女性死神協会。
それは女性死神の地位向上のために結成された、尸魂界の公認協会である。
決議された事項は中央四十六室の運営にも影響を与えるという影の権力組織である。
最も、このような組織になったのは100年以上も後になってからであり、当時は完全に幹部格の女性死神の井戸端会議場のようになっていた。朽木邸を秘密のアジトにしている。
理事長・
ほぼこの人の発言により行事が最終決定される。協会のドン。
会長・
おしゃべり、仕事をサボる目的で参加。実際は協会とかどうでもいい。
副会長・
利権を貪る目的で参加。普段なら食べられないお菓子目当て。
理事・
砕蜂に誘われて渋々参加。朽木邸での会合のみ参加している。
理事・
夜一を独り占めするために参加。欲求を満たしている。
理事・
瀞霊廷通信に対する影響力を持つためおはぎを交換条件に参加させられた。
理事・
ひよ里に誘われて参加。みんなのかーちゃん的役割。
・
八番隊新人隊士。読書会をしていたリサに誘われて参加。
この中では一番真面目。
などのメンバーで構成されており、今回は秋の旅行についての議題が上がっていた。
「つーわけや。秋にどっか行きたいトコある奴は挙手!」
「は~い!お月見してお団子たくさん食べた~い!みたらしがいいな~!」
「アホ!お月見の時期はもう過ぎとるで!次!」
「海に行きたいです!あぁ・・・夜一様の水着姿を想像するだけで・・・。」
「却下や!夏にせぇボケ!」
白と砕蜂の自分勝手な意見をリサとひよ里が却下した後に、夜一の意見から話は動き出した。
「儂は山に行きたいのう。」
「夜一様!それでは夜一様の美しいカラダを私は見られないではないか・・・。」
「何じゃ砕蜂、いちいちうるさいのう。」
「お、山ならええんとちゃうか?リサ。」
「せやな。七緒もおるしなるべく尸魂界の中がええんやが・・・。」
場所をどこにしようかと考えていたところで、卯ノ花の一声が上がった。
「でしたら瀞霊廷の外におすすめの場所を知っていますよ。もう少しで紅葉狩りの季節ですしその時期にみなさんで遠足に出かけましょう。」
こうして女性死神協会の秋季旅行は紅葉狩りを行うことになった。
ちなみに会議後、白哉がアジトを見つけてしまい激昂したため、新たに朽木邸を改造する費用が必要になったという。
「何で俺たちも行かなきゃならねぇんだよ・・・!」
「だって九番隊の皆にこのこと喋ったら写真撮ってきてって言われたもん!瀞霊廷通信に載せたいって言われたら断れないよ!」
「だからって何で俺と隼人が行かなきゃならねぇんだ!衛島とかいるだろ!」
「みんな瀞霊廷通信で忙しいんですぅ~~~!そんなこともわからないの~~~?」
苛立ちを抑えられない拳西は無理やりにでも隼人を連れて帰ろうとした。
「おい隼人!帰る・・・。」
だが、隼人はひよ里とリサによって完全に餌付けされていた。
「高級菓子持っとるから行くかって聞いたら行くって即答したで。」
「何一人で意地張っとんねん。ウチらは隼人連れてくで~。」
「折角ですし行きましょうよ。拳西さんもたまにはこういうことで心が落ち着くかもしれませんし・・・。」
もう呆れるしかなく、仕方なく隼人の保護者としてついていくことにした。
最近九番隊第五席に
その際現世の技術をたくさん採用したため仕事の効率化に成功したものの、元々の仕事量は以前よりも圧倒的に増え、結局忙しくなっていたのだ。
今回の紅葉狩りもネタとして使えると判断した衛島が、拳西に写真を撮ってくるように頼んだためにこの場に行くこととなった。
「つーかこの写真を撮る機械も使い方よくわかんねぇしよ。何だってこんな遊びに・・・!」
「六車隊長。その機械を貸していただけませんか?」
「あぁ?夜一の腰巾着か。一応隊の物だから壊すんじゃねぇぞ。俺も使い方よくわかんねぇから勝手にやってろ。」
「ありがとうございます!」
正直自分が持っていたって何にも役に立たないので、若いヤツに渡した方が使いこなせるだろうと思い、彼女に渡すことにした。
一方、カメラを貰った砕蜂は邪な思いをしっかりと膨らませていた。
(これは千載一遇の機会だ!この機械があれば夜一様のあんな姿やこんな姿を記録に・・・はぁぁ何て幸せ!!)
とにかく夜一の写真を撮りまくっていたのだが、興奮で鼻息を荒くしてしまったため、案の定夜一に見抜かれ取り上げられてしまった。
「おい砕蜂、お主がやろうとしておることなぞ儂には分かりきっておるぞ。」
「あぁ夜一様!そんなぁ!!私の計画が・・・。」
「ほれ、そこの新入り。お主に写真を任せてもよいかの?」
「あっ・・・はい!お役目、しっかり果たさせていただきます!」
「そう畏まらんでいいぞ。」
結局カメラは七緒に渡り、紅葉や美しい景色、楽しむ女性死神などのたくさんの写真が撮れた。
しばらく進み、紅葉の絶景スポットにようやくたどり着いた。
「うわ~!すごいですね・・・。拳西さんもここ知ってました?」
「いや知らねぇな。でもこういうのもたまにはいいもんだな。」
「やっぱそうですよね!瀞霊廷だと絶対見られないものが見れて何かすごい・・・。」
一面の紅葉に二人とも目を奪われた。さすが卯ノ花隊長おすすめの場所である。
他の者達も皆景色をみて驚嘆していた。
「やっぱ綺麗やな~。殺伐とした日々に対するええ清涼剤や。」
「ひよ里ちゃんも楽しんでるようでアタシは嬉しいよ!」
「せやな~!ハゲ真子もおらんしホンマに最高や~~!!」
「ね~ご飯食べようよ~~。」
「そうですね。そろそろ昼食にいたしましょう。」
開けた場所に敷物をいくつか敷き、休憩がてら昼食をとることにした。
昼食は今回も曳舟自慢の重箱であった。潤沢な経費をここに投入したため高級な食材がふんだんに使われており、ひよ里と白は目を輝かせていた。
「女の子だからって遠慮しちゃダメだよ。いっぱい食べていっぱい運動すればそれが一番健康なんだから!」
「は~~~~い!!!!」
「白は遠慮しろよ・・・。」
卵焼き、唐揚げなどみんなが食べられるものばかり入っていたので、好き嫌いに困ることは無かった。
だが、そのせいで軽く戦場と化していた。
「おいリサ!ウチの卵焼き何勝手に食べとんねん!」
「アホ!!知るか!!ひよ里には枝豆がお似合いや!」
「何やとォ!!」
「唐揚げも~らいっ!!」
「あ~~~!!白もやりおったなぁぁぁぁ!!!」
副隊長三人がしのぎを削っている中、砕蜂は夜一のためにおかずを取っていた。
「夜一様。こちらをどうぞお召し上がり下さい。」
「おうすまんの。じゃがもうちょっと欲しいのう。お主の分が無いじゃろ。」
「ご・・・ごごごごご一緒してよろしいのですか!!!???」
「構わんぞ。ほれ、さっさと持ってこんか!」
砕蜂がまた一人で舞い上がっている中、流れに置いて行かれた七緒は、女性隊長二人と共にのんびりと食べていた。
「伊勢さんは護廷十三隊に入ってどうですか?」
「はっ・・・はい!毎日一生懸命頑張っています!」
「鬼道衆に入りたかったんでしょ?大変じゃないかい?ここにいるときなら何でも相談に乗ってあげられるからたくさん相談してね!」
「あっありがとうございます!光栄です!」
女性たちが様々に楽しんでいる中、男二人は完全に紅葉より団子状態であった。
わざわざ自分たち用にこっそり追加で弁当を持ってきていた。
何だかんだいって拳西は仕事よりはマシと考え、行く気満々だったのである。
「ひや~~。ひゃっはりほういうほほろではべるほはんはひいへふね!(いや~~。やっぱりこういうところで食べるご飯はいいですね!)」
「飯食いながら喋るな!行儀悪りぃぞ!」
「だって拳西さんものすごい勢いで食べてますもん。僕の分無くなっちゃいますよ。」
「こういう時は早い者勝ちなんだよ!お前もたくさん食え!」
「えぇ~~~・・・。(意外とひよ里ちゃんたちと変わんないのかな・・・。)」
一応景色にも意識を向けていた隼人に対し、完全に拳西は食い意地を張っていた。まぁ家でも大食漢の拳西がこういう場で食い意地を張るのは予想がついたが。
そして隠れているものを見たがる女のせいでまた酷い目にあってしまった。
「おい拳西!なにアタシ達に内緒でそんなに弁当持ってきとんねん!水臭いやっちゃな~!アタシらも一緒に食うで!」
「やべぇ!バレちまった!急いで食うぞ!!」
「わっ四人ともすごい食い意地!」
「黙っとき!アタシらに弁当あるのちょーらかしおって!許さん!!!!」
こっそり持ち込んでいた弁当の存在がリサにばれてしまい、あっという間に三人のモンスターに食い荒らされてしまった。
明らかに残りだけで男性5人分はあると思われる弁当を副隊長三人で30分かからずに完食した。一体胃袋どうなっているんだ。
「ふひ~~~美味しかった~~~。」
「お前らは食いすぎだ!さすがに太っても知らんぞ・・・。」
「おい拳西!ウチら乙女に何つー失礼なこと言うとんねん!」
「乙女ってひよ里ちゃん・・・。そんな性格じゃないでしょ。」
隼人のからかいに対しひよ里が反応しようとしたものの、いかんせん食べ過ぎてしまった。
「やから何遍も・・・うっ・・・食いすぎた・・・。」
「おっ落ち着いて下さい!とにかく横になりましょう!」
「済まんなぁ助かるわ七緒・・・。」
身長に合わない食べ方をして具合が悪くなっている者がいる中、またも卯ノ花の一声で記念撮影をすることになった。
「ひよ里ちゃん・・・。大丈夫かい?」
「隊長・・・すんません。でも隊長と一緒に写真撮りたいからウチ頑張るわ・・・。」
「何か・・・すごい画ですね・・・。」
真面目な七緒がちょっと引いていたが、準備は着々と進んだ。
七緒を中心にして横に砕蜂と副隊長が座り、隊長三人は後ろに立った。
あくまでも女性死神協会の紅葉狩りなので、男二人は暗黙の了解で撮影者側に回った。
「撮るぞーーー!」
カシャ、という音とともに、一面の紅葉をバックにした女性死神協会の写真が撮れた。
そのままカメラを渡して帰ろうとしたが、白が二人の写真を撮ると言い、また駄々をこね始めた。
「だってせっかく二人も来たんだよ!思い出だよ!絶対二人で写真撮るの~~~!!!」
「別に男二人の写真なんて需要もねぇしいいだろ。」
「たしかにお二人だけ写真が無いのもあまり感心しませんねぇ。家族写真ということでどうでしょう?」
「いいんじゃないかい?アタシが撮ってあげるよ!」
女性隊長二人の有無を言わせない進言もあり、仕方なく二人で写真を撮ることにした。
「こういうときってどんな顔すればいいんでしょうかね。」
「特に気にすんな。普通にしてろ。」
「はぁ。」
といい普通の顔をしていると、カメラを構えた曳舟に怒られてしまった。
「何そんな仏頂面をしているんだい!いい加減にしなよ!二人とも笑顔じゃないとダメだよ!」
「堅苦しいのう。ならば儂が隼坊をくすぐってやろう!ほれっ!!」
砕蜂が『夜一様に・・・くすぐられる・・・!?』と一瞬驚愕の表情をしていたが、夜一にくすぐられた隼人は我慢できず爆笑してしまった。
そのおかげかは分からないが、リラックスできた隼人はちゃんと笑顔で写真に映ることができた。
拳西も最初に比べるとどうにかなったのだろう。曳舟は「すごくいい写真が撮れたよ!」と満足そうにしていた。
一人だけはまたまた嫉妬に狂って殺意のこもった視線を隼人にぶつけていたが。
瀞霊廷に着いた後に、何故か待ち構えていた京楽に出会った。
「あれ~~~!!!六車クンと隼人クンなんでリサちゃんたちと一緒にいるの~~!!ずるいよ~~~!!!」
「瀞霊廷通信の写真撮ってこいって言われたからついていっただけだぞ・・・。」
「女の子たちと戯れて羨ましいな~!ボクも行くって言ったらリサちゃんに断られちゃったんだよね~。いけず~。」
悪びれもせず不満をたらたらと述べる京楽に、リサはいつもの如く叱った。
「当たり前や!アンタが来たら酒呑んでどんちゃん騒ぎ!紅葉もへったくれもなくなるやろ!!」
「そうですね。それに京楽隊長はお酒の席で女性隊士にいやらしい迷惑行為をしたという噂を聞きましたよ。」
卯ノ花からとんでもない爆弾を落とされた京楽は冷や汗を垂らして顔を青ざめ、一気に劣勢に立たされることになってしまった。
「えっ・・・ちょっとそんなことあるわけないじゃないですか卯ノ花隊長・・・え・・・あれ・・・リサちゃん・・・?それに曳舟隊長も・・・?ちょっと待ってちょっと待って・・・。美しい女性の皆さんそんなボクを蔑んだ目で見ないでよ・・・。」
内容が内容だ、リサや卯ノ花はともかく、曳舟、夜一、砕蜂、白、ひよ里に加え、新人の七緒にすら軽蔑の眼差しを向けられてしまった。
「ちょっとそんなぁ・・・!!キミ!八番隊新人の伊勢・・・七緒ちゃんだよね!ボク若い女の子の名前はすぐ覚えちゃうから知ってるよ!キミならボクは悪くないってわかってくれるかな!?」
声をかけられた七緒は目を伏せてしまった。ある意味で火に油を注ぐ発言をする精神に男二人は呆れを通り越して何も言えなくなった。
これで頼みの綱は残りの男性陣だけだ。
「そんな~~~!!もうこうなったら六車クンと隼人クンしか頼れないよ~~!!ボクを助けて~~~!!!」
できることなら助けてやりたかったが、巻き込まれるのは御免だったので、申し訳ないが見捨てることにした。
「自業自得だな・・・。」
「京楽さん・・・。達者で。」
「縛道の六十二 百歩欄干!」
「縛道の六十三 鎖条鎖縛!」
卯ノ花と曳舟の縛道で捕らえられた京楽は、美女たちからの洗礼を受けた。
京楽は苦痛で叫びつつ、女性隊士からの容赦のない攻撃にすら恍惚の表情を浮かべて「アハァン!幸せーーーーーー!!!!!!」とも叫んでおり、さらに彼女たちの攻撃に拍車がしまい危うく意識を失いかけたという。
ちなみに彼女たちが無表情でひたすら攻撃していた様子を横で見ていた男二人は、
「本気で女を怒らせたらこうなるぞ・・・。」
「拳西さんより怖い・・・・・・。」
あまりの女性陣の容赦のなさにドン引きしていた。それでも「シ・ア・ワ・セ・・・。」と呟いた京楽の強心臓にはさらに引いた。
翌日。
写真が出来上がったと白に伝えられ、見に行ってみると、色鮮やかな紅葉が見事に雑誌映えしそうな雰囲気であった。
その中にあった拳西と二人で撮った写真で、隼人はとても驚かされることになった。
隼人が笑っている隣で、あの普段眉間に皺を寄せた拳西がニッと笑って写真に映っていたのだ。
白がこの写真を見てとても嬉しそうにしていた。
「二人ともいい笑顔だね!昨日の写真で一番いい写真だって協会の皆も言ってたよ!」
「何か拳西さんこんな顔するんですね・・・。」
「そりゃあ俺だってたまには笑うぞ。」
「だったらいつもそんな感じでいればいいじゃないですか。仏頂面だと女性に人気出ませんよ。」
「余計なことを言うのはどの口だ・・・!」
また頬を引っ張られ痛かったが、この写真がどうしても欲しかった隼人は東仙にお願いしてもう一枚刷ってもらった。
東仙に話を聞くと、この写真も雑誌の中に使いたいと言っていたので、喜んで承諾した。
その見返りのような感じで、彼は木製の写真立てをくれた。
「よければこの写真立てを使って飾るといいよ。」
「ありがとうございます東仙さん!」
帰ってから自分の部屋の勉強机に二人の写真を飾った。
小さな勉強机に初めて拳西との思い出のものが置かれ、言葉にならないほど嬉しかった。
110年前も女性死神協会あってほしいなって思って書いてみました!
相変わらずスケベな京楽さん・・・。