ヒーローに助けられた者のお話   作:気まぐれプリンセス

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開戦!

「それでは・・・はじめ!!!!」

 

 

鬼道主任の合図と共に貴族の少年は隼人を簡易的に拘束することにした。

 

 

「縛道の四 這縄(はいなわ)!!」

 

 

彼の手から放たれた黄色い縄状の霊子がうねりながら進んでいき、見事に隼人の腕に絡みついた。

こうなれば決まったも同然だ。全身を縄でぎゅうぎゅうに縛られることとなり、無防備となった隼人は見るからに焦っているように見えた。

 

その隼人の焦りに乗じ、さらなる追い込みをかけることにした。

 

最初の縛道による拘束はあくまでも保険程度であったので、次は破道を使ってより強く相手を動けなくさせることにした。最適な破道は、

 

 

「破道の十二 伏火(ふしび)!!」

 

蜘蛛の巣状に張り巡らせた霊圧から拘束と攻撃を同時に行い、完全に動きを封じる。

これも決まった。

 

 

「ぐぁあああああああああ!!!!!!!!!!!」

 

 

情けない悲鳴を上げている姿が滑稽だった。

だがそれでも彼は油断しなかった。さらに追い詰め、屈服させてやる。

 

霊圧の網に搦められた隼人に、おあつらえの鬼道を打ち込んでやった。

 

 

「破道の十一 綴雷電(つづりらいでん)!!」

 

物質に沿って電撃を放つ鬼道は特にこのタイミングで適している。

さらに、この破道は電流が伝う長さが長いほど威力が増すのだ。

網状の道全てを伝ったあとの電流はひとたまりもない。

 

 

「がっ・・・ぁぁぁぁぁぁあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!!」

 

 

全身に電流が流れ、麻痺しているはずだ。

 

普通なら十分勝ったといえる戦いだが、完膚なきまでに潰すためには最後の仕上げが必要だ。

彼の一番の得意技、完全詠唱の蒼火墜だ。

喰らった相手はひとたまりもないはずだ。何度も岩に当て練習し、何度も岩を打ち抜いてきたのだ。

 

人に向けて当てたことはないが、喰らえば深手を負うのは必定。

無様に倒れ、皆の前で哀れな姿を見せつけ嗤われるのがお似合いだ。

遂に憎い口囃子隼人を打ち倒せると思うと自然と詠唱にも力が入った。

 

 

「君臨者よ 血肉の仮面・万象・羽搏き・ヒトの名を冠す者よ

真理と節制 罪知らぬ夢の壁に僅かに爪を立てよ!!!!」

 

 

貴族の少年は全身全霊の力をこめて叫び、己の霊力をありったけこめた。

 

 

「破道の三十三 蒼火墜(そうかつい)!!!!!!」

 

 

放たれた蒼火墜は一回生の平均的な実力を余裕で凌ぎ、四回生に匹敵する力で放たれていた。

 

 

隼人のいた場所に巻き起こる爆発。

全身痺れていた状態で当たったため、ダメージは大きいはずだ。

きっと今頃全身煤だらけで倒れ込み、自分に全く歯が立たず泣いているかもしれない。

何て愉快だ。何て面白いのだ。

 

抑えられなくなった嗤いが溢れ出してしまった。

 

 

「ふっふっふ・・・ふははははははははははは!!!!!!!!!!あぁなんて面白いのだ!!六車拳西に拾われた男がこんな情けない姿を晒してるとは!!!!特進学級にいる者が得意分野で格下の院生に歯が立たないとはなぁ!!!!!!それに・・・。」

 

 

貴族の少年はさらに隼人を陥れるための究極の言葉を授けた。

 

 

「六車拳西も見る目が無いものだ。いや、あんな隊長もどきの実力しかない男に拾われた時点で貴様の力もたかが知れたものだと思うがなぁ!!!!!!!ふははははははははは!!!!!!」

 

 

これで隼人の精神は壊れたはずだ。鬼道で隼人の体を完膚なきまでに壊し、自らの罵倒で精神を破壊する。

最高のシナリオを実現させ、無残な人形となった隼人を見届けるつもりでいた。

しかし。

 

 

 

爆心地には()()()()()()

 

 

(何だと・・・!おかしい・・・私の全力でも人を木っ端微塵には出来ないはずだ・・・。)

 

どこだ・・・どこにいる・・・!四方八方を探しても見つからず本気で殺してしまったかと思っていたが、そんなに簡単にはいかなかった。

 

後ろから発射された遠距離からの光線。

彼は寸での所で躱したが、威力、速度共に霊術院生の為せる域を超えていた。

 

 

「やりますね。今の白雷をかわすとは。」

 

 

だがそれ以上に信じられないのが隼人の身なりであった。

 

 

無傷。

 

 

手応えはあった。確実に自分の鬼道でダメージを与えている感覚があった。

演習の何倍も力を込めて全ての鬼道を発動させた。

綿密に計画を立てて己の十八番ともいえる蒼火墜をしっかり当てた。

 

それでも目の前の少年は傷一つ無かったのだ。

 

 

「理解できませんか?僕に傷一つ無いのが。」

 

 

理解などできるものか。

自分が今まで必死に鍛錬してきたものをあしらわれた。

わざと丁寧な言葉で語りかけてくるのがこれまた癪に障る。

 

あの日と同じようにまた自らの誇りを打ち砕いてきた少年に、憎悪を抑えることなど出来なかった。

 

 

「俺の鬼道をあしらっただと・・・!!!!自惚れるな流魂街の貧民の分際で!!!!隊長に取り入って媚を売っていた卑しいネズミが!!!!殺す!!!殺してやる!!!!いやただ殺すだけでは済まさん!!!!醜い死体を六車拳西の家の前に投げ出してあの男を絶望させてやる!!!貴様の信じた男に貴様の哀れで惨めで情けない無様な姿を見せつけてやる!!!!!!

散在する獣の骨!! 尖塔・紅晶・鋼鉄の車輪 動けば風 止まれば空 槍打つ音色が虚城に満ちる!!!!!!」

 

 

扱ったことすらない六十番台の鬼道を使うが、この際自爆しても構わない。たとえこの少年が死んでも自分は貴族だ。下級であっても自分の血筋を求める者は多数いる。跡取りは自分しかいないので

自分が重症を負っても両親は何としても自分を助けるはずだ。貴族専用の真央施薬院に連れて行ってもらえば助かる。

 

自爆覚悟で全身全霊の力をこめ、技名を叫んだ。

 

 

「破道の六十三!!雷吼炮(らいこうほう)!!!!」

 

 

決まった。初めて繰り出したが制御も完璧。さらに威力、速度も自身の扱う鬼道のなかで最高峰であることが実感できた。

 

今度こそあの少年は死ぬ。院生なら躱せるはずもないし、防ぐことだって出来ないはずだ。

 

だが相手の少年はさらに一枚上手だった。

 

 

「縛道の三十九 円閘扇(えんこうせん)

 

少年の生み出した鬼道の盾は自身を覆う程度の物。

くらべて貴族の少年が繰り出した雷の波動は自身の体格を優に超える物。

見るからに盾は貧弱な物だった。

 

それなのに。

 

盾に己の鬼道が当たった瞬間、自身の鬼道は四散してしまった。

 

こんなにも実力差があるのか。

無理だ。勝てない。

 

今までの自信が揺らぎ始めた瞬間、流魂街の少年の逆襲が始まった。

 

 

 

 

 

 

試験前にしっかり浅打に願掛けをした後、鬼道主任の号令がかかった。

 

「それでは・・・はじめ!!!!」

 

さあ相手はどんな搦め手を仕掛けてくるかと思ったが、相手の行動パターンはよりによって隼人が一番最初に対処法を思いついた造作のないものであった。

 

縛道を使った拘束から、鬼道を組み込んで攻撃する戦術。

それも拘束に使う縛道は一桁の物ばかり。

 

おいおいこれで鬼道得意って噂が流れたのかよと呆れた隼人は、早速相手の目を騙す作戦に移した。

 

 

まずは相手の縛道を全く同じ自分の縛道で相殺する。

大分前に夜一に教えてもらった『反鬼相殺』がこんな形で役に立った。

それも締め付けられているように見せるため、相手の縛道の内側から外に力を放つ形で発動させた。

 

そしてこの手の拘束を好む者が次に繰り出す鬼道は容易に想像がついた。

 

 

「破道の十二 伏火!!」

 

 

テンプレートすぎる鬼道の流れだ。教本にも書いてある。お前は教本通りにしか戦術派生できないのか。

 

そしてこの技の威力も隼人にとっては大したことの無いものであり、さらに自分の縛道『這縄』の外に放つ力で相殺可能なものであった。

 

だからこそ、このまま耐えるのは芸がないと思い、適当に叫んで苦しむ演技をしたのだ。

 

 

「ぐぁあああああああああ!!!!!!!!!!!」

 

 

こうでもしとけば油断するだろと考えたが、見事に相手は引っかかってしまった。

 

その後の綴雷電も想定内で、同じように適当に叫んでやったが、驚いたのは三十番台破道を完全詠唱したにも関わらず、威力があまりにも低いことだった。

 

40年前くらいに初めて隼人が蒼火墜を放ったときの威力よりも低くみえたのだ。

これで鬼道が得意?笑わせてくれる。

こんな実力なら本気を出すまでもないと思い、態勢を立て直すため曲光(きょっこう)で一旦身を隠したが、その後の彼は隼人にとって聞き捨てならない言葉を放った。

 

 

「六車拳西も見る目が無いものだ。いや、あんな隊長もどきの実力しかない男に拾われた時点で貴様の力もたかが知れたものだと思うがなぁ!!!!!!!ふははははははははは!!!!!!」

 

 

前言撤回。もうブチギレてしまった。

この際自分を馬鹿にすることは許すつもりだったが、絶大な信頼を寄せる拳西まで罵倒するとは。

 

許すものか。しばらく使い物にならないくらいの深手を負わせてやる。

 

そして挨拶程度に白雷を放ち、姿を見せただけであいつは何だか凄い憤っていた。

何て言ってるか聞き取れなかったが、死体を家に置き六車拳西を絶望させてやると言っていたのだけ聞き取れた。

 

そこから放った鬼道は六十番台のものだと推察できた。

だが初めて扱ったのだろう。形だけ放ったもので中身は全くなく、ボロボロの鬼道であった。

 

これも縛道で防いた。

 

相手の姿を見ると、口をわなわなと震わせ、愕然とした様子。

万策尽きたかなと思った所で、遂に隼人は攻撃を始めた。

 

 

()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「じゃあ今度はこっちから行くよ!縛道の六十一 六杖光牢(りくじょうこうろう)!」

 

 

詠唱破棄で六十番台の縛道の発動。威力も拘束のスピードも平均的な死神の力に匹敵する。

この段階で隼人の実力は院生のレベルを超えていたのだ。

瞬歩を持たない貴族の少年が逃げられるはずもなく、なす術もなく捕まってしまった。

 

 

「まだまだ行くぜ!!!破道の五十四 廃炎(はいえん)!!」

 

 

片手を振り払って放った円盤状の炎は先ほどの縛道よりスピードは遅いものの、その分威力を上げるように調整し、先ほどの縛道すら焼き尽くすほどのものに調整した。

 

縛道にすら対処できない者がこの破道を躱せるはずもなく、あっという間に全身炎に包まれていた。

 

 

「うぁっああああああああああああああ!!!!!!!!!」

 

 

きっとここで普通なら止めるが、さっき相手が止めなかったので自分も止めなかった。

昨日稽古をつけてもらって完成した隼人のとっておきの技をようやく披露することとなった。

 

 

「まずは・・・破道の十二 伏火」

 

 

本来蜘蛛の巣状に網を張り巡らせ、相手を攻撃する破道であるが、今回隼人はそれを()()()()()()

そして先ほどの貴族の少年のように『綴雷電』を網状に放った。

彼と違うのは、綴雷電の威力が痺れをもたらす程度ものではなく、感電死する程度の強烈な威力で放ったことだ。

 

 

「破道の十一 綴雷電!」

 

 

地中に張り巡らせた網を伝った電流が隼人の周囲に流れ、電気の生み出す力で岩など全てが大小の瓦礫となった。

 

 

「もうわかるよね?僕が何する気か。数字数え終わる前に当てたら攻撃止めてあげるよ。」

「がぁっ・・・ぐあぁぁっ・・・・・・。」

「五・・・四・・・三・・・二・・・一・・・。」

闐嵐(てんらん)・・・か・・・・・・?」

 

貴族の少年は炎で焼かれて倒れ込み、ボロボロになった状態で必死に考えたのだろう。そこだけは褒めてやった。

 

 

「その状態で考えられるだけいっか。」

 

 

だが先ほどの言葉を覚えている隼人は相手を徹底的に壊すために容赦しなかった。

 

 

「でもざんねーーーーーーーーん!!!!!!!は・ず・れ・でーーーーーす!!!!!!!お前意外と頭悪りぃんだな!!!というわけで正解はこちら。」

 

 

隼人の頭上に先ほど生み出した無数の瓦礫が渦を巻いて浮き上がっていた。

 

 

「正解は綴雷電と大地転踊(だいちてんよう)の合わせ技!!綴雷電の高圧電流が生み出した磁力を使って瓦礫の中の砂鉄を引き寄せて大地転踊で扱える瓦礫の数を増やしましたーーー!!!って言っても仕組みはよく分かってないんだけどね・・・。」

 

 

昨日四楓院邸に浦原喜助と握菱鉄裁がいると情報を得たので、お願いをし臨時で鬼道の鍛錬に付き添ってもらった。

事情を知った浦原からは、実験のような感じで新たな鬼道を作り上げましょうと提案され、鉄裁の協力の下実験に成功したのがこの鬼道であった。

 

要するにこの技は、握菱鉄裁の鬼道の技術と、浦原喜助の科学力が組み合わさったオリジナル鬼道。

 

 

「覚悟しろよ!!!貴族のクソ野郎がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

「やめろ・・・やめろ・・・!!!うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」

 

 

無数の瓦礫による攻撃をボロボロの少年がかわせるはずもなく、大ダメージを与えることができた。

意識だけははっきりと残っているが、もう身体を動かすことは出来ない。

あえてその状態にした隼人は、彼の顔の前でしゃがんで話しかけ、精神を根本から壊すことにした。

これこそ隼人が一番にやりたかった復讐である。

 

 

「あのさぁ・・・。鬼道が得意とか噂で聞いたんだけどさ、三十番台詠唱破棄であれは無いと思うよ。40年前くらいに初めて教えられた時の僕のやつより明らかに完成度低いし。あんなんでよく自慢できるね。貴族失格だよ。」

 

貴族失格。

突きつけられたその言葉に煤だらけでボロボロの少年は怯えていたが、それすらも滑稽に見えた隼人はさらに追い詰めた。

 

 

「あと気付いた?君とほとんど同じパターンで攻撃したの。それも君よりも格上の鬼道を全部詠唱破棄で。まぁ最後は浦原さんと鉄裁さんに教えてもらったんだけどね。」

「また・・・ずるしやがったな・・・貴様・・・・・・!!」

「えっ・・・ずるなの?」

 

 

何を言ってるんだこいつは。

自分の横暴を棚に上げて人のことをずるだと批判するとは。

あまりにも馬鹿で可笑しすぎてもう笑うしかなかった。

 

 

「ふふっ・・・あっははははははは!!!!!へぇーーー今さら僕のことずるいって言うんだ。人の教本壊しといて?ロッカーも壊してたよね?あと草履も捨ててたっけ?他人の教育の妨害をする自分の行動のどこがずるじゃないの?ねぇ教えてよ。どこが?どのへんが?」

 

 

狂気を孕んだ隼人の笑顔に震撼し、何も言えない少年に対し今までとは違い明らかな怒りを込めて糾弾した。

 

 

「言えねぇよなぁ!!!!テメェは権力を武器にしといて対抗するために僕が人脈を武器にしたらずるいってありえねぇだろーが!!!!雑魚のクセにいつもいつも権限使って嫌がらせしてきてよぉ!!!!テメェの方が圧倒的にせこいことしてんじゃねぇか!!!!!あぁ!?」

 

 

怯えて震えている少年に対し、さらに畳みかけた。

 

 

「あとそんな雑魚でクソみてぇな性格してるくせに拳西さん馬鹿にできるとかすげぇわ。なぁもっかい言って見ろよ何だっけ?『あんな隊長もどきの実力しかない男』だったっけか?あぁ!?いいから言ってみろよほら言ってみろよ!!!!・・・・・・結局言えねぇじゃねぇかよバァーーーーーーカ!!!!!!!」

「ひっひぃっ・・・ぁぁぁぁぁああああああああああ!!!!!!」

 

凄まじいほどの顔芸で怒鳴ったために貴族の少年は全身を震わせて情けなく口をパクパクさせている。

最後の断末魔の叫びの後、恐怖で気を失った少年は失禁し、口から泡を吹いていた。

 

これでしばらくは嫌がらせも収まるだろう。

そして戦っている最中は気付かなかったが、瓦礫を使ったせいで演習場はなかなかに酷い有様だった。

 

こりゃ怒られても仕方がないな・・・。と思ったが、思わぬ人物が拍手をしながら演習場に現れた。

 

「素晴らしい・・・。口囃子君がここまでの実力を持っているとは僕は知らなかったよ。」

「藍染さん!?どうしてここに・・・。」

「今度霊術院で鬼道の臨時講師をすることになって、皆の今の実力を視察しに来たんだ。」

「はぁ・・・。」

 

 

霊術院でも人気の五番隊副隊長が現れたことにより、明らかに場が色めき立っていた。

女子生徒が皆ざわざわと騒ぎ興奮しているが、隼人は個人的に貴族を相当痛めつけたため、まずい瞬間をみられてしまったところだ。

 

(やばい確かこの人も貴族出身じゃなかったっけ・・・?)

 

もう見られてしまった以上どうしようもないので謝ることにした。

 

 

「ごめんなさい!!いくら試験とはいえこんなに貴族を痛めつけて・・・何かまずそうですかね・・・。」

「いや、大丈夫。彼は試験後に蛆虫の巣に入れられるからね。」

「えっ?」

 

 

なぜ蛆虫の巣に入れられなければならないのか。いくら嫌がらせをしたとしてもそれはやりすぎではないかと思ったが、藍染は明確な答えを示した。

 

 

「彼は試験中とはいえ明確に君に殺意を示した。それだけでも十分だがそれに加えて彼の日々の行いは霊術院の間でも悪い評判になっていたんだよ。君に嫌がらせをしていると聞いた六車隊長も何度も怒っていたよ。僕も理解に苦しんだからね。・・・実は貴族の間では醜聞をもたらす子どもは一族にとって恥でしかないんだ。だから蛆虫の巣には貴族出身の者も少なからずいるんだよ。」

「そ・・・そうなんですね・・・。」

 

貴族の世界もまた不思議なものだ。

 

だが、これで陰湿な嫌がらせは収まってくるだろう。

もちろん他の貴族は蛆虫の巣に入るわけではないから嫌がらせと付き合っていかないといけないが、大将がいなくなるだけで大分マシだ。

 

 

直接対決は隼人の完全勝利で終わることになった。

 

 

 

 

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