が好きな奴にはドンピシャなのか。主人公探しで話す時たまにおびえられるときあるからかなりショックだったんだよな。自分でしたことはと言え。だからこれは少しうれしい。まあ、攫われるつもりなんてないけどな。

 

4人の人攫いは先程の魔法を打つ。今度は単発ではなく連射して打ってくる。どうやらそこそこな魔力量だったようだ。それでもネブラはスイスイスイとかわしていく。

 

 「兄貴!早すぎますぜ、あたりません。このままじゃ魔がつきて箒に乗ることも難しくなりますぜ。」

 

 「ちィ、しょうがねえなぁ。今日の所はやめておくか。せっかく灰色の幻鹿から逃げることができたのに。」

 

 四人の人攫いは私を攫うことは諦めたようだ。私もさっさと次の町に行こうとしていた時、

 

 「闇魔法闇纏・無明切り」

 

 黒い斬撃がこちらに飛んできた。その斬撃には引っ張られる力があり、私も巻き込まれそうになった。黒い斬撃は四人の人攫いにまとめて直撃して人攫いたちは落下していった。

 

 斬撃が飛んできた方から筋骨隆々の男がやってきた。どう見てもやばそうだ。あんな魔法見たことがなかった。そしてあの無駄についている筋肉。魔力で身体強化をすればいいものを何で鍛えているんだ?魔力量もノゼル兄様より少し少ないくらいだろう。相当強いぞこの男。

 

 筋骨隆々の男は地面に寝転がっている。四人の人攫いの所に行き、拘束魔法を使っていた。よし、今のうちだ。逃げよう。何かとてつもなくやばい予感かする。

 

 ネブラは魔力を大量に込めては箒を飛ばす。しかし、ここからがネブラの地獄の始まりだとは思いもしなかった。

 

 ネブラがとてつもない速さで逃げたことにより筋骨隆々の男はこの四人組と仲間だったのではないかと思ったからだ。

 

 筋骨隆々の男は現在、団長不在の灰色の幻鹿の副団長をしている。名をヤミ・スケヒロという。ヤミは人攫いの組織を捕まえている途中だった。昨日ほぼほぼの人攫いを捕まえたのだが四人だけ逃がしていた。そして、捜索していたのだ。そんなときに女性を追いかけまわして魔法を打っている奴らを見つけたのだ。そして今に至る。倒した四人組は探していた四人だった。これにて一件落着と思われたが突如ものすごい魔を放出して逃げたのだ。襲われていた女性が。ヤミはこれは何かあるのではないかとにらみ、拘束した四人を置いてあの女性を追いかけた。

 

 「くっ、あの女早すぎんだろ!なんちゅう魔力だ。軽く王族をこえてんぞ!待ちやがれ!」

 

 ネブラは必死に逃げる。どうしてこうなったかを考えても何も浮かばない。ただ、ひとつだけわかることがある。捕まったら殺される。いくら、離しても追いかけてくるこの筋骨隆々の男にネブラは恐怖していた。女だったら誰だってそうだ。あんな筋肉だるまの男に追いかけられて逃げないわけがない。

 

 ヤミとネブラの追いかけっこは平界から恵外界に差し掛かるまで続いた。あきらめたのはネブラだった。

 

 ネブラは箒を操り地面に降り立つ。ヤミもそれに合わせて地面に降り立つ。両者がにらみたつような形となった。

 

 私の覚悟はもう決まった。ここで生き残にはもう、あの男を殺すしかないと。あいつはずっと追ってくる、ここらでやらないとずっと追いかけっこだ。そんなのめんどくていやだ。別に殺すことには何も感じない。ただ、あの男に勝てるのか?それだけだ。対面してわかる。とんでもない魔力だ。凄い重圧を感じる。

こちらも負けじと魔力を放出して臨戦態勢に入る。

 

 この二か月で気づいたことがある。自分の魔の変質と魔力量が変わっていることを。魔は禍々しく。魔力量はいちゃあなんだが王族ですらごみのまめむしに感じるほどだ。とてつもなく体に魔力が満ち溢れている。下手をしたら世界で一番魔力が多いのではないだろうか。そんな風に思ってしまうくらい多いのだ。何を言いたいかというとこの威圧だけでびびって引いてくれないかなという事だ。ソリドの時のような遊びではなく、本気で威圧しているのだ。正直立っているでも辛いのではないだろうか。

 

 「なんて奴だ…」

 

 ヤミは戦慄を覚えた。なぜなら目の前の女性がとても大きな魔を有していたからだ。そしてとてつもなく禍々しい。

 

 あれは、やべえな。俺はとんでもない奴を相手にしているんじゃないのか?ユリウスの旦那よりも魔力の多い奴初めて見たぜ。こいつはやべえ。しかし、壁が大きいほど限界が超えれるってもんだ。ありがとよ!!

 

 「行くぜ!闇魔法闇纏・無明切り!」

 

 「霧魔法霧現分身!」

 

 ネブラはヤミが攻撃したとき、その瞬間に魔法を発動させた。今ネブラは霧魔法で分身を出している。その数は膨大な魔力を利用して10万体に及ぶ。ヤミが放った無明切りはあたりはしたがまだ数は健在だ。

 

「まじかよ…」

 

 ヤミの周囲、すべてにネブラがいる。外から見ればもうヤミは見えない。ネブラの分身はヤミを中心にドーム状になり空中を覆い尽くす。

 

 そして、

 

 全方向からただ、魔力を込めた球を打ち出す。

 

 ヤミは自分に向かってくる魔力弾に包まれる。分身一体一体が打つのだ計り知れない量の魔力弾が迫ってくる。ヤミはまずこのドーム状に囲まれるのはまずいと思い、ネブラの分身体と魔力弾を切りながら一点突破で走り抜ける。ヤミが走って抜けたおかげで、ほとんどの魔力弾はヤミには当たらなかった。

 

 「立ち止まるのはまずいな。」

 

 ヤミは動き続ける。こうすることで大量の魔力弾を避けながら更に攻撃魔法で防ぐことによってなんとか最小限のダメージで抑えている。

 

 「闇魔法黒穴」

 

 ヤミが出した魔法は名前の通りただ黒い穴だった。しかし、ネブラは気付く、自分の魔力弾が黒い穴に吸われていることを。そして、黒い穴に近い分身体たちも一緒に吸われていることを。ヤミは避けながら無明切り、黒穴を使って分身体の数を減らしている。

 

 このままでは負ける。殺されると思ったネブラは、もう一つの魔法、悪魔の魔法を使うことを決める。

 

 「干渉魔法○○○○」

 

 その魔法の名前はわからない。だが、何故かわかる。そして、どこの言葉かもわからない言葉を自分が話している。おそらく悪魔達の言葉なのではないだろうかとネブラは推測する。

 

 ネブラが発動した干渉魔法はこの空気中や地面あらゆる所に流れている魔に干渉することができる。魔法だった。ネブラは大気中の魔を操って分身体に混ざりながら空へ飛ぶ。

 

 そして、すべての自然からなる魔を集め、高圧縮で巨大な剣をだす。その大きさは、最果てにある魔神の死骸に匹敵するほどの大きさだ。

 

 「まじかよ。」

 

 奴の魔力量はいったいどうなってやがる。こんなバカでけえもんつくりやがって。確か奴は干渉魔法といったな。その後はよく聞き取れなかったが、これはうちの魔法帝が喜びそうな魔法だな。ってそんなこといっているばあいじゃねえ!!いまここで限界をこえろ!!

 

 「干渉魔法滅亡の剣」

 

 ヤミが蟻に見えるくらいのばかでかい剣を操り腕を振りヤミに向かって放つ。

 

 その瞬間何かに包まれたような感触がネブラを襲う。その感触がネブラに襲った瞬間。ネブラの分身体と滅亡の剣は消え去った。

 

 「マナゾーン黒月、ありがとよ。てめえのおかげで俺はまた強くなれた。限界を超えることができた。」

 

 ネブラは何が起きたかまでは理解できなかったがおそらくあの空に浮いている黒い球体に何かあることは理解していた。魔法は打ち消されたが、まだ魔に干渉はできるのでおそらく形としてなった魔法は使えないのだろう。

 

 ネブラは大気中の魔を操り、黒月の効果範囲から抜け出そうとする。しかし、それをヤミはさせない。

 

 マナゾーンとはあたりに漂う魔を味方につけ意のままにその領域を操る能力。その領域では本来の自分以上の魔力放出をどこからでも仕掛けられる。感知能力もずば抜けて高くなり超反応も容易になる。魔の力も借りて宙も自在に動けるようになる。

 

 ヤミは空を飛んで逃げようとするネブラを自身も宙を飛び高速でネブラを追いかける。そして、

 

 「闇魔法黒穴」

 

 「くっ、動ごけない。」

 

 「終わりだ。闇魔法闇纏黒刃!」

 

 黒穴に引っ張られ動けなくなったネブラは、最後のヤミの攻撃を受けて地面にたたきつけられた。ネブラの意識はそこで途切れた。

 

 躱していたとはいえ、10万なる分身体からの魔力弾は躱しきれない部分もあった。ヤミの体はたくさんの傷跡でボロボロになっている。

 

 「ハァ、ハァ、なんて女だ。流石にもう魔力が残ってねえわ。」

 

 ヤミはドサッと地面に座った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ネブラは目を覚ました。部屋だ。ここはどこの部屋だろう?結構綺麗な部屋だ。石造りの壁に天井にはシャンデリアが飾ってある。戸棚には本がいっぱい飾ってある。そして壁に見たことのない形の剣が置いてある。いや、ネブラの前世ではこの剣のことを知っている。顔にまぶしい光が当たる。窓からは綺麗な朝日がさんさんと差し込んでくる。

 

 現在自部のいる所はベットの上だ。私は起き上がった。すると隣に筋骨隆々の男が寝ているではないか!!

 

 そうだ。そうだった。私はこの筋骨隆々の男にやられたのだった。その後どうなったかは記憶がない。そうなんだ記憶がないのだ。私はてっきり死んだと思ったからだ。

 

 「ぐっ、、」

 

 思い出したら急に背中に痛みが襲ってくる。あの時の痛みだ。最後のあの一撃の痛みだ。私は霧回復魔法を使い自分の傷をいやした。しかし、おそらく傷跡は残るだろう。というか自分の体を見ると包帯がまいてある。こいつが手当てをしてくれたのだろうか。

 

 「ん、あー。よく寝た。」

 

 大きいいあくびをしながら、男は起きた。

 

 「ねえ、これどういう状況なの?」

 

 「あ?どういう状況って。普通、男がベットにいたら驚かねえのお前?」

 

 「そんなこと、どうでもいいわ。感覚でやってないことくらいわかる。さっさとはなしてくれない。」

 

 「全然可愛げのねえ女だな。まあ、その悪人面で驚かれても困るがな。ええと、お前と戦った後魔力がなくなってな。近くの町まで運んで手当てしてベットが一つしかねえとかほざきやがるから仕方がなく一緒に寝ただけだ。」 

 

 「どうして?どうして殺さなかった。私を助けた?」

 

 「どうしてって。お前が面白そうだったからだ。」

 

 「は?それだけ?あんた変わってる。名前はなんて言うの?」

 

 「ヤミ・スケヒロだ。職業は魔法騎士をやっている。」

 

 「そうか、ヤミっていうのか。てか職業まで聞いてねえよ。てか、え!?魔法騎士なの!?ローブは?ないじゃん!!さては嘘つきだな~。」

 

 「本当だし、ていうか魔法騎士の副団長なんです~。こう見えてもえらいんです~。部下をこき使ってやれるんです~。ローブは忘れただけなんです~。」

 

 「本当なの?信じられない。フフフ。」

 

 「証拠に今から魔法騎士団のアジトに連れってってやるよ。ま、強制だけどな。お前名前なんて言うんだ?」

 

 「……アンラ・マンユ。」

 

 「…そうか・・よろしくなアンラ。」

 

 私は咄嗟に嘘をついてしまった。これからこの男に魔法騎士団のアジトに連れていかれるからだ。私が元王族だと、私がばれたくないからだ。名前はこの二か月で仲良くなった悪魔の名前を使ってしまった。まあいいだろう。

 

 この後ヤミと私は身支度をした後、ヤミが所属している灰色の幻鹿のアジトに向かう。道中、昨日追いかけてきた四人組の男たちを回収した。回収された男たちはとても元気がなかった。拘束魔法で身動きも取れず一日放置されたのだ当然だ。

 

 道中ヤミと話す。

 

 「言っとくけど、私そいつらと何も関係ないからね。」

 

 「わかっている。ただ、お前が面白いから連れていくだけだ。」

 

 「そう。」

 

 「ああ、じゃあ、少し飛ばすぞ。掴まれ。」

 

 私はヤミの背中に掴まった。本気を出した私よりかは遅かったけどそれでも早かった。景色がだんだん変わっていく。大きな建物が見えてきた。どうやらついたようだ。

 

 大きな城の前につくとヤミは箒を下ろした。騎士団の団員達が寄ってくる。

 

 「ヤミ副団長!今度はどこ行ってたんですか!心配しましたよ!」

 

 「おうおう、ちょっとな。あ、こいつら例の人攫いの残り。後よろしく~」

 

 「ちょっ、副団長!」

 

 ヤミは部下に人攫いを押し付け城の中に入っていく。私もそれについていく。老いてかれた部下がかわいそうだ。てか、本当にヤミは団長だったんだな。よくよく考えたら、ユリウス団長が魔法帝になってから灰色の幻鹿は団長がいないと聞いたから実質ヤミがトップなのでは?

 

 ヤミについていくと様々な団員とすれ違った。みんなじろじろこちらをいている。そんなにおかしいだろうか?確かに顔は傷だらけだが。

 

 「ここだ。」

 

 ヤミが来たところは、大きいぴっぱな扉の前だった。

 

 「入るぞ、ヴァンジャンス。」

 

 ヤミはノックをせずに中に入っていく。それでいいのか副団長。もっと周りに気を使え。入ったらダメな時だってあるだろう。

 

 部屋の中は綺麗。それに尽きる。余分なものが一切ない。机と椅子だけだ。見たところ、書斎なのかな?この人は書類なんかを書く係なのだろうか?

 

 「どうしたんだいヤミ?その子は君の彼女かい?さっきから下が騒がしくてね。結婚の報告かい?」

 

 「ちげえわ、変な仮面マン。こいつは推薦だ。うちの団に入れたいと思う。お前も一様副団長だからな。話しておこうと思ってな。」

 

 「は?なんでそうなる。ツッコミたい所はたくさんあるが、これだけは言える。私別に魔法騎士団になろうと思ってないんだが?」

 

 急に何を言い出すんだ、この男は。私はアスタを探さないといけないんだよ。

 

 「ヤミ本人はそう言っているが?」

 

 「うるせえ、言っただろ。強制だ。ほい、これローブ。これでもうお前うちの団員だから。」

 

 ヤミはどこからか出したかわからないが灰色の幻鹿のローブを私に渡してきた。

 

 「別にお前がどう思うが勝手だがこのローブを渡しておく。」

 

 「ヤミ、今私にはやることがあるんだ。人を探していて。本当に申し訳ないがそれが片付いたらまた誘ってくれないか?魔法騎士団には前から興味があったんだ。」

 

 これは本当。私ネブラは魔法騎士を目指していた。銀翼の大鷲に入ってノゼルお兄様と一緒に活躍したかった。そんな未来はもうなくなったのだが。だから、ヤミが誘ってくれたのは少なからずうれしい。

 

 「それなら別に入ってもいいんじゃないか?」

 

 もう一人の副団長ヴァンジャンスが口を開く。

 

 「魔法騎士団に入ったらいろんなところに行けるようになるし、そのついでに探していい。」

 

 た、確かに…!どうして今まで気づかなかったんだろう。魔法騎士団に入ったらいろんなところに行けるではないか?そのついでに探せばいいんだ!それにお金も入ってくる!一石二鳥だ!入ろう、灰色の幻鹿に。

 

 「入ります!!」

 

 「意見変わるの早!もっと自分の意見ないのお前?」

 

 ヤミがあきれたようにいう。私は気にせず、

 

 「うん!ちょうど仕事探してたし、いろんなところに行けるなら別にいいよ。」

 

 「そ、そうなの。」

 

 ヤミが引き気味に言う。そして続ける。

 

 「お前の探している奴ってなんだ?」

 

 「アスタっていう人なんだ。」

 

 「なら、僕の方で各騎士団に捜索願も出しておくよ。」

 

 「本当ですか!?ありがとうございます!!ヴァンジャンス副団長!」

 

 「なんか俺と態度違うくない?俺も副団長なんですけどー。」

 

 「いや、ヤミは別に今までの態度でするんで、よろしく。」

 

 こうして、私のは魔法騎士団での生活が始まった。ヴァンジャンス副団長がアスタの捜索をみんなで手伝ってくれるといった時は嬉しかった。流石副団長。どうしてヤミはこうではないのか。同じ副団長でここまで違うとは。

 

 私はその後団員の人に部屋を案内された。ここがこれからの私の根城だ。清潔に保とう。私は片付けが苦手だからな。あと、部屋を案内してくれた団員に「ヤミ副団長の彼女さんですか?」と聞かれたのできっぱりと違うと伝えておいた。あんな筋骨隆々の野蛮人誰が好きになるか。背中に大きな太刀筋ができてんっだぞ。加減しろ!女の子だぞ。私じゃなかったら泣いていたな。

 

 しかし、騎士団に入ってよかったな。ネブラはそう考えながらベットに寝転がる。まさかこんな展開になるとは思わなかったけど騎士団の人たちが捜索してくれるんだ。意外と早く見つかるかもしれないな。しかし、アスタと自分の関係を聞かれた時が一番困ったな。

 

 ヤミによろしくした後ヤミと少しけんかになったんだよな。ヴァンジャンスの世界樹魔法で止められたんだけど。

 

 その後に聞かれたんだ。

 

 「ちなみに聞くけどアスタっていうこの姿とかわかるかい?年齢とかもわかるといいんだけど‥」

 

 「そうですね。髪は灰色か白色でー男の子です。年齢はわかりません。」

 

 「おいおい、年齢が分からないってメチャクチャじゃねえか。一体お前とアスタってやつはどういう関係なんだ?」

 

 そこまで考えていなかった。しくった。そうだ。どういう関係といわれても特にないもないな。これじゃあ怪しまれる。どうする?こうなったら適当に嘘をつくか。

 

 「家族です。」

 

 そう、家族この言葉の凄いところはどうとでもとれるという事。アスタがどんな年齢でも大丈夫なのだ。年寄だったらおじいちゃんに若かったら兄弟にと。

 

 「そうか、そんなに若いのに。」

 

 「生き別れてしまって…」

 

 いかにも何かありました。深くは聞いてこないでください風に装う。完璧だ。

 

 「わかった。辛かったね。」

 

 私はこの時ヴァンジャンス副団長がおバカな人だとは思っていなかった。あの時もっと別の言い方があったのではないかと、ネブラは後悔する日が来るという事をまだ彼女は知らない。

 

 ネブラはアスタの捜索の話を思い出しながら気付くとベットの上で寝てしまった。まだ、昼間だというのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アンラが部屋から出ていった後、ヴァンジャンスとヤミだけの二人だけの空間になった。沈黙が流れる。その沈黙をといたのは意外にもヴァンジャンスだった。

 

 「それで、どうして彼女を入れようと思ったんだい?」

 

 「面白い奴だったからな。それにあの魔力量、あれはただものではない。」

 

 「確かに、凄かったね。ねえヤミあの子のことはなしてくれないかい?」

 

 「ああ。」

 

 ヤミは、アンラとあった出来事をヴァンジャンスに話した。四人組に襲われていたこと。そして、自分と戦ったことを。

 

 「はは、すごいね、干渉魔法か。とんでもないね。よく勝てたねヤミ。」

 

 「ああ、土壇場でマナゾーンを習得できなかったらやられてかもな。あいつ殺す気満々だったし。ありゃ、人を殺してる目立ったな。まあ、面白そうだから何でもいいんだけど。じゃ、俺も自分の部屋に戻るわ。」

 

 「うん。お疲れ様。ヤミ。」

 

 ヤミはヴァンジャンスの部屋を出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の日からネブラは騎士団として働くようになった。ネブラの噂は瞬く間に広まることになる。それくらいに破竹の勢いで活躍している。入って間もないが星の所得数は50を超える。一日星一つもらっているペースだ。活躍しすぎて星の授与が遅れてやってくるなんてこともある。ヤミには「お前頑張りすぎじゃね~」といわれるくらいだ。しかし、魔法騎士は活躍するほど臨時給料がもらえる。たまっていくお金に嬉しさを覚える。

 

 洗面台で顔を洗う。やっぱり朝起きたら顔を洗わないとね。起きた気がしないわ。

 

 「さあ、今日もがんばるぞー!」

 

 「あのー顔洗ったなら早くどいてもらえません?こっちは待ってるんですけどーー。」

 

 「うるさいな。ヤミは。少しはヴァンジャンス副団長を見習ったらどうなんだ?」

 

 「ああん?俺も副団長なんですけどーー。お前は俺を敬え。」

 

 「はいはい、ヤミ副団長。変わります。」

 

 この生活も慣れてきた。後はアスタだけだな捜索願いは出しているけどなかなか見つからないな。もしかしてこの世界にはいないのか?この時代にはいないのか?なんて考えてしまう。

 

 「アンラ仕事だ。行くぞ。」

 

 「りょーかい。」

 

 私は団員に声をかけられ、ローブを被り一緒に町の見回りに行く。このローブは気に入っている。フードがついているのだ。魔法騎士になったんだよりみんなに見られる。たまに私の顔を見て怖がる人がいるため顔を隠すようになった。

 

 しかし、町の見回りほど退屈なものはないな。何たって魔法騎士の前で犯罪を犯そうなんて考える奴は出れもいないのだから。とっとと終わらせて盗賊か何かを一網打尽にしていこう。

 

 私が歩いているとパンをもって走っている女の子がいた。

 

 「おい待て、クソガキ!!」

 

 奥の方からおじさんの声が聞こえてくる。少女は精一杯になって走っていたのか。前を見ていなかったらしい。見事に私にぶつかって転んでしまった。

 

 少女は魔法騎士団のローブを見てこの世の終わりというような表情をしている。おそらくこの女の子は貧しいのだろう。パンでも盗んできたのだな。お腹すいたらどうしようもなくなるよな。少女は観念したように座り込み動かなくなってしまった。

 

 「どうする?捕まえるか?」

 

 「私に考えがある。」

 

 団員に任せてくれと伝えると私は魔導書をだす。少女は魔法を放たれるのだろうと思っているのだろう。先程よりも震えが大きくなっている。怖いのだろう目を閉じながらも涙を流している。

 

 「霧魔法幻影の霧」

 

 少女に向けて魔法を放つ。団員は絶句していたがどうでもいい。私はパンを拾う。

 

 パン屋の主が走ってこちらにやってくる。

 

 「魔法騎士様こちらにパンを持った女の子を見ませんでしたか?あのガキ盗みやがったんですよ!」

 

 「あの女の子なら逃げていきましたよ?でも安心してくださいパンはここにあります。」

 

 「おお、ありがとうございます。」

 

 「ええ、どうぞ。」

 

 「あのガキ今度会ったらとっちめてやる。魔法騎士様も気を付けて。」

 

 パン屋の店主は怒りながらも帰っていった。パン屋の店主がいなくなった後私は魔法を解く。

 

 少女の姿がみるみる霧が晴れたように現れる。

 

 「何でこんなことをしたのか聞かない。なんとなくわかるからだ。君に一つ提案何だが魔法騎士団に来ないか。」

 

 「ちょっ、何言ってんだアンラ!」

 

 「いいから黙ってて。君の魔力量は王族に匹敵するよ私にはわかる。この世は魔力があれば何でもできる。一緒に来ないか?贅沢な暮らしがしたいだろう?」

 

 一目見た時からわかった。こいつは天才だと。たまたま起きた遺伝子の突然変異。こいつは化けると脳が直感した。

 

 「あ、あのう。私妹がいるの。妹も連れてってくれるの?」

 

 「まあ、いいだろう。妹に合わせなさい。」

 

 「俺は知らないぞ、そんな勝手なことをして。」

 

 後ろでぐちぐち言っているが私は少女とその妹を騎士団のアジトに招き入れた。ヴァンジャンス副団長とヤミに説明して私が育てるならいいと許可ももらえた。妹にあった時はがっかりした。なぜならごみだったからだ。なぜこうにも姉とは違うのか。魔力がほんの少ししかなかった。しかし、妹は連れていけないとなると少女が来たがらないと予想して仕方がなく妹も招き入れた。

 

 この少女は私が育てて将来私の団員にするつもりだ。今私は多大な活躍により二等上級魔導士となっている。ちなみに入って二か月足らずでこの階級はクローバー王国初らしい。鼻が高いな。

 

 もう直ぐ私の読みでは大魔法騎士になる。そして、いつかは自分の団を持つだろうその時のために強い団員は欲しいものだ。

 

 少女の名前はミラ。私はミラに魔力感知、魔力コントロールなどの訓練を仕事の合間にしてあげている。順調に進めば強魔地帯に一緒に行ってマナスキンを取得してもらおうと思う。私もヤミに負けないためにマナゾーン習得しないといけないしな。

 

 そんなこんなで私はミラを育てながら魔法騎士の仕事をして生活している。

 

 そして、更に一か月後私の星取得数は80を超えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「アスタ、町の人が言っていたけど今年の星果祭で発表された一番の魔法騎士団は灰色の幻鹿だってさ。何でも今年入ったアンラって人が一人で団の半分以上の星を取ったらしい。圧倒的だってさ。」

 

 「すげええええ!!!!俺もアンラって人みたいに強くて凄い魔法騎士になるぞ!!そして魔法帝になる!!」

 

 「ありえねー」

 

 「何だとユノ、コノヤロー。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 灰色の幻鹿はユリウスが抜けてからの団長が分からなかったので団長不在という設定にしました。

 今回出てきたミラですが、オリジナルキャラではありません。キルシュとミモザの過去の話で出てくるモブキャラです。設定と名前は完全にオリジナルです。王族に匹敵するくらいの魔力は本来持っていないと思われます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。