「何者だ貴様!成敗し「辛れぇ。」「ぶぐぅっ。」
「ひっ!美濃部八席が一撃で!!「辛れぇ!」「ぼがおっ。」
「怯むな!!相手がどんな奴でも逃げてはなら「辛れぇ!!!」「があっ!!」
「あーーーー!!!マジ辛れぇわほんと!!弱っちい雑魚共をスライムみたいにプチプチプチプチ殺すのなんてよぉ!!」
自身の能力強化のため、ドリスコールは死神の集まっていた黒陵門付近に突如現れ死神一般隊士の殺戮を行っている所だった。
100人程度殺しているのだが、感覚が麻痺しているからか未だに殺し足りなかった。
「こんなんじゃ、おれの能力も上がってく気しねえなあほんと!その癖うじゃうじゃ出てきやがる。」
力も無いくせに数だけ多く出てくるため、より一層苛立ちが募る。
「こうなったら、一掃してやっかぁ!!」
神聖滅矢を取り出し、すぐさま構えを取る。
「来るぞ!!皆構えろ!攻撃が終わったらその隙を縫って反撃だ!」
「はぁ?」
「反撃なんて、させるわけねえだろ!!」
同時に何十、いや、何百もの矢を発射し、ドリスコールの前に集まった30人程の死神は、全員なす術もなく殺されてしまう。
辺り一面血の海になろうと、まだ足りない様子を見せていた。
「ちっ。一掃したらしたで敵全然来ねえじゃねえか。だったらこの辺一体爆発でもさせて・・・おっとぉ!」
危うく不意打ちを喰らう所だった。
飛廉脚を使って何とか躱したものの、タイミングが悪ければ当たっていただろう。
(雷・・・。誰だ・・・?)
そこに現れたのは、一番隊副隊長・雀部長次郎忠息。
副官章の存在を目にし、ドリスコールは彼の実力を把握する。
「やっと強そうな奴が来たぜ。雑魚を何人も殺すのは疲れるんだよ。」
その言葉を受け、雀部は解号を唱えずに始解を展開する。
力の特性上最も得意な鬼道の雷吼炮では躱されたため、ここからは斬魄刀の力で雷を放つ。
「おいおい!名乗りもせずに急に攻撃たぁ、芸が無いなあ!!」
「賊に名乗る名など無い。大人しく散るがいい。」
斬魄刀・
次に放つ雷撃の槍は、まさに光の速さと言っても過言ではない程の速度を持ち、威力も天然の雷に違わないものだった。
対するドリスコールは、寸での所で躱すも左足にだけ当たってしまう。
「ぐっ!」
「これしきで油断などせぬ!」
追撃の手は決して緩めない。
先ほどの雷撃の速度に匹敵するのではと見間違うほどの瞬歩で、雀部はドリスコールの前に移動する。
今度は、まるで一護の月牙天衝を模したかのような刃の動かし方をし、自身の霊圧と電撃を混ぜた、極大な刃を斬魄刀から放った。
対するドリスコールも、迎撃の構えを見せる。
神聖滅矢を出し、自身の現在持ちうる最大の霊力を使って、数百もの矢を同時に放った。
「これであんたの刃も「甘いぞ。」
(!!)
既に、雀部はドリスコールの隣に来ていた。
速すぎる。いくら何でも行動速度が並の死神、いや、隊長格をも優に超えているのだ。
その隙を縫って、雀部は全身から雷撃の槍を持ちうる力全て使って飛ばし、至近距離でドリスコールに当てた。
雷撃をまともに受けたドリスコールはそのまま吹っ飛び、近くの建物に直撃し、余波で生まれた風圧だけで周囲の建物が軽く爆発した。
「ふむ・・・。爆発が起きた以上、説明が必要になってしまうな・・・。」
余裕を言葉尻に滲ませつつも、決して雀部は油断しない。
理由は簡単。
相手の男に少しでも油断した場合、一瞬で命を取られることを既に理解していたからだ。
今の一連の敵の行動から、相手の男が滅却師であることは長年の経験から簡単に推測出来た。
神聖滅矢、飛廉脚。そして僅かに見えた
これだけの情報から、相手が滅却師であると確証付けるには十分な証拠があった。
一方、地に墜ちたドリスコールは。
「くそっ!くそっ!!くそがああああああああ!!!!!!!!もっと殺してやる!もっと殺して強くなって!!」
「あの副隊長をブチ殺してやる!!!!」
地に墜ちた自分の情けない姿が信じられず、さらに隊長ではなく副隊長にボコボコにやられるというこの上ない屈辱を味わうことになり、怒りが収まらずにいた。
そして、その宣言をした直後、丁度一般隊士の増援が門付近に集まってきた。
あまりにもいいタイミングに、思わず笑みが零れた。
「最高だ!!最高だぜ!!このタイミングで雑魚どもが来てくれるなんてよぉ!!!」
すぐに神聖滅矢を構え、大量の矢を雑兵達に余すことなく打ち込む。
矢が当たり、命を奪っていくにつれて、どんどん力が漲ってくる。
それと同時に、先ほど受けた傷も回復していくのを感じていた。
殺すごとに強くなるその能力は、殺すごとに霊圧を媒介にして自身の傷、霊力を回復することも出来る代物であった。
体の回復を実感したドリスコールは、再び空中に飛び、副隊長の前に姿を現した。
(!)
戻ってきた滅却師の男を見た雀部は、動揺を隠せずにいた。
先ほど負わせた傷が回復しているどころか、
その動揺を見逃さなかったドリスコールは、雀部に匹敵する速度で距離を詰めた。
「驚いただろう?俺の動きに!!」
「っ!!」
瞬時に雀部は雷撃で応戦するも、滅却師の耐久力が上昇しているからか、僅かに腕を焦げ付かせることしか出来なかった。
出力を更に上げる必要がある。
そしてその時、腕に謎の文様が浮かび上がっているのを確認した。
(あれは・・・身体強化の一種か・・・?)
雀部が攻撃した際には、青い文様が体中に浮かび上がっており、逆に滅却師側が攻撃する際には、赤い文様が体中に浮かび上がっているのだ。
ともかく、このような手段を取っていることはチャンスとも言える。
攻撃の隙を縫ってこちらが攻撃をすれば、恐らく致命傷を与えられる。
わざわざ防御のために身体強化を行っているならば、攻撃の際防御が弱まることだろうと雀部は短時間で推測する。
だが。
(敵の行動が速すぎる・・・!)
傷の回復と共に全体的な膂力も飛躍的に上昇しており、先回りするには全力の瞬歩を行う必要があるのだ。
雀部も本気を出せば、夜一に引けを取らない瞬歩を展開することが出来るには出来るが、そうした場合どうしても攻撃が弱まってしまう。
そして攻撃を弱めた場合、間違いなくこちらが不利に回ってしまう。
西洋剣を構える雀部は、霊力の中心を攻撃に回すしかなかったのだ。
剣から放つ幾重もの雷撃の槍は、
躱せるものはどんどん躱していき、厳しいものは神聖弓矢で打ち払っていく。
「あんたの動き、遅えなあ!!!」
(!)
雀部の攻撃の隙を縫って一瞬で距離を詰めたドリスコールは、雀部の頭を鷲掴みにして地面へと投げつけた。雀部が雷撃で叩き落した時よりも威力が大きく、恐らく瀞霊廷中に衝撃音が響き渡っただろう。
投げつけた先では衝撃波で土煙が立ち込めるものの、構わずドリスコールはそのまま最大速度で降りていき、足で踏みつけようとした。
しかし気配を感じた雀部はまだ意識を保っており、寸での所で躱し剣から雷撃を放つ。
「そんなとっさの雷なんてちんけな技、今のおれに通用しねえよ!!」
(!)
攻撃は最大の防御。静血装を展開せず、むしろ迎撃で相手の攻撃を防ぐ。
あらかじめ準備していた、それも、
「ぐっ・・・!はぁっ・・・。はぁっ・・・。」
「おいおい、まだ生きてんのかよ。副隊長の割にはしっかりしてんじゃねえか。」
「ここまでとは・・・。」
戦闘開始時は終始圧倒していたと言ってもおかしくなかったのに、今の段階では完全にこちらが押されている。
滅却師
一体何が起きているのか、雀部には分からなかった。
「俺の陛下から授かった
「陛下とは一体・・・誰だ・・・!それに、滅却師が・・・!何故そのような力を・・・!」
「ちっ喋りすぎたか。」
あまり死神に手掛かりを残さぬように、とハッシュヴァルトから言われていたため、これ以上喋ることは控える。
そもそも自分の力について説明すること自体かなり危険なのだが、相手が致命傷を負っている時点で結局殺してしまうので問題ないだろう。
「まあいい。あんたは俺みたいに自分で回復することも出来なさそうだしな。死んだも同然だ。」
「そうか・・・。確かに、
「あぁ?」
違和感を抱くドリスコールを言葉であしらい、雀部は膝立ちでも限界の中気力を振り絞って立ち上がる。
「だが、元柳斎殿の前に、貴様のような賊を通すわけにはいかぬ・・・!」
「へぇ、それはあんたが死んでもか?」
「貴様のような賊軍を元柳斎殿の前に通すならば、私は死しても構わぬ!!!」
「卍解!! 『
天高く剣を掲げて雷を空中に放ち、楕円状の金色の霊子が空中に形成される。
そこから上空に一条の雷の帯、地上に向かって十一条の雷の帯が形成された。
掌の動作を見たと同時に、ドリスコールは飛廉脚を使って一瞬で躱す。
元居た場所は、跡形もなく大穴が空いていた。
むしろ、
今日イチの満面の醜悪な笑みを浮かべたドリスコールは、ポケットからある小道具を取り出す。
メダリオン。
ドリスコールにとっては指三本で掴めるような小さな道具が、
雀部も滅却師が出したその道具を見て一瞬警戒を強めるものの、時すでに遅し。
発動したその道具は、雀部から
「卍解が・・・!奪われた!!!」
瞬時に状況を理解するも、異常事態に動揺を隠しきれない。
その硬直のせいで、次の行動に移すことが出来なかった。
動血装全開の神聖滅矢への対応が出来ず、再び幾重もの矢で体中を穿たれる。
この時点で、雀部の意識は既に朦朧としていた。
苦しみの言葉も発することが出来ず、矢で体に穴を開けられた状態で体を空中に投げ飛ばされる。
「じゃ、これで総隊長の許まで送ってってやるぜ!!」
両手を使って巨大な矢を形成し、空中に打ちあがった雀部に向かって矢を高速で投げつけて直撃し、雀部はそのまま一番隊舎まで磔にされることになってしまった。
今回宣戦布告の意味合いでドリスコールは巨大な矢を一番隊舎までわざわざ投げつけたのだが、実際今戦った男が総隊長の部下だと知ったのは、
Wiki等ではドリスコールの神聖滅矢をあの巨大な矢で定義していましたが、本作ではあの巨大な矢は聖文字の力で生み出す別物の矢と解釈し、神聖滅矢はリルトットなど他の滅却師と同様に普通の弓矢にしています。
雀部さん、描写も無く突然あんな瀕死で出てきたので初めて読んだ時はびっくりしました。
それと、今回微妙に時系列をずらしています。
原作では宣戦布告からかなり早いスピードで尸魂界侵攻が始まっており、初めて読んだ時は正直自分で読んでいて訳分からなくなってしまいました。虚圏や現世が夜なのに尸魂界は昼だったりと、多分断界でのズレが加味されているのでしょうが、一護たち現世組がほぼ不眠不休状態に見えてしまったので、最初の尸魂界侵攻までは少々ゆったりした形で進めることにしました。
あと、投稿前にハイリッヒ・プファイルの漢字表記の間違いを発見したため修正したのですが、見落としがあれば誤字報告お願いします。
時差ボケって、この世界でもあるのかな・・・?