艦隊これくしょん 鋼鉄の水平線で ~ウィルキア解放軍、艦これ世界を征く~   作:R.H.N

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色々更新が停滞してるなか、リハビリを兼ねて作ったプロットが仮組上がりしたので投稿です。



運命の舵輪、再び

 

……【ウィルキア王国、シェルドハーフェン近海】

 

 

 

 

 

 

「……………艦長、まもなく観艦式予定海域に入ります」

 

「何とか間に合いましたね……速度このままで、提督、これより観艦式予定海域に入ります」

 

「よし、予定にはまだ早い、時間の余裕はあるからこのままの調子で頼む」

 

「了解していますよっと………!?!?!?!?提督!ノイズ反応前方!!」

 

「何!?」

 

「艦長!前方より高エネルギー反応!」

 

 

 

 

「艦長!ノイズ反応が増幅してゆきます!」

 

「これはまさか……取り舵一杯!反転180℃、緊急回頭!!」

 

「了解!取り舵一杯!!」

 

「提督!前方に空間の歪みが!!」

 

「高エネルギー反応さらに増大!ノイズ量観測可能限界値を突破!」

 

「ノイズ反応、更に極大化して行きます!」

 

「前方より高エネルギー体視認!」

 

「……………………………何だ?何なんだ…………………あの光は………………?」

 

「先行していた護衛戦艦ヴァルキリー、エネルギー体に取り込まれた模様!」

 

「緊急回避急いでください!巻き込まれ…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その昔の話。

 

シベリア東部に存在する小国家「ウィルキア王国」。

 

今のウィルキアから遥か遠く、北欧圏からデーン系部族、「ヴィルク族」が大陸を横断し、アムール川流域に定住し始めることから始まり、長い永い、紆余曲折を経てユーラシア大陸の東部沿岸部とカムチャッカ半島、樺太を国土として、一度併合されたロシアから独立、成立した王政国家である。

 

 

 

この小国は、クリミア戦争に際して起こった独立戦争、そして独立後にロシアが再併合を狙って引き起こされた「漆露戦争」と称される王国成立初期の戦争、第一次世界大戦とも称される「欧州大戦」を経て日、独、英を中心に強固な同盟関係を結んでいたが、1939年3月25日、当時行われていたウィルキア王国国防軍と同国近衛軍による総合大演習中に突如、国防軍議長「フリードリヒ・ヴァイセンベルガー」大将らによるクーデターが勃発、クーデター勢力は瞬く間にウィルキア王国首都機能を奪取し、そのあまりの規模により近衛軍は国王一族と政府首脳を連れてウィルキアを脱出、事実上ウィルキアを占領した王国反乱軍は、自らウィルキア帝国を名乗って世界侵略を宣言し、長きに渡る戦乱ーーーーー後に【第二次世界大戦】とも【超技術戦争】とも、【超兵器戦争】とも呼ばれる戦いを繰り広げることになった。

 

 

 

その戦いにおいて、ウィルキア帝国からの祖国奪還を目的として、クーデター時に脱出したウィルキア近衛海軍、帝国の侵略を真っ先に受けた結果近衛海軍と同様に帝国軍に反発し、とある理由から国の皇太子とその末妹にあたる皇女子を連れ祖国を脱出して実質的に祖国を二つに割るのを覚悟で近衛海軍と行動を共にした一部の日本海軍将校達。

 

 

その他アメリカ、イギリス、ドイツ等ウィルキア帝国の侵略に反発し、抗戦の道を選んだ世界各国からの志願者等によって構成された「ウィルキア解放軍」は、最終的には帝国が世界侵略の為に放った「超兵器」と呼ばれる規格外の兵器群などに四苦八苦、七転八倒しながらもこれを討ち果たし、ウィルキア帝国の野望を潰えさせることに成功するのだが、この解放軍によるウィルキア帝国打倒において特に主要な役割を果たしたとある艦隊が存在した。

 

 

あまたもの帝国海軍を打ち破り、そして帝国の繰り出す数々の超兵器を撃破していった艦隊、【ウィルキア解放軍第零遊撃艦隊】………この艦隊を人々は「鋼鉄の艦隊」(くろがねのかんたい)と呼んだ……。

 

 

そしてその艦隊を率いるその男の名は「ライナルト・シュルツ」

 

クーデター当時、海軍大学を卒業したてのエリート将校であった彼と、その旗下の艦隊は、大戦の初期から解放軍の主力…いや、中枢を担い、超高速巡洋戦艦「ヴィルベルヴィント」を撃沈して解放軍初の超兵器撃沈を果たしてからは、欧州、地中海、太平洋等を股にかけて対帝国軍、そして対「超兵器」の最前線に常にいた人物である。

 

 

彼は初期からの部下であり、後に彼と結婚することとなる「ナギ」少尉や、後に【クラウス・ヴァイセンベルガーの贖罪】と呼ばれる演説によって一躍有名になる副官「クラウス・ヴェルナー」中尉、対超兵器研究の第一人者として、そして解放軍付き戦術補佐官として大戦に大いに関わる「エルネスティーネ・ブラウン」ドイツ共和国軍技術大尉、祖国の同胞と戦うことに苦悩しながらも、艦隊参謀長として教え子でもあるシュルツ達を導いた「筑波貴繁」特務大尉らの【初期メンバー】

 

 

大戦初期の【ハワイ沖海戦】時に超兵器の猛威を真っ先に受け、座乗していた艦隊司令も、艦長も、母港も、そして僚艦すらも只一度で全て失い、僅かばかりの乗組員と生き残りの艦載機パイロット達と副長と共に満身創痍にてその戦いの米艦隊ただ唯一の生き残りとなった航空母艦【エンタープライズ】と、共に出撃した上官が皆死に絶え、そんな中超兵器の脅威を目の当たりにして身も心もボロボロになりつつも生還し、それでも今のままではダメだと未熟な己を奮い立たせ、祖国と解放軍上層部に涙ながらに直談判してまで解放軍と道を共にすると決め、第零遊撃艦隊、ひいては解放軍その物の戦略、作戦立案の中枢に佇むことになる時のエンタープライズ副長にして後の解放軍第零遊撃艦隊航空、企画参謀【ロレッタ・アークライト】大尉(戦中、少佐に昇進)。

 

 

シュルツ達の日本脱出に合わさって日本を脱出した皇太子らを護衛しつつ、当時の乗艦である練習特務空母【龍飛】の航空隊で脱出直前に包囲されたシュルツ達を救出し、以降帝国からの祖国解放を誓ってシュルツ達と道を同じくすることを決め、解放軍にあまりにも足りなかった何もかもを少しずつ充実させる役割を担い、祖国解放の過程で起きた幾つもの悲劇と闘い続けながら最終的には解放軍の技術の粋を集めた傑作戦艦の一つ、戦艦【空亡】で解放軍を前線と後方の両面から支え続けた時の正規空母【龍飛】艦長にして後の解放軍第零遊撃艦隊後方、作戦参謀【蒼井 創一(あおい そういち)】少佐ら【参謀陣】

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてそんな彼らと道を共にしたのは当時の米海軍最新鋭高速戦艦「ルイジアナ」や元スカパ・フロー防衛艦隊旗艦「インフレキシブル」、ドイツ共和国海軍潜水艦「U-513」等々の世界各国からかき集められた様々な艦艇の数々と個性的な各国の船乗り達。

 

そんな、反帝国の各国から集まった国際色豊かな艦隊を率いて幾つもの「超兵器」を撃破し、最終的には【究極超兵器】と呼ばれた艦「フィンブルウィンデル」を米海軍の修復超兵器「ワールウィンド」、等と共に撃破することで、その戦いを終息させたのである。

 

これは、そんな彼らの物語が一つの終わりを迎えて、おおよそ10年ほどがたったある日を始まりとする物語である……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(…………………とく…)

 

 

「………うーん……」

 

 

(………提督)

 

 

「………」

 

 

「……提督!しっかりしてください!提督!」

 

 

「( ゚д゚)ハッ!!?……ここはいったい?」

 

 

「やっとお気づきになりましたか?」

 

 

「……ナギ少佐?これは一体…?」

 

 

「私も先程起きたばかりで詳しくは……」

 

 

 

「そうか…そうだよな、しかし、取り敢えず一言言わせてくれ………【何故我々はこんなに小さく】…………?」

 

 

 

 

あの戦い…正確にはそれからも数年の間は超兵器との縁が残っていたシュルツであったが、彼は今、かつての仲間達と共に、あの戦いとは別の、新たなる「鋼鉄の使命」に立ち向かおうとしていたのである……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、【運命の舵輪は再び】…………

 

 




キャラクター紹介

【ライナルト・シュルツ】38歳

ウィルキア近衛海軍少佐→ウィルキア解放軍少佐→ウィルキア統合海軍少将。第零遊撃艦隊司令

ウォーシップガンナー2 鋼鉄の咆哮、及び移植版のウォーシップガンナー2ボータプルの主人公。

この世界では原作とは全然違う道のりを辿ったものの、なんやかんやあって戦後ナギと結婚、近衛海軍と元帝国軍とを統合し再編された【ウィルキア統合海軍】において超兵器戦争時に率いた【第零遊撃艦隊】を再編した【ウィルキア統合海軍第零遊撃艦隊】の艦隊司令となり、階級も戦後10年の間に少将まで昇進。

超兵器戦争の余波で起こった段階飛ばしの超速技術革新によって拙いながらも変化してゆく世界を守り、未来へと世界を繋げていこうと思いつつ、軍務に励む傍ら世界の変化をつぶさに調べ続けていた。

また、戦争が非対称戦に移りつつあるのを見越してもおり、議会に対して非対称戦の研究と、それに伴う対テロ特殊部隊の設立を進言したりするなど、その極めて優れた見識と能力は未だに衰えを見せていないようである。










因みに余談だがこの世界のシュルツ達はさも当然のように【エクストラステージ】も通っており、さらにメタれば、ほんへもエクストラステージも原作とは違ってモリモリマシマシエベレストと化して一応原作よりも修羅場をより潜ってる事になっている。

そして、原作よりも功績が凄いのに少将なのには、あまりにもしょうもない事情が存在しているが、その件を当人は本気で黒歴史認定しているとの事。



因みに後のウォーシップガンナー世界の人物(オリキャラ含む)は、共通してこちらの世界に来た際に超兵器戦争当時の姿に若返りを起こしている。


…ただしその上で妖精さんになっているが。

【ナギ・シュルツ】33歳

ウィルキア近衛海軍少尉→ウィルキア解放軍少尉→ウィルキア統合海軍少佐、及び第零遊撃艦隊旗艦「シュヴァンブルグ」艦長

クーデター当時からシュルツと共に超兵器戦争を駆け抜けた解放軍通信士、この世界では戦中から一貫して名前の方で呼ばれていた他、戦後シュルツと結婚している。

近衛海軍時代から戦中に渡り、「シュルツいるところにナギあり」と言わんばかりに常にシュルツ座乗艦の通信士を担い、さらに航海士やらなにやらのマルチな才能を発揮した上に副長不調時などに副長代理をこなし、挙げ句の果てにエクストラステージで艦長代行すら一時的にやってのけた事実に目をつけられた結果、戦後数年の後に艦長になるための教育のために士官学校に無理矢理送られ、課程修了後即座にかつての主な配属先であったシュルツの基本的な座乗艦、戦艦「シュヴァンブルグ」の艦長にされ、夫と同じ職場に送られる事となっていた。

因みに小学生の双子の娘がいる二児の母、近年は共に仕事で忙しいこともあって、二人をシュルツの後輩夫妻に預けており、それでも時間を作っては娘に会いに行っていた。

本作では戦後10周年を記念して当時の各国関係者や当時現役だった艦を中心に、戦後に建造された艦艇や戦後に活躍し始めたシュルツ達にとっての次の世代の海軍軍人の面々も集めて、シェルドハーフェン沖に一同に会さして開かれた国連主導の大観艦式が始まる直前、突然発生したノイズとその発生源から放たれた謎のエネルギー反応による光に飲み込まれ、物語の始まりへと至る。




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