前世の記憶が戻ったネブラ・シルヴァ   作:びーびーびー

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ダンテ生きてます。よかったら前の話から見てください。


アスタの教育

 はれてアスタの母親になったネブラだ。みんなおはよう。今日もいい天気だ。相変わらずアスタは早いな。

 

 自室の窓からパジャマ姿でネブラは騎士団の広い庭を眺めている。そこには朝のランニングをしているアスタの姿がある。この世界ではあまりよく見かけない姿だ。皆、魔法のある世界で筋トレなんてしないし、体力をつける運動なんてしないものが多いからだ。

 

 ん?

 

 よく見るとアスタと一緒になって走っている人が二人いるな。

 

 目をよく凝らしてみると、そこにはミラとその妹がいた。二人ともアスタと一緒に走っていた。

 

 「よくやるなあ、ミラは魔力が多いのに。」

 

 ネブラは窓から離れ着替えをする。

 

 「しっかし、最初は顔だけだったが中々に体も傷だらけになってきたな。」

 

 腰を捻りながら全体を見渡しながら言う。ネブラはこれまでの戦いによっていくつもの傷跡がその体に染みついていた。

 

 着替えを終え、歯や顔を洗い、食堂へ向かう。そこにはいつもの筋骨隆々の異邦人がいた。

 

 「おはよう、ヤミ。」

 

 「おはよう。」

 

 眠そうにタバコを加えながら、椅子に腰かけて新聞紙を見ているヤミはけだるそうにネブラに挨拶をする。

 

 ネブラは朝食を持っていきヤミの隣に座る。

 

 「なんか書いてある?」

 

 「特に何もねえな、いつも通りだわ。どこかの魔法騎士団が盗賊を追い払ったとかそんなん。」

 

 ヤミはネブラに視線を合わさず新聞を見たまま答えた。

 

 「へ~どこの団?」

 

 「碧の野薔薇。」

 

 「シャーロットちゃんの所かー」

 

 もぐもぐと食べながらネブラは自分より年上の団長をちゃん呼びする。

 

 「おいおい、本人の前でそんな言い方すんなよ、何でか知らねえがただでさえお前が来るたびにシャーロットの氣が乱れんだからよ。」

 

 「気を付けるね。」

 

 そう、ヤミには氣というものが感知できる。これは魔法感知とかではなく、相手の行動やどこに落石が降ってくるなどが分かるらしい。これが分かると相手の感情もある程度読めるらしい。特にヤミの前では嘘はつけないと思っていいだろう。なんてチートだ。ちなみに私は習得できない。何故かわからん。ヤミ曰く才能がないらしい。

 

 ちなみにアスタはこの氣というものをヤミに教えてもらって一日でマスターした。何という事だこんなことがあっていいのか。仮にも私は王族だぞ。元だけど。これがモブと主人公差か、、、

 

 優しい朝日に照らされながら、手を休めずにご飯を食べる。食べながら考える。

 

 確かに主人公らしく、氣をマスターしたが一つだけ憂いがある。それは魔力がないことだ。これに関してはどうなるかがわからない。原作を知っていれば大丈夫なんだてどあいにく自分が知っている原作知識は主人公がアスタであるというだけだ。なんてこった。

 

 これからどうなるのだろう。ここで私が思ったのは、もう私がアスタを強くしていいんじゃね?という事だ。どういうことかというと、もう原作とはかけ離れているような気がするからだ。アスタが私の息子のはずがないし、そもそも灰色の幻鹿のアジトにも住んでないような気がするんだ。

 

 例えば力をくれる誰かがハージ村にきてアスタに力を渡したのかもしれない。そうなったらアスタは終わりだ。しかし!この私でも習得ができなかった氣をたった一日で習得できたアスタには何かがあると感じずにはいられない!

 

 だからこそ私はアスタを強くしようと考えているのだがどうしようか。

 

 そもそも、まだ魔導書がないので単純な魔法以外はできなくても問題がない。しかし、魔導書をアスタがゲットしたときに問題が起こるのだ。そう、魔法には魔力がいる。すなわち魔がないアスタでは魔法が使えないとか以前に発動すら無理なのだ。

 

 何とかしてアスタに魔力を持たせることができないか。

 

 、、、

 

 わからなかったらあそこだな

 

 

 

 

 思いたったが吉日。ネブラは急いでご飯を食べて王都へと向かう。そう、あらゆる知識の宝庫、王宮図書館に行くのだ。

 

 ネブラは早速、箒で王宮図書館まで行き受付に頼み込む。

 

 「魔力に関する本全て持ってきてくれ。」

 

 山積みになった本をみて気分が萎えるネブラであったがアスタのために頑張って読む。

 

 「魔力を増幅する葉、うーん。」

 

 魔力に関する本の中で最も多いのが魔力の増やし方だ。そら、この世界は魔力がすべてだ。需要があるわな。しかしな増やし方を見るに成功するか不安だな。なぜならアスタはいつもの筋トレの後にそのような魔力を増やす飲み物をいつも飲んでいるからだ。どういうこっちゃ。

 

 多分、もともとがないから増えないとかそういう事なんだろうか?0からは増えない、みたいな。

 

 ネブラはその日有給を取り、図書館に入り浸った。

 

 どの本を読んでもこれといったものがなく大変だ。

 

 昼頃になるとその図書館にある人物が訪れる。アスタとミラとその妹だ。

 

 「お母さん、ここにいた。」

 

 アスタが飛びついてくる。ずっと座りっぱなしで腰に来ていて、その腰めがけてダイブされたのでとてつもない痛みが腰に来た。多分やらかしただろう。しかし、このアスタの笑顔の可愛いことよ。純粋な子供は可愛いねえ。

 

 私はアスタを抱き寄せながら自分の膝へ座らせる。そして頭を撫でながらアスタに聞く。他の二人はうらやましそうにこっちを見ている。

 

 「何でここに来たのかな?」

 

 アスタがその問いに答えようとしたとき、いつも見ている筋骨隆々の男ではなく、もう一人の副団長が姿をあらわした。

 

 「私が魔法帝に報告するついでに子供たちをここに連れてきたのさ。君に会いたそうだったからね。」

 

 「はあ、そうなんですか。」

 

 なんて可愛い奴らだ。私に会いたいだなんて。

 

 「じゃあ、僕は行くよ。帰りは君が子供たちを連れってってね。」

 

 ヴァンジャンス副団長は早々と帰っていった。お仕事が大変なんだろう。ヤミとかなんもせんしな基本。

 

 「ねえ!ここの本なんでも読んでいいの?」

 

 ミラが興奮したように聞いてくる。まあ、こんな綺麗で本がいっぱいなところなんて見たことないだろうなこいつは。元ホームレスだし。妹の方もキラキラした目で私を見てくる。お前には期待してないんだがな。でも差別はいけないから優しくしようとは努力している。

 

 「そうだな、私は夜遅くまでここにいるから。必然的にみんなここにいることになるからみんな好きな本を読んでいいよ。ここには魔法の本がいっぱいあるからね。将来騎士団になるみんなにはいい勉強になると思う。」

 

 「本当?じゃあアスタとセラ一緒に最強になれるために凄い本探しに行こうよ!」

 

 「うん、俺は魔法帝になるからな。探しにいく!」

 

 「わ、私も、ま、まって。」

 

 子供たち三人は図書館を駆け抜けていった。しかし、ミラには気を使わせたかな?うまく一人にしてくれた。感謝しないと。それともたまたまかな?アスタも元気よく私の膝から飛び降りていったし、妹はなんとか食いつこうと必死な感じだな。

 

 まあいいか。私もさっさと見つけるぞ!

 

 数時間後

 

 見つかったーー!!

 

 いやー古すぎるからなかなか読みにくかったけどなんとかよめたわ。何でも初代魔法帝とその従者がつくったものらしい。これは期待できる。

 

 これだこれ、魔力を集めて渡すこの魔法道具。これだ。しかし、問題ができた。これ私じゃ作れないわ。封緘魔法とか知らんし。あああああ。こんなところでええ。しかし、この魔法道具作ることに成功したらしいからどこかにあるはずだ。それを探そう。

 

 ふふふふ、私に探せないものなどないのだよ。まあ、それは置いといて。帰るか。

 

 私はアスタ達を見つけて、騎士団アジトに帰ってきた。しっかしミラと妹は本を読んでいたけどアスタお前寝てたな。まあ、可愛かったが。

 

 

 

 

 

 私は明日も有給を取ろうと思う。いや明日だけではなくここ三日間取ろうと思う。さあ、一般市民ども悪いな。

 

 魔力をいただくぜ。

 

 翌日まず私は例の魔法道具を手に入れるためにある魔法使う。

 

 「干渉魔法、連続する探し物」

 

 これは空にあるもの以外ならすべてのものを感知できる魔法だ。私が立っているところを中心に液体が服にしみこんでだんだん輪が広がっていくように冥界の魔力が地続き広がっていく。よして自分の探している形状を感知してくれる。

 

 見つけた。

 

 ネブラは魔法を中断して飛んでいく。今度はヴァンジャンスにどう魔地帯で修業をするといってあるのでアスタ達も来れないだろう。

 

 例の探し物は森の中に草や木の枝などで隠されていた。中々大きいな。私と同じくらいかそれ以上の大きさだなあ。遠目から見たときはそう思っていたが、まじかで見るとふぉそうよりもっと大きい。それくらいに大きな球体であった。使い方は図書館で把握している。

 

 ただ一つ疑問なのはこの魔法道具に誰かの魔力と魔法が施してあることだ。何だろう。まあ消すか。私は干渉魔法を使い。魔法を紐解いていき消し去った。

 

 ここからは変装をしないとだめだな。私は霧魔法霧変身を使い、おばあちゃんの姿になった。よーし行くぞ!まずダイヤモンド王国だ。

 

 本当はクローバー王国もやろうとしたがダメであった。よくよく考えるとしてはいけないことがわかる。自分の国だしね。

 

 さっそく魔法道具を担いでいく。

 

 ダイヤモンド王国で狙うは警備が一番少ない村あたりだ。国境は流石に人がいるので、中間あたりでなおかつ人はいるけどそこそこ連絡が取りづらそうなところを狙う。

 

 さあ、さっそく開始だ。村一体に巨大な魔法陣が現れる。住民からは何か叫んでいる声が聞こえるが置かないなくだ。全部吸い取れ。

 

 悲鳴や叫び声が聞こえる。どんどん魔法道具から魔力が溜まっていく。でもまだ足りない。やはり一般人では魔力が少なすぎる。

 

 もっと他の村に行こう。

 

 次はもっと人が多い街に来た。流石にダイアモンドの戦士たちが来たがそんなこと関係ない。

 

 「アンラ5%」

 

 私の額に小さい角が生える。アンラの力を引き出している時、私はさらに強くなる。空気中の魔を凝縮していき無数の剣を生み出す。魔の剣たちだ。

 

 そしてそれを戦士たちにくし刺しにしていく。どんどん後ろからも戦士たちが来ているがくし刺しにしていく。楽しい。あの日々を思い出す。だから私は魔法騎士が天職だと思う人を殺しても許されるのだから。まあ、今の人殺しは売るされないと思うけどね。

 

 私はまた、町の人たちの魔を魔法道具で吸収した。楽しくなりすぎて他の町も襲撃して必要以上に魔力を吸い取った。

 

 次はスペードだな。

 

 スペード王国でもダイアモンド王国と同じように、魔力を吸い続けていた。しかし、ここは雪が降っているし、とても寒い。こんな国絶対誰もいたくないよな。国土は広いけど人口は絶対にすくないと思う。実際魔力の吸収率あまりよくないし。ここはあんまり意味がないかな。

 

 さっさとハート王国へ向かうことにする。

 

 またもや悲鳴が聞こえる。そんなに魔力が無くなることが恐ろしいのだろうか。笑えてくる。そう考えると主人公は今まで辛い人生だったんだろうか。魔力もなくて親もいない。ああいう性格してなかったら絶対に未来あきらめて腐っているよな普通。そこが魅力的だ。普通とは違うとこがいい。私はアスタのあきらめないところが好きなのだ。

 

 そろそろ魔力が溜まり次の本命の所に行こうとしたその時、大量の水に包まれる。

 

 「マナゾーン+魔言術式、水精霊魔法”巫水戯の聖域”」

 

 魔言術式と呼ばれる輪っかが水を更に増大させマナゾーンでいきなり出現させ更には水の頂点には精霊がいる。どういう現状かそれは私は広い範囲で水に囲まれているという事だ。もっとわかりやすく言うと。空中にたくさんの水が出てきて私が包まれていると思えばいい。っていつか、息しないとおぼれて死ぬ。

 

 干渉魔法を使い、強大な魔法を絡まった糸をほぐすように説いていく。

 

 「ハア、ハア。どこの誰だ。私に魔法を打ってきたやつは。」

 

 「私です。」

 

 声をする方を振り向いてみるとそこには王冠を被りいかに高貴のような服を着た女の子がいた。そして、直ぐに違和感に気付く。この子の腹から冥界の魔力を感じる。何だ?私と一緒か?

 

 「お前悪魔憑きか?腹から匂うぞ。」

 

 王冠の女は凄くうろたえたようにしたように見えた。だが一瞬にしてすぐ威厳のあるたち住まいをしてこう発言した。

 

 「私のお腹のことは関係ありません。貴方は私の民を傷つけました。なのでおとなしく投獄してください。」

 

 「フーン、いやだ。」

 

 「なら、仕方ありませんね。ここでおしまいです。」

 

 この女王の後ろにいる、水の精霊ウィンディーネをみて、話しながらもネブラは感動していた。初めて精霊を見たからだ。

 

 ネブラは女王が攻撃してくる前にたくさんの分身体を作りそれぞれ別の方向へと逃げるようにした。

 

 「まちなさーい!」

 

 女王の顔を見れば怒っていることくらい簡単にわかる。ネブラからしたらもうノルマ達成なのでわざわざ戦う必要がないのだ。いちもくさんにネブラは逃げた。

 

 そして、次は本命の強魔地帯だ。ここはあふれんばかりの魔がある。狂暴すぎるくらいに、そこに住んでいる生物たちから魔力を奪う。

 

 そして、魔法道具がはちきれそうになったくらいで魔力の吸収をやめた。

 

 

 

 

 ネブラは霧魔法を使い魔法道具をみんなに見えなくして魔法騎士団に帰った。勿論変身も解いた。早速ネブラはアスタに奪った魔力を入れるためにアスタがいつも特訓しているアジトの庭に向かった。

 

 「おーい。アスタはいるか?」

 

 「あ、ネブラさん。帰ってきてたんですね。アスタならあそこにいますよ。」

 

 団員が指さす方へ視線をずらすとアスタがスクワットをしていた。その隣ではミラと妹が魔力のコントロール訓練をしていた。

 

 ネブラはアスタの方へ駆け寄る。

 

 「特訓お疲れさまだなアスタ。」

 

 「あ、お母さん。帰ってきたんだね。3日ぶりだね。」

 

 「おう、ばっちりだよ。そういえば強魔地帯でいいもの見つけたんだ。」

 

 「えー何なの?」

 

 「いいから、部屋に戻るぞ。」

 

 強引にアスタを引っ張りながら、アスタと自分の部屋に連れていく。

 

 「じゃじゃーん!!」

 

 ネブラは手を伸ばしひらひらしながら透明な霧を晴らしていく。

 

 そこには、かつてエルフすべての魔力を宿した時以上の輝きを発する大きな球体の魔法道具であった。

 

 「これはね、いろんな生き物から魔力を吸収して。その魔力を別の人にあげることができるんだ。だから、アスタのためにやったんだよ。」

 

 ネブラは知らないが謎の球体をもって暴れまくる老婆のことはクローバー王国でも有名になっていた。魔力を奪う老婆として子癖再指名手配にされていたのだ。そして、目の前にある球体は老婆が持っていた球体に似ていた。

 

 アスタは気付いてしまったがそれでも自分の母親を信じたかった。だから聞いてみたんだ。

 

 「その生物って人は母言ってないよね?」

 

 恐る恐る聞いてみる。その半泣きの上目使いのショタアスタをみてネブラはとてもゾクゾクしていってみたくなったのだ。自分が母親が酷いことをしたことを。主人公であるアスタがどういう反応をするのか。好かれている者に一気に嫌われていくのか。だからネブラは真実を告げる。

 

 「人も含むよ。まずダイヤモンド王国からいって、スペード王国、ハート王国って順にやったんだ。その後はずっと強魔地帯にいたけどね。これもアスタの夢のためなんだよ。魔力は必要だからね。」

 

 アスタは信じていたものに勝手に裏切られた気持ちになった。

 

 「何でそんなことするんだよ!俺は頼んでない!!みんなに返してやってよ!!」

 

 泣きながらさけぶアスタに、ネブラは首をかしげてアスタに言う。

 

 「何で?魔力がないと魔法ができないよ?」

 

 「努力するからいい。」

 

 アスタは涙をぬぐいながら自身の母にそう強く伝える。しかし、ネブラは大きく手を額に当てながらため息をつきかわいそうなものを見るねで言う。

 

 「正直なことを言うよ。アスタには魔力のかけらもない。魔力自体がない。言っている意味がわかる?」

 

 「わかんない…」

 

 「はっきり言うね。障がい者だよアスタは。悪い意味で言っているわではないよ?魔力がない欠陥があるんだよ。これは病気なんだ。仕方がないことだよ。悪いことでもないよ。でも魔力自体がないから魔法騎士団になることも魔法帝になることもないんだよ。いいの?ここで諦めたら慣れないかもしれないんだよ?」

 

 ネブラの発言にアスタはとてつもない衝撃を受ける。そして、ある一つのことを思いつく。震えるように、呟く。俯きながら話したのでネブラからはアスタの表情が分からなかった。

 

 「も、もしかして俺に欠陥があったから、お母さんは俺を捨てたの?」

 

 「そうだよ。」

 

 冷たく透き通るような声でネブラは発言する。ここでの肯定は、別に本心ではない。障害を持っていようがなかろうが「ネブラには関係もないしどちらかというとそういう差別は嫌いだ。

 

 ならなぜ、そうといったのか。それは親に捨てられたアスタの境遇を考えてのことだった。アスタは愛情に飢えている。そこでまた自分の母に捨てられるようなことがあったとしたら。何としても回避したいはすだと。捨てられたくないからこそ。大事にされたいからこそ。相手にとってうれしいことをする。これは至極当然のことだとネブラは思っている。だから言ったのだ。

 

 アスタはプルプルと顔を上げてネブラを見つめる。母の顔は怖かった。捨てられたくない。その気持ちがアスタの良心を超える。

 

 「お母さん、捨てないで」

 

 「なら、魔力を受けてくれるよな。」

 

 「うん。」

 

 その日、アスタは強大な魔力を手にすることになったのだ。

 

 ネブラは、証拠隠滅のためさっさと魔法道具を壊した。

 

 

 

 

 次の日、ネブラが起きると。隣にはアスタがびっしりと引っ付いていた。昨日のあれはやりすぎだったかなと個人的に思った。

 

 捨てられたくないという気持ちが強く離れられなくなっている。そして、ネブラは考えた。主人公が体を鍛えているのには何か理由があるはず。このままではアスタは筋トレをしなくなる。これではいけない。

 

 「おい、アスタ起きろ!」

 

 バシバシと叩いてアスタを起こす。

 

 「う、うーん。何お母さん。」

 

 「走るぞ。」

 

 

 

 

 朝、起きる。昨日は酒を飲みすぎた。頭が痛い。ふと体を起こして窓の外を見てみる。

 

 相変わらずあいつらは体を鍛えている。朝のランニングなんてまんま聞かねえのに頑張ってやがる。将来俺が団を持つことがあったらあいつらをスカウトしたいおもんだ。まあ、あいつがそうはさせねえと思うがな。

 

 そこでヤミはあることに気づく。

 

 あれ?何か増えてね?

 

 そう、見知った顔。毎日見る顔がそこにあった。

 

 「あいつ何してんだ?」

 

 絶対に体を動かさない努力を嫌う貴族気質が強いあいつがどうしてガキたちと一緒になって走っているんだ?わかんねえな。

 

 ツーか、アスタの小僧今まで感じなかったがあのバカでけえ魔力は何だ?母親と同じがそれ以上だぞ。何か怪しいな。

 

 怪しいといえば例の老婆だな。あの老婆クローバー王国だけ襲わなかったことによって、うちが送り込んだ刺客ではないかと言われてるんだが。知らねえよこっちは。

 

 しかし、何か引っかかりやがる。あんなに魔力を集めて何がしたかったんだ?そして何故か俺の感がネブラとアスタに向いている。気のせいだと思いたいぜ。

 

 タバコをふかしながら、窓の外を見ながらヤミはため息をはいた。

 

 

 

 

 

 今年も星果祭の季節になった。みんなお祭りモード。ヤミは何故かふんどし姿だ。しかしまあ、去年と違うのは私の周りにこの子たちがいるからかな?

 

 子供たち三人は屋台で多で物を買ったり、遊んだりしている。私が渡したお小遣いで。楽しそうで何よりだ。

 

 「ユリウス魔法帝だ。」

 

 城からユリウスが出てくる。後ろには団長たちが出てきている。

 

 「今年最多星獲得数はこの団だ。212で灰色の幻鹿!」

 

 歓声が聞こえてくる。アスタもよかったねと声をかけてくる。私はアスタの頭を撫でてあげる。笑顔が可愛い。

 

 その後各々発表されていき、王様と魔法帝のお言葉があり、星果祭は終わりを告げる。

 

 私が帰ろうとしたときにヤミが声をかけてくる。後ろにはヴァンジャンスもいた。

 

 「魔法帝が来いってさ。」

 

 どうやら私は魔法帝に呼ばれたらしい。私だけかと思っていたがヤミとヴァンジャンスも呼ばれていたらしい。

 

 私は子供たちを団員に託し、ヤミとヴァンジャンスと共に魔法帝の所へ向かう。

 

 コンコン

 

 ヤミがドアを叩くと

 

 「どうぞ。」

 

 と魔法帝の声が聞こえた。三人は中に入り、手を折り曲げて胸に当てる。

 

 「楽にしていいよ。」

 

 自然体に戻る。

 

 「それで、話って何ですかい?」

 

 「そろそろ、君たちを自分たちの団を持ってもいいころだと思ってね。」

 

 三人は驚いたようなリアクションをする。中でも一番驚いていたのは意外にもヤミだった。

 

 「いいんですかい?よそもんの俺を団長何かにしてしまって。」

 

 「いいんだよ。実績があればね。アンラにしてもそうさ。君はたくさんの星を取っているね?騎士団を持つには十分さ。勿論ヴァンジャンスも。」

 

 魔法帝はにこやかな表情でそう伝える。

 

 「ヤミとヴァンジャンスには新しい団を立ててほしんだけど、そうすると灰色の幻鹿に団長がいなくなるだろ?だからアンラにお願いしたいのさ。」

 

 「なるほど、魔法帝に命じられたならば喜んでお受けするのみ。」

 

 ネブラは固い表情硬い口調で話す。

 

 「もっと楽にしていいんだけどね。」

 

 困った表情で頬をポリポリ書きながら魔法帝は言った。そして視線を変え、ヤミとヴァンジャンスに向かって話す。

 

 「二人は団の名前とか決めたかい?」

 

 「私は金色の夜明けで。」

 

 「俺は黒の暴牛。」

 

 二人は凛々しい顔でまっすぐ魔法帝の顔を見て答えた。魔法帝は嬉しそうに、

 

 「うんうん、とってもいいね名前だね。君たちにぴったりだよ。」

 

 こうして新たに三人の団長が生まれたのであった。

 

 

 

 

 

 「アンラ団長!」「アンラ団長!」「アンラ団長!」「アンラ団長!」「アンラ団長!」

 

 

 みんなが私のことを団長というのでうれしい限りだ。毎回うれしさのあまり顔がとろけそうになるので必死に我慢する。その顔がとても怖いらしいのだが。アスタ曰く。

 

 今何をしているのかというとアスタの魔力コントロールの訓練だ。アスタの魔力はとても大きいものでただの魔力弾でもとても破壊力のあるものになってしまっている。おかげでアスタと訓練するときは誰もいない荒野か強魔地帯だ。強魔地帯では私もマナゾーンを早く習得するためにマナスキンで修業をしている。アスタも一緒にね。

 

 「アスタ。もっと威力を抑えるんだ。このままでは周りにも被害が出るぞ。せっかくいろんな人からもらった力なんだ。ちゃんと使いこなせるようにならないと。それが責任ってもんだ。」

 

 「分かってる。お母さん。俺お母さんのために頑張るよ。」

 

 「母さんのためじゃないだろ?自分の夢のために頑張りなさい。」

 

 「…うん。」

 

 アスタが魔力弾を打つ。まだ駄目だな。どこの孫悟空だよ。かめはめ波バリに巨大なビームが手から出ている。少し調子に乗って魔力を集めすぎたのかもしれない。なんて言う事だ。まあ、贅沢な悩みか。

 

 「アスタ、わかった。威力は下げなくていい。その代わり圧縮できるか?力を圧縮して小さくするんだ。ほらこうやって、ぎゅって感じで。」

 

 「…」

 

 そんな目で見るな私は感覚タイプなんだ教えるには向いていない。

 

 「アスタは全身で思いっきり力んでいるからダメなんだよ。もっと自然体で、でも集中は切らさない。人差し指から糸が流れる感覚で撃ってみたら?」

 

 隣にいたミラの発言通りにアスタは人差し指を出して魔力弾を出す。すると人差し指から人差し指くらいの幅の魔力弾というよりビームが出た。その威力はすさまじく、山を削っている。

 

 「うん、魔力コントロールはミラに任せた方がよさそうだ。」

 

 「私に任せてください!!」

 

 笑顔で胸を張るミラ。もう直ぐ魔導書がもらえる年齢だ。少し大きくなったなとおもう。ミラが試験に来たてもし何かミスをしても絶対にうちの団に入れる。

 

 最近よくヤミがきて、勧誘しているからな気を付けないと。

 

 ふと隣を見ると妹の表情が暗い。

 

 「どうしたんだ?」

 

 私が声をかけるとあわててすぐに話し出す。

 

 「い、いえ。何でもないです。ただ、二人とも凄いなって。私だけいつも置いてけぼり。私も二人みたいに魔法騎士団になりたいから、どうしても心配なんです。なれなかったらっどうしようって。」

 

 何だそんなことか。確かに二人と比べたら才能はない。というか普通にない。しかし、いつもいた三人の中で自分だけが選ばれないとかなんかかわいそうなので期待はしてないが騎士団のテストに来たら私の団に入れてあげようと思う。

 

 「心配するな。私の団に入れてあげるさ。」

 

 「何でですか?」

 

 「お姉ちゃんが入れたのに自分だけはいれないなんてかわいそうだろ?」

 

 妹は俯いて

 

 「そ、そうですよね。」

 

 といってどこかへ走っていった。

 

 まあ、いいか。

 

 

 

 

 

 

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